レポート サーバー プロジェクトと AdventureWorks2008R2_Base レポートの作成 (SSRS)
Business Intelligence Development Studio では、複数の共有データ ソース、共有データセット、およびレポートを作成し、それらすべてを 1 回の操作で配置することができます。このチュートリアルでは、レポート サーバーのプロジェクトとソリューション、および基本レポートを作成します。それぞれの AdventureWorks サンプル レポートについて、基本レポートのコピーを作成し、それに基づいて個々のレポートを作成することができます。
学習する内容
このチュートリアルでは、次の方法を学習します。
レポート サーバー プロジェクトを作成して構成します。
プロジェクトに空のレポートを追加します。
プロジェクトに共有データ ソースを追加し、レポートに共有データ ソース参照を追加します。
ブール型レポート パラメーターを追加します。
ロゴとレポート名を含むページ ヘッダーを追加して構成します。
レポートの説明を含むページ フッターを追加して構成します。
テキスト ボックスの切り替えかブール型パラメーターに基づいて、コンテンツの表示/非表示をユーザーが必要に応じて切り替えることができるように条件付き表示を設定します。
ユーザーがブール型パラメーターに基づいて表示/非表示を切り替えることができる説明のテキストを追加します。
レポートの [説明] プロパティに説明のテキストを追加します。レポートの説明はレポート サーバー上で表示されます。
ユーザーが条件に応じて表示/非表示を切り替えることができるシナリオ テキストを追加します。シナリオ テキストは、レポートで回答するようにデザインされている質問のカスタム テキストです。
ファイルを pdf 形式にエクスポートする際のページ サイズを設定します。
レポートをプレビューして確認します。
レポートを配置して確認します。
このチュートリアルの推定所要時間: 15 分
プロジェクトのプロパティの設定
ソリューションを作成してプロジェクトのプロパティを設定するには
BI Development Studio を起動します。
注 ユーザー アカウント制御 (UAC) がサポートされているオペレーティング システムで UAC が有効になっている場合、レポートをレポート サーバーに配置するには、高度な特権で BI Development Studio を実行する必要があります。詳細については、「AdventureWorks 2008R2 サンプル レポートの前提条件 (SSRS)」を参照してください。
AdventureWorks 2008R2 Sample Reports という名前の新しいレポート サーバー プロジェクトを作成します。
注 CodePlex から AdventureWorks 2008R2 サンプル レポートをインストールした場合は、名前の競合が発生しないように、レポート サーバー プロジェクトには一意の名前を使用してください。
プロジェクトのプロパティ ページを開きます。次の手順を実行します。
TargetDatasetFolder を「AdventureWorks 2008R2/Datasets」に設定します。
TargetDataSourceFolder を「AdventureWorks 2008R2/DataSources」に設定します。
TargetReportFolder を「AdventureWorks 2008R2」に設定します。
TargetReportPartFolder を「AdventureWorks 2008R2/ReportParts」に設定します。
TargetServerURL をレポート サーバーまたは SharePoint サイトに設定します。たとえば、「http://<servername>/reportserver」のように指定します。
TargetServerVersion が SQL Server 2008 R2 であることを確認します。
他の既定値をそのまま使用して、プロジェクトを作成します。
空のレポートの追加
空のレポートを追加するには
ソリューション エクスプローラーで、[レポート] フォルダーを右クリックし、[追加] をポイントして、[新しいアイテム] をクリックします。
[テンプレート] の [レポート] をクリックします。
[名前] を「AdventureWorks2008R2_Base.rdl」に設定します。
[追加] をクリックします。
プロジェクトおよびレポートの共有データ ソースの作成
AdventureWorks データの共有データ ソースを作成するには
ソリューション エクスプローラーで、AdventureWorks データベースのプロジェクト共有データ ソースを作成します。
[名前] を「AdventureWorks2008R2」に設定します。
次のような接続文字列を作成します。
Data Source=(servername); Initial Catalog=AdventureWorks2008R2
資格情報を指定します。
