新しいカスタム サイト定義を開発し、アップグレード定義ファイルを作成する (Office SharePoint Server)

この記事の内容 :

  • 新しいカスタム サイト定義を開発する前に

  • 新しいカスタム サイト定義を開発する

  • アップグレード定義ファイルについて

  • アップグレード定義ファイルを作成する

  • ワークシートにアップグレード定義ファイルの情報を記録する

新しいカスタム サイト定義を開発する前に

カスタム サイト定義に基づくサイトをアップグレードする前に、以下の各手順を実行して、カスタム サイト定義から派生する各リストとページが、アップグレード後も引き続き機能するようにする必要があります。

注意

カスタム サイト定義に基づくサイトをアップグレードする準備がまだ整っていない場合 (ソリューション プロバイダから入手したサイト定義を使用しているが、そのサイト定義の新しいバージョンがまだ提供されていない場合など) は、段階的なアップグレードを使用して他のサイトをアップグレードし、以前のカスタム サイト定義に基づくサイトを以前の環境で引き続き実行することができます。その後、新しいカスタム サイト定義が入手できれば、アップグレード定義ファイルを作成し、新しいカスタム サイト定義に基づくサイトのみをアップグレードすることができます。

  1. **新しいカスタム サイト定義とカスタム要素を取得し、開発する。   **カスタム サイト定義に基づくサイトの機能を維持する必要がある場合は、必要な機能と使用する新機能をすべて含む新しいカスタム サイト定義が必要です。カスタム サイト定義またはカスタム要素をソリューション プロバイダから入手した場合は、新しいバージョンがリリースされているかどうかを確認します。ソリューション プロバイダが新しいバージョンを提供していない場合は、独自の開発が必要である可能性があります。

  2. **サイトのアップグレード定義ファイルを作成する。   **   サイト内の各要素 (カスタム ページなど) を適切な新しい要素にアップグレードすることができるように、古いカスタム サイト定義から新しいサイト定義にカスタム要素をマップするファイルも作成する必要があります。

  3. **ページ テンプレートのアップグレード定義ファイルを作成する。   ** Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003 の場合、ホーム ページ テンプレートなどのページ テンプレートを新しいページ レイアウトに変換するために、アップグレード定義ファイルも作成する必要があります。Microsoft Office SharePoint Server 2007 のページ レイアウトは、SharePoint Portal Server 2003 のページ テンプレートと置き換えられるため、各ページ タイプで使用するページ レイアウトを指定する必要があります。ページ レイアウトの詳細については、「Web ページを計画する」を参照してください。

重要

SharePoint Portal Server 2003 の定義済みのサイト定義のいずれかに基づくサイト テンプレートを作成する場合、アップグレード プロセスにより、そのサイト テンプレートに含まれるファイルまたはカスタマイズの一部が上書きされる可能性があります。SharePoint Portal Server 2003 サイト定義から作成されたサイト テンプレートは再作成する必要があります。アップグレード後に新しいサイトを準備するために、同等の Office SharePoint Server 2007 サイト定義からテンプレートを再作成する必要があります。

アップグレード前のプロセスで、新しいカスタム サイト定義ファイルとすべてのアップグレード定義ファイルをインストール ディレクトリにコピーし、サイト コレクションのアップグレード時にそれらのファイルを使用できるようにします。

新しいカスタム サイト定義を開発する

開発環境でカスタム サイト定義を作成するには、以下の手順を使用します。詳細については、MSDN の Windows SharePoint Services ソフトウェア開発キット (SDK) を参照してください。

  1. 新しい環境に付属しているサイト定義から、カスタム サイト定義を作成します。

    • サイト定義は次のフォルダに格納されます。

      %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\12\TEMPLATE\SiteTemplates\NAME

      ここで、NAME はサイト定義の名前 (ACTION など) に対応しています。新しいサイト定義を格納するフォルダを新規作成し、すべて大文字を使用してフォルダに名前を付けてください。

    • サイト テンプレートの登録に使用する XML ファイルは、次の場所に格納されます。

      %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\12\TEMPLATE\LCID\XML\webtempname.xml

      ここで、name はサイト定義の名前に対応していますが、小文字で表記 (action など) されます。また、LCID はテンプレートの言語を示すロケール識別子 (たとえば、英語 (米国) の場合は 1033) です。

  2. SharePoint Portal Server 2003 のカスタム サイト定義ごとに、新しいバージョンの webtempname.xml ファイルを作成します。ここで、name はサイト定義の名前に対応しています。新しい製品 (環境) に付属している標準のサイト定義のファイルから、webtempname.xml ファイルを作成できます。

  3. アップグレード プロセスが正常に完了したら、SharePoint Portal Server 2003 で使用したページ テンプレートを、アップグレードしたサイト コレクションのルートにあるマスタ ページ ギャラリのフォルダにコピーします。詳細については、「Web ページを計画する」を参照してください。

    また、カスタマイズした対応するランディング ページを使用して、SharePoint Portal Server 2003 からそのままページ レイアウトを作成します。アップグレードする前に、カスタマイズしたランディング ページのコピーを保存します。アップグレード プロセスが正常に完了したら、これらのレイアウト ページを、サイト コレクションのルートにあるマスタ ページ ギャラリのフォルダにアップロードします。

  4. サイト定義に基づく新しいサイトを作成して、開発環境でサイト定義をテストします。

新しいサイト定義を作成し、テストを完了すると、アップグレード定義ファイルを作成して、以前のサイト定義を新しいサイト定義にマップできます。

アップグレード定義ファイルについて

サイトのアップグレード定義ファイルには、以前のカスタム サイト定義を新しいサイト定義にマップする方法が記述されています。このファイルの目的は、以前のサイトを、同等の機能を持つ新しいサイト (新しい環境で提供されるすべての改善点を使用できる) に変換するツールを開発者に提供することです。

