アプリケーション層を計画する (Project Server 2010)

 

適用先: Project Server 2010

トピックの最終更新日: 2010-04-07

Microsoft Enterprise Project Management (EPM) ソリューションのアプリケーション層には、以下のコンポーネントが含まれます。

  • SharePoint Server 2010

  • Project Server 2010

  • Project Server Interface

  • Project Server 2010 Events Service

  • Project Server 2010 Queue Service

  • Exchange Server

  • その他のアプリケーション (以下で説明します)

SharePoint Server 2010

Microsoft Project Server 2010 には、Microsoft SharePoint Server 2010 Enterprise Edition が必要です。SharePoint Server 2010 自体に多数の機能があるので、SharePoint Server 2010 の展開は注意深く計画する必要があります。SharePoint Server 2010 の展開を計画する方法については、「SharePoint Server 2010 の計画とアーキテクチャ」を参照してください。

Project Server 2010

Microsoft Project Server 2010 は、Microsoft Enterprise Project Management (EPM) ソリューションの中心的コンポーネントです。Project Server 2010 は、さまざまなクライアント アプリケーション、Microsoft Windows Server プラットフォーム、および Microsoft SQL Server 2005 または 2008 と統合される、堅牢で拡張性の高い Web ベースのサーバー アプリケーションです。

Project Server 2010 サービスは、SharePoint Server 2010 ファーム内の 1 つ以上のアプリケーション サーバーで実行できます。Project Server 2010 は、Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 を実行していて SharePoint Server 2010 Enterprise Edition がインストールされているコンピューターでサポートされます。

Project Server Interface

Project Server Interface は、Project Server 2010 のアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) です。Project Server Interface オブジェクト モデルは、Project Server 2010 の機能をすべての外部アプリケーションに公開します。Microsoft Project Professional 2010、Microsoft Project Web App、基幹業務 (LOB) アプリケーション、およびその他のサードパーティ製アプリケーションは、Project Server Interface (PSI) を使用して、下書きデータベース、発行済みデータベース、およびアーカイブ データベースに保存されている Project Server 2010 データにアクセスします。PSI は、バックエンドの基幹業務 (LOB) アプリケーションからの Web サービス呼び出し、またはユーザー インターフェイスを持つクライアント アプリケーションの Project Server Interface プロキシを介して、使用できます。

Project Server 2010 Events Service

システムレベルの Project Server 2010 Events Service は、Project Server 2010 のイベントを管理します。他のアプリケーションは、Project Server 2010 のプレイベントとポストイベントをサブスクライブでき、Project Web App を使用してイベント ハンドラー メソッドを登録できます。イベント ハンドラーでは、プレイベントでビジネス ルールを検査して操作を取り消したり、ポストイベント (ProjectPublished など) でワークフローなどの付加的処理を実行して Project Server 2010 を拡張したりできます。

Project Server 2010 Queue Service

システムレベルの Microsoft Project Server 2010 Queue Service では、以下のように 2 つの Project Server 2010 キューが動作します。

  • 重いピーク負荷を管理するために、タイムシート キューがタイムシートと進捗レポートの送信と更新を処理します。

  • 保存と発行キューは、実行中のプロジェクトの下書きデータベースへの新規保存と増分保存を管理し、プロジェクトの発行 (プロジェクトを下書きデータベースから発行済みデータベースに移動) も管理します。

Exchange Server

Exchange Server の統合によって、Project Server 2010 のユーザーが Project Server のタスクを Microsoft Office Outlook に表示できるようになります。この機能は、以前のバージョンの Project Server の Outlook アドインで提供されていた、時間単位以外のタスクの状態管理機能に代わる機能です。

Exchange の統合を構成するには、Project Server 管理者が Exchange Server のインスタンスへのアクセスを許可し、Exchange 管理者が Project Server ファーム管理者アカウントに Exchange へのアクセス権を付与する必要があります。

その他のアプリケーション

サードパーティ製アプリケーションと基幹業務 (LOB) アプリケーションを、Project Server 2010 と共に使用できます。Project Server Interface を使用することによって、これらのアプリケーションで多くのプロジェクト管理ニーズに対応できます。以下にシナリオの例を示します。

  • プロジェクト提案   プロジェクトの開始時にプレースホルダー プロジェクトを作成し、プロジェクト ユーザー設定フィールドを使用して、開始と承認のプロセスに必要な情報をプロジェクトにタグ付けします。主要なマイルストーンや成果物に対するプロジェクト フェーズを特定するためのタスクを追加します。プロジェクト提案は承認されると、Project Professional 2010 を使用して管理される、大規模なプロジェクトへと発展します。

  • 保守プロジェクト   リソース計画と共に使用するプレースホルダー プロジェクトを作成します。リソースに対する保守作業または基本業務用の時間を確保または予約します。通常、保守プロジェクトはタスクを持っていません。

  • 財務プロジェクト   財務システムとの統合用にタイムシートを使用して、時間取得のためのプロジェクトを作成します。財務システムのコスト ブレークダウン ストラクチャを反映した、財務コードの階層用のタスクを作成します。これらのプロジェクトには、スケジュールや実績の更新は必要ありません。

  • プロジェクト会計システムとの統合   財務システムと課金システムに入力し、予算を比較する目的のために、プロジェクトに関連するリソース コストと経費を取得します。システム間のタスク、リソース、および割り当てを同期化します。あるシステムのタイムシート データを取得して、他のタイムシート データに入力します (使用するタイムシートは、組織または個別のプロジェクトのニーズによって決まります)。

  • 作業管理システムまたはタスク管理システムとの統合   Project Server 2010 と Microsoft Visual Studio Team System などのシステムの間でタスクと割り当てを同期します。Microsoft Visual Studio Team System は Microsoft Project Standard 2010 および Project Professional 2010 と統合されますが、Project Server 2010 と統合するには、PSI を使用してコンポーネントを開発する必要があります。

  • チーム メンバーによるプロセスの更新   アクティブに管理されていないプロジェクトについて、チーム メンバーからの進捗およびその他の変更に関する情報を使用して、サーバー上で自動的に更新されるようにします。プロジェクト管理者が結果を見直したり、計画を調整したりしなくても、プロジェクトを更新したり、再発行したりできます。