レポート データ ペインで、プロジェクト データ ソースを参照するレポート データ ソース参照を追加します。
[名前] を「AdventureWorks2008R2」に変更します。
[共有データ ソース参照を使用する] を選択し、[AdventureWorks2008R2] をクリックします。
レポートのパラメーターの作成
レポートのパラメーターは、データセットのクエリ変数、ストアド プロシージャの入力パラメーター、共有データセットのパラメーターのそれぞれに対して自動的に作成されます。手動で作成することもできます。
基本レポートで、レポート内の省略可能な情報 (レポートの説明や式の結果など) の表示/非表示をユーザーが切り替えられるように、ブール型パラメーターを作成します。
条件付き表示のためのブール型パラメーターを追加するには
レポート データ ペインで、ShowAll という名前のパラメーターを追加します。
[全般] ページで、[プロンプト] を「Show all information?」に変更します。
[データ型] を [ブール] に変更します。
[既定値] ページで、[値の指定] を選択します。
値を追加し、false に設定します。
パラメーターがレポート サーバーまたは SharePoint サイトに最初にパブリッシュされた後は、BI Development Studio からパラメーターのプロパティを上書きすることはできません。仕様上、パブリッシュされたパラメーターはレポート サーバーでのみ管理されます。プロパティの値をパブリッシュ後に変更するには、レポート サーバー上で直接プロパティを更新するか、レポートを削除してから再度配置する必要があります。
ページ ヘッダーの追加
ページ ヘッダー、ロゴ、およびレポート名を追加するには
[レポート] メニューから、ページ ヘッダーを追加します。
レポート データ ペインで、画像を追加します。プロジェクト フォルダーに移動し、AdventureWorksLogo.jpg を選択します。
ページ ヘッダーに画像をドラッグします。
[画像のプロパティ] ダイアログ ボックスで、[名前] を「Logo」に設定します。
画像ソースが [埋め込み] であることを確認します。
画像を追加したら、画像ハンドルをドラッグして、サイズを約 2.5 インチ×0.5 インチに拡大します。
レポート データ ペインで、[組み込みフィールド] を展開し、ページ ヘッダーの右側に [レポート名] をドラッグします。必要に応じて書式を設定します。
ページ ヘッダーの下部を上にドラッグし、余分な空白を削除します。
ページ フッターの追加
レポートのページ フッターに説明を追加し、条件に応じてコンテンツを非表示にすることができます。情報を表示するかどうかはユーザーが決めることができます。レポート サーバー上で説明を表示するには、レポートの [説明] プロパティに情報を追加します。
ページ フッターと既定で非表示になっている説明を追加するには
ページ フッターを追加します。
[フッターのプロパティ] で、[最初のページに印刷する] オプションをオフにします。
テキスト ボックスを追加して、「<説明をここに入力します。>」と入力します。
テキスト ボックスの [名前] を「tbDescription」に変更します。
ページ フッターに合わせてテキスト ボックスのサイズを拡大します。
テキスト ボックスを選択します。
注 テキスト ボックスを初めてクリックすると、編集モードになります。編集モードになった後でテキスト ボックスを選択するには、Esc キーを押します。詳細については、「レポート デザインに関するヒント (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。
[テキスト ボックスのプロパティ] の [表示] ページで、[式を基に表示/非表示を切り替える] を選択し、「=NOT Parameters!ShowAll.Value」と追加します。
NOT 演算子を使用するのは、表示するための指定によって、テキスト ボックスの Hidden プロパティが設定されるためです。ユーザーにとって、パラメーター @ShowAll は肯定的なアクションとして定義されています。@ShowAll が true の場合、テキストの非表示が否定されます。
説明の追加
説明をレポート プロパティとして追加するには
レポートの背景をクリックし、プロパティ ペインに [レポートのプロパティ] を表示します。
[説明] を見つけ、前の手順にある説明のテキストをコピーして貼り付けます。
注 |
---|
説明の最大文字数は 512 文字です。 |
説明テキストが最初にパブリッシュされた後は、BI Development Studio からレポートの [説明] プロパティを上書きすることはできません。プロパティの値をパブリッシュ後に変更するには、レポート サーバーまたは SharePoint サイト上で直接プロパティを更新するか、レポートを削除してから再度配置する必要があります。
シナリオ テキストの追加
