レッスン 1 : レポート ウィザードを使用した、高度なパラメータのチュートリアルの準備
新規 : 2006 年 7 月 17 日
サンプル データベース AdventureWorks には、架空の会社 Adventure Works Cycles が個人顧客および再販業者から受けた注文データが格納されています。ここでは、パラメータを使った高度な機能を試すため、売り上げを再販業者ごとに表示するレポートをレポート ウィザードで作成します。このレポートは、高度なパラメータのチュートリアルでレッスンを進めるための基本的なレポートとなります。
このレッスンでは、Advanced Parameters Tutorial という新しいレポート サーバー プロジェクトを作成し、レポート ウィザードを起動して、売り上げを再販業者ごとに表示するレポートを作成します。その後、日付や金額の書式を変更し、処理時刻を表すタイムスタンプを追加し、レポートをパブリッシュします。
レポート サーバー プロジェクトを作成するには
[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft SQL Server 2005] の順にポイントして、[Business Intelligence Development Studio] をクリックします。
[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[プロジェクトの種類] ボックスの一覧で、[ビジネス インテリジェンス プロジェクト] をクリックします。
[テンプレート] ボックスの一覧で、[レポート サーバー プロジェクト] をクリックします。
[プロジェクト名] ボックスに「Advanced Parameter Tutorial」と入力します。
[OK] をクリックすると、プロジェクトが作成されます。Advanced Parameter Tutorial ソリューションがソリューション エクスプローラに表示されます。
レポート ウィザードを使用してレポートを作成するには
ソリューション エクスプローラで [レポート] フォルダを右クリックし、[新しいレポートの追加] をクリックします。レポート ウィザードの [レポート ウィザードへようこそ] ページが表示されます。
[次へ] をクリックします。[データ ソースの選択] ページが表示されます。
[名前] ボックスに「Resellers」と入力します。この値は、レポート定義でデータ ソース名とデータセット名の両方に使われます。
[型] ボックスの一覧で、[Microsoft SQL Server] が選択されていることを確認します。
[接続文字列] の右側にある [編集] をクリックします。[接続プロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。
[サーバー名] ボックスに、AdventureWorks データベースが置かれているサーバーの名前を入力します。たとえば、「
localhost
」と入力します。[データベースへの接続] で、[データベースの選択または入力] ボックスの一覧から [AdventureWorks] を選択します。
[サーバーにログオンする] で、使用する認証方式を選択します。Windows 認証を選択した場合、クライアントの認証に Microsoft Windows が使用されます。SQL Server 認証を選択した場合は、入力したユーザー名およびパスワードが、SQL Server 側で管理されている有効なユーザー名およびパスワードのリストと照合されます。
[OK] をクリックします。[データ ソースの選択] ウィザード ページに、[接続プロパティ] ダイアログ ボックスでの選択内容から作成された接続文字列が表示されます。
ページの下部にある、[共有データ ソースとして使用する] チェック ボックスをオンにします。
[次へ] をクリックします。[クエリのデザイン] ウィザード ページが表示されます。
次のクエリ文字列をクエリ ペインに貼り付けます。
SELECT S.CustomerID, SO.SalesOrderNumber, SO.OrderDate, SO.TotalDue, S.Name AS Store, A.City, SP.Name AS StateProvince, CR.Name AS CountryRegion, SC.ContactID As StoreContactID, T.[Group] As TerritoryGroup, Year(SO.OrderDate) as Year FROM Sales.Store AS S JOIN Sales.CustomerAddress AS CA ON CA.CustomerID = S.CustomerID JOIN Person.Address AS A ON A.AddressID = CA.AddressID JOIN Person.StateProvince SP ON SP.StateProvinceID = A.StateProvinceID JOIN Person.CountryRegion CR ON CR.CountryRegionCode = SP.CountryRegionCode JOIN Sales.SalesOrderHeader AS SO ON S.CustomerID = SO.CustomerID JOIN Sales.StoreContact SC ON S.CustomerID = SC.CustomerID JOIN Sales.Customer C on S.CustomerID = C.CustomerID JOIN Sales.SalesTerritory T on C.TerritoryID = T.TerritoryID ORDER BY S.CustomerID
