リストを計画する (Windows SharePoint Services)

リストは、Web サイトのメンバで共有する情報のコレクションです。たとえば、チームのカレンダー上でイベントの登録用紙を作成したり、プロジェクトの状態情報を追跡したり、今後の休暇の予定を共有したりできます。

この記事の内容 :

  • 含まれているリスト

  • リストでの作業について

  • カスタム リストを計画する

  • ワークシート

含まれているリスト

Windows SharePoint Services 3.0 には、既定で以下の種類のリストが含まれています。

  • お知らせ   お知らせリストを使用すると、ニュースや状態を共有し、通知を提供することができます。お知らせでは、イメージ、ハイパーリンク、書式付きテキストなどの拡張書式がサポートされています。

  • 予定表   予定表は、チームのあらゆる種類のイベントに使用したり、会社の休日などの特定の状況に使用したりできます。予定表は、会議、行事、終日イベントなどのチームのイベントの視覚的な表示 (スケジュール帳やカレンダーによく似た表示) を提供します。また、チームの締め切りまたは製品の発売日など、一定の時間間隔に関連しないマイルストーンを追跡することもできます。Windows SharePoint Services 3.0 と互換性のある電子メール プログラムまたは予定表プログラムを使用している場合は、その予定表プログラムから Microsoft® SharePoint® のチーム予定表を表示したり更新したりできます。また、個人の予定表からチームの予定表にイベントをコピーしたり、その逆のコピーを行うこともできます。たとえば、SharePoint サイト上の自分の予定表と、Microsoft Office Outlook® 2007 の自分の予定表を Office Outlook 2007 で並べて表示したり、部分的に重ねて表示したりして、2 つの予定表の日付を比較、更新することができます。さらに、この種類のリストでは電子メール統合を有効にすることができます。電子メール統合を有効にすると、会議出席依頼をチームのサイト予定表に送信したときに、チーム会議がチームの予定表に自動的に追加されます。

  • 連絡先   連絡先リストは、一緒に仕事する担当者やグループに関する情報を保存するために使用します。Windows SharePoint Services 3.0 と互換性のある電子メール プログラムまたは連絡先管理プログラムを使用している場合は、そのプログラムで SharePoint サイトに格納されている連絡先を表示したり更新したりできます。たとえば、Office Outlook 2007 から会社のすべての仕入先のリストを更新したりできます。連絡先リストは実際にはサイトのメンバを管理するわけではないため、会社用の連絡先 (社外の取引先のリストなど) を保存して共有するのに使用できます。

  • ユーザー設定   どのリストもカスタマイズできますが、ユーザー設定リストで開始すると、必要な列だけを追加してリストをカスタマイズすることができます。Windows SharePoint Services 3.0 または Windows SharePoint Services 2.0 と互換性のあるスプレッドシート プログラムと Microsoft Internet Explorer を使用している場合は、スプレッドシートを基にリストを作成することもできます。たとえば、Microsoft Office Excel® 2007 で作成したスプレッドシートからリストをインポートして、取引先との契約を保存し、管理したりできます。

  • ディスカッション掲示板   ディスカッション掲示板は、チームのディスカッションを記録し、一箇所にまとめて保存しておく場を提供します。ディスカッション掲示板の形式は、インターネットのニュース グループによく似ています。管理者がサイト上のリストで電子メールを受け取れるようにしている場合は、ほとんどの一般的な電子メール プログラムから電子メールでのディスカッションをディスカッション掲示板に保存することができます。たとえば、会社の新製品リリースのためのディスカッション掲示板を作成したりできます。Windows SharePoint Services 3.0 と互換性のある電子メール プログラムを使用している場合は、他のプログラムの作業中でもディスカッション掲示板を表示したり更新したりできます。

  • 案件管理   案件管理リストでは、サポートの問題などの特定の案件に関する情報を保存し、その進捗を追跡することができます。案件を割り当て、それを分類したり、案件どうしを関連付けたりできます。たとえば、カスタマ サービスの問題と解決方法を管理するために案件管理リストを作成できます。案件には、それを編集するたびにコメントを付けることができます。案件の以前のコメントが変更されることなく、コメントの履歴が作成されます。たとえば、カスタマ サービスの担当者は、問題を解決するために取った各手順とその結果を記録することができます。

  • リンク   リンク リストは、Web、社内イントラネット、およびその他のリソースへのリンクを一元管理する場として使用します。たとえば、顧客の Web サイトへのリンクのリストを作成したりできます。

