Excel、PowerPivot for Excel、および Excel Services のセルフサービス ビジネス インテリジェンス

 

適用先: SharePoint Server 2010

トピックの最終更新日: 2017-01-19

ここでは、ビジネス インテリジェンス データをインポートできるように Microsoft Excel 2010 および Microsoft SQL Server 2008 R2 PowerPivot for Microsoft Excel 2010 を構成し、Microsoft SharePoint Server 2010 の Excel Services を使用して Microsoft SharePoint Server 2010 Web サイトでレポートを公開する方法について説明します。

グローバル ビジネスを運用するためのデータ分析の使用量の急増は、組織の IT 部門にとって負担になることがよくあります。これまでは、IT 部門がレポートの生成に使用する標準化された一連のテンプレートを作成するのが一般的でした。インフォメーション ワーカー (IW) は IT 部門に依存してこれらのレポートを作成する必要があり、この作業には数日間を要していました。Microsoft の最新のセルフサービス ビジネス インテリジェンス ツールを使用すると、ビジネス ユーザー自身がデータの分析、独自のレポートの生成、およびデータの分析を実行できるので、IT 部門に対する負担を軽減することができます。

Excel Services ユーザーと PowerPivot for Excel 2010 ユーザーは、Microsoft SQL Server 2008 R2、Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services (SSAS)、Microsoft SQL Server 2008 Reporting Services (SSRS)、IBM、Oracle、SAP システムなどのバックエンド データベースからデータをインポートできます。また、ユーザーは、複数の Excel 2013 スプレッドシートやブック、または Microsoft Access 2010 データベースからデータをインポートすることもできます。

バックエンド データ ソース、データ フィード、またはデータ ファイルのいずれかから必要なデータをインポートした後、ユーザーは Excel 2013 または PowerPivot for Excel を使用してレポートを生成し、この新しいデータを Excel Services を使用して SharePoint Server 2010 Web サイトに表示することができます。

この記事の内容

  • Excel 2013 および PowerPivot for Excel 2010 を構成する

  • Excel 2013 および PowerPivot for Excel 2010 を使用して外部データをインポートする

  • Excel Services を使用して SharePoint Server 2010 にインポートされたデータを公開する

Excel 2013 および PowerPivot for Excel 2010 を構成する

PowerPivot for Excel 2010 は、データ分析および強力な計算を Excel 2013 に追加する無償のアドインです。PowerPivot for Excel 2010 を使用するには、PowerPivot for Excel 2010 アドインをインストールする必要があります。PowerPivot for Excel 2010 は、「Microsoft | PowerPivot (英語)」でダウンロードできます。

PowerPivot for Excel 2010 をインストールするには

  1. Microsoft Windows 7 または Microsoft Windows Server 2008 R2 以外のオペレーティング システムを実行している場合は、.NET Framework 3.5 SP1 をインストールする必要があります。

  2. Microsoft Office 2010 をインストールします。

  3. PowerPivot for Excel 2010 をインストールします。

    重要

    32 ビット版の Excel をインストールする場合は、32 ビット版の PowerPivot を使用する必要があります。64 ビット版の Excel をインストールするには、64 ビット版の PowerPivot を使用する必要があります。

    注意

    Excel 2013 を初めて起動するときは、Excel で PowerPivot for Excel 2010 を読み込むための権限が要求されます。

PowerPivot for Excel 2010 をインストールした後に、[ヘルプ] をクリックするか、F1 キーを押して PowerPivot for Microsoft Excel のオンライン ヘルプ (英語)を参照できます。その他のヘルプやダウンロードについては、「PowerPivot for Excel」を参照してください。

