New-CsMobilityPolicy
トピックの最終更新日: 2012-04-23
サイト スコープまたはユーザーごとのスコープで、新しいモビリティ ポリシーを作成します。モビリティ ポリシーでは、ユーザーが Lync Mobile を使用できるかどうかを決定します。また、ユーザーが [勤務先から通話] を使用する機能、つまり、ユーザーが携帯電話で、携帯電話の番号ではなく勤務先の電話番号を使用して通話を発信および受信できるようにする機能も管理します。モビリティ ポリシーを使用すると、発信または着信時の Wi-Fi 接続を必須にできます。UNRESOLVED_TOKEN_VAL(ps-intro-in-LS2010CU4)
構文
New-CsMobilityPolicy -Identity <XdsIdentity> [-AllowCustomerExperienceImprovementProgram <$true | $false>] [-AllowExchangeConnectivity <$true | $false>] [-AllowSaveCallLogs <$true | $false>] [-AllowSaveCredentials <$true | $false>] [-AllowSaveIMHistory <$true | $false>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Description <String>] [-EnableIPAudioVideo <$true | $false>] [-EnableMobility <$true | $false>] [-EnableOutsideVoice <$true | $false>] [-Force <SwitchParameter>] [-InMemory <SwitchParameter>] [-RequireWIFIForIPAudio <$true | $false>] [-RequireWIFIForIPVideo <$true | $false>] [-RequireWiFiForSharing <$true | $false>] [-Tenant <Guid>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
例
例 1
例 1 のコマンドでは、Redmond サイト用に新しいモビリティ ポリシーを作成し、そのポリシーが適用されるユーザーが [勤務先から通話] を使用できないようにします。これを行うには、EnableOutsideVoice パラメーターを False に設定します。
New-CsMobilityPolicy -Identity site:Redmond -EnableOutsideVoice $False
例 2
例 2 は、メモリ内で新しいモビリティ ポリシーを作成し、そのポリシーのプロパティ値を変更し、その後、Set-CsMobilityPolicy コマンドレットを使用して、仮想ポリシーを実際の Lync Server モビリティ ポリシーに変換する方法を示しています。これを行うため、コマンドでは、まず New-CsMobilityPolicy コマンドレットに InMemory パラメーターを指定して、Redmond サイトに対して新しいポリシーを作成します。InMemory パラメーターによってこのポリシーはメモリ内にのみ存在するようになるので、結果として得られたオブジェクトは変数 ($x) に保存する必要があります。
コマンド 2 では、仮想ポリシーの EnableOutsideVoice プロパティを False に設定しています。その後、コマンド 3 で、Set-CsMobilityPolicy コマンドレットに Instance パラメーターを指定して変更を Lync Server に書き込み、Redmond サイトに対してモビリティ ポリシーを作成します。Set-CsMobilityPolicy コマンドレットを呼び出さない場合、ポリシーは作成されません。実際、Windows PowerShell コマンドライン インターフェイス セッションを終了するか、変数 $x を削除するとすぐに、ポリシーはなくなります。
$x = New-CsMobilityPolicy -Identity site:Redmond -InMemory
$x.EnableOutsideVoice = $False
Set-CsMobilityPolicy -Instance $x
解説
Lync Mobile は、ユーザーが携帯電話で Lync を実行できるようにするクライアント アプリケーションです。[勤務先から通話] を使うと、ユーザーは、携帯電話で電話をかけたとき、その携帯電話の番号ではなく、勤務先の電話番号を表示できます。[勤務先から通話] を使うユーザーは、携帯電話から、直接、ダイヤルするか、ダイヤルアウト会議オプションを使用できます。ダイヤルアウト会議を使用する場合、ユーザーは、実質的に Lync Server Mobility Service サーバーに呼び出しを行うように依頼することになります。サーバーは、呼び出しをセットアップしてから、その携帯電話のユーザーを、折り返して呼び出します。ユーザーが応答後に、サーバーは呼び出し先に電話します。これらの新機能は、モビリティ ポリシーを使用して管理できます。
