New-CsVoiceNormalizationRule

 

トピックの最終更新日: 2012-03-26

新しい音声正規化ルールを作成します。音声正規化ルールは、電話のダイヤル要件 (外線接続の際に 9 をダイヤルするなど) を Microsoft Lync Server 2010 で使用されている E.164 の電話番号形式に変換するために使用します。

構文

New-CsVoiceNormalizationRule -Identity <XdsIdentity> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Description <String>] [-Force <SwitchParameter>] [-InMemory <SwitchParameter>] [-IsInternalExtension <$true | $false>] [-Pattern <String>] [-Priority <Int32>] [-Translation <String>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

New-CsVoiceNormalizationRule -Name <String> -Parent <String> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Description <String>] [-Force <SwitchParameter>] [-InMemory <SwitchParameter>] [-IsInternalExtension <$true | $false>] [-Pattern <String>] [-Priority <Int32>] [-Translation <String>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

このコマンドレットを実行すると、名前の付いた音声正規化ルールが作成されます。これらのルールは、電話の認証および呼び出しルーティングの必要部分です。これらのルールによって、番号を Lync Server 2010 の内部形式から標準 (E.164) 形式に変換する際の要件を定義します。変換する番号パターンを定義する際には、正規表現を理解していると便利です。

このコマンドレットを使用して作成したルールはダイヤル プランの一部となります。このルールには、Get-CsVoiceNormalizationRule コマンドレットのほか、Get-CsDialPlan コマンドレットを呼び出すことで戻される NormalizationRules プロパティ経由でもアクセスできます。正規化ルールの Identity に指定されているスコープと一致する Identity を持つダイヤル プランが存在しない場合、正規化ルールを作成することはできません。たとえば、site:Redmond のダイヤル プランが存在しない場合、site:Redmond/RedmondNormalizationRule という Identity を持つ正規化ルールを作成することはできません。

このコマンドレットを実行できるユーザー:既定では、次のグループのメンバーが、New-CsVoiceNormalizationRule コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "New-CsVoiceNormalizationRule"}

パラメーター

パラメーター 必須かどうか 説明

Identity

必須

XdsIdentity

ルールの一意の識別子です。指定する Identity にはスコープとその後にスラッシュと名前が続くものが含まれる必要があります。たとえば、site:Redmond/Rule1 で、ここで site:Redmond はスコープで、Rule1 が名前です。名前の部分は、Name プロパティに自動的に格納されます。Identity と Name の値を同じコマンドで指定することはできません。

音声正規化ルールは、グローバル スコープ、サイト スコープ、サービス スコープ (レジストラーおよび PSTNGateway のみ)、およびユーザーごとのスコープで作成できます。新しいルールを作成する前には、正規化ルールのスコープと一致する Identity を持つダイヤル プランが既に存在している必要があります (ダイヤル プランの一覧を取得するには、Get-CsDialPlan コマンドレットを呼び出します)。

Parent パラメーターが指定されていない場合は Identity パラメーターが必要です。Identity パラメーターと Parent パラメーターを同じコマンドに入れることはできません。

Name

必須

文字列

ルールの名前です。このパラメーターは、Parent パラメーターの値が指定済みの場合に必要です。Parent パラメーターの値が指定されていない場合は、Identity パラメーターで指定した名前が Name の既定の名前となります。たとえば、site:Redmond/RedmondRule という Identity で作成したルールの場合、Name は既定で RedmondRule となります。Name パラメーターと Identity パラメーターを同じコマンドで使用することはできません。

Parent

必須

文字列

新しい正規化ルールを作成するスコープです。この値はグローバルにする必要があります。site:<サイト名> (ここで、<サイト名> は Lync Server サイトの名前)、PSTNGateway:redmond.litwareinc.com などの PSTN ゲートウェイまたはレジストラー サービス、またはユーザーごとのルールを指定する文字列にします。指定したスコープを持つダイヤル プランが既に存在している必要があります。存在しない、コマンドは失敗します。

