EXECUTE (Transact-SQL)

更新 : 2007 年 9 月 15 日

Transact-SQL バッチ内のコマンド文字列または文字列を実行するか、システム ストアド プロシージャ、ユーザー定義ストアド プロシージャ、ユーザー定義のスカラ値関数、または拡張ストアド プロシージャのうちいずれかのモジュールを実行します。

ms188332.security(ja-jp,SQL.90).gifセキュリティ メモ :
文字列で EXECUTE を呼び出す前には、文字列を検証してください。また、検証されていないユーザー入力から作成されるコマンドは実行しないでください。詳細については、「SQL インジェクション」を参照してください。

SQL Server 2005 では、EXECUTE ステートメントが拡張され、パススルー コマンドをリンク サーバーに送信できるようになりました。さらに、文字列またはコマンドを実行するコンテキストを、明示的に設定できるようになりました。

トピック リンク アイコンTransact-SQL 構文表記規則

構文

 Execute a stored procedure or function [ { EXEC | EXECUTE } ]     {        [ @return_status = ]       { module_name [ ;number ] | @module_name_var }          [ [ @parameter = ] { value                             | @variable [ OUTPUT ]                             | [ DEFAULT ]                             }         ]       [ ,...n ]       [ WITH RECOMPILE ]     } [;]  Execute a character string { EXEC | EXECUTE }          ( { @string_variable | [ N ]'tsql_string' } [ + ...n ] )     [ AS { LOGIN | USER } = ' name ' ] [;]  Execute a pass-through command against a linked server { EXEC | EXECUTE }         ( { @string_variable | [ N ] 'command_string [ ? ] ' } [ + ...n ]         [ { , { value | @variable [ OUTPUT ] } } [ ...n ] ]         )      [ AS { LOGIN | USER } = ' name ' ]     [ AT linked_server_name ] [;]

引数

  • **@**return_status
    モジュールから返されるステータス番号を格納する整数型の変数を指定します (省略可能)。この変数は、EXECUTE ステートメントで使う前に、バッチ、ストアド プロシージャ、または関数の中で宣言する必要があります。

    **@**return_status 変数をユーザー定義のスカラ値関数の呼び出しに使用する場合は、任意のスカラ データ型を指定できます。

  • module_name
    呼び出されるストアド プロシージャやユーザー定義のスカラ値関数の、完全修飾名または部分的な修飾名を指定します。モジュール名は、識別子の規則に従っている必要があります。拡張ストアド プロシージャの名前では、サーバーの照合順序に関係なく、常に大文字と小文字が区別されます。

    別のデータベース内で作成されたモジュールを実行するには、実行するユーザーがモジュールを所有しているか、そのデータベース内のモジュールを実行する適切な権限がユーザーに与えられている必要があります。SQL Server を実行している別のサーバーでモジュールを実行するには、実行するユーザーに対して、そのサーバーを使用する適切な権限 (リモート アクセス) と、そのデータベース内のモジュールを実行する適切な権限が与えられている必要があります。サーバー名だけを指定してデータベース名を指定しない場合、SQL Server 2005 データベース エンジンでは、ユーザーの既定のデータベース内でモジュールが検索されます。

  • **;**number
    同じ名前のプロシージャのグループ化に使用される整数です (省略可能)。このパラメータは、拡張ストアド プロシージャでは使用できません。

    ms188332.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
    この機能は、将来のバージョンの Microsoft SQL Server では削除される予定です。新規の開発作業ではこの機能を使用しないようにし、現在この機能を使用しているアプリケーションは修正することを検討してください。

    プロシージャ グループの詳細については、「CREATE PROCEDURE (Transact-SQL)」を参照してください。

  • **@**module_name_var
    モジュール名を表すローカル変数の名前を指定します。
  • @parameter
    モジュールで定義される、module_name 用のパラメータを指定します。パラメータ名の先頭にはアット マーク (
    @
    ) を付ける必要があります。**@parameter_name=value の形式で使用する場合、パラメータ名と定数は、モジュールで定義されている順序で指定する必要はありません。ただし、@**parameter_name=value の形式をパラメータとして使用した場合は、以降のすべてのパラメータは、この形式で指定する必要があります。

