多言語サイトを計画する (SharePoint Foundation 2010)

 

適用先: SharePoint Foundation 2010

Microsoft SharePoint Foundation 2010 には、さまざまな地域のユーザーやさまざまな言語を使用するユーザーをサポートする機能があります。これらの機能を使用して、多言語の Web サイトを作成できます。

ここでは、多言語の SharePoint Foundation 2010 サイトを計画する方法について説明します。ここでは、多言語のサイトを作成する方法または言語パックをインストールする方法については説明しません。多言語のサイトの作成については、「Create sites in different languages from the default language (英語)」を参照してください。言語パックについては、「言語パックを展開する (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

この記事の内容

  • 多言語サイトの計画について

  • 言語とロケールの要件を決定する

  • 言語パックの要件を決定する

  • 必要なワード ブレーカーとステマーを決定する

多言語サイトの計画について

組織でさまざまな地域のユーザーやさまざまな言語を使用するユーザーをサポートする必要がある場合、サイトの全体的な構造とナビゲーションを計画するときに、多言語の要件を決定し、多言語サイトの展開を計画する必要があります。

多言語の要件を決定するには、以下のことを行う必要があります。

  • サポートする必要のある言語とロケールを決定します。

多言語サイト展開を計画するには、サーバーにインストールまたは構成する言語機能とコンポーネントを決定する必要があります。たとえば、以下のようなものがあります。

  • 言語パック

  • ワード ブレーカーのサポート

注意

Windows SharePoint Services 3.0 では国際化ドメイン名 (IDN) がサポートされていましたが、SharePoint Foundation 2010 ではサポートされません。現在、Windows SharePoint Services 3.0 で IDN を使用していて、SharePoint Foundation 2010 にアップグレードまたは移行する場合は、その前に、IDN の使用を中止し、IDN 設定を削除し、非 IDN 環境をセットアップしてから、SharePoint Foundation 2010 へのアップグレードまたは移行を行ってください。

言語とロケールの要件を決定する

以下のような場合に、多言語サイトを作成することが必要になります。

  • さまざまな地域のユーザーに Web サイトのコンテンツを提供する必要がある場合。

  • 複数の言語で Web サイトのコンテンツを提供することが、法律または組織のポリシーによって必要とされている場合。

必要な言語を決定するには、対象となる可能性があるすべてのサイト所有者と協議して、将来サポートが必要となる可能性があるすべての言語の一覧を作成します。完成した運用環境で実行しているサーバーに言語サポートをインストールするより、初期展開時に言語サポートをインストールする方が簡単です。特定の言語用にサイトを作成した後は、サイトの既定の言語を変更できません。ただし、サイトにログオンしたユーザーは、多言語ユーザー インターフェイスを使用してサイトの表示言語を変更できます。この場合、ユーザーに対して表示されるサイト ユーザー インターフェイスは変更されますが、サイト コンテンツは変更されません。たとえば、サイトがフランス語で準備されていて、サーバーにスペイン語の言語パックもインストールされている場合、サイトのユーザーは言語をスペイン語に変更して、サイト表示時のユーザー インターフェイスをスペイン語で表示できます。この場合、ユーザー インターフェイス表示の変更はその特定のユーザーのみが対象となり、他のユーザーによるサイト表示には影響しません。また、フランス語で作成されたコンテンツは、フランス語で表示されるままになります。多言語ユーザー インターフェイスの詳細については、「多言語ユーザー インターフェイスの概要 (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

注意

ユーザーがサイトを別の言語で表示するように個人用サイト設定を変更しても、列名などの一部のサイト要素は、既定のサイト言語による表示のままになります。

ドキュメント ライブラリに複数の言語のドキュメントがあるという理由だけでは、Web サイトまたはサイト コレクションを複数の言語で作成する必要があるとは限りません。Web サイトまたはサイト コレクションを複数の言語で作成しなくても、ドキュメント ライブラリに複数の言語のドキュメントを含めることができます。たとえば、英語のサイト コレクション用のドキュメント ライブラリに、フランス語で書かれたドキュメントや日本語で書かれたドキュメントが含まれることもあります。

多言語サイトを計画するときは、サイトをサポートするために必要なロケールも検討してください。ロケールは、サイトに表示される数字、日付、および時刻の形式を指定する地域設定です。ただし、ロケールを変更してもサイト表示言語は変更されません。たとえば、ロケールを [タイ] に変更すると、リスト アイテムの既定の並べ替え順序が変更され、既定のカレンダーではなくタイ仏暦が使用されます。ロケールは、サイトの作成時に指定された言語とは無関係に構成される設定であり、言語とは異なり、いつでも変更できます。ユーザー インターフェイスの翻訳の詳細については、「言語パックの要件を決定する」を参照してください。

言語パックの要件を決定する

Web サイトの言語要件に基づいて、フロントエンド Web サーバーにインストールする必要がある言語パックを決定します。言語パックを使用すると、SharePoint Foundation 2010 を個別にインストールすることなく、複数の言語でサイトとサイト コレクションを作成できます。言語パックは、サーバー ファーム内のフロントエンド Web サーバーにインストールします。言語パックには言語固有のサイト テンプレートが含まれます。言語固有のサイト テンプレートに基づいてサイトまたはサイト コレクションを作成すると、サイトまたはサイト コレクションに表示されるユーザー インターフェイス テキストは、指定したサイト テンプレートの言語で表示されます。たとえば、フランス語でサイトを作成すると、サイトのツール バー、ナビゲーション バー、リスト、および列見出しはフランス語で表示されます。同様に、アラビア語でサイトを作成した場合、サイトのツール バー、ナビゲーション バー、リスト、および列見出しはアラビア語で表示されます。また、アラビア語が正しく表示されるように、サイトの既定の文字の向きである左から右が右から左に変更されます。