  • プロジェクト タスク   タスク リストとよく似た情報 (下記を参照) を保存し、進行状況バーを持つ視覚的なガント ビューを提供するには、プロジェクト タスク リストを使用します。タスクが完了に向けて進む間、タスクの状態や達成率を追跡できます。Windows SharePoint Services 3.0 と互換性のある電子メール プログラムまたはタスク管理プログラムを使用している場合は、SharePoint サイト上のプロジェクト タスクを他のプログラムで表示したり更新したりできます。たとえば、トレーニング マニュアルを作成する仕事の識別と割り当てを行うために SharePoint サイト上にタスク リストを作成し、社内での進捗を Office Outlook 2007 から追跡したりできます。

  • アンケート   クイズまたは従業員の満足度調査などのフィードバックを収集してまとめるには、アンケートを使用します。質問と回答は異なる複数の方法でデザインすることができ、フィードバックの概要を確認できます。ページ区切りを追加してアンケートの外観を調整したり、分岐ロジックを指定して、ユーザーの応答に基づいて表示される質問が変わるようにしたりできます。Windows SharePoint Services 3.0 または Windows SharePoint Services 2.0 と互換性のあるスプレッドシート プログラムあるいはデータベース プログラムがインストールされている場合は、結果をエクスポートしてさらに詳しく分析することができます。

  • タスク   タスク リストを使用すると、プロジェクトに関するタスク情報やグループのその他のタスクを追跡できます。タスクは担当者に割る当てることができ、タスクが完了に向けて進む間、その状態と達成率を追跡できます。Windows SharePoint Services 3.0 と互換性のある電子メール プログラムまたはタスク管理プログラムを使用している場合は、SharePoint サイト上のタスクを他のプログラムで表示したり更新したりできます。たとえば、社内の予算処理のタスク リストを作成し、それを Office Outlook 2007 でその他の Outlook タスクと一緒に表示したり更新したりできます。

Windows SharePoint Services 3.0のリストでは、新しいコンテンツ タイプと列テンプレートの機能を利用できます。また、リストはドキュメント ライブラリと同じ基礎アーキテクチャに依存しているため、バージョン管理、チェックインとチェックアウト、承認、ワークフローなどの機能が含まれており、さらに添付ファイルに対する Information Rights Management (IRM) 制御も備えています。リストの計画を最終決定する前に、コンテンツ タイプとドキュメント ライブラリに関する情報を確認してください。詳細については、「コンテンツ タイプを計画する (Windows SharePoint Services)」および「ドキュメント ライブラリを計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

リストでの作業について

上記リストでアイテムのカスタマイズや追加を行ったり、既に利用可能なリスト テンプレートからその他のリストを作成したり、必要な設定と列だけを持つカスタム リストを作成したりできます。

リストは、異なる複数の方法で表示できます。たとえば、あるページにすべてのタスクを表示し、他のページにはその日が期限のタスクだけを表示することもできます。また、フォルダを使用してリスト アイテムを整理することもできます。たとえば、ホーム ページには予定表にある最新のイベントだけを表示し、他のページにはカレンダーとよく似た表示を作成することもできます。

フォルダとビューは、リスト内に大量のデータを格納している場合にも非常に便利です。一般に、1 つのビューに 1,000 個を超えるアイテムを表示するのは困難ですが、フォルダとビューを使用すれば、リスト内のデータが表示しやすく、より短時間で読み込まれるようになります。大きいリストを管理するためのフォルダとビューの使用方法の詳細については、Windows SharePoint Services 3.0 のヘルプ システムの「多数のアイテムを持つリストおよびライブラリを管理する」を参照してください。

Windows SharePoint Services 3.0 サイト上のリストに使用したいデータがスプレッドシートに格納されている場合は、スプレッドシートをインポートすることにより、その列とデータを含む新しいリストを作成できます。

Microsoft Office Access 2007 などの Windows SharePoint Services 3.0 と互換性のあるデータベース プログラムがインストールされており、使用しているブラウザで ActiveX® コントロールがサポートされている場合は、リスト データをクエリ、結合、レポートなどのデータベース ツールと統合することができます。

リストは、Web パーツに入れてサイト上のページに表示することもできます。Web パーツとは Web サイトの構築ブロックで、これを使ってリストのアイテムを Web パーツ ページに直接追加することができます。また、リストを直接開いて、直接リストに作業することもできます。たとえば、既定のお知らせリストは新しいホーム ページの Web パーツに表示されますが、リストのタイトルをクリックして開いて、お知らせリスト専用のページでお知らせリストの作業を行うこともできます。Web パーツの詳細については、Windows SharePoint Services 3.0 のヘルプ システムの「Web パーツを使用してページをカスタマイズする」を参照してください。