Excel 2013 および PowerPivot for Excel 2010 を使用して外部データをインポートする

このセクションでは、Excel 2013 および PowerPivot for Excel 2010 を使用して複数のソースから外部データをインポートする方法を説明します。このようなインポートはどちらのアプリケーションでも実行できますが、PowerPivot for Excel 2010 は 2 GB までのファイルをサポートし、メモリ内で 4 GB までのデータを処理できます。前に説明したように、ユーザーは、Microsoft SQL Server 2008 R2、Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services (SSAS)、Microsoft SQL Server 2008 Reporting Services (SSRS)、IBM、Oracle、SAP システムなどのバックエンド データベースからデータをインポートできます。また、両方のアプリケーションを使用して、他の Excel スプレッドシートやブック、および Access 2010 デスクトップや Web データベースからデータをインポートすることもできます。

このセクションの内容

  • Excel 2013 を使用して外部データをインポートする

  • PowerPivot for Excel 2010 を使用して外部データをインポートする

Excel 2013 を使用して外部データをインポートする

Excel 2013 にデータをインポートするには 2 つの方法があります。1 つは、[外部データの取り込み] 機能を使用する方法です。もう 1 つは、データ接続ウィザードを使用して複数のデータ ソースに接続する方法です。次のデータ ソースがあります。

  • Microsoft SQL Server

  • Microsoft SQL Server Analysis Services (SSAS)

  • ODBC DSN

  • Microsoft Data Access - OLEDB Provider for Oracle

  • その他/詳細

[外部データの取り込み] 機能を使用してデータをインポートするには

  1. Excel 2013 で、新しいブックを開きます。

  2. メニュー バーで、[データ] をクリックします。

  3. リボンの [外部データの取り込み] セクションで、[その他のデータ ソース] をクリックし、外部データのインポート元を選択します。表示されるリストには、次の選択項目が示されます。

    • Access データベース

    • Web クエリ

    • テキスト ファイル

    • その他のデータ ソース

      • SQL Server

      • Analysis Services

      • XML データ インポート

      • データ接続ウィザード

      • Microsoft Query

    • 既存の接続

データ接続ウィザードとのデータ ソース接続を確立するには

  1. Excel 2013 で、空白のブックを開きます。

  2. メニュー バーで、[データ] をクリックし、[接続] グループで [接続] をクリックします。

  3. [ブックの接続] ウィンドウで、[追加] をクリックします。

  4. [既存の接続] ウィンドウに、現在のすべての接続ファイルが表示されます。リストされていない接続が必要な場合は、[参照] をクリックします。

  5. [データ ソースの選択] ウィンドウに、追加の接続ファイルが表示されます。リストされていない接続を検索する必要がある場合は、[新しいソース] をクリックします。

  6. データ接続ウィザードが表示されて、データ ソースの次のリストが表示されます。

    • Microsoft SQL Server

    • Microsoft SQL Server Analysis Services (SSAS)

    • ODBC DSN

    • Microsoft Data Access - OLEDB Provider for Oracle

    • その他/詳細

  7. いずれかのデータ ソースをクリックし、[次へ] をクリックしてウィザードを開始します。

PowerPivot for Excel 2010 を使用して外部データをインポートする

PowerPivot for Excel 2010 を使用した外部データのインポートは、この Excel 2013 アドインの既定の機能です。データのインポートにはさまざまなソースを使用できます。データをインポートしたり、データのインポート元のデータ ソースに接続する方法について、PowerPivot for Excel 2010 は Excel 2013 と似ています。次のリストに、PowerPivot for Excel 2010 で使用できる多くのデータ ソースを示します。

  • Access データベース

  • SQL Server リレーショナル データベース

  • Oracle リレーショナル データベース

  • Teradata リレーショナル データベース

  • Informix リレーショナル データベース

  • IBM DB2 リレーショナル データベース

  • Sybase リレーショナル データベース

  • その他のリレーショナル データベース (OLE DB プロバイダーまたは ODBC ドライバー)

