ISSCEEngine.UpgradeDatabase (SQL Server Compact)
ISSCEEngine.Upgrade は、SQL Server Compact 3.5 のデータベースをバージョン 3.1 からバージョン 3.5 にアップグレードするメソッドです。アップグレード前のデータベースが暗号化されていた場合、アップグレード後のデータベースも暗号化されます。アップグレード後のデータベースの接続文字列で明示的にパスワードを指定しない限り、アップグレード後のデータベースの暗号化は解除されます。
構文
object.UpgradeDatabase(SourceConnection, DestConnection)
パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
SourceConnection |
アップグレード前のデータベースへの接続を指定する文字列。SourceConnection に指定したデータベースが既に開いている場合は、エラーが発生します。 |
DestConnection (省略可能) |
同じ名前の別のファイルが存在する場合に、アップグレード後のデータベースの接続を指定する文字列。 DestConnection を null にした場合、LCID や Password などの必要なプロパティは、アップグレード前のファイルから取得されます。 |
戻り値
戻り値の型は HRESULT です。成功した場合は S_OK が返されます。
プロトタイプ
HRESULT UpgradeDatabase(BSTR SourceConnection, BSTR DestConnection);
新しいファイルを作成せずに、データベース ファイルを SQL Server Compact 3.5 バージョン 3.1 からバージョン 3.5 にアップグレードするには、アップグレード前とアップグレード後の接続文字列に同じデータ ソース プロパティを指定します。
解説
SourceConnection パラメータおよび DestConnection パラメータには、アップグレード前と後で使用するデータベースのプロパティを指定します。次の表は、各パラメータに指定できる接続プロパティの一覧です。その他のプロパティはすべて無視されます。
プロパティ | 説明 |
---|---|
Data Source |
データベースの名前を示します。このプロパティは、アップグレード前の接続情報およびアップグレード後の接続情報の両方で必要です。 |
Locale Identifier |
新しいデータベースのロケール ID (LCID) を示します。省略すると、アップグレード後のデータベースの LCID は、システムのロケールと同じになります。 LCID は、データベース内の文字列比較の照合順序を指定します。 |
SSCE:Database Password |
データベースがパスワードで保護されている場合は、パスワードを示します。アップグレード前のデータベースにパスワードが含まれる場合は、そのパスワードを指定する必要があります。DestConnection 文字列でこのパラメータを省略すると、新しいデータベースのデータベース パスワードは、アップグレード前のデータベースと同じになります。アップグレード後のデータベースからパスワードを削除する場合は、データベース パスワードを空の文字列に設定する必要があります。データベース パスワードの長さは最大 40 文字です。 |
SSCE:Temp File Directory |
一時データベースの場所を指定します。DestConnection 文字列でこのパラメータを省略すると、現在のデータベースの場所が一時的なデータベースの場所として使用されます。 |
SSCE:Encryption Mode |
アップグレード後のデータベースの暗号化モードを指定します。この引数を指定しない場合、Platform Default が使用されます。 |
SSCE:Case Sensitive |
データベースで大文字と小文字を区別するかどうかを指定します。大文字と小文字の区別を有効にする場合は true を設定し、無効にする場合は false を設定します。指定されていない場合、既定値は false です。
メモ:
この接続プロパティは SQL Server Compact 3.5 SP1 で導入されました。
|
一意な LCID 値の一覧については、「サポートされる照合順序 (SQL Server Compact)」を参照してください。データベースの作成先のデバイスでロケールがサポートされていることを確認する必要があります。
有効な暗号化モードの一覧については、「以前のバージョンからのアップグレード (SQL Server Compact).」を参照してください。