New-CsUserReplicatorConfiguration

 

トピックの最終更新日: 2012-03-26

ユーザー レプリケーター構成設定の新しいコレクションを作成します。ユーザー レプリケーターは、定期的に最新のユーザー アカウント情報を Active Directory から取得し、その新しい情報と Lync Server によって格納されている現在のユーザー データとの同期を取ります。このコマンドレットは Lync Online と共に使用するために設計されており、Lync Server の社内バージョンとは連携しません。

構文

New-CsUserReplicatorConfiguration -Identity <XdsIdentity> [-ADDomainNamingContextList <PSListModifier>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Force <SwitchParameter>] [-InMemory <SwitchParameter>] [-ReplicationCycleInterval <TimeSpan>] [-SkipFirstSyncAllowedDowntime <TimeSpan>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

例 1

例 1 に示すコマンドは、サービス Registrar:atl-cs-001.litwareinc.com のユーザー レプリケーター構成設定の新しいコレクションを作成します。追加のパラメーターを指定していないため、新しいコレクションは既定のユーザー レプリケーターの値を使用します。

New-CsUserReplicatorConfiguration -Identity "service:Registrar:atl-cs-001.litwareinc.com"

例 2

例 2 も、サービス Registrar:atl-cs-001.litwareinc.com のユーザー レプリケーター構成設定の新しいコレクションを作成します。ただしこの場合、ADDomainNamingContextList と、同期する 2 つのドメインの識別名 fabrikam.com および contoso.com を追加しています。ユーザー レプリケーター構成設定から成るこの新しいコレクションは、他のドメインが使用可能な場合でも、これら 2 つのドメインのみの構成を実行します。

New-CsUserReplicatorConfiguration -Identity "service:Registrar:atl-cs-001.litwareinc.com" -ADDomaiNamingContextList @{Add="dc=fabrikam,dc=com","dc=contoso.com"}

解説

Lync Server では独自のユーザー アカウント データベースとユーザー アカウント データを保持していますが、Lync Server では依然として Active Directory をユーザー情報の最終的なソースとして利用しています。たとえば、新しい Active Directory ユーザー アカウントの作成時には、そのユーザー アカウントに関する基本的な情報 (Active Directory 表示名など) を指定する必要があります。ただし、Lync Server で有効になっているユーザーの場合は、新しい表示名を指定する必要はありません。Lync Server は、既に Active Directory に格納されている表示名を使用するからです。

Active Directory 表示名を含むユーザー アカウント情報は、時間の経過に伴って変化する可能性があります。たとえばユーザーが結婚すると姓が変わることがあり、その場合は表示名も変更する必要があります。Lync Server データベースと Active Directory の同期を保つため、Lync Server は定期的に Active Directory の内容を確認して最新のユーザー アカウント更新を取得し、それに応じて Lync Server ユーザー データベースを変更する必要があります。この Active Directory と Lync Server の同期は、ユーザー レプリケーターによって実行されます。

Lync Server をインストールすると、ユーザー レプリケーター構成設定のグローバル セットが作成されます。既定では、ユーザー レプリケーターを組織全体で管理するためにこれらの設定が使用されます。ユーザー レプリケーターを管理する作業は、Lync Server による同期が必要なドメインの識別と、ユーザー アカウントの更新を確認するためのユーザー レプリケーターによる Active Directory の参照頻度の指定で構成されます。また、追加のコレクションをサービス スコープで作成することもできますが、これは Lync Online で作業している場合に限られます。

新しいユーザー レプリケーター構成設定は、New-CsUserReplicatorConfiguration コマンドレットを使用して作成されます。これらの設定は、サービス スコープで、また Lync Online 向けにのみ作成できることに注意してください。Lync Server の社内バージョン向けには、新しいユーザー レプリケーター設定を作成できません。

このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、次のグループのメンバーが、New-CsUserReplicatorConfiguration コマンドレットのローカル実行を承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets -match "New-CsUserReplicatorConfiguration"}

パラメーター

パラメーター 必須かどうか 説明

Identity

必須かどうか

Microsoft.Rtc.Management.Xds.XdsIdentity

作成するユーザー レプリケーター構成設定の一意の識別子です。設定はサービス スコープでのみ作成でき、また、レジストラー サービスの場合のみ作成できます。つまり、新しい設定は次のような ID でなければなりません。-Identity "service:Registrar:atl-cs-001.litwareinc.com" です。

これは Lync Server にのみ適用されます。

ADDomainNamingContextList

省略可能

System.Management.Automation.PSListModifier

ユーザー レプリケーターが同期する必要がある Active Directory ドメインの識別名です。たとえば、この一覧にドメインを追加するには、次のような構文を使用します。

-ADDomainNamingContextList @{Add="dc=fabrikam,dc=com"} です。

New-CsUserReplicatorConfiguration コマンドレットを呼び出すときに、複数のドメイン名を追加することが可能です。これを行うために、コンマを使用してドメイン名を区切ります。

-ADDomainNamingContextList @{Add="dc=fabrikam,dc=com","dc=contoso,dc=com"}

このプロパティを Null 値に設定すると、ユーザー レプリケーターはすべての使用可能なドメインを検出して同期します。このプロパティが NULL 値ではない場合は、レプリケーターは ADDomainNamingContextList で指定されたドメインのみと同期します。

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。

Force

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。

InMemory

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

永続的な変更としてオブジェクトをコミットせずに、オブジェクト参照を作成します。このパラメーターを指定して呼び出したコマンドレットの出力を変数に割り当てる場合、オブジェクト参照のプロパティを変更し、コマンドレットに対応する Set- コマンドレットを呼び出してそれらの変更をコミットできます。

ReplicationCycleInterval

省略可能

System.TimeSpan

ユーザー レプリケーターが Active Directory のユーザー アカウント更新を確認するまでの時間を表します。レプリケーション サイクルの間隔は、1 秒~ 23 時間 59 分 59 秒の任意の時間値にすることができます。既定値は 1 分です。この間隔は "時間 : 分 : 秒" の形式で指定する必要があります。たとえば次の構文は、時間間隔を 1 時間 15 分に設定します。-ReplicationCycleInterval 01:15:00 です。

SkipFirstSyncAllowedDowntime

省略可能

System.TimeSpan

PARAMVALUE: TimeSpan

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。

入力の種類

なし。New-CsUserReplicatorConfiguration コマンドレットはパイプライン入力を受け付けません。

戻り値の種類

New-CsUserReplicatorConfiguration コマンドレットは、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.UserReplicator.UserReplicatorConfiguration オブジェクトの新しいインスタンスを作成します。