ブランチ サイトの復元ソリューション

 

トピックの最終更新日: 2012-01-24

ブランチ サイトの復元を提供することには明白な利点があります。すなわち、中央サイトへの接続が失われた場合でも、ブランチ サイトのユーザーはエンタープライズ VoIP サービスおよびボイス メールを引き続き使用できるということです (ボイス メール再ルーティング設定を構成する場合です。詳細については、「ブランチ サイトの復元要件」を参照してください)。 ただし、25 ユーザー以下のサイトの場合は、復元ソリューションを使用しても投資利益が得られない場合があります。

ブランチ サイト復元を提供することを決めた場合、その方法には 3 つのオプションがあります。 次の表を利用して、どのオプションが最適かを確認してください。

もしも 推奨されるオプション

ブランチ サイトに 25 から 1000 ユーザーが所属しており、投資収益率が全面的な展開をサポートしない、またはローカル管理者がいない場合

存続可能ブランチ アプライアンス

存続可能ブランチ アプライアンスは、Windows Server 2008 R2 で動作する Microsoft Lync Server 2010 レジストラーおよび仲介サーバーを有する業界標準のブレード サーバーです。存続可能ブランチ アプライアンスは、PSTN ゲートウェイも含みます。公認サード パーティ製デバイス (SBA 認定/認証プログラムで Microsoft のパートナーによって開発されたもの) は、WAN で障害が発生した場合に継続した PSTN 接続を提供しますが、プレゼンスおよび会議の復元性は提供しません。これらの機能はセントラル サイトのフロント エンド サーバーに依存しているためです。

存続可能ブランチ アプライアンスの詳細については、このトピックの後半の「存続可能ブランチ アプライアンスの詳細」を参照して下さい。

メモ:存続可能ブランチ アプライアンスと共に SIP トランクも使用することを決定した場合は、組織に適したサービス プロバイダーについて、存続可能ブランチ アプライアンス ベンダーにお問い合わせください。

ブランチ サイトに 1000 から 2000 ユーザーが所属しており、回復可能な WAN 接続がなく、訓練を受けた Lync Server 管理者がいる場合

存続可能ブランチ サーバーまたは 2 つの存続可能ブランチ アプライアンス

存続可能ブランチ サーバーは、Lync Server 2010 レジストラーおよび仲介サーバー ソフトウェアがインストールされた、特定のハードウェア要件を満たしている Windows Server です。これを、PSTN ゲートウェイ、または電話サービス プロバイダーへの SIP トランクに接続する必要があります。

存続可能ブランチ サーバーの詳細については、このトピックの後半の「存続可能ブランチ サーバーの詳細」を参照して下さい。

5000 以上のユーザーに対応する音声機能に加えて、プレゼンスおよび会議機能も必要であり、訓練を受けた Lync Server 管理者がいる場合

ブランチ サイトとしてではなく、Standard Edition サーバーが含まれるセントラル サイトとして展開します。

全面的な Lync Server 展開では、WAN の障害が発生した場合でも継続した PSTN 接続およびプレゼンスと会議の復元性が提供されます。

このソリューションを準備する方法の詳細については、「計画」のドキュメントの「計画入門: 組織の計画」、「使用環境の準備」、「インフラストラクチャ要件の決定」、およびその他の関連するセクションを参照して下さい。