シナリオ テキストは、レポートの目的を説明するテキストです。レポートによっては、このテキストを使用して、レポートの機能に関するガイダンスをユーザーに示す場合もあります。シナリオ テキストは、既定では非表示になりますが、ユーザーが表示/非表示を切り替えることができます。
条件付き表示が設定されたテキストの切り替えを追加するには
レポートの左上のページ ヘッダーの下に、テキスト ボックスを追加して、次のテキストを入力します。
シナリオのテキストを表示するには、正符号 (+) をクリックしてください。
テキスト ボックスの [名前] を「tbToggle」に変更します。
必要に応じてフォントのスタイルを設定します。
切り替えアイテムに基づいてテキスト ボックスの表示/非表示を切り替えるには
レポートの右上のページ ヘッダーの下に、テキスト ボックスを追加します。
テキスト ボックスの [名前] を「tbScenario」に変更します。
テキスト ボックスに、「<このレポートのシナリオの説明をここに入力します。>」と入力します。
[テキスト ボックスのプロパティ] の [表示] ページで、[レポートの初期実行時] の [非表示] を選択します。
[次のレポート アイテムでの表示の切り替えを可能にする] チェック ボックスをオンにします。
ドロップダウン リストで [tbToggle] を選択します。
この後のレッスンで、各レポートのシナリオ テキストを作成し、テキストの特定の文字列から関連するレポート アイテムのブックマークへのリンクを追加します。
.PDF ファイルへのエクスポート用のページ サイズの設定
レポートのデザインは WYSIWYG ではありません。そのため、プレビューするか実行するまではレポートの表示を確認できません。仕様上、関連するデータセットのすべてのデータが表示されるように、各データ領域が自動的に拡大されます。レポート デザイン画面上の空白は保持されます。
レポートを印刷したり、印刷に対応した形式にエクスポートしたりする場合は、複数のページにわたって水平方向に表示されないように、ページの幅を明示的に設定し、レポートの空白を削除する必要があります。
.pdf などの印刷形式用にページ サイズを設定するには
レポート アイテムが互いに隣接するようにしたり、レポート アイテムの端に接するようにレポートの端をドラッグしたりすることで、レポートの余分な空白を削除するか最小限にします。
レポート デザイン画面の背景の領域を右クリックし、[ルーラー] をクリックします。
[レポート] メニューで、[レポートのプロパティ] を開きます。
[ページ設定] ページで、次の手順を実行します。
[幅] を「7.9375 in」に変更します。
[右] および [左] の余白が 1 インチ以下であることを確認します。
ルーラーを使用して、ページが 7 インチ未満になったことを確認します。
レポートのプレビュー
レポートをプレビューして確認するには
レポートをプレビューします。
レポートが自動的に実行されることを確認します。
レポート ビューアー ツール バーで、ShowAll に True オプション ボタンと False オプション ボタンがあることを確認します。既定値は False です。
ページ ヘッダーに、ロゴおよびレポート名が表示されます。
切り替えアイテム付きのテキスト ボックスが 1 つ表示されます。切り替えアイテムをクリックすると、シナリオ テキストが表示されます。
ShowAll を True に設定してレポートを実行すると、フッターに説明が表示されます。
レポートの配置
レポートを配置するには
ソリューション エクスプローラーで、プロジェクトを右クリックし、[配置] をクリックします。BI Development Studio のステータス行または出力ペインで、エラーを確認します。
注 レポートは共有データ ソースに依存するため、初めてレポートを配置するときに、プロジェクト全体を配置する必要があります。レポートを個別に配置する方法については、この後のチュートリアルで学習します。
ブラウザーで、レポート サーバーまたは SharePoint サイトに移動します (例: https://localhost/reports、http://SharePointsite/subsite/reports)。
共有データ ソースとレポートが、指定したフォルダーに表示されることを確認します。
レポートの説明が表示されることを確認します。
レポート サーバーから有効な資格情報を使用するように共有データ ソースを編集します。基本レポートでは、AdventureWorks からデータを取得しないため、レポートはエラーなしで実行されます。残りのチュートリアルで、レポート サーバーまたは SharePoint サイトからのデータ ソースに対する有効な資格情報が必要になります。
レポートが実行されることを確認します。
次の手順
これで、レポート プロジェクトと基本レポートの作成が完了しました。次はサンプル レポートを作成します。詳細については、「チュートリアル: AdventureWorks 2008R2 サンプル レポートの作成 (SSRS)」を参照してください。