    既定では、パラメータに NULL 値は許容されます。NULL パラメータ値が引き渡され、そのパラメータが、NULL 値を許容しない列を参照している CREATE TABLE ステートメントや ALTER TABLE ステートメントで使用された場合 (NULL 値を許容しない列に挿入された場合など) は、データベース エンジンでエラーが返されます。NULL 値を許容しない列に NULL パラメータ値が引き渡されないようにするには、モジュールにプログラミング ロジックを追加するか、CREATE TABLE ステートメントまたは ALTER TABLE ステートメントで DEFAULT キーワードを使用して、その列の既定値を使用するようにします。

  • value
    モジュールまたはパススルー コマンドに渡すパラメータの値を指定します。パラメータ名を指定しない場合、パラメータ値は、モジュールで定義された順序で指定する必要があります。

    リンク サーバーに対してパススルー コマンドを実行するとき、パラメータ値の順序は、リンク サーバーの OLE DB プロバイダに依存します。ほとんどの OLE DB プロバイダでは、左から右へパラメータに値がバインドされます。

    パラメータの値がオブジェクト名や文字列であったり、データベース名やスキーマ名によって修飾されている場合は、その名前全体を単一引用符で囲む必要があります。パラメータの値がキーワードの場合は、そのキーワードを二重引用符で囲む必要があります。

    既定値がモジュール内で定義されている場合、ユーザーはパラメータを指定せずにモジュールを実行できます。

    既定値を NULL にすることもできます。パラメータ値が NULL の場合の操作は、通常、モジュールの定義で指定します。

  • **@**variable
    パラメータと戻りパラメータを格納する変数です。
  • OUTPUT
    モジュールまたはコマンド文字列でパラメータを返すよう指定します。モジュールまたはコマンド文字列内で一致するパラメータも、キーワード OUTPUT を使って作成されている必要があります。このキーワードは、カーソル変数をパラメータとして使用するときに指定します。

    リンク サーバーに対して実行するモジュールの OUTPUT として value を定義した場合、対応する **@**parameter に対して、OLE DB プロバイダによる変更が加えられていると、その変更内容がモジュール実行の最後に変数にコピーされて戻されます。

    OUTPUT パラメータを使用し、呼び出し元のバッチまたはモジュール内の他のステートメントで戻り値を使用する場合は、パラメータの値を **@**parameter = **@**variable のように変数として引き渡す必要があります。モジュール内で OUTPUT パラメータとして定義されていないパラメータには、OUTPUT を指定してモジュールを実行することはできません。OUTPUT を使って定数をモジュールに引き渡すことはできません。戻りパラメータには変数名が必要です。プロシージャを実行する前に、必ず変数のデータ型を宣言し、値を割り当ててください。

    リモート ストアド プロシージャに対して EXECUTE を使用する場合や、リンク サーバーに対してパススルー コマンドを実行する場合は、OUTPUT パラメータにラージ オブジェクト (LOB) 型を指定することはできません。

    戻りパラメータには、LOB 型以外のデータ型を指定できます。

  • DEFAULT
    モジュールで定義されているパラメータの既定値を使用します。パラメータに値を必要とするモジュールでパラメータの既定値が定義されていない場合、パラメータを指定しなかったり、DEFAULT キーワードを指定すると、エラーが発生します。
  • WITH RECOMPILE
    モジュール実行後に、新しいプランを強制的にコンパイル、使用、および破棄します。モジュールに既存のクエリ プランがある場合、このプランはキャッシュに残ります。

    指定するパラメータが一定しない場合であったり、データが大きく変更されたときにこのオプションを使用してください。このオプションは、拡張ストアド プロシージャには使用しません。このオプションは負荷を伴うので、あまり使用しないことをお勧めします。

