複数のデータ センターの関連トポロジ

 

トピックの最終更新日: 2012-01-24

複数のデータ センターの関連トポロジは、規模にかかわらず、複数の中央サイトを備えた組織に適しています。 次の図のトポロジは、中央サイト A で 40,000 ユーザーをサポートし、中央サイト B で 30,000 ユーザーをサポートする、70,000 ユーザーの組織向けのものです。この図に示されているタイプのトポロジで、任意の数のユーザーを持つ組織に対応できます。

このトポロジを複数の図で示しており、最初に概要を示し、次に中央サイトの詳細を示しています。

複数のデータ センターの関連トポロジの概要

関連トポロジの概要、複数のデータ センター

複数のデータ センターの関連トポロジ: 中央サイト A の詳細表示

関連トポロジ、複数のデータ センター: サイト A

複数のデータ センターの関連トポロジ: 中央サイト B の詳細表示

関連トポロジ、複数のデータ センター: サイト B

複数のデータ センターの関連トポロジ: 中央サイト C の詳細表示

関連トポロジ、複数のデータ センター: サイト C

  • Active Directory 展開。   すべての Microsoft Lync Server 2010 通信ソフトウェア展開は 1 つの Active Directory フォレストに存在します。 このトポロジでは、Lync Server を 2 つの子ドメイン retail.contoso.com および manufacturing.contoso.com に展開しています。

  • フロント エンド サーバーを追加し、より多くのユーザーに対応。   この図の組織では、中央サイト A (40,000 ユーザー用) に 5 つのフロント エンド サーバーを展開し、中央サイト B (30,000 ユーザー用) に 4 つのフロント エンド サーバーを展開しています。 一方のサイトでより多くのユーザーに対応する必要がある場合は、そのサイトのプールにフロント エンド サーバーを追加するだけです。プールごとの最大ユーザー数は、8 台のフロント エンド サーバーで、80,000 ユーザーです。

    ただし、サイトにフロント エンド プールを追加すると、各サイトでさらに多くのユーザーをサポートできます。 これらの追加ユーザーをサポートするために、追加する必要があるのは 1 つのフロント エンド プールのみです (つまり、各プールにサーバーを追加する必要がある可能性がありますが、音声ビデオ会議サーバー、エッジ サーバー、およびディレクターの各サイトの単一プールのみで十分です)。

  • ブランチ サイトで Standard Edition サーバーを使用。   Lync Server で使用されていることを除き、サイト C には 600 の従業員しかいないため、この組織ではサイト C をブランチ サイトと見なしています。 ただし、このサイトのユーザーは、サイト内のユーザー間で多くの音声ビデオ会議を行っています。 ブランチ サイトとして Lync Server に展開されている場合、これらの会議のメディアは、音声ビデオ会議サーバーがインストールされている中央サイトとの間でワイド エリア ネットワーク (WAN) 経由で実行されます。 パフォーマンスの低下を回避するため、これらの会議をホストする Standard Edition サーバーをこのサイトにインストールしています。 また、このサイトには Standard Edition サーバーがインストールされているため、定義上、Lync Server ではこのサイトは中央サイトと見なされて、トポロジ ビルダーと計画ツールで中央サイトとして扱われます。

    このサイトのユーザーがバックアップ レジストラー プールとして設定された別のサイトのプールを使用している場合、VOICE サポートによりバックアップ レジストラー サイトに自動的にフェールオーバーが行われ、エンタープライズ VoIP の高可用性が確保されます。 このサイトでより完全な高可用性ソリューションを実現するために、このサイトに 2 つ目の Standard Edition サーバーを展開できます。

    サイト C は中央サイトと見なされますが、このサイトにエッジ サーバーを展開する必要はありません。 この例では、サイト C では、サイト A に展開されているエッジ サーバーを使用します。

  • 監視サーバーとアーカイブ サーバーの併置。   この組織では、監視サーバーとアーカイブ サーバーの両方を展開しています。 両方を展開している組織では、サーバーへの投資を削減するために、それらのサーバーを併置することをお勧めします。 併置した場合、監視サーバーとアーカイブ サーバーでそれぞれ最大 100,000 ユーザーをサポートできます。

    1 つの中央サイトにのみ監視サーバーとアーカイブ サーバーを展開する必要があります。 2 つの中央サイト間のリンクが停止した場合、リンクが一時的に停止している間、監視サーバーとアーカイブ サーバーの両方で使用されるメッセージ キュー (MSMQ) テクノロジによってデータが保持されます。

    このトポロジでは、監視サーバーとアーカイブ サーバーは、フロント エンド プールとは別のデータベース サーバーを使用しています。 監視サーバーとアーカイブ サーバーがフロント エンド プールと同じデータベース サーバーを共有するトポロジもサポートされますが、このような大規模な展開では、パフォーマンス上の理由から別のデータベース サーバーをお勧めします。

  • ブランチ サイト展開のオプション。   このトポロジの組織では、音声ソリューションとしてエンタープライズ VoIP が展開されています。 ブランチ サイト 1 と 3 では中央サイトへの回復力のある WAN リンクを備えていないため、中央サイトへの WAN リンクが停止した場合に電話サービスを提供するために、存続可能ブランチ アプライアンスが展開されています。 ただし、ブランチ サイト 2 では回復力ある WAN リンクを備えているため、必要なのは 1 つの公衆交換電話網 (PSTN) ゲートウェイのみです。 ここに展開されている PSTN ゲートウェイはメディア バイパスをサポートしているため、ブランチ サイト B では仲介サーバーが必要です。ブランチ サイトに何をインストールするかの確認の詳細については、「計画」のドキュメントの「エンタープライズ VoIP の復旧の計画」を参照してください。

  • SIP トランキングと仲介サーバー。   サイト A では、仲介サーバーはフロント エンド サーバーと併置されません。 これは、SIP トランキングを使用するサイトには、スタンドアロンの仲介サーバーが推奨されるためです。 その他のほとんどのインスタンスでは、仲介サーバーをフロント エンド サーバーと併置することが推奨されます。 仲介サーバーのトポロジの詳細については、「計画」のドキュメントの「仲介サーバーのコンポーネントとトポロジ」を参照してください。

  • DNS 負荷分散。   フロント エンド プール、エッジ サーバー プール、およびディレクター プールには、展開されている SIP トラフィックの DNS 負荷分散機能があります。 これにより、エッジ サーバーの内部インターフェイス用のハードウェア ロード バランサーが不要になり、ハードウェア ロード バランサーは HTTP トラフィックにのみ必要になるため、他のプールのハードウェア ロード バランサーのセットアップと保守にかかる時間が大幅に削減されます。DNS 負荷分散の詳細については、「計画」のドキュメントの「DNS 負荷分散」を参照してください。

  • Exchange UM の展開。  Lync Server 2010 は、Exchange ユニファイド メッセージング (UM) の内部設置型展開と Hosted Exchange UM の両方と連携して動作します。 中央サイト A には、Lync Server ではなく Microsoft Exchange Server を実行する Exchange ユニファイド メッセージング (UM) サーバーが含まれています。 Lync Server の Exchange UM 機能は、フロント エンド プールで実行されます。

    中央サイト B では Hosted Exchange が使用されているため、Exchange UM サーバー機能もホストされています。

    Exchange UM の詳細については、「計画」のドキュメントの「内部設置型 Exchange ユニファイド メッセージング統合」および「Hosted Exchange ユニファイド メッセージング統合」を参照してください。