New-CsSipProxyTCP

 

トピックの最終更新日: 2012-03-25

新しい SipProxy.TCP オブジェクトを作成します。このオブジェクトを使用して、トランスポート プロトコルとして伝送制御プロトコル (TCP) を使用するよう静的ルートを構成できます。

構文

New-CsSipProxyTCP -IPAddress <String>

解説

他のユーザーに SIP メッセージを送信する場合、配信される前に、そのメッセージが複数のサブネットやネットワークを通過することが必要になる場合があります。多くの場合、メッセージが通過するパスをルートと呼びます。ネットワークでは、動的ルートと静的ルートの 2 種類のルートがあります。動的ルートでは、サーバーは、アルゴリズムを使用してメッセージを転送する次の場所 (次ホップ) を判断します。静的ルートでは、メッセージ パスはシステム管理者があらかじめ設定します。メッセージがサーバーによって受信されると、サーバーは、メッセージのアドレスを確認し、そのメッセージを管理者があらかじめ設定した次ホップ サーバーに転送します。正しく構成されている場合、静的ルートによって、メッセージを適切なタイミングで正確に配信でき、サーバーにかかるオーバーヘッドが最小限になります。静的ルートの欠点は、ネットワーク障害が発生した場合に、メッセージが動的に再ルーティングされないという点です。

Microsoft Lync Server 2010 では、プロキシ サーバーの静的ルートを設定できます。これらのルートは、プロキシ構成設定 (New-CsProxyConfiguration を使用して作成) と SIP プロキシ ルートの 2 つの主要要素で構成されています。この SIP プロキシ ルートにはいくつかのプロパティがあり、たとえば各ルートには、ルートに沿ってメッセージを伝送するときに使用するネットワーク プロトコルを定義するプロパティ Transport が必要です。

Lync Server 2010 では、トランスポート プロトコルとして伝送制御プロトコル (TCP) またはトランスポート層セキュリティ (TLS) のいずれかを指定することができます。プロトコルとして TCP を使用する場合は、New-CsSipProxyTCP コマンドレットを使用して、まず TCP オブジェクトを作成する必要があります。次にこのオブジェクトを使用して、New-CsSipProxyTransport で作成したトランスポート オブジェクトのプロトコルを指定します。

New-CsStaticRoute を使用して静的ルートを作成する場合は、New-CsSipProxyTCP を使用する必要はありません。

このコマンドレットを実行できるメンバー。既定では、次のグループのメンバーが、New-CsSipProxyTCP コマンドレットをローカルで実行することを承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "New-CsSipProxyTCP"}

パラメーター

パラメーター 必須 説明

IPAddress

必須

文字列

次のホップ ルーターの IP アドレス。次に例を示します。-IPAddress 192.168.0.240。

入力の種類

なし。New-CsSipProxyTCP は、パイプ処理された入力を受け入れません。

戻り値の種類

New-CsSipProxyTCP を実行すると、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Settings.SipProxy.TCP オブジェクトの新しいインスタンスが作成されます。

-------------------------- 例 1 ------------------------

$tcp = New-CsSipProxyTCP -IPAddress 192.168.1.100

$transport = New-CsSipProxyTransport -TransportChoice $tcp -Port 7500

例 1 に示すコマンドを実行すると、TCP をトランスポートとして使用する新しい SIP プロキシ トランスポート オブジェクトが作成されます。このタスクを実行するには、例の最初のコマンドで New-CsSipProxyTCP を使用して、IP アドレスが 192.168.1.100 の次ホップ サーバーを指す新しい SipProxy.TCP オブジェクトを作成します。この TCP オブジェクトは、$tcp という変数に格納されます。

SipProxy.TCP オブジェクトの作成後、New-CsSipProxyTransport コマンドレットを実行して TCP トランスポート オブジェクトを作成します。

関連項目

その他のリソース

New-CsSipProxyTLS
New-CsSipProxyTransport