Lync Server 15 モバイル デバイスで、通常の携帯電話網または Wi-Fi 接続を利用して電話をかけたり受けたりできます。モビリティ ポリシーを使用すると、Wi-Fi 接続を必須にして、携帯電話網での通話を禁止できます。
Lync Server をインストールしたときは、すべてのユーザーに適用される、単一の、グローバル モビリティ ポリシーがあります。ただし、管理者は、New-CsMobilityPolicy コマンドレットを使用して、サイトまたはユーザーごとの範囲でカスタム ポリシーを作成できます。
勤務先電話からの通話を有効にするためには、2 つの異なるプロパティを構成する必要があることに注意してください。最初の EnableOutsideVoice プロパティは、[勤務先から通話] が有効かを指定します。次の EnableMobility は、ユーザーに Lync Mobile の使用を許可するかを指定します。ユーザーが [勤務先から通話] を使用するには、これらのプロパティを両方とも True に設定する必要があります。EnableMobility が True に設定され、EnableOutsideVoice が False に設定されている場合、ユーザーは Lync Mobile を実行できますが、[勤務先から通話] は使用できません。EnableMobility が False に設定され、EnableOutsideVoice が True に設定されている場合は、ユーザーは Lync Mobile を実行できません。これは、EnableOutsideVoice プロパティの値にかかわらず、ユーザーが [勤務先から通話] を使用できないことを意味します。
[勤務先から通話] を使用するには、同時呼び出しを許可する音声ポリシーによってユーザーを管理する必要があります。
このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、New-CsMobilityPolicy コマンドレットをローカルで実行する権限があるのは、RTCUniversalServerAdmins グループのメンバーです。
パラメーター
パラメーター | 必須かどうか | 型 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
必須 |
Microsoft.Rtc.Management.Xds.XdsIdentity |
ポリシーに割り当てる一意の ID。新しいモビリティ ポリシーはサイト スコープまたはユーザーごとのスコープで作成できます。新しいサイト ポリシーを作成する場合は、プレフィックス "site:" とサイトの名前を ID として使用します。たとえば、Redmond サイトに対して新しいポリシーを作成するには、次の構文を使用します。 -Identity site:Redmond 新しいユーザー単位のポリシーを作成するには、次のような ID を使用します。 -Identity SalesDepartmentPolicy 新しいグローバル ポリシーは作成できません。グローバル ポリシーを変更する必要がある場合は、代わりに Set-CsMobilityPolicy コマンドレットを使用します。同様に、新しいサイト ポリシーやユーザーごとのポリシーも、同じ Identity が既に存在している場合は作成できません。既存のポリシーに変更を加える必要がある場合は、Set-CsMobilityPolicy コマンドレットを使用します。 |
AllowCustomerExperienceImprovementProgram |
省略可能 |
System.Boolean |
True (既定値) に設定すると、モバイル ユーザーは Microsoft カスタマー エクスペリエンス向上プログラムに参加できます。 |
AllowExchangeConnectivity |
省略可能 |
System.Boolean |
True (既定値) に設定すると、ユーザーはモバイル デバイスを使用して Microsoft Exchange Server 15 に接続できます。 |
AllowSaveCallLogs |
省略可能 |
System.Boolean |
True (既定値) に設定すると、ユーザーはモバイル デバイスで送受信した通話の通話ログを保存できます。 |
AllowSaveCredentials |
省略可能 |
System.Boolean |
True (既定値) に設定すると、ユーザーはモバイル デバイスに資格情報 (パスワードなど) を保存できます。この情報を自動ログオン シナリオに適用できます。 |
AllowSaveIMHistory |
省略可能 |
System.Boolean |
True (既定値) に設定すると、ユーザーは IM の内容や会議セッションをモバイル デバイスに保存できます。 |
Confirm |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
コマンドの実行前に確認メッセージを表示します。 |
Description |
省略可能 |
