集計関数リファレンス (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

レポートに集計値を含めるには、式に組み込み集計関数を使用できます。数値フィールドの既定の集計関数は SUM です。式を編集して異なる組み込み集計関数を使用したり、異なるスコープを指定することもできます。スコープにより、計算に使用するデータセットが識別されます。

レポート プロセッサではレポート データとレポート レイアウトが結合されるため、各レポート アイテムの式が評価されます。レポートの各ページを表示すると、表示されたレポート アイテムに各式の結果が示されます。

次の表に、式に含めることができる組み込み関数のカテゴリの一覧を示します。

  • 組み込み集計関数

  • 組み込みフィールド、コレクション、および集計関数に関する制限

  • 入れ子集計に関する制限

  • 実行中の値の計算

  • 行数の取得

  • 別のデータセットの値の参照

  • 並べ替え依存の値の取得

  • サーバー集計値の取得

  • 再帰レベルの取得

  • スコープのテスト

関数の有効なスコープを判断するには、各関数参照に関するトピックを参照してください。詳細と例については、「合計、集計、および組み込みコレクションの式のスコープについて (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

注意

レポート定義 (.rdl) は、Business Intelligence Development Studio のレポート ビルダー 3.0 およびレポート デザイナーで作成および変更できます。これらの作成環境では、レポートおよび関連アイテムの作成方法、開く方法、および保存方法が異なります。詳細については、microsoft.com Web サイトの「レポート デザイナーとレポート ビルダー 3.0 でのレポートのデザイン (SSRS)」を参照してください。

組み込み集計関数

次の組み込み関数は、既定のスコープまたは名前付きスコープ内の NULL 以外の一連の数値データの集約値を計算します。

関数

説明

Avg

式で指定された NULL 以外のすべての数値の平均を、指定されたスコープで評価して返します。

Count

式で指定された NULL 以外の値の数を、指定されたスコープのコンテキストで評価して返します。

CountDistinct

式で指定された NULL 以外の値が全部で何種類あるかを、指定されたスコープのコンテキストで評価して返します。

Max

指定されたスコープのコンテキストで、式で指定された NULL 以外のすべての数値の中から最大値を返します。グラフの軸の最大値を指定してスケールを制御する場合は、この関数を使用できます。

Min

指定されたスコープのコンテキストで、式で指定された NULL 以外のすべての数値の中から最小値を返します。グラフの軸の最小値を指定してスケールを制御する場合は、この関数を使用できます。

StDev

式で指定された NULL 以外のすべての数値の標準偏差を、指定されたスコープで評価して返します。

StDevP

式で指定された NULL 以外のすべての数値の母集団標準偏差を、指定されたスコープのコンテキストで評価して返します。

Sum

式で指定された NULL 以外のすべての数値の合計を、指定されたスコープで評価して返します。

Union

式で指定された NULL 以外のすべての空間データの値 (SqlGeometry 型または SqlGeography 型) の和集合を、指定されたスコープ内で評価して返します。

Var

式で指定された NULL 以外のすべての数値の分散を、指定されたスコープで評価して返します。

VarP

式で指定された NULL 以外のすべての数値の母集団に対する分散を、指定されたスコープのコンテキストで評価して返します。

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組み込みフィールド、コレクション、および集計関数に関する制限

以下の表には、グローバル組み込みコレクションの参照を含む式を追加できるレポートの場所に関する制限をまとめています。

レポート内の場所

Fields

Parameters

ReportItems

PageNumber

TotalPages

DataSource

DataSet

Variables

RenderFormat

ページ ヘッダー

ページ フッター

最大 1

注 1

本文

注 2

現在のスコープまたはコンテナー スコープのアイテムのみ

注 3

不可

レポート パラメーター

不可

リスト内で先に出現するパラメーターのみ

注 4

不可

不可

不可

不可

不可

フィールド

不可

不可

不可

不可

不可

クエリ パラメーター

不可

不可

不可

なし。

不可

不可

グループ式

不可

不可

不可

不可

並べ替え式

あり。

不可

不可

注 5

なし。

フィルター式

あり。

不可

不可

注 6

なし。

コード

不可

あり。

注 7

不可

不可

不可

不可

不可

レポートの言語

不可

不可

不可

不可

不可

不可

変数

不可

不可

現在のスコープかコンテナー スコープ

不可

集計

あり。

あり。

ページ ヘッダー/ページ フッター内のみ

レポート アイテムの集計内のみ

不可

不可

参照関数

あり。

不可

あり。

不可

不可

  • 注 1: ReportItems は、表示されるレポート ページに存在する必要があります。そうでない場合は値が Null になります。レポート アイテムの表示が式に依存し、その式が False に評価される場合、ページにはレポート アイテムが存在しません。

  • 注 2: フィールド参照がグループ スコープ内で使用されており、このフィールド参照がグループ式に含まれていない場合、スコープに 1 つしか値がない場合を除いて、フィールドの値は未定義になります。値を指定するには、First または Last とグループ スコープを使用します。

