クライアントの相互運用性

 

トピックの最終更新日: 2012-01-25

ここでは、Microsoft Lync Server 2010 のクライアントと、以前のバージョンの Microsoft Office Communications Server のクライアントとを共存および連携する機能について説明します。

note注:
Lync Server 2010 は、Microsoft Office Communications Server 2007 展開または Microsoft Office Communications Server 2007 R2 展開のどちらかのコンポーネントと共存できます。Lync Server 2010 の Office Communications Server 2007 および Office Communications Server 2007 R2 の両方との同時展開 (3 つのすべてのバージョンの同時展開) はサポートされていません。詳細については、「サポートされるサーバー移行パスと共存のシナリオ」を参照してください。

クライアントの互換性には、次の 2 種類があります。

  • 複数のプレゼンス ポイント (MPOP) 1 人のユーザーが複数のクライアント バージョンを使用して 1 台のサーバーにサインインできる機能です。

  • 相互運用性 異なる種類のクライアントまたは同じクライアントの以前のバージョンを使用してサインインしている別のユーザーと対話できる機能です。

互換性の計画

important重要:
新しい Lync Server 2010 機能を移行時に完全にテストするためには、以前のバージョンのクライアントに最新の更新プログラムまたは修正プログラムがインストールされている必要があります。詳細については、「クライアントの移行の計画」を参照してください。

Lync Server 2010 は、Lync Server 2010 クライアント間の相互運用性を完全にサポートしています。

インスタント メッセージング (IM) 機能、プレゼンス機能、および音声機能の多くは、Communications Server 2007 R2 および Communications Server 2007 のクライアントとの連携でもサポートされています。詳細については、この後の「Lync Server 2010 による以前のクライアント バージョンとの相互運用性」を参照してください。

会議で最適な結果を得る方法については、「会議に関する移行の考慮事項」を参照してください。

Lync Server 2010 クライアント間の互換性

すべての Lync Server 2010 クライアントは、他の Lync Server 2010 クライアントと対話できます。

Microsoft Lync 2010 Attendant を除き、Lync Server 2010 クライアントは複数のプレゼンス ポイントのシナリオもサポートしており、1 人のユーザーが複数の場所でサインインできます。

以前のクライアント バージョンでの複数のプレゼンス ポイント (MPOP)

次の表に、1 人のユーザーが複数の場所で Lync Server 2010 にサインインしているときにサポートされるクライアント バージョンを示します。

note注:
Lync Server 2010 クライアントは、以前のバージョンのサーバーにはサインインできません。

複数の場所からのサインインでサポートされるクライアント バージョン

現在のクライアント バージョン クライアント バージョンの MPOP サポート (必須の更新プログラム)

Microsoft Lync 2010

Microsoft Lync 2010 Attendee

Microsoft Office Communications Server 2007 R2

Microsoft Office Communications Server 2007

Microsoft Office Communicator Web Access (2007 R2 リリース)

Microsoft Office Communicator Web Access (2007 リリース)

Microsoft Office Communicator 2007 R2 Phone Edition を実行している電話

Microsoft Office Communicator 2007 Phone Edition を実行している電話

Microsoft Communicator for Mac 2011

Lync 2010 Phone Edition を実行している電話

Microsoft Office Communicator 2007 R2

Microsoft Office Communicator 2007

Microsoft Communicator for Mac 2011

2007 R2 リリースの Microsoft Office Communicator Mobile

Microsoft Office Communicator 2007 R2

Microsoft Office Communicator 2007

Microsoft Office Communicator 2007 R2 Phone Edition

Microsoft Office Communicator 2007 Phone Edition

Microsoft Communicator for Mac 2011

Lync Server 2010 による以前のクライアント バージョンとの相互運用性

ここでは、Communications Server 2007 R2 および Communications Server 2007 に付随するクライアントに対する Lync Server 2010 の相互運用性のサポートについて説明します。

note注:
Communicator Web Access や Microsoft Office Live Meeting 2007 を使用して、Lync Server 2010 でスケジュールされた新しい会議に参加することはできません。代わりに Lync 2010、Microsoft Lync 2010 Attendee、および Microsoft Lync Web App の使用をお勧めします。詳細については、「会議に関する移行の考慮事項」を参照してください。

IM、プレゼンス、音声、およびビデオの相互運用性

次の表に、これらの機能を移行の際に使用できるかどうかを示します。

以前のクライアント バージョンでの IM、プレゼンス、および音声の相互運用性

Lync Server 2010 クライアント Office Communications Server 2007 R2 クライアント Office Communications Server 2007 クライアント

Lync Server 2010 クライアント

IM、プレゼンス、音声、およびビデオをサポート

IM、プレゼンス、音声、およびビデオをサポート

IM、プレゼンス、およびビデオをサポート。音声の機能には一部制限あり (このトピックの次のセクションを参照)

