Project Server VME: 移行後のタスクを実行する

移行が正常に行われたことを確認する

移行フェーズで移行ツールが実行された 3 つの各インスタンス中に (検証、エンタープライズ グローバル データの移行、プロジェクトの移行)、移行ツールのコマンド ライン表示または移行ログを参照し、移行が正常に行われたことを確認します。いずれかの時点で移行ツールが失敗している場合は、移行ログ ファイルの内容を参照し、エラーに関する詳細な情報を調べます。修正を加え、更新されたデータを VME にインポートし、移行ツールを再度実行します。

修正できない問題がある場合は、VME 仮想マシンのイメージを元の構成に復元し、Project Server 2003 データベースをインポートして復元してから、移行を再度試みます。イメージが最初に復元されるときに、Hyper-V マネージャーによって VME 仮想マシンのスナップショットが自動的に取得されます。このスナップショット ("As Shipped" という名前が付けられます) を再度適用すると、VME を元の状態に復元できます。

移行プロセスが正常に終了したら、以下のテストを実行し、データが Office Project Server 2007 に正しく移行されたことを確認します。

• プロジェクト データを確認する: 移行したプロジェクトを Project Professional 2007 で開く、プロジェクトを変更する、エンタープライズ リソースを追加する、プロジェクトを発行する、進捗の更新を承諾するなどの操作を行います。VME には Microsoft Office Project Professional 2007 が含まれています。

• **Project Web Access データを確認する:**Office Project Web Access を開いてデータに接続します。タイムシートの記入、提案の作成などの操作ができることを確認します。

ニーズに応じて移行チェック リストを作成し、移行後に各チェック項目をテストすることを強くお勧めします。

移行したサーバーの設定を更新する

すべての種類のデータを Project Server 2003 から Office Project Server 2007 に移行できるわけではありません (「Project Server 2007 に移行できないデータ」を参照してください)。このため、Office Project Server 2007 のすべてのサーバー設定を見直し、それらが適切かどうかを確認することをお勧めします。具体的には、次の設定を見直す必要があります。

• **セキュリティ設定:**Office Project Server 2007 で新たに導入されたセキュリティ権限 (グローバルおよびカテゴリ) がいくつかあります。これらの権限は移行されない場合があります。個々の権限を確認して、ユーザーにその権限を与えるかどうかを判断する必要があります。詳細については、「Office Project Server 2007 のセキュリティと保護」を参照してください。

• Project Web Access のビューの定義: [フィルター] および [グループ化] の句は Project Server 2003 から移行されません。これらの句は必要に応じて作成し直してください。また、Office Project Web Access のビューの一部のフィールドも移行されません。移行後のビューで、重要なすべてのフィールドが利用できることを確認してください。

• 類似しているセキュリティ グループ、セキュリティ カテゴリ、セキュリティ テンプレート、および Project Web Access のビューの定義の結合および名前変更: セキュリティ テンプレート、ビューの定義、またはセキュリティ グループやセキュリティ カテゴリに関係する名前の競合が移行中に発生した場合は、移行ツールによって競合する名前に接頭辞または接尾辞が付加されます。この処理は、Office Project Server 2007 のエンティティと Project Server 2003 のエンティティの両方を 1 つのシステムに保持するために行われます。その後、必要に応じて、どちらのエンティティを残すかを選択することも、両者を結合することもできます。エンド ユーザーが混乱しないように、名前の競合を解決することをお勧めします。

Project Server 2007 のフォームベース認証ストアを使用して、移行したフォーム認証ユーザーを同期する

この手順は、移行したフォーム認証ユーザーが Office Project Server 2007 で機能することを確認するために必要です。詳細については、「Project Server 2007 で SQL メンバーシップ プロバイダ フォーム認証を構成する」を参照してください。

プロジェクト ワークスペースの準備の設定を確認する

Office Project Server 2007 では、[サーバー設定] の [プロジェクト ワークスペースの準備の設定] ページの [自動準備] オプションが、移行ツールによって [各プロジェクトのワークスペースを手動で作成する] にリセットされます。この設定により、これから移行されるプロジェクトにワークスペースが既に存在する場合に、ワークスペースが重複して準備されることがなくなります。

移行ツールの実行後に、Office Project Web Access の [サーバー設定] の [運用ポリシー] セクションにある [プロジェクト ワークスペースの準備の設定] を確認します。[サイトの URL] オプションおよび [自動準備] オプションが適切に構成されていることを確認します。Office Project Server 2007 では、移行ツールの実行後に、[自動準備] オプションを [プロジェクトの発行時にプロジェクトのワークスペースを自動的に作成する] にリセットすることが必要になる場合があります。

移行した無効になっているユーザーを削除する (オプション)

既定では、Project Server 2003 の [グループの管理] ページには、無効になっているユーザーは表示されません。しかし、Office Project Server 2007 では、無効になっているユーザーが既定で表示されます。移行プロセスでは無効になっているユーザーも移行されるため、移行プロセスの後で、Office Project Server 2007 の Project Web Access の [グループの管理] ページにそれらのユーザーが追加で表示される場合があります。

必要に応じて、無効になっているユーザーを完全に削除できます。

無効になっているユーザーを完全に削除するには

1. Office Project Web Access で、[サーバー設定] をクリックします。

2. [データベース管理] セクションの [エンタープライズ オブジェクトの削除] をクリックします。

3. [エンタープライズ オブジェクトの削除] ページの [Project Server から何を削除しますか] セクションで、[リソースとユーザー] を選択します。

4. 表示されるユーザーの一覧で、完全に削除するユーザーを選択し、[削除] をクリックします.

