レポートの作成と配置に関する計画

SQL Server Reporting Services には、レポートの作成と配置に関していくつかのアプローチが用意されています。このトピックでは、Reporting Services のコンポーネントでサポートされているレポート定義について概説します。レポート定義は、レポート定義言語 (RDL: Report Definition Language) またはクライアント向けレポート定義言語 (RDLC: Report Definition Language for Clients) で記述された XML ファイルです。どちらのレポート定義も、そのファイルの冒頭に指定された特定のスキーマ バージョンに準拠しています。

RDL ファイルは、Business Intelligence Development Studio プロジェクトに備わっているレポート デザイナー、レポート ビルダー 1.0、レポート ビルダー 2.0、またはレポート ビルダー 3.0 で作成します。RDLC ファイルは、Visual Studio 2005 および Visual Studio 2008 に搭載されている ReportViewer コントロールを使用して作成します。

このトピックは、使用するレポート作成環境とレポート サーバーの組み合わせを検討する際にお読みください。このトピックでは次の情報について説明します。

  • サポートされているレポート定義スキーマのバージョン。

  • SQL Server 2008 R2 Reporting Services レポート サーバーで実行できるレポートのバージョン。

  • 各バージョンの作成環境で作成、配置、およびローカル プレビューできるレポートのバージョン。

RDL スキーマのバージョン

SQL Server 2008 R2 Reporting Services には、レポート定義の新機能をサポートする新しいバージョンの RDL スキーマが導入されています。詳細については、「新機能 (Reporting Services)」を参照してください。以前のバージョンの RDL スキーマも引き続きサポートされます。

次の表は、利用できるスキーマ バージョンとその省略形の対応表です。このトピックの説明には、以降、これらの省略形を使用します。

省略形

スキーマ バージョン

2010 RDL

https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2010/01/reportdefinition

2008 RDL

https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2008/01/reportdefinition

2005 RDL

2005 RDLC

https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2005/01/reportdefinition

2000 RDL

https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2003/10/reportdefinition

特定の RDL スキーマの詳細については、「Microsoft SQL Server XML スキーマ」および「レポート定義言語の仕様」を参照してください。

ReportViewer コントロールの詳細については、「Visual Studio 2010 の Reporting Services および ReportViewer コントロール」を参照してください。

レポート サーバーまたはレポート作成クライアントにインストールされているレポート スキーマのバージョンを調べる方法については、「レポート定義スキーマのバージョンを確認する方法 (SSRS)」を参照してください。

レポート サーバー処理のサポート

Reporting Services SQL Server 2008 R2 レポート サーバーでは、次の方法でレポート定義ファイルをパブリッシュできます。

  • Business Intelligence Development Studio のレポート デザイナーでレポートを配置する。

  • レポート ビルダー 3.0 でレポート サーバーにレポートを保存する。

  • レポート ビルダー 1.0 でレポート サーバーにレポートを保存する。

  • レポート マネージャーを使用して、ネイティブ モードで構成されたレポート サーバーにレポートをアップロードする。

  • レポート サーバーで構成された SharePoint サイトにレポートをアップロードする。

  • プログラムから SOAP API インターフェイスを使用して SQL Server 2008 R2 レポート サーバーにレポートをパブリッシュする。詳細については、「レポート サーバー Web サービス」を参照してください。

  • プログラムから SOAP API インターフェイスを使用して SQL Server 2008 レポート サーバーにレポートをパブリッシュする。詳細については、「レポート サーバー Web サービス」を参照してください。

次の表は、サポートされるレポート定義スキーマをレポート サーバーのバージョン別に示したものです。

レポート サーバーのバージョン

RDL スキーマのバージョン

SQL Server 2008 R2

  • 2000 RDL

  • 2005 RDL

  • 2008 RDL

  • 2010 RDL

SQL Server 2008

  • 2000 RDL

  • 2005 RDL

  • 2008 RDL

レポート マネージャーを使用してレポート定義をレポート サーバーにアップロードした場合、レポート定義は元の形式のまま維持されます。レポート サーバー データベース内のレポートは、初回使用時にレポート サーバーによってバイナリ形式へとアップグレードされて初めて、閲覧が可能となります。レポート定義そのものはアップグレードされません。レポートの [全般プロパティ] ページのレポート マネージャーから、レポート定義の読み取り専用コピーを元の形式で抽出できます。詳細については、「パブリッシュされたモデルやレポート定義のソース ファイルを抽出、更新、または編集する方法 (レポート マネージャー)」を参照してください。