  • テキスト ファイル

  • Microsoft Excel ファイル

  • PowerPivot ブック

  • Analysis Services キューブ

  • データ フィード

データベースからデータをインポートするには

  1. Excel 2013 で、メニュー バーの [PowerPivot] をクリックし、[起動] セクションで [PowerPivot ウィンドウ] をクリックします。

  2. PowerPivot for Excel 2010 で、[外部データの取り込み] グループの [データベース] をクリックします。

  3. 使用可能なリストから必要なソースを選択します。

    • SQL Server

    • Access データベース

    • Analysis Services または PowerPivot

  4. ウィザードを終了します。

レポートからデータをインポートするには

  1. PowerPivot for Excel 2010 で、[外部データの取り込み] グループの [レポート] をクリックします。

  2. テーブルのインポート ウィザードで、[フレンドリ接続名前空間] にこの接続の名前を入力します。

  3. [参照] をクリックし、Microsoft SQL Server Reporting Services (SSRS) サーバーまたは URL を選択します。レポート サーバーでレポートを頻繁に使用すると、そのサーバーは [最近利用したサイトとサーバー] にリストされます。SQL Server Reporting Services サーバーまたはサイトがリストされていない場合は、[名前] スペースに Reporting Services サーバーまたはサイトへのアドレスを入力し、[開く] をクリックして、サーバーのフォルダーを参照するか、レポートを選択します。

  4. テーブルのインポート ウィザードはレポートに接続し、プレビュー エリアにそのレポートを表示します。

  5. [次へ] をクリックし、インポートするレポートを選択して、[開く] をクリックします。

  6. テーブルのインポート ウィザードには、[テーブルとビューの選択] ウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、データのインポート元となるテーブルとビューを選択できます。インポートするテーブルがレポート内に 1 つしかない場合は、[プレビューとフィルター] をクリックし、インポートする列を選択することもできます。

  7. インポートするデータを選択したら [完了] をクリックし、テーブルのインポート ウィザードにインポートの成功が表示されたら [閉じる] をクリックします。

詳細については、「Excel 2010 のヘルプと使い方」を参照してください。

Excel Services を使用して SharePoint Server 2010 にインポートされたデータを公開する

外部データを PowerPivot for Excel 2010 にインポートし、Excel スプレッドシートまたはブックとして保存した後、次の手順としてそのレポートを SharePoint Server 2010 で公開します。

インポートされたデータを SharePoint Server 2010 で公開するには

  1. Excel 2013 で、[ファイル] リボンをクリックし、メニューの [保存と送信] をクリックし、[保存と送信] セクションで [SharePoint に保存] をクリックします。

  2. [最近使用した場所] セクションで、一覧から場所を選択してクリックし、[名前を付けて保存] をクリックします。ブックを公開していない場合、[最近使用した場所] セクションに場所がリストされません。この場合は、[場所] セクションで [場所の参照] をクリックし、[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスに SharePoint Server サイトの URL を入力して、スプレッドシートやブックを保存するサイトまたはライブラリを参照します。

    注意

    Excel 2013 ブックを SharePoint Server Web サイトで公開した後にブラウザーでそのブックを表示するには、SharePoint Server ライブラリ、UNC パス、または HTTP Web サイトを明示的に信頼する必要があります。詳細については、「Excel Services の認証を計画する (SharePoint Server 2010)」および「Excel Services の信頼できる場所を管理する」を参照してください。

  3. ブックの表示時に特定のセルが編集できるようにブックの各シート、ブック内の特定のアイテム、または設定されたパラメーターのみを公開する場合は、[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスで [発行オプション] をクリックします。[発行オプション] ウィンドウでは、[ブラウザー上の Excel で開く] チェックボックスをオンにしてブックを公開後すぐに表示したり、[縮小版を保存する] チェックボックスをオンにしたりすることもできます。完了したら、[保存] をクリックします。

また、SharePoint Server ドキュメント ライブラリで [ドキュメントの追加] 機能を使用してファイルを直接保存することもできます。また、WebDAV が SharePoint Server コンピューターにインストールされている場合、ファイルを SharePoint Server ファームにファイル共有として (\\sharepoint-farm\sute\subsite\doclib など) コピーすることもできます。

組織でのセルフサービス ビジネス インテリジェンスの展開方法の詳細については、次のリンクを参照してください。