レポートの作成、管理、および配信の概要

[アーティクル]
12/15/2008

ここでは、SQL Server 2005 Reporting Services で利用可能な、レポートの作成、管理、および配信機能について説明します。最初のレポートを作成する方法については、「チュートリアル : 基本的なレポートの作成」を参照してください。

レポートの作成

レポートを作成するには、レポートデザイナまたはレポートビルダを使用してレポート定義を作成します。使用する作成ツールは、レポートの要件およびレポート作成技法の習熟度によって決まります。

レポートデザイナは、Business Intelligence Development Studio で実行される、フル機能のレポート作成ツールです。これを使用するには、データソースへの接続、クエリの構築、およびプロパティの設定の方法を理解している必要があります。レポートデザイナを使用すると、単純なレポートでも、カスタム機能をサポートするカスタムアセンブリや式を含む複雑なレポートでも、作成することができます。レポートウィザードを使用してレポートを作成し、このレポートを変更したり、レポートサーバープロジェクトテンプレートを使用して、最初からレポートを構築することができます。
レポートビルダでは、モデルデータソースを使用して、リレーショナルデータおよび多次元データについてのアドホックレポートを提供します。これは、クエリを記述せずに、基本的なレポートを簡単に作成したいユーザーを対象としています。レポートビルダでは定義済みのレポートモデルと、データ接続、クエリ、データ間の関係を管理するテンプレートを使用するため、ユーザーはデータフィールドをテンプレートにドラッグアンドドロップするだけで、テーブル形式またはマトリックス形式のレポートを作成することができます。

レポートは、レポートサーバーとは別のクライアントコンピュータで作成します。レポートが希望どおりに完成したら、レポートをレポートサーバーにパブリッシュできます。これで、一般的な用途でレポートを利用できるようになります。レポートを作成するには、次の手順を実行します。

データソースに接続し、データを取得します。これは、接続文字列およびクエリにより行うか、処理するデータを指定するレポートモデルを作成することにより行うことができます。
レポートのレイアウトを作成します。レポートビルダでは、この手順を行うテンプレートを用意しています。レポートデザイナでは、ツールボックスとデザイン画面が提供され、テーブル、マトリックス、グラフ、グラフィック要素、および使用するその他のアイテムすべてを組み合わせることができます。
レポートをプレビューして、データとレイアウトが一体となっているのを確認し、レポートをレポートサーバーにパブリッシュします。

レポートおよびその他のアイテムの管理

Reporting Services を使用する主な利点の 1 つに、レポートおよびレポートに関連するフォルダ、データソース接続、リソースなどのアイテムを、集中管理された場所から管理する機能があります。セキュリティの定義、プロパティの設定、および操作のスケジュール設定を行うことができます。また、共有スケジュールおよび共有データソースを作成し、それらを一般的な用途で使用することもできます。レポートおよびレポート環境を管理するには、SQL Server Management Studio またはレポートマネージャを使用します。レポート管理には、以下のタスクが含まれます。

新しいフォルダを追加してレポートのコレクションを格納することで、レポート環境を整理します。
個人用レポート、レポート履歴、および電子メールによるレポート配信などの機能を有効にします。
ユーザーとグループをロールに割り当てることにより、フォルダおよびレポートへのアクセスをセキュリティで保護します。
一般的な用途で使用できるようにする共有スケジュールおよび共有データを構築します。

エンドユーザーおよびレポートサーバー管理者は共にレポートを管理することができますが、その方法は異なります。ユーザーは、個人用レポートと呼ばれる個人の作業領域で、レポートをパブリッシュおよび管理することができます。レポートサーバー管理者は、レポートサーバーのフォルダの名前空間全体を管理できます。実行できる管理タスクは、ユーザー権限により異なります。

レポートへのアクセスおよびレポートの配信

Reporting Services では、レポートへのアクセスとレポートの配信の際に、2 つの方法を利用できます。

要求時アクセスでは、ユーザーがレポート表示ツールからレポートを選択できます。レポートマネージャ、Microsoft SharePoint Web パーツ、またはブラウザを使用できます。
サブスクリプションベースのアクセスでは、自動的にレポートを生成して配信します。電子メールの受信ボックスまたはファイル共有にレポートを配信できます。

要求時にレポートを表示するには、レポートサーバーのフォルダの名前空間と呼ばれるフォルダ階層から、レポートを検索または選択します。レポートを自動的に受信するには、特定のレポートをサブスクライブします。レポートが実行されると、レポートが利用可能である通知を受けるか、電子メールメッセージでレポートのコピーを受信します。

レポートサーバー管理者は、多数のユーザーを含むグループにレポートをプッシュするデータドリブンサブスクリプションを構築できます。データドリブンサブスクリプションは、実行時に受信者の一覧を生成します。データドリブンサブスクリプションでは、サブスクリプションの開始時に、格納済みのデータ (従業員データベース内のデータなど) から配信の設定が構築されます。

Reporting Services は、さまざまな表示形式をサポートします。レポートは最初に HTML 形式で表示されますが、レポートが表示された後で、Excel や PDF など、別の形式で再表示することができます。

参照

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