SQL Server 2005 にアップグレードする方法 (セットアップ)
更新 : 2005 年 12 月 5 日
Microsoft SQL Server 2005 インストール ウィザードは Windows インストーラをベースにしており、ここから SQL Server のコンポーネントをアップグレードできます。SQL Server 2005 を SQL Server 2000 または SQL Server 7.0 と並列でインストールすることもできます。または、以前のバージョンの SQL Server から既存データベース設定と構成の設定を移行し、SQL Server 2005 のインスタンスに適用することもできます。
アップグレード オプションと移行オプションの詳細については、「SQL Server コンポーネントのアップグレード」を参照してください。並列構成のサポートの詳細については、「SQL Server の複数のバージョンの使用」を参照してください。
データベース エンジン
SQL Server 2000 または SQL Server 7.0 データベース エンジンのインスタンスをアップグレードするには、次の手順を参照してください。フェールオーバー クラスタをアップグレードするには、「SQL Server 2005 のフェールオーバー クラスタ インスタンスにアップグレードする方法 (セットアップ)」を参照してください。
ユーザー データベースを SQL Server 2005 に移行するには、次を参照してください。
- Analysis Services
Analysis Services のアップグレードの詳細については、「Analysis Services のアップグレードまたは移行」を参照してください。
- Reporting Services
Reporting Services をアップグレードするには、SQL Server セットアップ (インストール ウィザード) と Reporting Services 構成ツールを使用します。詳細については、「Reporting Services のアップグレード」を参照してください。
- Notification Services
Notification Services をアップグレードするには、データベース エンジンをアップグレードし、SQL Server 2005 Notification Services をインストールした後、Notification Services のインスタンスを移行します。詳細については、「Notification Services インスタンスの移行」を参照してください。
- データ変換サービス
SQL Server 2005 における DTS の使用の詳細については、「データ変換サービスのアップグレードまたは移行」を参照してください。
- レプリケーション
SQL Server 2005 では、レプリケートされたデータベースを以前のバージョンの SQL Server からアップグレードできます。詳細については、「レプリケートされたデータベースのアップグレード」を参照してください。
前提条件
ローカル インストールの場合は、管理者としてセットアップを実行する必要があります。SQL Server をリモートの共有ディレクトリからインストールする場合は、その共有ディレクトリに対する読み取りアクセス許可と実行アクセス許可を持つドメイン アカウントを使用する必要があります。
データベース エンジンから SQL Server 2005 にアップグレードする前に、次のトピックを確認してください。
- SQL Server 2005 のインストールに必要なハードウェアおよびソフトウェア
- システム構成チェッカーの検査パラメータ
- SQL Server インストールのセキュリティに関する注意点
- SQL Server 2005 データベース エンジンの旧バージョンとの互換性
- データベース エンジンのアップグレード
手順
SQL Server データベース エンジンから SQL Server 2005 にアップグレードするには
SQL Server 2005 製品の CD または DVD をコンピュータの CD ドライブまたは DVD ドライブに挿入します。SQL Server インストール ウィザードが自動的に起動します。SQL Server インストール ウィザードが自動的に起動しない場合は、CD または DVD のルート フォルダで Splash.hta をダブルクリックします。
メモ : ネットワーク ドライブからセットアップを実行するには、共有ドライブ上のインストール場所に移動して、Splash.hta をダブルクリックします。 インストール プロセスを開始するには、[SQL Server のインストール] をクリックします。
[使用許諾契約書] ページに使用許諾契約が表示されます。内容を確認した上で、[使用許諾契約書に同意する] チェック ボックスをオンにします。使用許諾契約書に同意すると、[次へ] ボタンを使用できるようになります。[次へ] をクリックします。セットアップを終了するには、[キャンセル] をクリックします。
[SQL Server コンポーネントの更新] ページが表示され、SQL Server 2005 に必要なソフトウェアがインストールされます。コンポーネント要件の詳細情報を参照するには、このページの下部にある [ヘルプ] をクリックします。コンポーネントの更新プロセスを開始するには、[インストール] をクリックします。更新が完了したら、[完了] をクリックして続行します。詳細については、「インストールの前提条件」を参照してください。
SQL Server インストール ウィザードの [ようこそ] ページで、[次へ] をクリックします。
[システム構成チェック] (SCC) ページが表示されます。ここでは、インストール先のコンピュータがスキャンされ、セットアップを正常に実行できるかどうかが確認されます。構成チェックの項目の詳細については、ページの下部にある [ヘルプ] をクリックするか、「システム構成チェッカーの検査パラメータ」を参照してください。スキャンを中断するには、[停止] をクリックします。チェック項目を結果ごとに表示するには、[フィルタ] をクリックし、表示される一覧からいずれかのカテゴリを選択します。SCC 結果のレポートを表示するには、[レポート] をクリックし、表示される一覧からいずれかのオプションを選択します。オプションには、レポートの表示、レポートをファイルに保存、レポートをクリップボードにコピー、レポートを電子メールとして送信があります。SCC スキャンの完了後にセットアップを続行するには、[次へ] をクリックします。
