サイトをアップグレードする (Office SharePoint Server)
この記事の内容 :
サーバーの全体管理ページを使用してサイトをアップグレードする
コマンド ラインを使用してサイトをアップグレードする
言語テンプレート パックをインストールした後でサイトをアップグレードする
段階的なアップグレードを行う場合は、どのサイトをいつアップグレードするかを決定できます。どのサイトを Microsoft Office SharePoint Server 2007 にアップグレードする場合も、あらかじめ、サーバー ファーム内のすべてのサーバーでセットアップと SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行しておく必要があります。この手順を完了し、必要とする言語テンプレート パックをインストールした後に、サイトのアップグレードを開始できます。サーバーのアップグレードの詳細については、以下のトピックのどちらかを参照してください。
サイトをアップグレードする準備ができたら、SharePoint® のサーバーの全体管理サイト、またはコマンド ラインのアップグレード操作のどちらでも使用できます。多数のサイトをさまざまなタイミングでアップグレードしたい場合、またお使いの環境内の他のサイトをアップグレードした後に、言語テンプレート パックをインストールした場合には、コマンドラインを使用します。
サーバーの全体管理ページを使用してサイトをアップグレードする
サーバーの全体管理ページからサイトをアップグレードする手順には 2 つの段階があります。まず、サイトのアップグレードされたバージョンをホストするための新しい Web アプリケーションを作成します。その後、1 つ以上のサイト コレクションをアップグレードします。
重要
Web アプリケーションでは、まずルート サイト コレクションをアップグレードする必要があります。他のサイト コレクションのアップグレードはその後可能になります。
アップグレードされたサイトをホストするための新しい Web アプリケーションを作成する
サーバーの全体管理の [サーバー構成の管理] タブで、[アップグレードと移行] の下の [サイト コンテンツのアップグレード状態] をクリックします。
[サイト コンテンツのアップグレード状態] ページで、URL の隣の [アップグレードの開始] をクリックします。
[ターゲット Web アプリケーションの設定] ページの [アップグレードする Web アプリケーション] セクションに、アップグレードしたい Web アプリケーションが表示されているのを確認します。
[元のコンテンツの新しい URL] セクションの [ポート] ボックスにポート番号を入力し、その後 [ホスト ヘッダー] ボックスに使用するホスト ヘッダーを (必要であれば) 入力します。
[新しい Web アプリケーションのアプリケーション プール] セクションで [新しいアプリケーション プールを作成する] を選択し、続けて [アプリケーション プール名] ボックスに名前を記入し、[定義済み] か [構成可能] を選択します。
[定義済み] を選択した場合は、使用するアカウントを選択します。
[構成可能] を選択した場合は、使用するアカウント名を入力し、その後アカウントのパスワードを入力します。
注意
アップグレード前と同じアプリケーション プールは使用できません。ユーザー アカウントは同じものを使用できますが、新しいアプリケーション プールを作成するか、アップグレードしたサイト用にあらかじめ作成したアプリケーションを使用する必要があります。
[インターネット インフォメーション サービスのリセット] セクションで、[IIS を自動的に再起動させる] か [IIS を手動で再起動する] のどちらかを選択します。
[IIS を手動で再起動する] を選択した場合は、この操作の最後の手順で Web アプリケーションが作成された後に IIS を再起動する必要があります。
[セキュリティの構成] セクションでは、使用する環境によって、[認証プロバイダ] から [ネゴシエート (Kerberos)] か [NTLM] かのどちらかを選択します。
[コンテンツ データベース] セクションでは、[データベース名を自動選択する] か [データベース名を手動で設定する] かのどちらかを選択します。
データベース名を手動で設定することを選択した場合、[データベース名] ページで、一時コンテンツ データベースと新しいバージョンのコンテンツ データベースに名前をつける必要があります。
[SSP データベースの設定] セクションでは、[SSP データベース名] ボックスに、共有サービス プロバイダ データベースの名前を入力します。
[検索データベース名] ボックスには、検索データーベースの名前を入力します。
[インデックス サーバー] セクションでは [インデックス サーバー] ボックスで、インデックス サーバーの使用を選択します。
[OK] をクリックします。データベース名を手動で設定することを選択した場合、[データベース名] ページが開きます。この Web アプリケーション用に、一時コンテンツ データベースと新しいバージョンのコンテンツ データベースの名前を入力し、[保存] をクリックします。
新しい Web アプリケーションが作成される間、[処理を実行中] ページが表示されます。
注意
IIS を手動で再起動させることを選択した場合、このときサーバー ファーム内の各フロントエンド Web サーバーで、iisreset /noforce を実行する必要があります。
サイト コレクションをアップグレードする
[サイト コレクションのアップグレード] ページで、アップグレードしたいサイトの横のチェック ボックスを選択し、[サイトのアップグレード] をクリックします。
重要
Web アプリケーションでは、まずルート サイト コレクションをアップグレードする必要があります。他のサイト コレクションのアップグレードはその後可能になります。複数のサイト コレクションを一度にアップグレードしている場合、ルート サイト コレクションは、アップグレードする最初のサイトのセットに含まれている必要があります。
[選択したアップグレード対象サイト] ページで、サイト コレクション数、使用される記憶域、元のデータベース、ターゲット データベースを確認し、[サイトのアップグレード] をクリックします。
[実行中のアップグレード] ページが開き、選択されたサイト コレクションのアップグレードが行われます。選択されたサイト コレクションの数と大きさによって、実行に数分から数時間かかる場合があります。[状態] ページは毎分自動的に更新され、アップグレードの進捗状況を示します。アップグレードが失敗するか問題が報告される場合、詳細についてはログ ファイルで参照できます。アップグレード ログ ファイルとトレース ログ ファイルの場所は、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\12\LOGS です。トレース ログの名前は、Machine_name-YYYYMMDD-HHMM.log という形式になっています。YYMMDD は日付、HHMM は時刻です (たとえば、Server1-20061105-1241.log)。
