Reporting Services で利用可能なメモリの構成

更新 : 2006 年 4 月 14 日

Reporting Services では、レポート サーバーが Windows サービスおよび Web サービスとして実装されています。それぞれのサービスには、メモリのしきい値や、ワーカー プロセスまたはアプリケーション ドメインの再利用頻度を決定する構成設定が割り当てられます。

実行される処理は、サービスごとに異なります。レポート サーバー Web サービスは、レポート スナップショットやレポート履歴の作成要求など、各種のレポート要求をオンデマンドで処理します。レポート サーバー Windows サービスは、共有フォルダや電子メール アドレスに対するサブスクリプション配信など、スケジュール設定されたあらゆるレポート要求を処理します。

レポート サーバー Web サービスのメモリ設定

レポート サーバー Web サービスのメモリ設定は、ASP.NET の構成設定 (Machine.config ファイルの processModel セクションの memoryLimit 設定) を通じて指定します。memoryLimit には、ワーカー プロセスが消費できる最大許容メモリ サイズを、システムの合計メモリ サイズに対する比率で指定します。この比率を超えると、インターネット インフォメーション サービス (IIS) によって新しいプロセスが起動され、既存の要求に対する再割り当てが行われます。既定値は 60 パーセントです。

IIS は、ワーカー プロセスを 12 時間おきに再利用します。レポート サーバーに使用するアプリケーション プールの再利用プロパティを設定することにより、異なるスケジュールを指定できます。

レポート サーバー Windows サービスのメモリ設定

Windows サービスのメモリ設定は、RSReportServer.config ファイルで指定します。メモリの上限を指定したり、アプリケーション ドメインの再利用のタイミングを指定するなど、さまざまな設定が可能です。

レポート サーバー Windows サービスに対する利用可能なメモリの構成

レポート サーバー処理がサーバーをダウンさせたり、メモリを過剰に消費したりしないように、使用できるメモリの上限を設定できます。メモリ制限を指定するには、RSReportServer.config ファイルに定義されている MemoryLimit および MaximumMemoryLimit 設定を使用します。

  • MemoryLimit は、新しい処理要求の受け付けを停止する基準となるメモリのしきい値を指定します。この値は、使用できるメモリの比率として表されます。有効な値は、0 から整数型の最大値までです。既定値は 60 です。
  • MaximumMemoryLimit は、レポート サーバーのメモリ消費量が使用できるメモリの特定の比率に達すると、アプリケーション ドメインを再利用するように指定します。この値は、再利用の際に使用できるメモリの比率です。既定値は 80 です。この値は、MemoryLimit で設定する値より大きくする必要があります。

MemoryLimit の値に達すると、レポート サーバーのアプリケーション ドメインは新しい要求を受け付けなくなります。現在実行中の要求は継続されます。メモリ使用量が MemoryLimit で指定した値を下回った場合のみ、新しい要求が受け付けられます。

メモリ使用量が MemoryLimit の値に達してからも、既存の要求によってメモリをさらに使用し続ける場合、レポート サーバーはメモリ使用量が MaximumMemoryLimit で指定した値に達するまで処理を継続します。この値に達すると、すべての処理が終了され、アプリケーション ドメインのインスタンスが再起動されます。

メモリしきい値の設定

MemoryLimit および MaximumMemoryLimit は、使用可能なメモリ全体の割合 (パーセント) で指定します。レポート サーバーによって物理メモリの使用状況が監視されます。仮想メモリを使用する場合は、100% を超える値を指定することで、追加のメモリ リソースを利用できるようになります。

レポート サーバー Windows サービスに対する再利用処理のスケジュール設定

レポート サーバー Windows サービスのアプリケーション ドメインが再利用される頻度をスケジュール設定できます。レポート サーバー Windows サービスの再利用スケジュールは、ASP.NET アプリケーションの標準的なドメイン再利用パターン (12 時間) に従って設定します。スケジュールされた時間になると、新規要求はすべてアプリケーション ドメインの新しいインスタンスに転送されます。元のインスタンスで処理中の要求はそのまま継続して処理されます。処理がすべて完了すると、元のインスタンスが削除され、新しいインスタンスだけがアクティブなアプリケーション ドメイン インスタンスとなります。

レポート サーバー Windows サービスの再利用スケジュールを指定するには、RSReportServer.config ファイルの RecycleTime 構成設定を使用します。

レポート サーバー Windows サービスに対するアンロード時間の構成

レポート サーバーは、レポート サーバー Windows サービスのアプリケーション ドメインが再利用処理中にシャット ダウン可能な時間として、30 分間の待機時間を割り当てます。処理中の要求が割り当てられた時間内に完了しない場合 (処理に必要な時間が待機時間よりも長くなる場合)、アプリケーション ドメインのインスタンスが再起動されます。未完了の処理はすべて終了されます。

待機時間を変更するには、RSReportServer.config ファイルの MaxAppDomainUnloadTime 構成設定を使用します。

参照

概念

RSReportServer 構成ファイル
レポート サーバー Web サービスおよび Windows サービスの管理

その他の技術情報

Reporting Services の配置

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース 履歴

2006 年 4 月 14 日

変更内容 :
  • Web サービスおよび Windows サービスのプロセスについての情報を明確にしました。