OBJECT_ID (Transact-SQL)

更新 : 2006 年 7 月 17 日

スキーマ スコープ オブジェクトのデータベース オブジェクト ID 番号を返します。

トピック リンク アイコンTransact-SQL 構文表記規則

ms190328.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
DDL トリガなど、スキーマ スコープではないオブジェクトは、OBJECT_ID を使用してクエリできません。sys.objects カタログ ビューで見つからないオブジェクトは、適切なカタログ ビューをクエリしてオブジェクト ID 番号を取得してください。たとえば、DDL トリガのオブジェクト ID 番号を取得するには、SELECT OBJECT_ID FROM sys.triggers WHERE name = 'DatabaseTriggerLog' を使用します。

構文

OBJECT_ID ( '[ database_name . [ schema_name ] . | schema_name . ] 
    object_name' [ ,'object_type' ] )

引数

  • 'object_name'
    使用するオブジェクトを指定します。object_name のデータ型は varchar または nvarchar です。object_name のデータ型が varchar の場合、暗黙的に nvarchar に変換されます。データベース名とスキーマ名の指定は省略可能です。
  • 'object_type'
    スキーマ スコープのオブジェクトの種類を指定します。object_type のデータ型は varchar または nvarchar です。object_type のデータ型が varchar の場合、暗黙的に nvarchar に変換されます。オブジェクトの種類の一覧については、sys.objects (Transact-SQL)type 列を参照してください。

戻り値の型

int

例外

エラーが発生した場合は NULL を返します。

SQL Server 2005 では、そのユーザーが所有しているか、または権限を与えられている、セキュリティ保護可能なアイテムのメタデータのみを表示できます。つまり、オブジェクトに対する権限がユーザーに与えられていない場合、メタデータを生成する組み込み関数 (OBJECT_ID など) が NULL を返す可能性があります。詳細については、「メタデータ表示の構成」および「メタデータ表示のトラブルシューティング」を参照してください。

解説

システム関数のパラメータを指定しない場合は、現在のデータベース、ホスト コンピュータ、サーバー ユーザー、またはデータベース ユーザーが使用されます。組み込み関数の後には、必ずかっこが必要です。

一時テーブル名を指定する場合は、現在のデータベースが tempdb でない限り、一時テーブル名の前にデータベース名を指定する必要があります。たとえば、SELECT OBJECT_ID('tempdb..#mytemptable') のようにします。

システム関数は、選択リストや WHERE 句のほか、式が許可される場所であればどこでも使用できます。詳細については、「式 (Transact-SQL)」および「WHERE (Transact-SQL)」を参照してください。

A. 指定したオブジェクトのオブジェクト ID を返す

次の例では、AdventureWorks データベース内の Production.WorkOrder テーブルのオブジェクト ID を返します。

USE master;
GO
SELECT OBJECT_ID(N'AdventureWorks.Production.WorkOrder') AS 'Object ID';
GO

B. オブジェクトが存在することを確認する

次の例では、指定したテーブルにオブジェクト ID があるかどうかを検証して、テーブルが存在することを確認します。テーブルが存在する場合は削除します。テーブルが存在しない場合、DROP TABLE ステートメントは実行されません。

USE AdventureWorks;
GO
IF OBJECT_ID (N'dbo.AWBuildVersion', N'U') IS NOT NULL
DROP TABLE dbo.AWBuildVersion;
GO

C. OBJECT_ID を使用して、システム関数パラメータの値を指定する

次の例では、AdventureWorks データベース内にある Person.Address テーブルのすべてのインデックスとパーティションについて、sys.dm_db_index_operational_stats 関数を使用して情報を返しています。

ms190328.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
Transact-SQL 関数 DB_ID および OBJECT_ID を使用してパラメータ値を返すときには、有効な ID が返されることを常に確認してください。データベースまたはオブジェクト名が存在しないか、スペルが間違っていることが原因で見つからない場合は、両方の関数で NULL が返されます。sys.dm_db_index_operational_stats 関数では、NULL 値はすべてのデータベースまたはすべてのオブジェクトを指定するワイルドカード値として解釈されます。これによって意図しない操作が実行される可能性があるので、この例では安全な方法を使用してデータベース ID とオブジェクト ID を特定します。
DECLARE @db_id int;
DECLARE @object_id int;
SET @db_id = DB_ID(N'AdventureWorks');
SET @object_id = OBJECT_ID(N'AdventureWorks.Person.Address');
IF @db_id IS NULL 
  BEGIN;
    PRINT N'Invalid database';
  END;
ELSE IF @object_id IS NULL
  BEGIN;
    PRINT N'Invalid object';
  END;
ELSE
  BEGIN;
    SELECT * FROM sys.dm_db_index_operational_stats(@db_id, @object_id, NULL, NULL);
  END;
GO

参照

関連項目

メタデータ関数 (Transact-SQL)
sys.objects (Transact-SQL)
sys.dm_db_index_operational_stats
OBJECT_DEFINITION (Transact-SQL)
OBJECT_NAME (Transact-SQL)

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース 履歴

2006 年 7 月 17 日

追加内容 :
  • 「例外」を追加。

2006 年 4 月 14 日

更新内容 :
  • 例 C を修正。