  • 注 3: ReportItems の参照を含む式は、同じグループ スコープまたはコンテナー グループ スコープ内の他の ReportItems の値を指定できます。

  • 注 4: 先に出現するパラメーターのプロパティ値が Null の場合があります。

  • 注 5: メンバーの並べ替えのみ。データ領域の並べ替え式には使用できません。

  • 注 6: メンバーのフィルターのみ。データ領域またはデータセットのフィルター式には使用できません。

  • 注 7 : Parameters コレクションはコード ブロックが処理されるまで初期化されないため、メソッドを使用して初期化時にパラメーターを制御することはできません。

  • 注 8 : Count および CountDistinct を除くすべての集計のデータ型は、すべての値に対して同じデータ型か Null とする必要があります。

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入れ子集計に関する制限

以下の表には、集計関数に入れ子集計として別の集計関数を指定する際の制限をまとめています。

コンテキスト

RunningValue

RowNumber

First

Last

Previous

Sum およびその他の事前並べ替え関数

ReportItem の集計

参照関数

Aggregate 関数

Running Value

不可

不可

不可

不可

不可

不可

First

Last

不可

不可

なし。

なし。

不可

不可

不可

Previous

不可

不可

不可

Sum およびその他の事前並べ替え関数

不可

不可

なし。

不可

不可

不可

ReportItem の集計

不可

不可

不可

なし。

不可

不可

不可

不可

参照関数

注 1

注 1

あり。

注 1

あり。

注 1

注 1

不可

不可

Aggregate 関数

不可

不可

不可

不可

不可

不可

不可

不可

  • **注 1:**集計関数は、集計に Lookup 関数が含まれていない場合に、Lookup 関数の Source 式内のみに使用できます。集計関数は、Lookup 関数の Destination 式または Result 式内には使用できません。

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実行中の値の計算

次の組み込み関数は、データセットの実行中の値を計算します。RowNumber は、コンテナー スコープ内の行ごとに増加するカウントの実行中の値を返す点で、RunningValue に似ています。これらの関数のスコープのパラメーターでは、カウントが再開されるタイミングを制御するコンテナー スコープを指定する必要があります。

関数

説明

RowNumber

指定されたスコープの実行中の行数を返します。RowNumber 関数では、カウントが 0 ではなく 1 から再開されます。

RunningValue

式で指定された NULL 以外のすべての数値の実行中の集計を、指定されたスコープに対して評価して返します。

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行数の取得

次の組み込み関数は、指定されたスコープの行数を計算します。この関数を使用すると、NULL 値の行を含め、すべての行がカウントされます。

関数

説明

CountRows

NULL 値の行を含めて、指定されたスコープ内の行数を返します。

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別のデータセットの値の参照

次の参照関数では、指定されたデータセットから値を取得します。

関数

説明

Lookup 関数

データセットから、指定された式に対応する値を返します。

LookupSet 関数

データセットから、指定された式に対応する値のセットを返します。

Multilookup 関数

名前と値のペアを含むデータセットから、名前のセットに最初に一致した値のセットを返します。

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並べ替え依存の値の取得

次の組み込み関数は、指定されたスコープ内の最初、最後、または前の値を返します。これらの関数は、データ値の並べ替え順序に依存します。たとえば、これらの関数を使用すると、ページの最初の値と最後の値を検出して、辞書形式のページ ヘッダーを作成することができます。また、Previous を使用すると、特定のスコープ内のある行の値と前の行の値を比較し、テーブルの前年比の比率を検出する処理などを行うことができます。

関数

説明

First

指定された式の指定されたスコープの最初の値を返します。

Last

指定された式の指定されたスコープの最後の値を返します。

Previous

指定されたスコープ内のアイテムの前のインスタンスに値または指定された集計値を返します。

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サーバー集計値の取得

次の組み込み関数は、データ プロバイダーからカスタム集計を取得します。たとえば、データ ソースの種類に Analysis Services を使用すると、グループ ヘッダーで使用するために、データ ソース サーバーで計算された集計を取得することができます。

関数

説明

Aggregate

データ プロバイダーの定義に従い、指定された式のカスタムの集計を返します。

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スコープのテスト

次の組み込み関数は、レポート アイテムの現在のコンテキストをテストし、それが特定のスコープのメンバーかどうかを確認します。

関数

説明

InScope

アイテムの現在のインスタンスが、指定したスコープ内にあるかどうかを示します。

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再帰レベルの取得

次の組み込み関数は、再帰型階層が処理されたときの現在のレベルを取得します。テキスト ボックスの Padding プロパティに対してこの関数の結果を使用して、再帰グループの階層構造のインデント レベルを制御できます。詳細については、「再帰型階層グループの作成 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

関数

説明

Level

再帰型階層の現在の深さのレベルを返します。

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