レポート ビルダー 3.0 でのレポートのプレビュー

レポートを作成する際は、レポートが思いどおりに表示されるかどうかを確認するために、レポートをたびたびプレビューすると効果的です。レポートをプレビューするには、[実行] をクリックします。レポートがプレビュー モードで表示されます。

レポート ビルダーのプレビュー処理は、レポート サーバーとの接続時に編集セッションを使用することによって改善されています。編集セッションによってデータのキャッシュが作成され、レポートを繰り返しプレビューする際は、キャッシュ内のデータセットが利用されます。編集セッションの機能を直接操作することはできません。しかし、キャッシュ済みのデータセットがいつ最新の状態に更新されるか、という知識は、プレビューのパフォーマンス向上や、レポートのレンダリングが遅い (または速い) 理由を把握するために役立てることができます。

また、埋め込みデータ ソースが使われているレポートや、レポート サーバーに保存されているアイテム (画像やサブレポートなど) を参照するレポートを編集できるのも編集セッションの利点です。

注意

レポート定義 (.rdl) は、Business Intelligence Development Studio のレポート ビルダー 3.0 およびレポート デザイナーで作成および変更できます。これらの作成環境では、レポートおよび関連アイテムの作成方法、開く方法、および保存方法が異なります。詳細については、microsoft.com Web サイトの「レポート デザイナーとレポート ビルダー 3.0 でのレポートのデザイン (SSRS)」を参照してください。

プレビュー パフォーマンスの向上

レポート プレビュー時のレンダリング速度は、レポートをどのように作成し、どのように更新するかによって異なります。サーバー上のアイテムを参照するレポートを初めてプレビューすると、編集セッションが自動的に作成され、レポートの実行時に使用されるデータがレポート サーバー上のデータ キャッシュに追加されます。そのデータに影響を及ぼさない範囲でレポートに変更が加えられた場合、レポートには、データのキャッシュ コピーが使用されます。つまり、レポートをプレビューするたびに最新のデータが表示されるわけではありません。新しいデータを表示するには、リボン上の [更新] ボタンをクリックします。

次のような操作を行うとキャッシュが更新され、次回レポートをプレビューしたときのレンダリング速度が低下します。

  • データセットを追加、変更、または削除する。キャッシュ済みのデータセットには、レポートが使用するすべてのデータセットが含まれており、その中のどのデータセットに変更を加えても、キャッシュ済みのデータセットが無効になります。データセット内の名前、クエリ、フィールドなどに対する変更がこれに該当します。

    注意

    使用されないフィールドが多数データセットに存在する場合、不要なフィールドを省略し、データセットを更新することを検討してください。新しい編集セッションが作成され、レポートの初回プレビューの速度が低下しますが、キャッシュされるデータセットが小さい方が、結果的にレポート サーバーのパフォーマンスが向上します。

  • データ ソースを追加、変更、または削除する。データ ソースの名前やプロパティ、データ ソースのデータ拡張機能、データ ソースへの接続プロパティなどに対する変更がこれに該当します。

  • レポートに使用されている共有データ ソースを別のデータ ソースに変更する。

  • レポートの言語を変更する。

  • レポートに使用されているアセンブリまたはカスタム コードを変更する。

  • レポートのクエリ パラメーターまたはパラメーターの値を追加、変更、または削除する。

レポートのレイアウトやデータの書式に対する変更は、キャッシュ済みのデータセットに影響しません。次の操作は、キャッシュ済みのデータセットを更新することなく実行できます。

  • テーブル、マトリックス、グラフなどのデータ領域を追加または削除する。

  • レポートの列を追加または削除する。レポートには、データセット内のすべてのフィールドを使用できます。レポートにフィールドを追加したり、レポートからフィールドを削除しても、データセットには影響しません。

  • テーブルやマトリックス内のフィールドの順序を変更する。

  • 行グループや列グループを追加、変更、または削除する。

  • フィールド データの値の書式を追加、変更、または削除する。

  • 画像、線、またはテキスト ボックスを追加、変更、または削除する。

  • 改ページを変更する。

編集セッションは、レポートの初回プレビュー時に作成されます。編集セッションの既定の持続時間は 7200 秒 (2 時間) です。レポートを実行するたびに、セッションが 2 時間にリセットされます。編集セッションの有効期限が切れると、データ キャッシュは削除されます。編集セッションの有効期限が切れた場合、次回レポートをプレビューしたときに再度、編集セッションが自動的に作成されます。編集セッションの有効期限は変更できます。2 時間では長すぎる (または短すぎる) と感じた場合は、レポート サーバーの管理者に問い合わせてください。

既定では、データ キャッシュに最大 5 つのデータセットを保持できます。パラメーターの値の組み合わせを変えながら、さまざまなパターンでプレビューする場合は、それだけ多くのデータが必要になります。結果的に、キャッシュを更新する必要が生じ、次回プレビュー時にレポートのレンダリング速度が低下します。キャッシュ内のエントリ数は、レポート サーバーの管理者が変更できます。

レポートの更新の同時実行性

レポートを更新してからレポート サーバーに保存する際の 1 つの手順としてレポートをプレビューすることがよくあります。自分がレポートを更新しているときに、他のだれかがそのレポートを更新し、同時に保存する可能性もあります。将来、閲覧と更新に使用できるレポートのバージョンは、最後に保存されたレポートです。つまり、プレビューしたレポートのバージョンと、再度開いたときに表示されるバージョンとが必ずしも一致するとは限りません。レポート ビルダー メニューの [名前を付けて保存] オプションを使用すると、レポートに新しい名前を付けて保存することができます。

外部のレポート アイテム

レポートには、そのレポートとは別に保存されているアイテム (サブレポート、共有データ ソース、外部の画像など) が含まれている場合があります。アイテムが別々に保存されているということは、当然、レポート サーバー上の別の場所に移動されたり、削除されたりする可能性があります。この場合、レポートをプレビューすることはできません。アイテムの最新の場所を指定するか、(アイテムが削除されている場合は) 既存のアイテムに置き換えるか、または、そのアイテムへの参照をレポートから削除するなどして、レポートを更新する必要があります。

レポートに使用されているサブレポートが、編集セッションの作成後に変更された場合、レポートをプレビューできません。レポートを正常にプレビューするには、レポートを保存するか、[更新] をクリックして最新のデータを取得する必要があります。