SQL Native Client ヘッダー ファイルとライブラリ ファイルの使用

SQL Native Client ヘッダー ファイルとライブラリ ファイルは、SQL Server 2005 と共にインストールされます。アプリケーションを開発するときは、開発に必要なすべてのファイルを開発環境にコピーしてインストールすることが重要です。

SQL Native Client ヘッダー ファイルとライブラリ ファイルは、次の場所にインストールされます。

%PROGRAM FILES%\Microsoft SQL Server\90\SDK

SQL Native Client ヘッダー ファイル (sqlncli.h) は、SQL Native Client データ アクセス機能をカスタム アプリケーションに追加するために使用できます。SQL Native Client ヘッダー ファイルには、SQL Server 2005 に実装されている新しい機能を使用するために必要なすべての定義、属性、プロパティ、およびインターフェイスが含まれています。

また、SQL Native Client ヘッダー ファイルだけでなく、sqlncli.lib ライブラリ ファイルもあります。sqlncli.lib ライブラリ ファイルは、ODBC の SQL Server 2005 BCP (一括コピー プログラム) 機能のエクスポート ライブラリです。

SQL Native Client ヘッダー ファイルは、MDAC (Microsoft Data Access Components) と共に使用する sqloledb.h ヘッダー ファイルと odbcss.h ヘッダー ファイルの両方と下位互換性がありますが、SQLOLEDB (MDAC に含まれている OLE DB provider for SQL Server) の CLSID や (SQL Native Client でサポートされない) XML 機能のシンボルは含まれていません。

ODBC アプリケーションでは、SQL Native Client ヘッダー ファイル (sqlncli.h) と odbcss.h を同一のプログラムから参照できません。SQL Server 2005 で提供される新機能を使用しない場合でも、SQL Native Client ヘッダー ファイルが以前の odbcss.h の代わりに機能します。

SQL Native Client OLE DB プロバイダを使用する OLE DB アプリケーションでは、sqlncli.h のみを参照する必要があります。1 つのアプリケーションで MDAC (SQLOLEDB) と SQL Native Client OLE DB プロバイダの両方を使用する場合、sqloledb.h と sqlncli.h の両方を参照できますが、最初に sqloledb.h を参照する必要があります。

SQL Native Client インストーラを SQL Server 2005 と別にインストールした場合は、既定でクライアント コンポーネントのみがインストールされます。すべてのコンポーネント (クライアント コンポーネントと SDK コンポーネント) をインストールするには、コマンド ラインで ADDLOCAL=All を指定します。次に例を示します。

msiexec /i sqlncli.msi ADDLOCAL=ALL APPGUID={0CC618CE-F36A-415E-84B4-FB1BFF6967E1}

SQL Native Client ヘッダー ファイルの使用

SQL Native Client ヘッダー ファイルを使用するには、C/C++ プログラミング コードで include ステートメントを使用する必要があります。次のセクションでは、OLE DB と ODBC の両方のアプリケーションでこの操作を行う方法について説明します。

メモ :
SQL Native Client ヘッダー ファイルとライブラリ ファイルは、Visual Studio C++ 2002 以降を使用しないとコンパイルできません。

OLE DB

OLE DB アプリケーションで SQL Native Client ヘッダー ファイルを使用するには、次のプログラミング コードを使用します。

#define _SQLNCLI_OLEDB_
include "sqlncli.h";

メモ :
アプリケーションで OLE DB と ODBC の両方の API を使用する場合は、上記の 1 行目のコードを省略する必要があります。また、アプリケーションに sqloledb.h 用の include ステートメントがある場合は、そのステートメントの後に sqlncli.h 用の include ステートメントを指定する必要があります。#define で _SQLNCLI_OLEDB_ を定義する場合は、SQL Server 2005 の Service Pack 2 (SP2) がインストールされていることを確認してください。

SQL Native Client によってデータ ソースに接続するときは、プロバイダ名文字列として "SQLNCLI" を使用します。

ODBC

ODBC アプリケーションで SQL Native Client ヘッダー ファイルを使用するには、次のプログラミング コードを使用します。

#define _SQLNCLI_ODBC_
include "sqlncli.h";

メモ :
アプリケーションで OLE DB と ODBC の両方の API を使用する場合は、上記の 1 行目のコードを省略する必要があります。また、アプリケーションに odbcss.h 用の #include ステートメントがある場合は、そのステートメントを削除する必要があります。#define で _SQLNCLI_ODBC_ を定義する場合は、SQL Server 2005 の Service Pack 2 (SP2) がインストールされていることを確認してください。

SQL Native Client によってデータ ソースに接続するときは、ドライバ名文字列として "SQL Native Client" を使用します。

参照

その他の技術情報

SQL Native Client を使用したアプリケーションのビルド

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手