Office Communicator 2005 ユーザーがフェデレーション ネットワークにいる場合に限り、Microsoft Office Communicator 2005 クライアントとの対話 (基本的なプレゼンスおよび IM) をサポート。

音声の相互運用性に関する考慮事項

認識しておく必要がある音声の相互運用性の問題は、次のとおりです。

  • Office Communicator 2007 は、Communicator 2007 R2 および Lync 2010 で追加された音声機能 (コール パーク、チーム呼び出し、Lync Server 応答グループ サービスなど) をサポートしません。

  • 移行時に認識しておく必要があるコール パークの問題は、次のとおりです。

    • Lync 2010 ユーザーによって保留された通話は、以前のバージョンの Office Communications Server にサインインしているクライアントやデバイスでは保留解除できません。

    • Communications Server 2007 クライアントまたはデバイスへの通話は、保留できません。

電話会議の相互運用性に関する考慮事項

Communications Server 2007 R2 から Lync Server 2010 サーバーにユーザー アカウントを移動すると、次の情報がユーザー アカウントと共に移動します。

  • そのユーザーがスケジュール済みの会議。

  • そのユーザーの暗証番号 (PIN) (新しい PIN の割り当ては不要)。

次の情報は新しいサーバーに移動しません。

  • ミーティングのコンテンツ。移行後にコンテンツをスケジュールされた会議に再度読み込むように会議の開催者に伝える必要があります。

次の表に、電話会議の相互運用性に関する 2 つのシナリオを示します。

  • 以前のクライアント バージョンによる Lync Server 2010 会議との相互運用性

  • 以前のサーバー バージョンでホストまたはスケジュールされた会議と Lync 2010 の相互運用性

以前のクライアント バージョンと Lync Server 2010 の会議

Communicator 2007 R2 と Communicator 2007 の相互運用性 Lync Server 2010 会議のスケジュール Lync Server 2010 会議への参加 Lync Server 2010 会議での操作

ユーザーが Lync Server 2010 に移動される前

サポート対象外。

有効になっている場合はサポート対象。詳細については、「会議に関する移行の考慮事項」を参照してください。

会議が Lync Web App を使用するようにエスカレートされていない限り、新しいコラボレーション機能へのアクセス不可。

新しいロビー管理機能へのアクセス不可。

ユーザーが Lync Server 2010 に移動された後で、新しいクライアントがインストールされる前

引き続き Microsoft Office Outlook 用会議アドインを使用して電話会議および Live Meeting Web 会議のスケジュールを設定。

有効になっている場合はサポート対象。詳細については、「会議に関する移行の考慮事項」を参照してください。

会議が Lync Server 2010 を使用するようにエスカレートされていない限り、新しいコラボレーション機能へのアクセス不可。

新しいロビー管理機能へのアクセス不可。

詳細については、「会議に関する移行の考慮事項」を参照してください。

以前のバージョンの Office Communications Server でホストまたはスケジュールされた Communicator 会議と Lync 2010 の相互運用性

以前のバージョンの Office Communications Server での Communicator 会議と Lync 2010 の相互運用性 Lync 2010 のユーザー エクスペリエンス

スケジュール設定

Lync 2010 ユーザーは、以前のサーバー バージョンでは会議をスケジュールできません。

以前のサーバー バージョンから Lync Server 2010 に移行された会議の終了日、件名、または出席者リストを変更するユーザーには、その会議を Lync Server 2010 用に変換するように促すメッセージが表示されます。

参加

問題はありません。

会議中

Lync 2010 の新しい機能は使用できません。

マネージャー/代理人の相互運用性

マネージャー/代理人のシナリオでは、マネージャーと代理人の両方が Lync 2010 を使用している必要があります。

既存のカスタム アプリケーションとの相互運用性

ここでは、既存のカスタム アプリケーションを次のように定義します。

  • Microsoft Office Communicator Automation API または Microsoft Unified Communications Client API を使用するアプリケーション。

  • 移行環境内で、Lync Server 2010 を実行するサーバーに Communicator 2007 R2 または Communicator 2007 が接続されているコンピューターで動作するアプリケーション。

既存のカスタム アプリケーションは、Lync Server 2010 サーバーにサインインでき、Lync Server 2010 クライアントと連携できます。ただし、次の制限が適用されます。

  • 既存のカスタム アプリケーションは、Lync 2010 の機能にアクセスできません。

  • Lync 2010 と同じコンピューターで Unified Communications Client API によるカスタム アプリケーションを実行することは、推奨されません。

  • 組織で拡張プレゼンス プライバシー モードを有効にすることを計画している場合には、Unified Communications Client API のカスタム アプリケーションを作成し直すことが必要な場合があります。詳細については、「クライアントの計画」、「はじめに」のドキュメントの「Lync 2010 の新機能」、および Microsoft Lync 2010 SDK を参照してください。