復元性のトポロジ

次の図は、ブランチ サイトの復元性の推奨されるトポロジを示しています。

ブランチ サイトの復元性オプション

音声ブランチの復元性オプション

存続可能ブランチ アプライアンスの詳細

Lync Server 2010 存続可能ブランチ アプライアンスには次のコンポーネントが含まれます。

  • ユーザー認証、登録、通話ルーティングのためのレジストラー。

  • レジストラーと PSTN ゲートウェイ間の信号を処理する仲介サーバー

  • WAN の停止時に代替トランスポートとして PSTN に通話をルーティングする PSTN ゲートウェイ

  • ローカル ユーザーのデータ記憶域用 SQL Server Express

存続可能ブランチ アプライアンス にはまた、PSTN トランク、アナログ ポート、およびイーサネット アダプターが含まれます。

ブランチ サイトで中央サイトへの WAN 接続が使用できなくなった場合、内部ブランチ ユーザーは、存続可能ブランチ アプライアンスの PSTN への接続を使用して、存続可能ブランチ アプライアンス レジストラーに登録され続け、中断しない音声サービスを取得し続けます。 自宅またはその他のリモートの場所から接続しているブランチ サイトのユーザーもまた、ブランチ サイトへの WAN リンクが使用できない場合に中央サイトのレジストラー サーバーに登録されることができます。 これらのユーザーはすべての統合コミュニケーション機能を持つことができますが、唯一の例外は、ブランチ サイトへの着信通話はボイス メールに転送されるということです。 WAN 接続が使用可能になれば、ブランチ サイトのユーザーはすべての機能を再び使用できるようになります。 存続可能ブランチ アプライアンスのフェールオーバーまたはサービスの復元のどちらの場合でも、IT 管理者の存在は必要とされません。

Lync Server は、1 つのブランチ サイトで存続可能ブランチ アプライアンスを 2 台までサポートできます。

存続可能ブランチ アプライアンスの展開の概要

存続可能ブランチ アプライアンスは、Microsoft とパートナーシップ関係にある相手先ブランド供給によって製造され、付加価値小売業者によって代わりに展開されます。 この展開を実行する前に、中央サイトに Lync Server 2010 を展開し、ブランチ サイトへの WAN 接続の準備を整え、ブランチ サイトのユーザーをエンタープライズ VoIP に有効化しておく必要があります。

これらのフェーズの詳細については、「展開」のドキュメントの「存続可能ブランチ アプライアンスまたはサーバーの展開」を参照してください。

フェーズ ステップ ユーザー権限

存続可能ブランチ アプライアンスの Active Directory ドメイン サービスを設定する

中央サイトにおいて:

  1. ブランチ サイトで存続可能ブランチ アプライアンスをインストールおよびアクティブ化する技術者用に、ドメイン ユーザー アカウント (またはエンタープライズ ID) を作成します。

  2. Active Directory で存続可能ブランチ アプライアンスのコンピューター アカウントを (適切な FQDN で) 作成します。

  3. トポロジ ビルダーで、存続可能ブランチ アプライアンスを作成および公開します。

技術者のユーザー アカウントは、RTCUniversalSBATechnicians のメンバーである必要があります。 存続可能ブランチ アプライアンスは、RTCSBAUniversalServices グループに所属している必要があります。これは、トポロジ ビルダーを使用する時に自動的に行われます。

インストールし、存続可能ブランチ アプライアンスをアクティブ化します。

ブランチ サイトにおいて:

  1. 存続可能ブランチ アプライアンスをイーサネット ポートと PSTN ポートに接続します。

  2. 存続可能ブランチ アプライアンスを開始します。

  3. 中央サイトで存続可能ブランチ アプライアンスに作成したドメイン ユーザー アカウントを使用して、存続可能ブランチ アプライアンスをドメインに参加させます。 コンピューター アカウントで作成された FQDN に一致する FQDN と IP アドレスを設定します。

  4. OEM ユーザー インターフェイスを使用して、存続可能ブランチ アプライアンスを構成します。

  5. PSTN 接続をテストします。

技術者のユーザー アカウントは、RTCUniversalSBATechnicians のメンバーである必要があります。

存続可能ブランチ サーバーの詳細

トポロジ ビルダーで、ブランチ サイトを作成し、存続可能ブランチ サーバーをそのサイトに追加し、役割をインストールするコンピューターでLync Server 展開ウィザードを実行します。

関連項目

その他のリソース

Lync Server 2010 の展開