Service Broker のプログラミングの概要
今日では、多くのデータベース アプリケーションでキューイングや非同期メッセージングが必要とされています。Service Broker では、このようなニーズに対応するために、持続性のあるキューベースの新しいメッセージング フレームワークを提供します。Service Broker に用意されている Transact-SQL API を使用することで、キューイングや非同期通信を必要とするアプリケーションに対応したサービスを簡単に開発できます。
Service Broker によるプログラミングには、次のような利点があります。
- 柔軟な開発 : 1 つの分散アプリケーションで使用されるプログラムを複数の言語で記述できます。この場合、各プログラムが分散アプリケーションの各コンポーネントの機能を提供します。
- 強化されたセキュリティ : 証明書によってセキュリティ要件を表すことができます。したがって、アプリケーション コンポーネント間で同じセキュリティ コンテキストを共有する必要がありません。Service Broker では、SQL Server のセキュリティ機能を利用してアプリケーションのセキュリティを保護しています。
- トランザクション処理 : SQL Server トランザクション内部でメッセージを処理し、データの整合性を確保します。Service Broker では、データベースへの標準接続を介したリモート トランザクション メッセージングがサポートされます。
- 保証された順序 : Service Broker は、関連する一連のメッセージが正しい順序で 1 度だけ配信および処理されることを厳密に保証します。したがって、この機能を提供するための追加のコーディングは必要ありません。
- **信頼性の高い配信 :**メッセージ交換 (複数のサービス間で行われる一連の関連する通信) に必要なすべてのデータが SQL Server に保存されます。Service Broker では、クラスタリングとデータベース ミラーリングがサポートされます。メッセージ交換は、システムの再起動、サーバーのフェールオーバー、ネットワーク障害などの後にもデータを失うことなく維持されます。
- 向上したスケーラビリティ : Service Broker のルーティングでは、サービスを実行するコンピュータのネットワーク アドレスではなく、サービス名に基づいてメッセージが配信されます。これにより、アプリケーション コードを変更することなくアプリケーションを複数のコンピュータにインストールできます。
- 既存の知識を使用する機能 : Service Broker では、Transact-SQL を使用してオブジェクトを作成します。Service Broker を使用するアプリケーションは、ほとんどの場合 Transact-SQL または Microsoft .NET Framework 互換の言語で実装されます。Service Broker アプリケーションを作成するために新しい言語を習得する必要はありません。
このセクションの内容
トピック | 説明 |
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Service Broker アプリケーションに含まれる要素と必要なワークフローについて説明します。 |
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Service Broker のプログラミングの背景にある基本概念について説明します。 |
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アプリケーション開発者が提供する必要のある Service Broker コンポーネントについて説明します。 |
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Service Broker アプリケーションの計画方法について説明し、考慮する必要のある項目の一覧を示します。 |
参照
概念
Service Broker オブジェクトの作成
Service Broker のプログラミング サンプル
その他の技術情報
Service Broker アプリケーションの作成
Service Broker の概要
Service Broker のチュートリアル