新機能 (レプリケーション)

注意

SQL Server 2008 R2 では、このトピックの一覧にあるコンテンツは変更されていません。

SQL Server 2008 には、レプリケーションに関する新機能や機能強化がいくつか盛り込まれています。

ピア ツー ピア トランザクション レプリケーション

ピア ツー ピア レプリケーションでは、次のように、使いやすさと管理性が大幅に強化されました。

  • 同期中に競合を検出する機能。このオプションは、既定で有効になっており、ディストリビューション エージェントが競合を検出して、影響を受けるノードで変更の処理を停止できるようにします。詳細については、「ピア ツー ピア レプリケーションにおける競合検出」を参照してください。

  • レプリケーション トポロジを停止せずにノードをそのトポロジに追加する機能。

    以前のバージョンの SQL Server では、ノードをトポロジに追加して、追加した新しいノードを既存のノードに接続することができます。新しいノードを複数の既存のノードに接続するには、トポロジ内のすべての処理を停止してから、保留中のすべての変更がすべてのノードに配信されるようにする必要があります。SQL Server 2008 では、停止することなく、新しいノードを多数の既存のノードに追加できます。この操作を行うには、ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードを使用するか、sp_addsubscription@sync_type パラメーターに値 'init from lsn' を指定します。

  • ピア ツー ピア トポロジ構成ウィザードで視覚的にトポロジを構成する機能。

    この新しいウィザードには、新しいノードの追加、ノードの削除、既存のノード間の新しい接続の追加など、一般的な構成タスクを実行できるトポロジ ビューアーが用意されています。このビューアーは、グリッドを大幅に改良したものです。このビューアーを使用すると、トポロジの構成方法を正確に確認したり、さまざまな構成タスクを簡単に実行したりすることができます。たとえば、ノード A、B、C すべてが相互に接続するように構成した後、ノード D をノード A と B のみに接続するように構成することができます。グリッドではすべてのノードを相互に接続する必要があるため、グリッドを使用してこのレベルの制御を行うことはできません。

詳細については、「ピア ツー ピア トランザクション レプリケーションを構成する方法 (SQL Server Management Studio)」および「ピア ツー ピア トランザクション レプリケーションを構成する方法 (レプリケーション Transact-SQL プログラミング)」を参照してください。

レプリケーション モニター

レプリケーション モニターでは、次のように、使いやすさが強化されました。

  • レプリケーション モニターのほとんどのグリッドでは、表示する列の選択、複数の列を使用した並べ替え、および列の値に基づいたグリッドの行のフィルター選択を実行できるようになりました。

    この機能を使用するには、グリッドを右クリックし、[表示する列の選択][並べ替え][フィルター]、または [フィルターのクリア] をクリックします。フィルター設定は各グリッドに固有です。列の選択と並べ替えは、各パブリッシャーのパブリケーション グリッドなど、同じ種類のすべてのグリッドに適用されます。

  • パブリッシャー ノードの [共通ジョブ] タブの名前が [エージェント] に変更されました。[エージェント] タブにより、選択したパブリッシャーのパブリケーションに関連するすべてのエージェントとジョブに関する情報を 1 か所で確認できるようになりました。パブリケーションに関連するエージェントとジョブを次に示します。

    • すべてのパブリケーションで使用されるスナップショット エージェント

    • すべてのトランザクション パブリケーションで使用されるログ リーダー エージェント

    • キュー更新サブスクリプションに有効なトランザクション パブリケーションで使用されるキュー リーダー エージェント

    • すべてのパブリケーションで使用されるメンテナンス ジョブ

    ディストリビューション エージェントとマージ エージェントは、サブスクリプションに関連付けられています。詳細については、「サブスクリプションに関連付けられているエージェントの情報を表示し、タスクを実行する方法 (レプリケーション モニタ)」を参照してください。

  • パブリケーション ノードの [警告およびエージェント] タブは、[警告] タブと [エージェント] タブに分けられました。タブを分けたことにより、パフォーマンスに関する警告の管理とレプリケーション エージェントの監視の違いが明確になりました。[エージェント] タブは自動的に更新されますが、[警告] タブは自動的に更新されません。

レプリケーション モニターの詳細については、「レプリケーション モニタを使用したレプリケーションの監視」を参照してください。

パーティション テーブルに対するトランザクション レプリケーションのサポートの向上

以前のバージョンの SQL Server では、レプリケーションでパーティション テーブルのパブリケーションがサポートされています。ただし、ALTER TABLE の SWITCH PARTITION 句を使用して、パーティション間でデータを移動することはできません。SQL Server 2008 では、トランザクション レプリケーションによって、パブリケーション データベース上で SWITCH PARTITION コマンドを実行したり、必要に応じて各サブスクライバーでコマンドをレプリケートして適用したりできます。詳細については、「パーティション テーブルとパーティション インデックスのレプリケート」を参照してください。