ファーム間で信頼証明書を交換する (SharePoint Foundation 2010)
適用先: SharePoint Foundation 2010
Microsoft SharePoint Foundation 2010 では、SharePoint ファームは別の SharePoint Foundation 2010 ファームで発行されているサービス アプリケーションに接続して使用できます。そのためには、ファームは信頼証明書を交換する必要があります。
ここでは、発行側のファームと使用側のファームの間で信頼証明書を交換する方法について説明します。サービス アプリケーションの共有が動作するためには、両方のファームがこの交換に参加する必要があることに注意してください。
重要
サービス アプリケーションの共有を開始する前に、「サービス アプリケーションをファーム間で共有する (SharePoint Foundation 2010)」および「サービス アーキテクチャの計画 (SharePoint Foundation 2010)」を参照することを強くお勧めします。
ファーム間で証明書をエクスポートしてコピーするには、Windows PowerShell 2.0 のコマンドを使用する必要があります。証明書をエクスポートしてコピーした後は、Windows PowerShell 2.0 のコマンドまたはサーバーの全体管理を使用して、ファーム内の信頼関係を管理できます。
ここの説明では、次の条件を想定しています。
この手順で使用するサーバーは、Windows PowerShell 2.0 を実行しています。
プロセスのすべての手順で、管理者は各ファーム内の同じサーバーを選択して使用します。
ユーザー アカウント制御 (UAC) がオンになっている場合は、Windows PowerShell 2.0 コマンドを上位の権限で実行する必要があります。
この記事の内容
証明書をエクスポートしてコピーする
Windows Powershell を使用して信頼証明書を管理する
サーバーの全体管理を使用して信頼証明書を管理する
証明書をエクスポートしてコピーする
使用側ファームの管理者は、ルート証明書と Security Token Service (STS) 証明書という 2 つの信頼証明書を発行側ファームに提供する必要があります。発行側ファームの管理者は、ルート証明書を使用側ファームに提供する必要があります。
証明書をエクスポートしてコピーするには、Windows PowerShell 2.0 を使用する必要があります。
使用側ファームからルート証明書をエクスポートするには
使用側ファームの SharePoint Foundation 2010 を実行するサーバーで、次の最小要件が満たされていることを確認します。 Add-SPShellAdmin を参照してください。
[スタート] ボタンをクリックして、[管理ツール] をクリックします。
[SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。
Windows PowerShell のコマンド プロンプトで、次の各コマンドを入力します。
$rootCert = (Get-SPCertificateAuthority).RootCertificate $rootCert.Export("Cert") | Set-Content <C:\ConsumingFarmRoot.cer> -Encoding byte
<C:\ConsumingFarmRoot.cer> はルート証明書のパスです。
使用側ファームから STS 証明書をエクスポートするには
Windows PowerShell のコマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
$stsCert = (Get-SPSecurityTokenServiceConfig).LocalLoginProvider.SigningCertificate $stsCert.Export("Cert") | Set-Content <C:\ConsumingFarmSTS.cer> -Encoding byte
<C:\ConsumingFarmSTS.cer> は STS 証明書のパスです。
発行側ファームからルート証明書をエクスポートするには
発行側ファームの SharePoint Foundation 2010 を実行するサーバーで、次の最小要件が満たされていることを確認します。 Add-SPShellAdmin を参照してください。
[スタート] ボタンをクリックして、[管理ツール] をクリックします。
[SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。
Windows PowerShell のコマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
$rootCert = (Get-SPCertificateAuthority).RootCertificate $rootCert.Export("Cert") | Set-Content <C:\PublishingFarmRoot.cer> -Encoding byte
<C:\PublishingFarmRoot.cer> はルート証明書のパスです。
証明書をコピーするには
ルート証明書と STS 証明書を、使用側ファームのサーバーから発行側ファームのサーバーにコピーします。
ルート証明書を、発行側ファームのサーバーから使用側ファームのサーバーにコピーします。
Windows Powershell を使用して信頼証明書を管理する