アップグレード プロセスが終了したら、[ホーム] をクリックして、サーバーの全体管理ページに戻ります。
コマンド ラインを使用してサイトをアップグレードする
コマンド ラインを使用してサイトをアップグレードするには、同じように 2 段階の手順で行います。対象の Web アプリケーションを作成し、その後サイトをアップグレードします。
対象の Web アプリケーションを作成するには、以下のコマンドを使用します。これに、お使いの環境に適用する任意のオプションが含まれます (上記の「アップグレードされたサイトをホストするための新しい Web アプリケーションを作成する」の下の手順に従って、この段階を既に実行していれば、この段階はスキップします)。
Stsadm.exe. -o upgradetargetwebapplication -url <アップグレードする URL>
-relocationurl <アップグレードされていないコンテンツの新しい URL>
-apidname <新しいアプリケーション プール名>
[-apidtype <構成可能な ID/ネットワーク サービス>]
[-apidlogin <DOMAIN\name>]
[-apidpwd <アプリケーション プールのパスワード>] [-exclusivelyusentlm]
Web アプリケーションを作成した後、以下のコマンドを使用して、個々のサイト コレクションをアップグレードできます。これに、お使いの環境に適用する任意のオプションが含まれます。
stsadm.exe -o upgrade [-inplace | -sidebyside] [-url <URL>]
[-forceupgrade] [-quiet] [-farmuser <ファーム ユーザー>
-farmpassword <ファーム パスワード>] [-sitelistpath <サイト XML ファイル>]
たとえば、特定の URL のサイトをサイド バイ サイド (段階的な) アップグレード プロセスでアップグレードするためには、以下のコマンドを使用します。
stsadm.exe -o upgrade -sidebyside -url <URL>
-sitelistpath <サイト XML ファイルへのパス>
注意
コマンドラインを使用して段階的なアップグレードを行う場合、異なるコンテンツ データベースからサイトをアップグレードすることはできません。Web アプリケーションに、複数のコンテンツ データベースにまたがるサイトが多数含まれている場合、その一覧を、同一コンテンツ データベース内の小規模なサイトグループに分割します。
アップグレードの必要なサイトの一覧を得るためには、Web アプリケーション上でリダイレクトされるすべてのサイトを一覧にする enumsites 操作を使用できます。一覧の作成には以下の構文を使用します。
stsadm -o enumsites -url http:// サーバー名 -redirectedsites
この操作によって作成されたサイト一覧を使用して、アップグレード操作のためにサイト一覧の XML ファイルを作成できます。
以下の表では、アップグレード操作に使用するパラメータを説明しています。
パラメータ | 省略可/必須 | 説明 |
---|---|---|
Inplace または Sidebyside |
必須であり、どちらかのオプションを指定する必要があります。 |
Inplace は一括アップグレードを指定します。この場合、version 2.0 サイトは直ちにアップグレードされますが、アップグレード プロセスの終了後、version 2.0 の環境に戻すことはできません。 Sidebyside は段階的なアップグレードを指定します。version 2.0 サイトは version 2.0 の環境に残されます。 |
URL |
省略可。 |
サイト コレクションへの version 2.0 URL |
ForceUpgrade |
省略可。 |
アップグレードを強制するかどうかを指定します。 |
Quiet |
省略可。 |
アップグレード プロセスを自動モードで実行することを指定します。 |
FarmUser |
省略可。 |
アップグレード実行中に使用するユーザー アカウントを指定します。 |
FarmPassword |
省略可 (ただし、FarmUser を使用する場合は必須)。 |
FarmUser アカウントに対するパスワードを指定します。 |
Reghost |
省略可。 |
アップグレードの最中にページを reghost する (ページをサイト定義にリセットする) かどうかを指定します。 |
SiteListPath |
省略可。 |
アップグレードするサイト コレクションの一覧付き XML ファイルを指定できます。XML ファイルのフォーマットは以下のようになります。
Count と TargetDatabase の属性は省略できます。1 つのコンテンツ データベースからアップグレードしたい一連のサイトを指定します。 これに替えて stsadm –o enumsites –url*<V3url>*-redirectedsites コマンドを使用すると、アップグレードの必要なサイト コレクションのため、同じ XML を作成できます。 Stsadm コマンドライン ツールを使用してこの手順を実行する方法の詳細については、「アップグレード : Stsadm 操作 (Office SharePoint Server)」、「Upgradetargetwebapplication : Stsadm 操作 (Office SharePoint Server)」、および「Enumsites : Stsadm 操作 (Office SharePoint Server)」を参照してください。 |
言語テンプレート パックをインストールした後でサイトをアップグレードする
一括アップグレードを実行し、その後、言語テンプレート パックをインストールした場合、その言語テンプレート パックの言語に依存するサイトすべてをアップグレードする必要があります。アップグレードを実行するには、コマンドラインによるアップグレード操作を、お使いの環境に適用する任意のオプションを使用して行います。
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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。
入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。