SQL Server 2008 R2 Native Client プログラミング

SQL Server Native Client とは、SQL Server 2005 で導入された、OLE DB と ODBC の両方で使用されるスタンドアロンのデータ アクセス API (アプリケーション プログラミング インターフェイス) です。SQL Server Native Client では、SQL OLE DB プロバイダーと SQL ODBC ドライバーが 1 つのネイティブ DLL (ダイナミック リンク ライブラリ) に統合されています。また、Windows Data Access Components (Windows DAC、以前の Microsoft Data Access Components (MDAC)) にはない新しい機能も用意されています。MARS (複数のアクティブな結果セット)、UDT (ユーザー定義データ型)、クエリ通知、スナップショット分離、XML データ型のサポートなどの SQL Server 2005 で導入された機能を必要とする新しいアプリケーションを作成したり、これらの機能で既存のアプリケーションを強化するために、SQL Server Native Client を使用できます。

注意

SQL Server Native Client と Windows DAC の相違点や、Windows DAC アプリケーションを SQL Server Native Client に更新する前の考慮事項に関する詳細については、「MDAC から SQL Server Native Client へのアプリケーションの更新」を参照してください。

SQL Server Native Client ODBC ドライバーは、常に、Windows DAC 付属の ODBC ドライバー マネージャーと共に使用します。また、SQL Server Native Client OLE DB プロバイダーは、Windows DAC 付属の OLE DB Core Services と共に使用できますが、必須ではありません。OLE DB Core Services を使用するかどうかは、個々のアプリケーションの要件 (たとえば、接続プールが必要であるかどうかなど) によって異なります。

ADO (ActiveX Data Object) アプリケーションで SQL Server Native Client OLE DB プロバイダーを使用できますが、ADO を使用するときは DataTypeCompatibility 接続文字列キーワード (またはそれに対応する DataSource プロパティ) を指定することをお勧めします。SQL Server Native Client OLE DB プロバイダーを使用すると、接続文字列のキーワード、OLE DB プロパティ、または Transact-SQL から SQL Server Native Client を経由することにより、SQL Server 2005 で導入された上記の新機能を ADO アプリケーションで利用できます。ADO で新機能を使用する方法の詳細については、「SQL Server Native Client と ADO の併用」を参照してください。

SQL Server Native Client は、OLE DB または ODBC のいずれかを使用して簡単に SQL Server へのネイティブ データ アクセスを実現できるように設計されています。OLE DB と ODBC という 2 つのテクノロジを 1 つのライブラリに統合して簡素化しただけでなく、Microsoft Windows プラットフォームの一部になっている既存の Windows DAC コンポーネントを変更することなく新しいデータ アクセス機能を導入および展開できます。

SQL Server Native Client では Windows DAC のコンポーネントを使用しますが、明確に特定バージョンの Windows DAC に依存しているわけではありません。SQL Server Native Client は、SQL Server Native Client でサポートされるオペレーティング システムにインストールされているバージョンの Windows DAC と共に使用できます。

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