    ms188332.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
    OPENDATASOURCE 構文を使用するストアド プロシージャを呼び出している場合は、WITH RECOMPILE を使用できません。4 つの部分で構成されるオブジェクト名が指定されている場合、WITH RECOMPILE オプションは無視されます。
  • @string_variable
    ローカル変数の名前を指定します。
    @string_variable には、charvarcharnchar、または nvarchar 型が許可されます。これには、(max)
    型も含まれます。
  • [N] 'tsql_string'
    定数文字列を指定します。tsql_string には、nvarchar または varchar 型が許可されます。N が含まれる場合、文字列は nvarchar 型として解釈されます。
  • AS <context_specification>
    ステートメントを実行するコンテキストを指定します。詳細については、「実行コンテキストについて」を参照してください。
  • LOGIN
    権限を借用するコンテキストがログインであることを指定します。権限借用のスコープはサーバーです。
  • USER
    権限を借用するコンテキストが、現在のデータベース内のユーザーであることを指定します。権限借用のスコープは、現在のデータベースに限定されます。コンテキスト スイッチの対象がデータベース ユーザーであっても、そのユーザーのサーバー レベルの権限は継承されません。

    ms188332.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
    データベース ユーザーに対するコンテキスト スイッチがアクティブであるときに、データベース外部のリソースへアクセスを試みると、ステートメントが失敗する原因となります。たとえば、USE database ステートメントや分散クエリ、3 部または 4 部構成の識別子を使用する別のデータベースを参照するクエリなどは実行しないでください。コンテキスト スイッチのスコープを、現在のデータベースの外部まで拡張する方法については、「EXECUTE AS の使用によるデータベースの権限借用の拡張」を参照してください。
  • 'name'
    有効なユーザーまたはログイン名を指定します。name は、sysadmin 固定サーバー ロールのメンバであるか、sys.database_principals または sys.server_principals のプリンシパルとして存在する必要があります。

    name には、NT AUTHORITY\LocalService、NT AUTHORITY\NetworkService、NT AUTHORITY\LocalSystem などのビルトイン アカウントは指定できません。

    詳細については、後の「ユーザーまたはログイン名の指定」を参照してください。

  • [N] 'command_string'
    リンク サーバーにパススルーされるコマンドを含む定数文字列を指定します。N が含まれる場合、文字列は nvarchar 型として解釈されます。
  • [?]
    パススルー コマンドの <arg-list> で値が提供されるパラメータを表します。このパススルー コマンドは、EXEC('…', <arg-list>) AT <linkedsrv> ステートメントで使用されるものです。
  • AT linked_server_name
    command_stringlinked_server_name に対して実行し、結果が返された場合はそれをクライアントに返します。linked_server_name は、ローカル サーバー内の既存のリンク サーバー定義を参照している必要があります。リンク サーバーは、sp_addlinkedserver を使って定義されます。

解説

パラメータは、value または **@parameter_name=**value を使って指定できます。パラメータはトランザクションの一部ではないため、トランザクションでパラメータが変更され、後でロールバックされても、パラメータの値を前の値に戻すことはできません。呼び出し元に返される値は常に、モジュールから戻る時点での値になります。

1 つのモジュールで、別のモジュールが呼び出されるか、共通言語ランタイム (CLR) モジュール、ユーザー定義型、または集計の参照によりマネージ コードが実行されるとき、入れ子が発生します。入れ子のレベルは、呼び出されたモジュールまたはマネージ コード参照の実行開始時に増加し、呼び出されたモジュールやマネージ コード参照の終了時に減少します。入れ子のレベルが最大値 32 を超えると、呼び出しチェーン全体が失敗します。現在の入れ子レベルは、@@NESTLEVEL システム関数に格納されます。

リモート プロシージャと拡張ストアド プロシージャは、BEGIN DISTRIBUTED TRANSACTION ステートメントの中で実行されない限り、または各種の構成オプションと共に使用されない限り、トランザクションのスコープ外となります。したがって、これらのプロシージャを呼び出して実行したコマンドはロールバックできません。詳細については、「システム ストアド プロシージャ (Transact-SQL)」および「BEGIN DISTRIBUTED TRANSACTION (Transact-SQL)」を参照してください。

カーソル変数を使用するとき、カーソル変数にカーソルを渡すプロシージャを実行し、このカーソルがプロシージャに割り当てられているカーソルであった場合は、エラーが発生します。