サイトで使用する予定の既定の言語を使用しないユーザーがサイト ユーザーに含まれる場合、多言語ユーザー インターフェイスを使用して目的の言語を選択できるように言語パックをインストールする必要があります。サポートする言語を追加しないと、ユーザーは母国語以外の言語で表示されるサイト機能を適切に利用できない可能性があります。言語パックをインストールすると、次のようなユーザー インターフェイス要素をその言語に翻訳された表記で表示できるようになります。

  • リボン要素

  • リストおよびサイトの列見出し

  • サイト設定用インターフェイス

  • 新しいリスト、ドキュメント ライブラリ、およびサイト用のテンプレート

  • サイトの既定の言語ではないコンテンツの、該当する検索インデックス

注意

言語パックは、ユーザー インターフェイスの翻訳のみを提供します。コンテンツ ページまたは Web パーツに作成および表示されるコンテンツは翻訳されません。

サイトまたはサイト コレクションの作成に使用でき、ユーザーが多言語ユーザー インターフェイスから選択できる言語の一覧は、サーバー ファームのフロントエンド Web サーバーにインストールされた言語パックによって生成されます。既定では、サイトとサイト コレクションは、SharePoint Foundation 2010 がインストールされた言語で作成されます。たとえば、SharePoint Foundation 2010 のスペイン語版をインストールした場合、サイト、サイト コレクション、および Web ページの既定の言語はスペイン語になります。SharePoint Foundation 2010 の既定の言語以外の言語でサイト、サイト コレクション、または Web ページを作成する必要がある場合は、フロントエンド Web サーバーにその言語の言語パックをインストールすると、それ以降、サイト作成用の言語を選択できるようになります。たとえば、SharePoint Foundation 2010 のフランス語版を実行しており、フランス語、英語、およびスペイン語でサイトを作成する必要がある場合は、フロントエンド Web サーバーに英語とスペイン語の言語パックをインストールする必要があります。それらの言語パックをインストールした後、英語とスペイン語のサイトを作成できるようになります。

SharePoint Foundation 2010 の言語パックは、多言語インストール パッケージにはバンドルまたはグループ化されていません。サポートする必要のある言語ごとに、それぞれの言語パックをインストールする必要があります。また、サーバー ファーム内の各フロントエンド Web サーバーで、指定した言語でコンテンツを表示できるようにするには、それらすべてのサーバーそれぞれに言語パックをインストールする必要があります。使用できる言語パックについては、「言語パック (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。言語パックを展開する方法については、「言語パックを展開する (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

サイトの言語を指定しても、一部のエラー メッセージ、通知、ダイアログ ボックスなどのユーザー インターフェイス要素は、選択した言語で表示されないことがあります。SharePoint Foundation 2010 は, .NET Framework、Microsoft Windows Workflow Foundation、ASP.NET、Microsoft SQL Server など、さまざまなサポート テクノロジに依存しており、これらのサポート テクノロジがローカライズされている言語は限られているからです。これらのサポート テクノロジから生成されるユーザー インターフェイス要素は、サイト管理者がサイトに指定した言語にそのサポート テクノロジがローカライズされていない場合、英語で表示されます。

また、元のインストール言語に由来するテキストがあると、複数の言語が混在することもあります。このような複数言語の混在は、通常、コンテンツ作成者またはサイト管理者だけに表示され、サイト ユーザーには表示されません。

注意

SharePoint Foundation 2010 からサーバーに保存されるエラー ログは、常に英語です。

言語パックのインストールの詳細については、「言語パックを展開する (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

必要なワード ブレーカーとステマーを決定する

ワード ブレーカーとステマーは、インデックス作成プロセスとクエリ プロセスの一部となるコンポーネントです。ワード ブレーカーは、インデックス作成プロセスとクエリ プロセスでテキスト文字列を個々の単語に分割するために使用されるコンポーネントです。ステマーは、単語の基本形を検出し、その派生形も生成できるコンポーネントです。単語の分割とステミングの規則は言語によって異なり、言語ごとに異なる規則を指定できます。各言語用のワード ブレーカーを使用すると、その言語の単語をより正確に検出できます。言語ファミリ用のワード ブレーカーはあっても特定のサブ言語用のワード ブレーカーがない場合は、主要言語のワード ブレーカーが使用されます。たとえば、フランス語 (カナダ) のテキストの処理にはフランス語のワード ブレーカーが使用されます。ワード ブレーカーが存在しない言語には、ニュートラル ワード ブレーカーが使用されます。ニュートラル ワード ブレーカーを使用すると、単語はスペース、句読点などのニュートラル文字で分割されます。

言語パックまたは補助言語サポートをインストールする場合、サポートが必要な各言語用の適切なワード ブレーカーとステマーをインストールすることをお勧めします。ワード ブレーカーとステマーは、Search Service を実行するすべてのサーバーにインストールする必要があります。SharePoint Foundation 2010 でワード ブレーカーとステマーが提供されている言語の一覧については、「ワード ブレーカーとステミング機能に対応した言語 (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

See Also

Concepts

多言語ユーザー インターフェイスの概要 (SharePoint Foundation 2010)
多言語ユーザー インターフェイスを計画する (SharePoint Foundation 2010)