高度なパラメータのチュートリアルの次のレッスンでは、このクエリの中のフィールドをいくつか使用します。
[次へ] をクリックします。[レポートの種類を選択します] ページが表示されます。
[テーブル] が選択されていることを確認します。
[次へ] をクリックします。[テーブルのデザイン] ページが表示されます。
[使用できるフィールド] ペインで [Store] を選択し、[グループ] をクリックします。
[Store] をグループに割り当てることで、レポートを業者別に編成できます。
[使用できるフィールド] ペインで、[SalesOrderNumber]、[OrderDate]、[TotalDue] を選択します。
複数のフィールドを選択するには、Ctrl キーを押しながら各フィールドをクリックします。
[詳細] をクリックします。
[表示されるフィールド] ペインで、[OrderDate] をクリックして、上矢印ボタンをクリックします。これで、[OrderDate] がフィールド一覧の一番上に移動します。
[次へ] をクリックします。[テーブルのレイアウトを選択] ウィザード ページが表示されます。
[ステップ] が選択されていることを確認します。
[集計を含める] チェック ボックスをオンにします。
[ドリル ダウンを有効にする] チェック ボックスをオンにします。このチュートリアルの後半では、ドリル ダウンの初期状態を制御するパラメータを追加します。
[次へ] をクリックします。[テーブルのスタイルを選択] ウィザード ページが表示されます。
[スレート] スタイルが選択されていることを確認し、[次へ] をクリックします。[ウィザードの完了] ページが表示されます。
[レポート名] ボックスには、既定のレポート名 Report1 が表示されています。これを「Resellers Worldwide」に変更します。
ページ下部にある [レポート プレビュー] チェック ボックスをオンにします。
[完了] をクリックします。レポートが [プレビュー] ビューに表示されます。
[A Bike Store] の隣にある展開ボタン (+) をクリックして、ドリル ダウン ノードを展開します。次の手順では、TotalDue の書式を修正して整数の金額が表示されるようにし、OrderDate の書式を修正して DateTime フィールドの日付部分だけが表示されるようにします。
日付と金額の既定のレポート書式を変更するには
[レイアウト] タブをクリックします。
テーブルで、[Order Date] 列の詳細行にある [OrderDate] フィールドをクリックします。[OrderDate] フィールドのプロパティが [プロパティ] ウィンドウに表示されます。
[プロパティ] ウィンドウをスクロールして [Format] プロパティを表示します。[Format] プロパティの隣にあるテキスト ボックス内をクリックし、「d」と入力します。Tab キーを押して編集モードを終了します。これで、日付と時刻の両方を表示する既定の DateTime 書式から、日付のみを表示する書式に変わります。
テーブルで、[Total Due] 列の詳細行にある [TotalDue] フィールドをクリックし、Ctrl キーを押しながら、[TotalDue] 詳細行のすぐ上にあるテキスト ボックスをクリックします。これは業者ごとのグループ小計を表示するテキスト ボックスです。これで、2 つのテキスト ボックスを選択したことになります。
[プロパティ] ウィンドウをスクロールして [Format] プロパティを表示します。[Format] プロパティの隣にあるテキスト ボックス内をクリックし、「C0」と入力します。Tab キーを押して編集モードを終了します。これで、選択した 2 つのテキスト ボックスの書式が、既定の書式から金額を表す書式に変わります。
(省略可) [Store] 列ヘッダーをクリックします。[プロパティ] ウィンドウをスクロールして [Width] プロパティを表示します。「2.4」と入力します。または、表示解像度や既定の測定単位に応じた値を入力して、各グループのヘッダー行が 1 行に表示されるようにします。
(省略可) [Total Due] 列ヘッダーをクリックします。[プロパティ] ウィンドウをスクロールして [Width] プロパティを表示します。「1.25」と入力します。または、表示解像度や既定の測定単位に応じた値を入力して、各グループのヘッダー行が 1 行に表示されるようにします。
[プレビュー] をクリックします。ドリル ダウン ノードを展開して、日付および金額の書式が変わっていることを確認してください。
(省略可) レポート作成処理の開始時刻を表すタイムスタンプを、レポートに組み込むことができます。処理に時間がかかる場合、レポート内のデータは、タイムスタンプの時刻よりも新しい可能性があります。
(省略可) レポートにタイムスタンプを追加するには
[レイアウト] タブをクリックして [レイアウト] ビューに切り替えます。
テーブル内をクリックします。テーブル ハンドルが表示されます。