ステートメントがバッチ内の最初のステートメントの場合は、モジュールを実行するときに EXECUTE キーワードを指定する必要はありません。

ストアド プロシージャでの EXECUTE の使用

ステートメントがバッチ内の最初のステートメントの場合は、ストアド プロシージャを実行するときに EXECUTE キーワードを指定する必要はありません。

SQL Server システム ストアド プロシージャは、sp_ で始まります。システム ストアド プロシージャは、物理的にはリソース データベースに格納されますが、論理的にはシステムおよびユーザー定義の各データベースの sys スキーマに属します。システム ストアド プロシージャを、バッチ内、またはユーザー定義ストアド プロシージャや関数などのモジュール内で実行する場合は、ストアド プロシージャ名に sys スキーマ名を追加することをお勧めします。

SQL Server システム拡張ストアド プロシージャは、文字 xp_ で始まり、master データベースの dbo スキーマに含まれています。システム拡張ストアド プロシージャを、バッチ内、またはユーザー定義ストアド プロシージャや関数などのモジュール内で実行する場合は、ストアド プロシージャ名に master.dbo を追加することをお勧めします。

ユーザー定義ストアド プロシージャを、バッチ内、またはユーザー定義ストアド プロシージャや関数などのモジュール内で実行する場合は、ストアド プロシージャ名にスキーマ名を追加することをお勧めします。ユーザー定義ストアド プロシージャに、システム ストアド プロシージャと同じ名前を付けることはお勧めしません。ストアド プロシージャの実行の詳細については、「ストアド プロシージャの実行 (データベース エンジン)」を参照してください。

文字列での EXECUTE の使用

以前のバージョンの SQL Server では、文字列は 8,000 バイトに制限されています。このため、動的実行では大きな文字列を連結する必要があります。SQL Server 2005 では、varchar(max) 型と nvarchar(max) 型を指定でき、2 GB までの文字列データを使用できるようになりました。

データベース コンテキスト内の変更が維持されるのは、EXECUTE ステートメントの終了時までです。たとえば、次のステートメントの EXEC を実行すると、データベース コンテキストは master になります。

USE master; EXEC ('USE AdventureWorks; SELECT EmployeeID, Title FROM HumanResources.Employee;');

コンテキストの切り替え

AS { LOGIN | USER } = ' name ' 句を使用して、動的ステートメントの実行コンテキストを切り替えることができます。コンテキスト スイッチを EXECUTE ('string') AS <context_specification> のように指定した場合、コンテキスト スイッチは、実行するクエリのスコープでのみ有効になります。詳細については、「コンテキストの切り替えについて」を参照してください。

ユーザーまたはログイン名の指定

AS { LOGIN | USER } = ' name ' で指定するユーザーまたはログイン名は、sys.database_principals または sys.server_principals の各プリンシパルとして存在する必要があります。存在しない場合、ステートメントは失敗します。さらに、プリンシパルで IMPERSONATE 権限が許可されている必要があります。呼び出し元がデータベース所有者または sysadmin 固定サーバー ロールのメンバでない場合は、ユーザーが Windows グループ メンバシップによって SQL Server のデータベースやインスタンスにアクセスしているときでも、プリンシパルは存在する必要があります。たとえば、次のような状況を想定します。

  • CompanyDomain\SQLUsers グループに Sales データベースへのアクセス権がある。
  • CompanyDomain\SqlUser1SQLUsers のメンバであり、したがって Sales データベースへのアクセスが暗黙的に許可されている。

この場合、CompanyDomain\SqlUser1SQLUsers グループのメンバシップを介してデータベースにアクセスすることができますが、CompanyDomain\SqlUser1 がプリンシパルとしてデータベースに存在していないので、ステートメント EXECUTE @string_variable AS USER = 'CompanyDomain\SqlUser1' は失敗します。

推奨事項

ステートメントまたはモジュールで定義されている操作の実行に必要な、最小の権限が与えられているログインまたはユーザーを指定します。たとえば、データベース レベルの権限だけが必要な場合、サーバー レベルの権限が与えられているログイン名は指定しません。また、データベース所有者アカウントは、データベース レベルの権限が必要とされない場合は指定しません。