ファーム内の信頼証明書を管理するには、信頼を確立する必要があります。ここでは、Windows PowerShell 2.0 のコマンドを使用して、使用側ファームと発行側ファームの両方で信頼を確立する方法について説明します。
使用側のファームで信頼を確立する
使用側ファームで信頼を確立するには、発行側ファームからコピーしたルート証明書をインポートし、信頼できるルート証明機関を作成する必要があります。
使用側ファームで、ルート証明書をインポートし、信頼できるルート証明機関を作成するには
使用側ファームのサーバーの Windows PowerShell コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
$trustCert = Get-PfxCertificate <C:\PublishingFarmRoot.cer> New-SPTrustedRootAuthority <PublishingFarm> -Certificate $trustCert
ここで、
<C:\PublishingFarmRoot.cer> は、発行側ファームから使用側ファームにコピーしたルート証明書のパスです。
<PublishingFarm> は、発行側ファームを識別する一意の名前です。個々の信頼できるルート証明機関に一意の名前を付ける必要があります。
発行側のファームで信頼を確立する
発行側ファームで信頼を確立するには、使用側ファームからコピーしたルート証明書をインポートし、信頼できるルート証明機関を作成する必要があります。その後、使用側ファームからコピーした STS 証明書をインポートし、信頼できるサービス トークン発行元を作成する必要があります。
発行側ファームで、ルート証明書をインポートし、信頼できるルート証明機関を作成するには
発行側ファームのサーバーの Windows PowerShell コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
$trustCert = Get-PfxCertificate <C:\ConsumingFarmRoot.cer> New-SPTrustedRootAuthority <ConsumingFarm> -Certificate $trustCert
ここで、
<C:\ConsumingFarmRoot.cer> は、使用側ファームから発行側ファームにコピーしたルート証明書の名前と場所です。
<ConsumingFarm> は、使用側ファームを識別する一意の名前です。個々の信頼できるルート証明機関に一意の名前を付ける必要があります。
発行側ファームで、STS 証明書をインポートし、信頼できるサービス トークン発行元を作成するには
発行側ファームのサーバーの Windows PowerShell コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
$stsCert = Get-PfxCertificate <c:\ConsumingFarmSTS.cer> New-SPTrustedServiceTokenIssuer <ConsumingFarm> -Certificate $stsCert
ここで、
<C:\ConsumingFarmSTS.cer> は、使用側ファームから発行側ファームにコピーした STS 証明書のパスです。
<ConsumingFarm> は、使用側ファームを識別する一意の名前です。個々の信頼できるサービス トークン発行元に一意の名前を付ける必要があります。
これらの Windows PowerShell 2.0 コマンドレットの詳細については、以下の記事を参照してください。
サーバーの全体管理を使用して信頼証明書を管理する
ファームの信頼関係を管理するには、関連する証明書が既にエクスポートされてファームにコピーされている必要があります。
サーバーの全体管理を使用して信頼を確立するには
この処理を実行しているユーザー アカウントが Farm Administrators SharePoint グループのメンバーであることを確認します。
SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトで、[セキュリティ] をクリックします。
[セキュリティ] ページの [一般的なセキュリティ] セクションで、[信頼関係の管理] をクリックします。
[信頼関係] ページで、リボンの [新規] をクリックします。
[信頼関係の確立] ページで、次の操作を行います。
信頼関係の目的を表す名前を入力します。
信頼関係のルート証明機関の証明書を参照して選択します。これは、「証明書をエクスポートしてコピーする」の説明に従って、Windows PowerShell を使用して他のファームからエクスポートされたルート証明機関の証明書である必要があります。
この作業を発行側ファームで実行している場合は、[信頼関係を提供する] チェック ボックスをオンにします。トークン発行元を表す名前を入力し、「証明書をエクスポートしてコピーする」の説明に従って使用側ファームからコピーされた STS 証明書を参照して選択します。
[OK] をクリックします。
信頼関係が確立された後で、信頼をクリックして [編集] をクリックすると、トークン発行元の説明や使用する証明書を変更できます。信頼を削除するには、削除する信頼をクリックし、[削除] をクリックします。
See Also
Concepts
クレーム ベースの認証を構成する (SharePoint Foundation 2010)
Security Token Service を構成する (SharePoint Foundation 2010)