分析グラフと分析グリッドを作成する

 

適用先: SharePoint Server 2010 Enterprise

トピックの最終更新日: 2016-11-30

PerformancePoint ダッシュボード デザイナーを使用すると、ダッシュボード用の分析レポートを作成できます。分析レポートは、データの動的なビジュアル表現であり、対話形式の線グラフ、棒グラフ、円グラフ、および表 (グリッドと呼ばれます) として表示できます。分析グラフと分析グリッドは、SQL Server 2008 Analysis Services または SQL Server 2005 Analysis Services に格納されているデータを使用します。詳細については、「分析グラフと分析グリッドについて」を参照してください。

分析グラフの作成方法に関するビデオを見るには、「Video: Creating an analytic chart by using PerformancePoint Dashboard Designer (英語)」(https://office.microsoft.com/en-us/va101852702.aspx) (英語) を参照してください。

分析グラフと分析グリッドを作成する

分析グラフの作成を始める前に、使用するデータ ソースが利用可能かどうかを確認してください。

データ ソースが利用できることを確認するには

  1. ダッシュボード デザイナー で、[ホーム] タブをクリックし、[更新] をクリックします。

  2. [ワークスペース ブラウザー] の [データ接続] をクリックします。

  3. ワークスペースの中央にある作業ウィンドウで、[サーバー] タブと [ワークスペース] タブに表示されているデータ ソースの一覧を確認します。

  4. 使用するデータ ソースが利用できることを確認します。一覧に見当たらない場合は、データ接続を作成する必要があります。

分析グラフを作成するには、いくつかの手順を踏む必要があります。最初に、レポートの基本構造を作成します。次に、レポートを構成してデータを表示します。

レポートの基本構造を作成するには

  1. ダッシュボード デザイナー で、[ワークスペース ブラウザー] の [PerformancePoint コンテンツ] をクリックします。

  2. リボンで、[作成] タブをクリックします。

  3. リボンで、[レポート] グループの [分析グラフ] または [分析グリッド] をクリックします。

    分析グラフ レポートの作成 (または分析グリッド レポートの作成) ウィザードが表示されます。

  4. [データソースの選択] ウィンドウで、使用する SQL Server Analysis Services データ ソースを選択します。

  5. [完了] をクリックします。

    分析レポートがワークスペースの中央にある作業ウィンドウに表示され、編集できる状態になります。

  6. 中央の作業ウィンドウで、[プロパティ] タブをクリックします。

  7. [名前] ボックスに、レポートに使用する名前を入力します。

  8. (この手順は省略することもできます) レポートの場所を指定するには、[ 表示フォルダー ] をクリックしてから、フォルダーを選択または作成します。

  9. [ワークスペース ブラウザー] でレポートを右クリックし、[保存] をクリックします。

レポートの基本構造を作成した後で、情報を表示するようにレポートを構成します。レポートに情報を表示するように構成するには、2 つの方法があります。

  • [デザイン] タブを使用してアイテムを [詳細] 作業ウィンドウからドラッグすると、レポートをプレビューできます。レポートを構成すると中央の作業ウィンドウ内でレポートの表示が自動的に更新されるので、ダッシュボードにどのように表示されるかがわかります。

  • [クエリ] タブを使用して、情報の表示に使用されるカスタムの Multidimensional Expressions (MDX クエリ) を指定または編集できます。

ヒント

[クエリ] タブ ([デザイン] タブではなく) を使用して分析グラフを作成した場合は、ダッシュボードのユーザーがデータをドリル アップまたはドリル ダウンできません。

[デザイン] タブを使用してレポートの情報表示を構成するには (推奨)

  1. 分析レポートが ダッシュボード デザイナー に表示され、編集可能になっている状態から始めます。中央の作業ウィンドウで、[デザイン] タブをクリックします。

  2. [詳細] 作業ウィンドウで、[メジャー]、[ディメンション]、または [ 名前付きセット ] を展開して各カテゴリで使用可能なアイテムの一覧を表示します。

  3. アイテムを [系列] (または [])、[横軸] (または [])、または [背景] セクションにドラッグします。

    ヒント

    データを分析レポートに表示するには、少なくとも 1 つのアイテムを各 [系列] (または []) セクションと [横軸] (または []) セクションに配置する必要があります。
    必要であれば、アイテムを [背景] セクションに配置することもできます。
    メジャー、ディメンション、および名前付きセットをさまざまに組み合わせることができます。たとえば、名前付きセットをあるセクションに配置し、メジャーを別のセクションに配置できます。または、1 つのディメンション階層を 1 つのセクションに配置し、別のディメンション階層を別のセクションに配置できます。また、メジャーを [背景] セクションに配置したり、[背景] セクションを空白にしたりすることもできます。