[登録情報] ページで、[名前] ボックスと [会社名] ボックスに必要事項を入力します。このリリースの場合は、プロダクト キーが自動的に入力されます。[次へ] をクリックします。詳細については、「登録情報」を参照してください。
[インストールするコンポーネント] ページで、インストールするコンポーネントを選択します。コンポーネント グループを選択すると、[インストールするコンポーネント] ペインにその説明が表示されます。チェック ボックスはいくつでも選択できます。SQL Server または Analysis Services を選択した場合に、インストール先が仮想サーバーであることが検出されると、[フェールオーバー クラスタの作成] チェック ボックスが有効になります。フェールオーバー クラスタをインストールするには、このオプションを選択する必要があります。詳細については、「インストールするコンポーネント」を参照してください。
コンポーネントを個別にインストールするには、[詳細設定] をクリックします。それ以外の場合は、[次へ] をクリックして続行します。
前のページで [詳細設定] をクリックした場合は、[機能の選択] ページが表示されます。[機能の選択] ページで、ドロップダウン ボックスからインストールするプログラム機能を選択します。既定以外のディレクトリにコンポーネントをインストールするには、機能を選択して [参照] をクリックします。このページの機能の詳細については、「機能の選択」を参照してください。機能の選択が完了したら、[次へ] をクリックします。
[インスタンス名] ページで、アップグレードする既定のインスタンスまたは名前付きインスタンスを選択します。既定のインスタンスまたは名前付きインスタンスが既にインストールされている場合、既存のインスタンスをインストールするように選択すると、そのインスタンスがアップグレードされ、追加コンポーネントをインストールするためのオプションが表示されます。
コンピュータにインストール済みの SQL Server 既定インスタンスをアップグレードするには、[既定のインスタンス]、[次へ] の順にクリックして続行します。
コンピュータにインストール済みの SQL Server 名前付きインスタンスをアップグレードするには、[名前付きインスタンス] をクリックし、表示されるフィールドにインスタンス名を入力します。または、[インスタンス名] ページの [インストール済みのインスタンス] をクリックし、[インストール済みのインスタンス] ボックスの一覧からインスタンスを選択して [OK] をクリックし、インスタンス名フィールドに入力します。アップグレードするインスタンスを選択した後、[次へ] をクリックして続行します。
メモ : 既定のインスタンスをアップグレードするには、コンピュータに既定のインスタンスが存在している必要があります。名前付きインスタンスをアップグレードするには、コンピュータに名前付きインスタンスが存在している必要があります。 インスタンスの名前付け規則の詳細については、「インスタンス名」を参照してください。
[既存のコンポーネント] ページには、コンピュータにインストールされている SQL Server コンポーネントが一覧表示されます。SQL Server 2005 にアップグレードできるコンポーネントのチェック ボックスは、有効になっています。コンポーネントのチェック ボックスが無効な場合は、コンポーネントを SQL Server 2005 にアップグレードできません。使用できるオプションと代替方法のレポートを表示するには、[詳細] をクリックします。[既存のコンポーネント] ページに一覧表示されているコンポーネントをアップグレードするには、そのチェック ボックスをオンにして [次へ] をクリックします。詳細については、「既存のコンポーネント」を参照してください。
[サービス アカウント] ページで新しいコンポーネントを追加する場合は、SQL Server 以外のアカウントに対してユーザー名、パスワード、およびドメイン名を指定します。このリリースの場合は、アップグレードしている既存 SQL Server サービスのサービス アカウント情報が SQL Server 2005 のセットアップに使用されます。同じアカウントをすべてのサービスに使用できます。
必要でされば、サービスごとに異なるアカウントを指定することもできます。[サービス アカウントごとにカスタマイズする] チェック ボックスをオンにし、一覧からサービス名を選択した後、そのサービスのログイン資格情報を指定します。[次へ] をクリックします。詳細については、「サービス アカウント」を参照してください。
メモ : 完全な Domain Name Service (DNS) 名をドメイン名にすることはできません。たとえば、DNS 名が my-domain-name.com である場合、[ドメイン] ボックスに「my-domain-name」と入力します。SQL Server のセットアップでは、[ドメイン] ボックスに my-domain-name.com とは指定できません。 アップグレードする SQL Server インスタンスが混合モード (Windows 認証または SQL Server 認証) を使用するように構成されていると、[ログオン情報のアップグレード] ページが表示されます。このページに入力されている資格情報は、アップグレード スクリプトを実行するために既存 SQL Server インスタンスの接続に使用されます。既存 SQL Server インスタンスが Windows 認証を使用するように構成されている場合、このページは表示されません。[次へ] をクリックします。詳細については、「ログイン情報のアップグレード」を参照してください。