注意

レポート定義をアップグレードするには、アップグレードするレポートをレポート作成環境で開いて保存する必要があります。

レポートのアップグレードと、サポートされているスキーマ バージョンの詳細については、「レポートのアップグレード」を参照してください。

レポートの作成と配置のサポート

レポート作成環境としては、Business Intelligence Development Studio プロジェクトに備わっているレポート デザイナー、Visual Studio 2005 と Visual Studio 2008 に備わっているレポート デザイナーのほか、レポート ビルダー 1.0、レポート ビルダー 2.0、レポート ビルダー 3.0 などがあります。レポート作成環境には、レポートのアップグレード、レポート デザイン、ローカル モードでのレポート プレビュー、レポート サーバーでのレポート プレビュー、レポートの配置など、さまざまな機能がサポートされています。サポートされている機能の詳細については、「レポート作成環境の比較」を参照してください。

注意

SQL Server 2008 R2 Reporting Services と Business Intelligence Development Studio の組み合わせでは、2010 と 2008 RDL スキーマの両方でレポートを作成できます。詳細については、「Business Intelligence Development Studio でのレポートの作成」を参照してください。

次の表は、各種スキーマ バージョンのレポート定義の作成と配置に関するサポート状況をまとめたものです。

Product

作成環境

作成用の RDL バージョン

配置用の RDL バージョン

配置先レポート サーバーのバージョン

SQL Server 2000

BI Development Studio のレポート デザイナー

2000 RDL

2000 RDL

SQL Server 2000Reporting Services

SQL Server 2005

BI Development Studio のレポート デザイナー

2000 RDL、2005 RDL にアップグレード

2005 RDL

2005 RDL

SQL Server 2005 Reporting Services

SQL Server 2008 Reporting Services

SQL Server 2008

BI Development Studio のレポート デザイナー

2000 RDL、2008 RDL にアップグレード

2005 RDL、2008 RDL にアップグレード

2008 RDL

2008 RDL

SQL Server 2008 Reporting Services

SQL Server 2008 R2

BI Development Studio のレポート デザイナー 

2000 RDL、2010 RDL にアップグレード

2005 RDL、2010 RDL にアップグレード

2008 RDL、2010 RDL にアップグレード

2010 RDL

2008 RDL

2010 RDL

SQL Server 2008 Reporting Services

SQL Server 2008 R2 Reporting Services

レポート ビルダー 3.0

レポート ビルダー 3.0

2000 RDL、2010 RDL にアップグレード

2005 RDL、2010 RDL にアップグレード

2008 RDL、2010 RDL にアップグレード

2010 RDL

2010 RDL

SQL Server 2008 R2 Reporting Services

レポート ビルダー 2.0

レポート ビルダー 2.0

2000 RDL、2008 RDL にアップグレード

2005 RDL、2008 RDL にアップグレード

2008 RDL

2008 RDL

SQL Server 2008 Reporting Services

レポート ビルダー 1.0

レポート ビルダー 1.0

2005 RDL

2005 RDL

SQL Server 2005 Reporting Services

SQL Server 2008 Reporting Services

Visual Studio 2005 またはVisual Studio 2008

レポート デザイナー

2005 RDLC

N/A

N/A

ReportViewer コントロール

Visual Studio 2005 または Visual Studio 2008 の ReportViewer コントロールは、ローカル プレビューでレポートを表示できるほか、レポート サーバー上のレポートを表示できます。次の表は、レポート ビューアー コントロールで表示できるレポート スキーマ バージョンの一覧です。

製品

ローカル プレビュー

サーバーのバージョン (サーバー モード)

Visual Studio 2005 またはVisual Studio 2008

2005 RDL

SQL Server 2008 R2 Reporting Services:

2010 RDL

2008 RDL

2005 RDL

2000 RDL

Visual Studio 2005 またはVisual Studio 2008

2005 RDL

SQL Server 2008 Reporting Services:

2008 RDL

2005 RDL

2000 RDL

Visual Studio 2005 または Visual Studio 2008

2005 RDL

SQL Server 2005 Reporting Services:

2005 RDL

2000 RDL

Visual Studio 2005 または Visual Studio 2008

2005 RDL

SQL Server 2000 Reporting Services:

2000 RDL

詳細については、「Visual Studio 2010 の Reporting Services および ReportViewer コントロール」を参照してください。