    • [系列] セクションはグラフの縦軸に相当し、[横軸] セクションは横軸に相当します。

    • [] セクションはグリッドの横の行に相当し、[] セクションは縦の列に相当します。

    • [背景] セクションに配置したアイテム (オプションの要素) は、分析グラフまたは分析グリッドの隠れたフィルターとして機能します。たとえば、"Geography" (地域) ディメンションを [背景] セクションに配置してから、階層内の地域の一部 (全部ではない) を選択すると、分析レポートに表示される情報は、選択した地域に該当するものに絞り込まれます。

      注意

      [背景] セクションにディメンションを配置し、メンバーの一覧で [すべて] オプションを選択する場合は、ディメンション メンバーを個別に選択していないことを確認します。個別にも選択している場合、エラー メッセージが表示される可能性があります。エラー メッセージには、データ ソースのクエリを実行中にエラーが発生したことが示されます。

  4. グラフに配置したディメンションごとに、既定の選択 (通常は [すべて]) を維持するか、表示するディメンション メンバーを選択できます。

    ディメンション メンバーを個別に選択するには

    1. ディメンションを右クリックし、[メンバーの選択] をクリックします。または、ディメンション名の横にある下矢印をクリックし、[メンバーの選択] をクリックします。

      [メンバーの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。

    2. 展開可能なツリー コントロールを使用して、ディメンション階層に含まれるメンバーの一覧を表示します。

    3. 分析レポートに表示するアイテムを選択します。

    4. [OK] をクリックします。

      [メンバーの選択] ダイアログ ボックスが終了し、分析レポートが更新されて、選択したメンバーが表示されます。

  5. グラフに表示するアイテムごとに手順 2. ~ 4. を繰り返します。

  6. リボンで、[編集] タブの [ビュー] グループのツールバー コマンドを使用して、分析レポートのビューの種類と設定を指定します。

    重要

    PowerPivot データ接続を使用する分析グリッドを作成する場合は、コンパクト レイアウトではなく表形式レイアウト オプションを使用してください。そうしないと、ダッシュボード ユーザーがレポートで値フィルターを使用しようとするとエラー メッセージが表示される場合があります。
    グリッドに表形式レイアウトを適用するには、[編集] タブの [表示] グループで、[レイアウト] メニューの [表形式レイアウト] を選択します。

  7. [ワークスペース ブラウザー] でレポートを右クリックし、[保存] をクリックします。

[クエリ] タブを使用してレポートの情報表示を構成するには (MDX に関する知識が必要)

  1. 分析レポートが ダッシュボード デザイナー に表示され、編集可能になっている状態から始めます。中央の作業ウィンドウで、[クエリ] タブをクリックします。

  2. [MDX] 作業ウィンドウで、分析レポートに使用する MDX クエリを指定します。

    たとえば、さまざまな販売エリアについて各製品の販売情報を表示するには、以下のサンプルのような MDX クエリを使用します。

    SELECT
    HIERARCHIZE( { [Product].[Product].[Product Category Name].&[8], [Product].[Product].[Product Category Name].&[7], [Product].[Product].[Product Category Name].&[6], [Product].[Product].[Product Category Name].&[5], [Product].[Product].[Product Category Name].&[4], [Product].[Product].[Product Category Name].&[3], [Product].[Product].[Product Category Name].&[2], [Product].[Product].[Product Category Name].&[1] } )
    ON COLUMNS,
    
    HIERARCHIZE( { [Sales Territory].[Territory Hierarchy].[Sales Territory Group].&[North America], [Sales Territory].[Territory Hierarchy].[Sales Territory Group].&[Europe], [Sales Territory].[Territory Hierarchy].[Sales Territory Group].&[Asia] } )
    ON ROWS
    
    FROM [Sales]
    
    WHERE ( [Measures].[Sales Amount] )
    

    実際に使用するクエリは、データ キューブや表示する情報の種類によって異なります。

  3. (この手順は省略することもできます) ダッシュボード フィルターを分析レポートに接続する場合は、フィルターを受け取るようにレポートを構成する必要があります。

    重要

    以下の手順は、カスタム MDX クエリを使用して作成された分析レポートまたは分析グリッドにのみ適用されます。

    1. 中央にある作業ウィンドウの [MDX] ウィンドウで、ディメンション番号、ディメンション階層、または名前付きセットを表すコード例を選択します。

      分析グラフまたは分析グリッドに使用するフィルターの種類によって、選択するコード例は異なります。

      たとえば、[Geography].[Geography].[Region] という式を含む MDX クエリを使用する分析グラフがあるとします。このコード例は、Geography ディメンション内のディメンション階層を表します。

      地理フィルターを受け取るようにグラフを構成するには、完全なコード例 [Geography].[Geography].[Region] を選択します。

    2. [パラメーター] セクションで、パラメーターの名前を入力し、[挿入] をクリックします。

      パラメーター名が、[MDX] 作業ウィンドウに表示されます。

      たとえば、Geo という名前のパラメーターをコード例 [Geography].[Geography].[Region] に挿入すると、[MDX] 作業ウィンドウには、コード例の代わりに <<Geo>> が表示されます。