プロジェクトの通貨の設定を修正する

プロジェクトの通貨が正しく移行されないという既知の問題があります。Project Server 2003 プロジェクト テーブル データベースに対して次のクエリを実行し、プロジェクトとその通貨の一覧を取得します。この情報を使用して、移行後に通貨の設定を手動で修正できます。

select PROJ_NAME, PROJ_OPT_CURRENCY_SYMBOL from dbo.MSP_PROJECTS where PROJ_TYPE in (0, 1, 2)

移行したローカル Windows アカウントを変更する

有効でなくなったコンピューター名のローカル Windows アカウント (ComputerName\Brad Joseph など) は削除する必要があります。Office Project Web Access の [サーバー設定] を開き、[ユーザーの管理] オプションを使用して、これらのアカウントが有効になるように編集します。

複数言語の参照テーブルを更新する

複数言語の参照テーブルは、移行後に正しく更新されません。Office Project Server 2007 の発行済みデータベースに対して次の SQL ステートメントを実行し、この問題を解決してください。

DELETE FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLE_LANGUAGES WHERE LT_UID NOT IN (SELECT LT_UID FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLES)
DELETE FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLE_MASK_VALUES WHERE LT_UID NOT IN (SELECT LT_UID FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLES)
DELETE FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLE_MASK_STRUCTURES WHERE LT_UID NOT IN (SELECT LT_UID FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLES)
DELETE FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLE_VALUES WHERE LT_UID NOT IN (SELECT LT_UID FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLES)
DELETE FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLE_STRUCTURES WHERE LT_UID NOT IN (SELECT LT_UID FROM dbo.MSP_LOOKUP_TABLES)

Microsoft Office Project Portfolio Server 2007 を Office Project Server 2007 と共に使用している場合は、これらの SQL ステートメントを実行してテーブルを更新することが特に重要です。ステートメントを実行しないと、Office Project Portfolio Server 2007 から Office Project Server 2007 へのエクスポートを実行したときに "GeneralUnhandledException" エラーが発生する可能性があります。このエラーは、次のように ULS ログに記録されます。

PSI: LookupTable.ReadLookupTablesMultiLang 未定義の属性: PSError: GeneralUnhandledException 未定義の属性リスト: System.Data.ConstraintException: 制約を有効にできません。1 つ以上の行に、Null 以外、一意性、または外部キー制約に違反する値が含まれています…。

ユーザーと権限の問題に対処する

移行した後 (特にローカライズされた構築では)、移行によりインストールされた Office Project Server 2007 に、ユーザーが持っていたはずの権限の一部が含まれていないことがあります。たとえば、管理者テンプレートで権限が割り当てられていたにもかかわらず、タイムシートを表示できないことがあります。このような状況が発生する原因は、いくつか考えられます。

1. Project Server 2003 では、権限は所属組織レベルで拒否されます。これを確認するには、Office Project Web Access の権限をチェックして、いずれかの権限が無効になっているかどうか、およびそれらが問題の原因であるかどうかを調べます。Office Project Web Access の権限をチェックするには、次の操作を行います。

   1. Office Project Web Access ホーム ページの左側のウィンドウで、[サーバー設定] をクリックします。

   2. [サーバー設定] の [セキュリティ] セクションで、[Project Web Access 権限] をクリックします。

2. Office Project Server 2007 では、いくつかの権限が新たに導入されています。移行時に、これらの権限が正しくマップされないことがあります。セキュリティのドキュメントでこれらの権限の一覧をチェックし、それらが問題の原因であるかどうかを確認します。Office Project Server 2007 の権限の詳細については、「Office Project Server 2007 のセキュリティと保護」を参照してください。

3. Project Server 2003 のユーザーまたはリソース (その名前あるいは Windows NT アカウント) が Office Project Server 2007 に存在する場合、そのユーザーまたはリソースのセキュリティ権限は移行されません。たとえば、移行前に Active Directory の同期を実行した場合 (そして、それらのユーザーの大部分が Project Server 2003 に存在する場合)、それらのユーザーの権限は移行されません。この問題は VME では発生しません。移行先の Office Project Server 2007 環境には、移行プロセスの前はユーザーがいないからです。

認証の問題に対処する

Project Server 2003 で使用される Project Server 認証は、Office Project Server 2007 ではサポートされません。Project Server 認証されたユーザーを Office Project Server 2007 に移行すると、ユーザー アカウントはリセットされます。これは、Office Project Server 2007 のフォームベース認証機構が、Project Server 2003 で使用される Project Server 認証とアーキテクチャ的に異なるためです。このようなユーザーは、Office Project Web Access の [サーバー設定] の [ユーザーの管理] ページの一覧には表示されず、そのユーザーに関する [ユーザー認証] セクションは表示されません。ただし、Project Web Access のリソース センターで、これらの移行されたユーザーを編集することはできます。

マスター プロジェクトの問題に対処する

マスター プロジェクトとそれらの関連サブプロジェクトを Project Server 2003 から Office Project Server 2007 に移行する場合、プロジェクトの移行が失敗する原因として、次の 2 つのシナリオが考えられます。

• マスター プロジェクトの後でサブプロジェクトが移行された (移行の順序は移行構成ファイルで修正できます)。

  重要

  移行構成ファイルの詳細については、「移行ツールを構成する」を参照してください。

• 2 つのマスター プロジェクトのサブプロジェクトになっているプロジェクトがある (このような構成は、Project Server 2003 では許可されていますが、Office Project Server 2007 では許可されていません)。このプロジェクトの移行は、プロジェクトを発行しようとしたときに失敗します。