Set-CsAutodiscoverConfiguration

 

トピックの最終更新日: 2012-04-23

自動検出サービス構成設定の既存のコレクションを変更します。自動検出サービスとは、Lync Web App、Lync Mobile などのクライアント アプリケーションに対して、ユーザーのホーム プール、ダイヤルイン会議に参加するための URL など、重要なリソースを見つけるための手段を提供するものです。UNRESOLVED_TOKEN_VAL(ps-intro-in-LS2010CU4)

構文

Set-CsAutodiscoverConfiguration [-Identity <XdsIdentity>] <COMMON PARAMETERS>

Set-CsAutodiscoverConfiguration [-Instance <PSObject>] <COMMON PARAMETERS>

COMMON PARAMETERS: [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-EnableCertificateProvisioningServiceUrl <$true | $false>] [-ExternalSipClientAccessFqdn <String>] [-ExternalSipClientAccessPort <UInt32>] [-Force <SwitchParameter>] [-WebLinks <PSListModifier>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

例 1

例 1 のコマンドでは、新しい自動検出 URL (http://LyncDiscover.fabrikam.com) を、Redmond サイトに割り当てられている自動検出構成設定に追加します。これを実行するには、例の最初のコマンドで New-CsWebLink コマンドレットを使用して新しい自動検出 URL を作成し、その URL を $Link1 という名前の変数に格納します。2 番目のコマンドで Set-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットを使用して、これらの設定に既に割り当てられている URL に新しい URL を追加します。これは、WebLinks パラメーターおよびパラメーター値 @{Add=$Link1} を使用して行います。

$Link1 = New-CsWebLink -Token "Fabrikam" -Href "http://LyncDiscover.fabrikam.com"

Set-CsAutoDiscoverConfiguration -Identity "site:Redmond" -WebLinks @{Add=$Link1}

例 2

例 2 のコマンドは、自動検出サービス構成設定のコレクションから URL を削除する方法を示しています。これを実行するには、コレクション内の最初のコマンドで、削除する URL (Token が "Fabrikam" に等しい URL) へのオブジェクト参照を取得します。これは、最初に Get-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットを呼び出して Redmond サイトの自動検出サービス設定を取得することによって行います。次に、そのコレクションが Select-Object コマンドレットにパイプ処理され、ExpandProperty パラメーターを使用して WebLinks プロパティが "展開" されます (プロパティが展開されると、そのプロパティに格納されている個々のオブジェクトに Get-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットからアクセスできるようになります)。これらの WebLinks オブジェクトが Where-Object コマンドレットにパイプ処理され、Token プロパティが "Fabrikam" に等しい 1 つのオブジェクトが選択されます。その WebLinks オブジェクトが、$Link1 という名前の変数に格納されます。

次に、例の 2 番目のコマンドで Set-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットを使用して、$Link1 に格納されているオブジェクトを削除します。これは、WebLinks パラメーターおよびパラメーター値 @{Remove=$Link1} を使用して行います。

$Link1 = Get-CsAutoDiscoverConfiguration  -Identity "site:Redmond" | Select-Object -ExpandProperty WebLinks | Where-Object {$_.Token -eq "Fabrikam"}

Set-CsAutoDiscoverConfiguration -Identity "site:Redmond" -WebLinks @{Remove=$Link1}

例 3

例 3 は、自動検出 URL の既存のコレクションを置換する方法を示しており、この例では、単一の URL に置換します。これを実行するには、例の最初のコマンドで New-CsWebLink コマンドレットを使用して、http://LyncDiscover.contoso.com という新しい自動検出 URL を作成します。作成した URL は $Link2 という名前の変数に格納します。2 番目のコマンドで Set-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットと WebLinks パラメーターを使用して、Redmond サイトにそれまで割り当てられていた URL を削除し、http://LyncDiscover.contoso.com の URL に置換します。これは、Add メソッドや Remove メソッドではなく、Replace メソッドを使用して行います。

$Link2 = New-CsWebLink -Token "Contoso" -Href "http://LyncDiscover.contoso.com"

Set-CsAutoDiscoverConfiguration -Identity "site:Redmond" -WebLinks @{Replace=$Link2}

例 4

例 4 のコマンドでは、Redmond サイトに割り当てられているすべての自動検出 URL を削除します。これを実行するには、WebLinks プロパティを null 値に設定します。これにより、そのプロパティにそれまで割り当てられていた URL が削除されます。