      これで、このパラメーターを使用してダッシュボード フィルターをレポートにリンクできるようになりました。ダッシュボードのユーザーがこのレポートにリンクされたアイテムをフィルターから選択すると、<<Geo>> がクエリ内のそのアイテムに置き換わります。分析レポートに結果が表示されます。

    3. 複数のパラメーターを追加するには、手順 3a. と 3b. を繰り返します。

      たとえば、2 つのパラメーターを使用する次のコードが分析グラフにあるとします。

      SELECT {[Time].[Calendar].[Year].&[2006]} ON COLUMNS, { TOPCOUNT({DESCENDANTS(<<Product>>, [Product].[Product].[Product])}, 20, ([Time].[Calendar].[Year].&[2009], [Measures].[Sales Amt]))} ON ROWS FROM [Sales] WHERE (<<Geography>>, [Measures].[Sales Amt])
      

      このクエリを使用すると、"Products" (製品) と "Geography" (地域) の 2 種類のフィルターを分析レポートにリンクできます。

      この MDX クエリに基づいて、ダッシュボードのユーザーが "Products" フィルターで製品のカテゴリを選択してから "Geography" フィルターで地域を選択すると、2009 年にその地域で販売された製品の上位 20 品目を (降順で) 表示できます。

  4. 中央の作業ウィンドウで、[デザイン] タブをクリックして分析グラフまたはグリッドをプレビューします。

  5. リボンで、[編集] タブの [ビュー] グループのツールバー コマンドを使用して、分析レポートのビューの種類と設定を指定します。

  6. [ワークスペース ブラウザー] でレポートを右クリックし、[保存] をクリックします。

分析グラフまたは分析グリッドを編集する

分析レポートを作成した後で、レポートを構成して情報の表示方法を調整できます。たとえば、表示される情報を構成できます。または、棒グラフを折れ線グラフに変更したり、グラフをグリッドに変更するなど、レポートの表示タイプを変更できます。

分析レポートに表示する情報を構成する場合は、次の 2 つの方法のどちらかを使用できます。

  • ワークスペースの中央にある作業ウィンドウの [デザイン] タブを使用して、レポートに使用するディメンション、メジャー、または名前付きセットを追加または削除します。また、[デザイン] タブを使用して分析レポートをプレビューすることもできます。

  • ワークスペースの中央にある作業ウィンドウの [クエリ] タブを使用して、レポートに情報を表示するために使用される MDX クエリを変更します。

[デザイン] タブを使用して、レポートに表示するアイテムを追加、削除、または変更するには

  1. 分析レポートが ダッシュボード デザイナー に表示され、編集可能になっている状態から始めます。ワークスペースの中央の作業ウィンドウで、[デザイン] タブをクリックします。

  2. 以下の変更の 1 つ以上を分析グラフまたは分析グリッドに行います。

    処理 手順

    アイテムを分析グラフまたは分析グリッドに追加する

    1. [詳細] 作業ウィンドウで、[メジャー]、[ディメンション]、または [ 名前付きセット ] を展開してカテゴリで使用可能なアイテムの一覧を表示します。

    2. [詳細] 作業ウィンドウで、アイテムを [系列] (または [])、[横軸] (または [])、または [背景] セクションにドラッグします。

    3. グラフに表示するアイテムごとに、この操作を繰り返します。

    アイテムをグラフまたはグリッドから削除する

    [系列] (または [])、[横軸] (または [])、または [背景] セクションで、削除するアイテムを右クリックし、[削除] をクリックします。

    アイテムをグラフまたはグリッド内で移動する

    [系列] (または [])、[横軸] (または [])、または [背景] セクションで、移動するアイテムを右クリックし、移動先のセクションをクリックします。

    または

    アイテムをドラッグして別のセクションに移動します。

    複数のディメンション メンバーをグラフまたはグリッドに表示する

    1. ディメンションを右クリックし、[メンバーの選択] をクリックします。[メンバーの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。

    2. 展開可能なツリー コントロールを使用して、ディメンション メンバーの一覧を表示します。分析グラフに表示するアイテムを選択し、[OK] をクリックします。

      [メンバーの選択] ダイアログ ボックスが終了し、分析グラフまたは分析グリッドが更新されて、選択したメンバーが表示されます。

  3. [ワークスペース ブラウザー] で分析レポートを右クリックし、[保存] をクリックします。

[クエリ] タブを使用して、レポートに表示するアイテムを追加、削除、または構成するには

  1. 分析レポートが ダッシュボード デザイナー に表示され、編集可能になっている状態から始めます。ワークスペースの中央の作業ウィンドウで、[クエリ] タブをクリックします。

  2. [MDX] 作業ウィンドウで、表示される MDX クエリを編集します。または、新しい MDX クエリを入力します。

  3. [ワークスペース ブラウザー] で分析レポートを右クリックし、[保存] をクリックします。

See Also

Concepts

分析グラフと分析グリッドについて
PowerPivot のデータ接続を作成する (PerformancePoint Services)