E9-1-1 の SIP トランクの設計
トピックの最終更新日: 2012-06-11
Microsoft Lync Server 2010 は、SIP トランクを使用して E9-1-1 のサービス プロバイダーに緊急電話を接続します。E9-1-1 用の緊急サービス SIP トランクは、1 つのセントラル サイト、複数のセントラル サイト、または各ブランチ サイトに設定できます。ただし、発信者のサイトと緊急サービス SIP トランクをホストするサイトとの間の WAN リンクが使用できない場合、切り離されたサイトのユーザーが発信した通話では、ローカル PSTN ゲートウェイを経由して ECRC に通話をルーティングする特別な電話使用法レコードがユーザーの音声ポリシーに必要となります。通話受付管理で同時通話数制限が有効になっている場合も同様です。
注: |
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Lync Server 2010 環境で SIP トランクを実装するには次の 2 つの方法があります。
E9-1-1 のサービス プロバイダーは、冗長性を確保するために SBC のペアに対するアクセスを提供します。仲介サーバーのトポロジおよび通話ルーティングの構成に関していくつかの決定を下す必要があります。たとえば、両方の SBC を同等のピアとして扱い、それらの間の通話にラウンドロビン ルーティングを使用することも、一方の SBC をプライマリとして指定し、もう一方をセカンダリとして指定することもできます。 |
Lync Server 2010 での SIP トランクの展開の詳細については、「SIP トランキングの実装方法」を参照してください。E9-1-1 用の SIP トランクの展開方法を決定するときは、次のような点を検討します。
- SIP トランクの展開に、専用接続を使用するか、それとも共有のインターネット接続を使用するか。
緊急電話で重要なのは、常につながることです。専用線で接続すれば、ネットワーク上の他のトラフィックによって回線が占有されることがなく、サービス品質 (QoS) も実装できます。パブリック インターネット経由で緊急サービスのサービス プロバイダーに接続し、緊急電話の機密性を保証する必要がある場合は、IPsec 暗号化が必要です。
- 災害時でも使用できるように E9-1-1 展開が設計されているか。
これは緊急時向けのソリューションなので、回復性が重要です。プライマリおよびセカンダリの仲介サーバーと SIP トランクは、災害による被害を最小限に抑えられる場所に展開します。サポートするユーザーに最も近い場所にプライマリ仲介サーバーを展開し、フェールオーバーの通話は (地理的に異なる場所に設置した) セカンダリ仲介サーバー経由でルーティングすることをお勧めします。
- ブランチ オフィスごとに個別に SIP トランクを展開するかどうか。
Lync Server には、回復力のあるデータ ネットワークの保持、ブランチごとの SIP トランクの展開、停止時のローカル ゲートウェイへの通話転送など、ブランチ オフィスでの音声の復元に対応するためのさまざまな手段が用意されています。詳細については、「ブランチ サイトの SIP トランキング」を参照してください。
- 通話受付管理 (CAC) を有効にするかどうか。
Lync Server は、緊急電話を通常の電話と同じ方法で処理します。このため、帯域幅管理や通話受付管理 (CAC) が E9-1-1 の構成に悪影響を与える場合があります。CAC が有効になっており、緊急電話がルーティングされているリンク上に構成された制限数を超過した場合は、緊急電話がブロックされたり、ローカル PSTN ゲートウェイにルーティングされたりします。前述のように、このような通話は場所データを含んでおらず、手動で ECRC にルーティングする必要があります。