Microsoft Office SharePoint Server 2007 には、特定のページ テンプレート用のアップグレード定義ファイルが用意されています。ページ テンプレートは、ページの構造を定義する Active Server Page Extension (ASPX) ファイルです。ページ テンプレートを使用する場合の利点は、Office SharePoint Server 2007 互換の Web ページ エディタでページを作成するのではなく、ページ テンプレートに基づく新しいページを作成できることです。ページ テンプレートはサイト コレクションのルートに格納され、サイト コレクション全体で共有されます。

Office SharePoint Server 2007 では、ポータル サイトのほとんどのページにページ テンプレートが使用されます。つまり、Office SharePoint Server 2007 では、新しいすべてのサイト定義にページ テンプレートが含まれており、以前の製品 (環境) で標準のポータル サイト定義に基づいていた多くのポータル ページが、新しい製品ではさまざまなページ レイアウトに基づくようになりました。アップグレード プロセスによって、以前の製品のポータル ページは、新しい製品のページ レイアウトを使用するページに移行されます。以前の製品のページ テンプレートは、新しい製品に付属している既定のページ レイアウト セットに移行されます。適切な既定のページ レイアウト セットがない場合は、カスタムのレイアウト セットを独自に作成して、古いポータル ページを新しいページ レイアウトにマップするアップグレード定義ファイルを用意することもできます。

サイト定義のアップグレード定義ファイルには、以下のセクションがあります。

  • **WebTemplate   **その Web テンプレート全体のアップグレード情報を指定します。このセクションでは、1 つのアップグレード定義ファイルに 1 つの WebTemplate タグが必要です。

  • **Lists   **テンプレート内の各リストまたはライブラリに関するアップグレード情報を指定します。Lists セクションでは、1 つのリストまたはライブラリに 1 つの List タグが必要です。

  • **Files   **テンプレート内の個々のページに関するアップグレード情報を指定します。Files セクションでは、テンプレート内の非実体化された (カスタマイズされていない) 各ページごとに 1 つの File タグが必要です。

  • **AppliedSiteFeature   **テンプレートに含まれているサイト コレクション レベルまたはサブサイト レベルのすべての機能に関するアップグレード情報を指定します。AppliedSiteFeature セクションと AppliedWebFeature セクションでは、テンプレート内のレベルの各機能ごとに 1 つの Feature タグが必要です。

  • **AppliedWebFeature   **テンプレートに含まれているサブサイト レベルのすべての機能に関するアップグレード情報を指定します。AppliedWebFeature セクションでは、テンプレート内のレベルの各機能ごとに 1 つの Feature タグが必要です。

次の例は、Office SharePoint Server 2007 にインストールされているいずれかのファイルから抽出したものであり、ページ テンプレートのアップグレード定義ファイルの形式の概要を示しています。

<SPSSiteUpgraderConfig>
    <PublishingPageLayoutMappings>
        <PublishingPageLayoutMapping WebTemplateId="20" PublishingPageLayout="/_catalogs/masterpage/defaultlayout.aspx"/>
        <PublishingPageLayoutMapping WebTemplateId="22" PublishingPageLayout="/_catalogs/masterpage/welcomelayout2.aspx"/>
    </PublishingPageLayoutMappings>
</SPSSiteUpgraderConfig>

この例では、Web サイトのテンプレートがページ テンプレートにマップされていることがわかります。つまり、ID の値が 20 の Web サイト テンプレートがページ レイアウト defaultlayout.aspx にマップされています。これは、ID の値が 20 のテンプレートを使用するすべてのサイトが、defaultlayout.aspx によって定義されるページ レイアウトを使用するホーム ページ (通常は default.aspx) を持つことを意味しています。

Office SharePoint Server 2007 のページ レイアウトとして使用する、SharePoint Portal Server 2003 のカスタマイズされたランディング ページ用のページ テンプレートのアップグレード定義ファイルに、エントリを含めてください。これらのエントリによって、Web サイト テンプレート ID が、ページ レイアウトとして使用する SharePoint Portal Server 2003 のランディング ページの名前に設定されます。

アップグレード定義ファイルを作成する

アップグレード定義ファイルには、サイト定義の名前で始まる一意の名前を付けます。たとえば、サイト定義名が "STS1" である場合、アップグレード定義ファイルには、"STS1_upgrade.xml" のような名前を付けることができます。

アップグレード定義ファイルは、以下のフォルダにインストールする必要があります。

%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\12\Config\Upgrade

アップグレード定義ファイル (サンプルのアップグレード定義ファイルを含む) の作成の詳細については、MSDN の Windows SharePoint Services 3.0 SDK の「アップグレード定義ファイル」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=109945&clcid=0x411) および「アップグレード定義スキーマ」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=109946&clcid=0x411) を参照してください。

アップグレード定義ファイルおよび新しいサイト定義の展開の詳細については、「アップグレード定義ファイルおよび新しいサイト定義を展開する (Office SharePoint Server)」を参照してください。ファイルの内容、スキーマなど、アップグレード定義ファイルの作成の詳細については、MSDN ライブラリの「SharePoint Portal Server 2003 のカスタマイズを SharePoint Server 2007 にアップグレードする」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=105294&clcid=0x411) を参照してください。

ワークシートにアップグレード定義ファイルの情報を記録する

作成する必要がある各アップグレード定義ファイルのファイル名とパスを、Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 カスタム テンプレートとファイルのマッピング ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=73751&clcid=0x411) に記録してください。

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入手可能なドキュメントの詳細な一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。