権限

EXECUTE ステートメントの実行に権限は必要ありませんが、EXECUTE 文字列内で参照されるセキュリティ保護可能なリソースに対しては権限が必要です。たとえば、文字列に INSERT ステートメントが含まれる場合、EXECUTE ステートメントの呼び出し元には、対象のテーブルに対する INSERT 権限が必要です。EXECUTE ステートメントは、モジュール内に含まれている場合でも、検出されるたびに権限が確認されます。

モジュールの EXECUTE 権限は、既定ではモジュールの所有者に与えられており、所有者はその権限を別のユーザーに譲渡できます。文字列を実行するモジュールが実行されるとき、権限は、モジュールを作成したユーザーのコンテキストではなく、モジュールを実行しているユーザーのコンテキストに基づいて確認されます。ただし、呼び出すモジュールと呼び出されるモジュールを所有するユーザーが同じ場合、2 番目のモジュールに対しては EXECUTE 権限の確認は行われません。詳細については、「所有権の継承」を参照してください。

モジュールで他のデータベース オブジェクトにアクセスする場合は、モジュールに対する EXECUTE 権限があり、次のいずれかに該当する場合にのみ、実行は成功します。

  • モジュールが EXECUTE AS USER または SELF としてマークされており、モジュール所有者が、参照されるオブジェクトに対して必要な権限を保持している。
  • モジュールが EXECUTE AS CALLER としてマークされており、オブジェクトに対して必要な権限を保持している。
  • モジュールが EXECUTE AS user_name としてマークされており、user_name が、オブジェクトに対して必要な権限を保持している。

コンテキスト切り替え権限

ログインに EXECUTE AS を指定するには、呼び出し元に、指定のログイン名に対する IMPERSONATE 権限が与えられている必要があります。データベース ユーザーに EXECUTE AS を指定するには、呼び出し元に、指定のユーザー名に対する IMPERSONATE 権限が与えられている必要があります。実行コンテキストを指定しない場合、または EXECUTE AS CALLER を指定する場合、IMPERSONATE 権限は必要ありません。

A. EXECUTE を使用して 1 つのパラメータを引き渡す

uspGetEmployeeManagers ストアド プロシージャでは、1 つのパラメータ (@EmployeeID) を使用することが前提となっています。次の例では、Employee ID 6 をパラメータ値として使用し、 uspGetEmployeeManagers ストアド プロシージャを実行します。

USE AdventureWorks;
GO
EXEC dbo.uspGetEmployeeManagers 6;
GO

実行の中で明示的に変数を指定することもできます。

EXEC dbo.uspGetEmployeeManagers @EmployeeID = 6;
GO

次のコードがバッチまたは osql または sqlcmd スクリプト内の最初のステートメントの場合、EXEC は必要ありません。

dbo.uspGetEmployeeManagers 6;
GO
--Or
dbo.uspGetEmployeeManagers @EmployeeID = 6;
GO

B. 複数のパラメータを使用する

次の例では、spGetWhereUsedProductID ストアド プロシージャを実行します。ここでは、製品 ID (819) と、datetime 型の値をとる @CheckDate, の、2 つのパラメータを引き渡します。

USE AdventureWorks;
GO
DECLARE @CheckDate datetime;
SET @CheckDate = GETDATE();
EXEC dbo.uspGetWhereUsedProductID 819, @CheckDate;
GO

C. EXECUTE 'tsql_string' を変数と共に使用する

次の例では、変数を含み、動的に構築される文字列が EXECUTE でどのように処理されるかを示します。この例では、tables_cursor カーソルを作成します。このカーソルは、AdventureWorks データベース内にあるすべてのユーザー定義テーブルの一覧を保持しています。次にその一覧を使用して、テーブルに対してすべてのインデックスを再構築します。

USE AdventureWorks;
GO
DECLARE tables_cursor CURSOR
   FOR
   SELECT s.name, t.name 
   FROM sys.objects AS t
   JOIN sys.schemas AS s ON s.schema_id = t.schema_id
   WHERE t.type = 'U';
OPEN tables_cursor;
DECLARE @schemaname sysname;
DECLARE @tablename sysname;
FETCH NEXT FROM tables_cursor INTO @schemaname, @tablename;
WHILE (@@FETCH_STATUS <> -1)
BEGIN;
   EXEC ('ALTER INDEX ALL ON ' + @schemaname + '.' + @tablename + ' REBUILD;');
   FETCH NEXT FROM tables_cursor INTO @schemaname, @tablename;
END;
PRINT 'The indexes on all tables have been rebuilt.';
CLOSE tables_cursor;
DEALLOCATE tables_cursor;
GO