System.String |
管理者がポリシーに説明文を付けられるようにします。たとえば、Description には、ポリシーを割り当てる必要があるユーザーに関する情報を記述できます。 |
EnableIPAudioVideo |
省略可能 |
System.Boolean |
False に設定されている場合、ユーザーはモバイル デバイスを使用して VoIP (ボイス オーバー IP) 通話を発信できません。既定値は True で、VoIP 通話が許可されています。 このパラメーターは Lync Server 15 で導入されました。 |
EnableMobility |
省略可能 |
System.Boolean |
True に設定されている場合、ユーザーは Lync Mobile を使用できます。 |
EnableOutsideVoice |
省略可能 |
System.Boolean |
True に設定されている場合、ユーザーは [勤務先から通話] を使用できます。False に設定されている場合、ユーザーは [勤務先から通話] を使用できません。 既定値は True です。 |
Force |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
コマンド実行中に発生する可能性のある、致命的ではないすべてのエラー メッセージが表示されないようにします。 |
InMemory |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
永続的な変更としてオブジェクトをコミットせずに、オブジェクト参照を作成します。このパラメーターを指定して呼び出したコマンドの出力を変数に割り当てる場合、オブジェクト参照のプロパティを変更し、コマンドレットに対応する Set- コマンドレットを呼び出してそれらの変更をコミットすることができます。 |
RequireWIFIForIPAudio |
省略可能 |
System.Boolean |
True に設定されていると、ユーザーは、モバイル デバイスが WiFi ネットワークに接続されている場合に通話で IP 音声を使用できます。つまり、ユーザーは Wi-Fi を使用して音声通話を発信することだけが可能で、標準の携帯電話網は使用できません。既定値は False です。 このパラメーターは Lync Server 15 で導入されました。 |
RequireWIFIForIPVideo |
省略可能 |
System.Boolean |
True に設定されていると、ユーザーは、モバイル デバイスが WiFi ネットワークに接続されている場合にのみ通話で IP ビデオを使用できます。モバイル デバイスが Wi-Fi 通信範囲の外に出た場合、ビデオ通話は音声通話としてのみ受信されます。このプロパティを False (既定値) に設定すると、ユーザーは Wi-Fi または携帯電話のデータ接続のどちらかを使用して IP ビデオ通話を送受信できます。 このパラメーターは Lync Server 15 で導入されました。 |
RequireWiFiForSharing |
省略可能 |
System.Boolean |
True に設定すると、モバイル ユーザーがアプリケーション共有セッションに参加するためには WiFi 接続を使用する必要があります。False (既定値) に設定すると、モバイル ユーザーは WiFi 接続または携帯電話 (3G/4G) 接続のどちらかを使ってアプリケーション共有に参加できます。 この値を True に設定した場合、ユーザーは自身の共有構成設定を変更できなくなります。この値を False に設定した場合、ユーザーは [オプション] ページを使用して自身の共有構成設定を変更できます。 |
Tenant |
省略可能 |
System.Guid |
新しいモビリティ ポリシーが作成される Office 365 テナント アカウントのグローバル一意識別子 (GUID)。次に例を示します。 -Tenant "38aad667-af54-4397-aaa7-e94c79ec2308" 次のコマンドを実行することにより、テナントの各々についてテナント ID を返すことができます。 Get-CsTenant | Select-Object DisplayName, TenantID Windows PowerShell のリモート セッションを使用していて、Lync Online 15 のみに接続している場合、Tenant パラメーターを含める必要はありません。代わりに、接続情報に基づいてテナント ID が自動的に入力されます。Tenant パラメーターはハイブリッド展開で主に使用されます。 |
WhatIf |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
実際にコマンドを実行せずに、コマンドの実行結果がわかります。 |
入力の種類
なし。New-CsMobilityPolicy コマンドレットはパイプライン入力を受け入れません。
戻り値の種類
Microsoft.Rtc.Management.WriteableConfig.Policy.Mobility.Mobility オブジェクトの新しいインスタンスを作成します。