コーナー ハンドルをクリックしてテーブルを選択します。テーブルの外枠がグレー表示になります。
下方向キーを 3 回押して、レポート ページのタイトル ボックスとテーブルの間に余白を挿入します。
ツール ボックスからテキスト ボックスをドラッグし、テーブルとタイトルの間の余白にドロップします。
このテキスト ボックスに次の式を貼り付けます。
="Report Processed Date: " & Globals!ExecutionTime.ToShortDateString() & " " & Globals!ExecutionTime.ToShortTimeString()
これで、レポート作成処理の開始時刻を表すタイムスタンプが表示されるようになりました。レポート作成に時間がかかる場合は、このタイムスタンプをデータのタイムスタンプとして使用しないでください。キャッシュされたレポートやレポート履歴では、この時刻はレポート データの処理時刻であり、レポートの表示時刻とは異なる場合があります。
このテキスト ボックスを選択した状態で、レポート ツール バーの [フォント サイズ] ボックスの一覧から [8] を選択します。
レポート ツール バーの [前景色] をクリックし、[DarkRed] を選択します。
[左揃え] ボタンをクリックします。
[タイトル] ボックスを選択します。さらに、Ctrl キーを押しながら、新しく追加したテキスト ボックスを選択します。[書式] メニューの [整列] をポイントし、[左] をクリックして、2 つのテキスト ボックスの左辺を揃えます。最初に選択したテキスト ボックスが揃えの基準となります。
[書式] メニューの [同じサイズに揃える] をポイントし、[幅] をクリックします。
2 つのテキスト ボックスを選択した状態で、[書式] メニューの [上下の間隔] をポイントし、[削除] をクリックして、テキスト ボックス間の余白をなくします。
(省略可) [プレビュー] をクリックして、レポート作成タイムスタンプを表示します。
レポートの説明を追加するには
[レイアウト] タブをクリックします。
[レポート] メニューの [レポートのプロパティ] をクリックします。[レポートのプロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。
[説明] ボックスに「パラメータの使用方法を Resellers Worldwide レポート」と入力します。
[OK] をクリックします。
レポートをパブリッシュするには
ソリューション エクスプローラで、[Advanced Parameters Tutorial] プロジェクトを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[構成マネージャ] をクリックします。
[構成マネージャ] ダイアログ ボックスの [アクティブ ソリューション構成] で、[Production] を選択します。
[閉じる] をクリックします。
プロジェクトの [プロパティ ページ] ダイアログ ボックスに戻ります。
[プロパティ ページ] ダイアログ ボックスの [TargetServerURL] に、レポート サーバーの仮想ディレクトリ (http://servername/reportserver など) を入力します。これは、レポート マネージャではなく、レポート サーバーの仮想ディレクトリです。
メモ : レポート サーバーがレポート デザイナと同じコンピュータにインストールされている場合は、サーバー名として localhost を使用できます。たとえば、https://localhost/reportserver または https://localhost/reportserver$SQLEXPRESS になります。レポート サーバー名の詳細については、「レポート サーバー仮想ディレクトリの構成」を参照してください。 [デバッグ] プロパティ ノードが開いていない場合は展開し、StartItem プロパティを表示します。StartItem の横にあるテキスト ボックス内をクリックし、一覧から [Resellers Worldwide.rdl] を選択します。
[OK] をクリックします。
レポート プロジェクトを保存します。[ファイル] メニューの [すべてを保存] をクリックします。
レポートをパブリッシュします。[デバッグ] メニューの [デバッグなしで開始] をクリックします。
パブリッシュが完了すると、レポート デザイナにより Internet Explorer が開きます。[Resellers Worldwide] をクリックして、レポートを表示します。
Business Intelligence Development Studio の [出力] ウィンドウには、レポートをレポート サーバーに展開するときのアクションやメッセージが表示されます。[出力] ウィンドウが表示されない場合は、[表示] メニューの [出力] をクリックします。
次の手順
ここでは、高度なパラメータのチュートリアルで使用する基本の Resellers Worldwide レポートを作成しました。次のレッスンでは、一連のカスケード型パラメータを追加して、大きな販売地域から小さな販売地域へ再販業者の店舗を絞り込んでいくレポートを作成します。「レッスン 2 : レポートへのカスケード型パラメータの追加」を参照してください。
参照
その他の技術情報
Reporting Services でのパラメータを使用した作業