Identity パラメーターが指定されていない場合は Parent パラメーターが必要です。Identity パラメーターと Parent パラメーターを同じコマンドに入れることはできません。Parent パラメーターを入れる場合は Name パラメーターも必要です。

Description

省略可能

文字列

正規化ルールのわかりやすい説明です。

最長文字列:512 文字

IsInternalExtension

省略可能

ブール値

True に設定されていると、このルールは組織内部の番号に適用されます。False に設定されていると、ルールは外線番号に適用されます。関連するダイヤル プランの OptimizeDeviceDialing プロパティの値が False に設定されていると、この値は無視されます。

既定値は次のとおりです。False

Pattern

省略可能

文字列

このルールを適用するダイヤル番号が一致する必要のある正規表現です。

既定値は次のとおりです。^(\d{11})$ (既定では最大 11 桁の任意の数字の組み合わせです)。

Priority

省略可能

Int32

ルールの適用順序です。電話番号が複数のルールと一致する場合があります。このパラメーターによって、番号に対してルールをテストする順序を設定します。

Translation

省略可能

文字列

番号を E.164 形式に変換するために適用する正規表現のパターンです。

既定値は次のとおりです。+$1 (既定では正符号 [+] を含む数字が頭に付きます)。

Force

省略可能

SwitchParameter

変更を行う前に表示されるように設定されているすべての確認メッセージを表示しないようにします。

InMemory

省略可能

SwitchParameter

永続的な変更としてオブジェクトをコミットせずに、オブジェクト参照を作成します。このパラメーターを指定して呼び出したコマンドレットの出力を変数に割り当てる場合、オブジェクト参照のプロパティを変更し、コマンドレットに対応する Set- コマンドレットを呼び出してそれらの変更をコミットできます。

WhatIf

省略可能

SwitchParameter

実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。

Confirm

省略可能

SwitchParameter

コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。

入力の種類

なし。

戻り値の種類

このコマンドレットを実行すると、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Policy.Voice.NormalizationRule 型のオブジェクトが作成されます。

-------------------------- 例 1 --------------------------

New-CsVoiceNormalizationRule -Identity "site:Redmond/Prefix Redmond"

この例では、レドモンド サイト向けに、Prefix Redmond という新しい音声正規化ルールを作成しています。他のパラメーターは指定しないため、ルールは既定値で作成されます。Identity パラメーターに渡される値が二重引用符で囲まれていることに注意してください。これはルール名 (Prefix Redmond) にスペースが含まれるためです。ルール名にスペースが含まれていない場合は、Identity を二重引用符で囲む必要はありません。

このコマンドが成功するためには、レドモンド サイトのダイヤル プランが存在している必要があることに注意してください。新しいダイヤル プランを作成するには、New-CsDialPlan コマンドレットを呼び出します。

-------------------------- 例 2 --------------------------

New-CsVoiceNormalizationRule -Parent SeattleUser -Name SeattleFourDigit -Description "Dialing with internal four-digit extension" -Pattern '^(\d{4})$' -Translation '+1206555$1'

この例では、SeattleFourDigit という新しい音声正規化ルールを作成して、SeattleUser という Identity を持つユーザーごとのダイヤル プランに適用しています(注: Parent と Name を指定する代わりに、-Identity を SeattleUser/SeattleFourDigit と指定することで同じルールを作成することができました)。このルールが 4 桁の内線番号のみの内部ダイヤル用番号を変換するものであるという説明を追加しました。また、パターンと変換の値も指定済みです。これらの値によって、(パターンの正規表現で指定した) 4 桁の番号が、変換値 (+1206555) が頭に付く同じ 4 桁の番号に変換されます。たとえば 1234 という内線番号を入力すると、+12065551234 という番号に変換されます。

Pattern と Translation の値は単一引用符で囲まれていることに注意してください。この値には単一引用符が必要です。このインスタンスでは二重引用符または引用符なしの場合動作しません。

例 1 のように、指定のスコープを持つダイヤル プランが存在している必要があります。この場合、SeattleUser という Identity を持つダイヤル プランが既に存在していることを意味します。