カスタム リストを計画する

情報の保存と共有のためにカスタム リストを作成する場合は、実際に作成する前に少し時間を取って、リストの構造を簡単に記述し、どの情報が必要で、その情報をどのように表示するのが最適かを決定してください。ユーザーがリストにどのようにデータを追加し、リスト内のデータをどのように使用すると予想されるかについて注意を払い、ユーザーが必要な情報をすばやく取得できるようにリスト構造を最適化するよう努めます。

考慮する点 :

  • リストのユーザーが簡単に情報を利用できるためには、どの種類のフィールドが最適か。

    目的のデータ セットにとって、問題なく機能すると思われる列の種類が複数あり、それぞれが情報を表示するときに異なる長所と短所を持つ場合もあります。たとえば、イベントでのブースの担当を割り当てるための登録リストを作成しようとしていて、担当者が自分で時間枠を選択できるようにしたい場合です。1 つの時間枠を選択できるようにするだけの場合は、おそらくラジオ ボタンまたはドロップダウン リストを持つ選択肢フィールドを使用するのがよいでしょう。一方、各担当者が複数の時間枠に登録できるようにして、時間枠で並べ替えを行い、どの担当者が登録を終えているかを確認でき (たとえば、通知を送信できるように) したい場合もあるでしょう。この場合は、代わりにチェック ボックスを持つ選択肢フィールドを使用します。あるいは、複数のフィールド (選択可能な時間枠ごとに 1 つ) を作成し、はい/いいえフィールドを使用すれば、並べ替えが簡単に行え、担当者が割り当てられていない時間枠がないかがひとめでわかるようにすることもできます。

    ヒント

    実際のリストを作成する前に、テスト リストで異なるいくつかの組み合わせを試してみるとよいでしょう。テスト リストでは、作成した後に列の種類を変更して (たとえば、チェック ボックスをはい/いいえボックスに変更するなど)、どのように表示されるかを確認することができます。実際のリストでこれを行うと、フィールドの種類を変更する際に、複数選択をサポートしているフィールドからそれがサポートされていないフィールドへの変更を行うこともできるため、データを失う危険性があります。

  • リスト内に特定の種類のフィールドを大量に持つ必要があるかどうか。

    一部の種類のフィールド (はい/いいえボックスなど) は、使用できる回数が限られています。Windows SharePoint Services 2.0 では、ほとんどの種類のフィールドが制限を持ちます。一方、Windows SharePoint Services 3.0 では、より多くの種類のフィールドがほぼ無制限に使用できます。リスト内で各種類のフィールドに課せられる制限の詳細については、「ソフトウェアの境界を計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

  • どの種類のフィールドが、最もデータを入力しやすいか。

    データの入力についても、フィールドの種類ごとに異なる長所と短所があり、ビューを変えるとデータ入力の最適化に貢献する場合があります。たとえば、データシート ビューではデータを非常に効率よく入力することができますが、データシート ビューで作業するには確実に適切なフィールドの種類を選択する必要があります。チェック ボックスを持つ選択肢フィールドは、その他の選択肢フィールドやはい/いいえボックスと比べて、データシート ビューでの選択に時間がかかります。

  • 担当者が必要とするのはデータのどのようなビューか。

    データシート ビューがデータ入力を高速化できるのと同じように、その他のビューでデータ取得を高速化することができます。予定表ビューは、ユーザーが情報をより短時間で把握するのに役立ちます。また、ガント ビューは管理職がプロジェクトの状態をひとめで把握することができます。標準ビューを使用した場合、複数の異なる目的に異なるビューが必要になることがあります (マネージャには状態を重ねた表示が必要で、モバイル ユーザーにはよりシンプルな表示が必要であるなど)。ビューの種類の詳細については、Windows SharePoint Services 3.0 のヘルプ システムの「ビューを作成または変更する」を参照してください。

  • リスト間で情報または列を共有する必要があるかどうか。

    他のリストにある情報を共有する必要がある場合は、その情報がどこにあるかを知り、適切なデータを取り込む検索フィールドを作成する必要があります。列を共有する必要がある場合は、列タイプを作成します。詳細については、「コンテンツ タイプを計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

ワークシート

カスタム リストの計画ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=75377&clcid=0x411) を使用して、作成する各カスタム リストおよびそのリストの作成場所とするサイトの一覧を作成します。各リストについて、使用する列と、各列に入れる情報に使用するフィールドの種類 (列タイプ) を指定します。