Set-CsAutoDiscoverConfiguration -Identity "site:Redmond" -WebLinks $Null

解説

クライアント アプリケーションで Lync Server を最大限に利用するためには、該当のアプリケーションが主要な Lync Server コンポーネントの場所を理解している必要があります。たとえば、認証済みユーザーは、ホーム プールを見つけることができる必要があります。なぜなら、そのホーム プールによってのみユーザーは認証を受けられるからです。同様に、認証されていないユーザーは、電話会議に参加するときに使用する URL の検索といった操作を実行できる必要があります。

すべてのユーザーが組織のファイアウォールの背後からログオンしている場合、これらの場所を見つけることは比較的簡単な作業です。しかし、ユーザーが Lync Mobile または Lync Web App を使用して外部の場所からシステムにアクセスし出すと、この比較的簡単な作業はどんどん複雑になります。

これは、分割ドメインのシナリオの場合、特に当てはまります。このシナリオでは、社内バージョンの Lync Server にアカウントを持つユーザーと、UNRESOLVED_TOKEN_VAL(nm-office-365-short) にアカウントを持つユーザーが社内に混在しています。このような状況では、ユーザー アカウントが異なる Active Directory フォレストに存在する可能性があります。これが、問題を引き起こすことがあります。たとえば、米国を拠点とするユーザーがヨーロッパからログオンする場合、システムはユーザーのフォレストを認識した上で、ログオン要求を正しいプールに向かわせることができる必要があります。

これらの問題を解決するために、Lync Server の累積した更新プログラム: 2011 年 11 月に自動検出サービスが導入されました。クライアント アプリケーションが Lync Server へのアクセスを試みると、自動検出サービスがクライアントの SIP アドレスを解析し、その要求を適切なプールにリダイレクトします。クライアント アプリケーションは、HTTP 要求を自動検出 URL に送信することによって自動検出サービスに接続します。これらの URL は、自動検出サービスが動作するように管理者が構成する必要があります (管理者は、URL の構成に加えて、その URL に対応する DNS レコードを作成する必要もあります)。

自動検出 URL は、自動検出サービス構成設定に割り当てられます。これらの設定を、グローバル スコープまたはサイト スコープに適用できます。Lync Server をインストールすると、設定のグローバル コレクションが作成されます (ただし、そのコレクションに自動検出 URL が割り当てられることはありません)。自動検出設定の 1 つのコレクションではニーズを満たさない場合は、New-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットを使用して、サイト スコープの構成設定を別に作成します。次に、Set-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットを使用して、グローバル コレクションまたは任意のサイト スコープ コレクションに自動検出 URL を追加したり削除したりできます。

このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、Set-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットをローカルで実行する権限があるのは、RTCUniversalServerAdmins グループのメンバーです。

パラメーター

パラメーター 必須かどうか 説明

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

コマンドの実行前に確認メッセージが表示されます。

EnableCertificateProvisioningServiceUrl

省略可能

System.Boolean

True に設定すると、autodiscovery サービスが URL を証明書配布サービスで保存および取得できるようになります。

ExternalSipClientAccessFqdn

省略可能

System.String

外部クライアント アクセスに使用されるサーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) です。

ExternalSipClientAccessPort

省略可能

System.UInt32

外部クライアント アクセスに使用されるポートです。

Force

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージを表示しないようにします。

Identity

省略可能

Microsoft.Rtc.Management.Xds.XdsIdentity

変更する自動検出構成設定のコレクションの一意の識別子。グローバル コレクションを変更するには、次の構文を使用します。

-Identity "global"

サイト スコープで構成されているコレクションを変更するには、次のような構文を使用します。

-Identity "site:Redmond"

このパラメーターが指定されていない場合、Set-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットは自動的にグローバル設定を変更します。

Instance

省略可能

AutoDiscoverConfiguration オブジェクト

個々のパラメーター値を設定するのではなく、オブジェクトへの参照をコマンドレットに渡せるようにします。

WebLinks

省略可能

System.Management.Automation.PSListModifier

自動検出 URL のコレクション。これらの URL は、New-CsWebLink コマンドレットを使用して作成する必要があります。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

実際にコマンドを実行しなくてもコマンドの実行結果がわかります。

入力の種類

Set-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットは、Microsoft.Rtc.Management.WriteableConfig.Settings.AutoDiscoverConfiguration.AutoDiscoverConfiguration オブジェクトのパイプライン処理された入力を受け入れます。

戻り値の種類

なし。Set-CsAutoDiscoverConfiguration コマンドレットは、Microsoft.Rtc.Management.WriteableConfig.Settings.AutoDiscoverConfiguration.AutoDiscoverConfiguration オブジェクトのインスタンスを変更します。