セキュリティ メモ : 可能な場合は、Windows 認証を使用してください。 セキュリティ メモ : このリリースでは、コンピュータがドメインのメンバでない Microsoft Windows Server 2003 の既定の構成の一部で、SQL Server セットアップによって強力なパスワード要件が適用されない場合があります。システムのセキュリティを強化するには、強力なパスワードを設定する必要があります。必ず、強力なパスワードを使用してください。強力なパスワードのガイドラインについては、SQL Server 2005 Books Online の「認証モード」を参照してください。 インストールする機能として Analysis Services を選択した場合は、[照合順序の設定] ページで既定の照合順序を指定します。SQL Server と Analysis Services に対して同じ照合順序を使用できます。また、コンポーネントごとに照合順序を指定することもできます。
SQL Server と Analysis Services に個別の照合順序を設定するには、[サービス アカウントごとにカスタマイズする] チェック ボックスをオンにします。このチェック ボックスをオンにすると、ドロップダウン リスト ボックスが表示されます。表示されたボックスの一覧からサービスを選択し、照合順序を割り当てます。サービスごとに同じ手順を繰り返します。[次へ] をクリックします。詳細については、「照合順序の設定」を参照してください。
インストールする機能として Reporting Services を選択した場合は、[レポート サーバー仮想ディレクトリ] ページが表示されます。既定のディレクトリ名をそのまま使用するか、ディレクトリの場所を指定します。このページの詳細を参照するには、ページの下部にある [ヘルプ] をクリックしてください。[次へ] をクリックします。詳細については、「レポート サーバー インストール オプション」を参照してください。
インストールする機能として Reporting Services を選択した場合は、[レポート サーバー データベース セットアップ] ページが表示されます。レポート サーバー データベースのホストを指定します。既存の SQL Server インスタンスでレポート サーバー データベースをホストする場合は、表示される一覧からインスタンスを選択して、そのインスタンスにアクセスするための認証モードを選択します。詳細については、「レポート サーバー インストールの情報」を参照してください。
[SQL Server 認証] を選択する場合は、そのインスタンスの管理者権限を持つのユーザー名とパスワードを指定します。レポート サーバー データベース名を確認して、[次へ] をクリックします。
インストールする機能として Reporting Services を選択した場合は、[レポート サーバーの配信設定] ページが表示されます。レポート サーバーから送信する電子メールのメッセージ送信者として使用する SMTP サーバー アドレスと電子メール アドレスを指定します。[次へ] をクリックします。
[エラーと使用状況レポートの設定] ページで、必要に応じてチェック ボックスをオフにして、エラー報告を無効にします。[次へ] をクリックします。詳細については、「エラー レポートと使用状況レポートの設定」を参照してください。
[インストールの準備完了] ページで、インストールされる SQL Server の機能およびコンポーネントを確認します。アップグレードの場合は、既存インスタンスのコンポーネントと機能がすべてアップグレードに選択されます。続行するには、[インストール] をクリックします。詳細については、「インストールの準備完了」を参照してください。
[セットアップの進行状況] ページには、セットアップ プログラムによるインストールの進行状況が表示されます。インストール時にコンポーネントのログ ファイルを表示するには、[セットアップの進行状況] ページで製品名または状態名をクリックします。
[Microsoft SQL Server セットアップの完了] ページに表示されるリンクをクリックすると、セットアップの概要ログを表示できます。SQL Server インストール ウィザードを終了するには、[完了] をクリックします。
コンピュータを再起動するように表示されたら、再起動してください。インストールが完了した時点で、セットアップ プログラムから出力されるメッセージを確認することが重要です。コンピュータの再起動に失敗すると、今後のセットアップ プログラムの実行が失敗する可能性があります。
次の手順
データベース エンジンを SQL Server 2005 へアップグレードした後は、次の作業を実行します。
- サーバーの登録 : アップグレードすると、以前の SQL Server インスタンスのレジストリ設定が削除されます。アップグレード後は、サーバーを登録する必要があります。
- フルテキスト カタログの再作成 : アップグレード プロセスによって、データベースのフルテキスト カタログが無効になります。カタログを再作成する必要がありますが、この操作には時間がかかるため、セットアップでは自動的に実行されません。この操作によって SQL Server 2005 インストールのパフォーマンスが向上するため、管理者は都合がよいときにフルテキスト カタログを再作成するように計画してください。
- 統計の更新 : クエリ パフォーマンスを最適化するため、アップグレードに続いてすべてのデータベース上で統計を更新することをお勧めします。SQL Server 2005 データベースのユーザー定義テーブル内の統計を更新するには、sp_updatestats ストアド プロシージャを使用します。
- 使用率カウンタの更新 - 以前のバージョンの SQL Server の場合、テーブルごと、およびインデックスごとの行数やページ数の値が正しくならないことがあります。無効な行数やページ数を修正するには、アップグレード後に DBCC UPDATEUSAGE をすべてのデータベースに対して実行することをお勧めします。
- 新しい SQL Server インストールの構成 - SQL Server 2005 では、システムの外部からのアクセスを縮小して攻撃可能な領域を減らすために、重要なサービスおよび機能を選択的にインストールしてアクティブにします。SQL Server 2005 の機能をアクティブにする方法については、「SQL Server セキュリティ構成」を参照してください。
参照
処理手順
SQL Server 2005 の既存のインスタンスのコンポーネントを変更する方法 (セットアップ)
概念
SQL Server 2005 セットアップ ログ ファイルを表示する方法
その他の技術情報
SQL Server 2005 へのアップグレード
旧バージョンとの互換性