D. EXECUTE をリモート ストアド プロシージャと共に使用する

次の例では、リモート サーバー SQLSERVER1uspGetEmployeeManagers ストアド プロシージャを実行し、@retstat に成功または失敗を示す戻りステータスを格納します。

DECLARE @retstat int;
EXECUTE @retstat = SQLSERVER1.AdventureWorks.dbo.uspGetEmployeeManagers @EmployeeID = 6;

E. EXECUTE をストアド プロシージャ変数と共に使用する

次の例では、ストアド プロシージャ名を表す変数を作成します。

DECLARE @proc_name varchar(30);
SET @proc_name = 'sys.sp_who';
EXEC @proc_name;

F. EXECUTE を DEFAULT と共に使用する

次の例では、第 1 および第 3 パラメータに既定値を指定して、ストアド プロシージャを作成します。プロシージャを実行するとき、値を指定しなかったり、既定値が指定されていた場合は、これらの既定値が第 1 および第 3 パラメータに挿入されます。DEFAULT キーワードはさまざまな方法で使用できます。

USE AdventureWorks;
GO
IF OBJECT_ID(N'dbo.ProcTestDefaults', N'P')IS NOT NULL
   DROP PROCEDURE dbo.ProcTestDefaults;
GO
-- Create the stored procedure.
CREATE PROCEDURE dbo.ProcTestDefaults (
@p1 smallint = 42, 
@p2 char(1), 
@p3 varchar(8) = 'CAR')
AS 
   SET NOCOUNT ON;
   SELECT @p1, @p2, @p3
;
GO

Proc_Test_Defaults ストアド プロシージャは、多くの組み合わせで実行できます。

-- Specifying a value only for one parameter (@p2).
EXECUTE dbo.ProcTestDefaults @p2 = 'A';
-- Specifying a value for the first two parameters.
EXECUTE dbo.ProcTestDefaults 68, 'B';
-- Specifying a value for all three parameters.
EXECUTE dbo.ProcTestDefaults 68, 'C', 'House';
-- Using the DEFAULT keyword for the first parameter.
EXECUTE dbo.ProcTestDefaults @p1 = DEFAULT, @p2 = 'D';
-- Specifying the parameters in an order different from the order defined in the procedure.
EXECUTE dbo.ProcTestDefaults DEFAULT, @p3 = 'Local', @p2 = 'E';
-- Using the DEFAULT keyword for the first and third parameters.
EXECUTE dbo.ProcTestDefaults DEFAULT, 'H', DEFAULT;
EXECUTE dbo.ProcTestDefaults DEFAULT, 'I', @p3 = DEFAULT;

G. EXECUTE を AT linked_server_name と共に使用する

次の例では、コマンド文字列をリモート サーバーに渡します。ここでは、SQL Server の別のインスタンスをポイントするリンク サーバー SeattleSales を作成し、そのリンク サーバーに対して DDL ステートメント (CREATE TABLE) を実行します。

EXEC sp_addlinkedserver 'SeattleSales', 'SQL Server'
GO
EXECUTE ( 'CREATE TABLE AdventureWorks.dbo.SalesTbl 
(SalesID int, SalesName varchar(10)) ; ' ) AT SeattleSales;
GO

H. EXECUTE WITH RECOMPILE を使用する

次の例では、Proc_Test_Defaults ストアド プロシージャを実行し、モジュール実行後に新しいクエリ プランを強制的にコンパイル、使用、および破棄します。

EXECUTE dbo.Proc_Test_Defaults @p2 = 'A' WITH RECOMPILE;
GO

I. EXECUTE をユーザー定義関数と共に使用する

次の例では、ユーザー定義のスカラ関数 ufnGetSalesOrderStatusText を実行します。ここでは、変数 @returnstatus を使用して、関数によって返される値を格納します。この関数には 1 つの入力パラメータ @Status が必要です。これは tinyint 型として定義されます。

USE AdventureWorks;
GO
DECLARE @returnstatus nvarchar(15);
SET @returnstatus = NULL;
EXEC @returnstatus = dbo.ufnGetSalesOrderStatusText @Status = 2;
PRINT @returnstatus;
GO

J. EXECUTE を使用して、リンク サーバー上の Oracle データベースに対してクエリを実行する

次の例では、いくつかの SELECT ステートメントを、リモートの Oracle サーバーで実行します。この例では、まず Oracle サーバーをリンク サーバーとして追加し、リンク サーバー ログインを作成します。

-- Setup the linked server.
EXEC sp_addlinkedserver  
        @server='ORACLE',
        @srvproduct='Oracle',
        @provider='OraOLEDB.Oracle', 
        @datasrc='ORACLE10';

EXEC sp_addlinkedsrvlogin 
    @rmtsrvname='ORACLE',
    @useself='false', 
    @locallogin=null, 
    @rmtuser='scott', 
    @rmtpassword='tiger';
 
EXEC sp_serveroption 'ORACLE', 'rpc out', true;
GO
 
-- Execute several statements on the linked Oracle server.
EXEC ( 'SELECT * FROM scott.emp') AT ORACLE;
GO
EXEC ( 'SELECT * FROM scott.emp WHERE MGR = ?', 7902) AT ORACLE;
GO
DECLARE @v INT; 
SET @v = 7902;
EXEC ( 'SELECT * FROM scott.emp WHERE MGR = ?', @v) AT ORACLE;
GO

K. EXECUTE AS USER を使用して、コンテキストを別のユーザーに切り替える

次の例では、テーブルを作成する Transact-SQL 文字列を実行し、AS USER 句を指定して、ステートメントの実行コンテキストを呼び出し元から User1 に切り替えます。データベース エンジンでは、ステートメントの実行時に User1 の権限がチェックされます。User1 はデータベース内のユーザーとして存在し、Sales スキーマにテーブルを作成する権限が与えられている必要があります。そうでない場合、ステートメントは失敗します。

USE AdventureWorks;
GO
EXECUTE ('CREATE TABLE Sales.SalesTable (SalesID int, SalesName varchar(10));')
AS USER = 'User1';
GO

L. EXECUTE および AT linked_server_name と共にパラメータを使用する

次の例では、パラメータのプレースホルダとして疑問符 (?) を使用し、コマンド文字列をリモート サーバーに渡します。ここでは、SQL Server の別のインスタンスをポイントするリンク サーバー SeattleSales を作成し、そのリンク サーバーに対して SELECT ステートメントを実行します。SELECT ステートメントでは、ProductID パラメータ (952) のプレースホルダとして疑問符を使用します。このパラメータは、ステートメントの後で提供されます。

-- Setup the linked server.
EXEC sp_addlinkedserver 'SeattleSales', 'SQL Server'
GO
-- Execute the SELECT statement.
EXECUTE ('SELECT ProductID, Name 
    FROM AdventureWorks.Production.Product
    WHERE ProductID = ? ', 952) AT SeattleSales;
GO

参照

関連項目

@@NESTLEVEL (Transact-SQL)
DECLARE @local\_variable (Transact-SQL)
EXECUTE AS 句 (Transact-SQL)
REVERT (Transact-SQL)
sp_addlinkedserver (Transact-SQL)
SUSER_NAME (Transact-SQL)
sys.database_principals (Transact-SQL)
sys.server_principals (Transact-SQL)
USER_NAME (Transact-SQL)
FILEGROUPPROPERTY (Transact-SQL)

その他の技術情報

osql ユーティリティ
プリンシパル
sqlcmd ユーティリティ
実行コンテキストについて
コンテキストの切り替えについて

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース 履歴

2007 年 9 月 15 日

新しい内容 :
  • OPENDATASOURCE 構文を使用するストアド プロシージャでの WITH RECOMPILE オプションの使用に関する情報を追加しました。

2006 年 4 月 14 日

新しい内容 :
  • [?] 引数とその説明を追加。
  • 例 L を追加。