変換元のカスタム プロパティ

Microsoft SQL Server Integration Services のオブジェクト モデルでは、データ フロー オブジェクトのコンポーネント、入力、出力、入力列、および出力列の各レベルに、共通プロパティとカスタム プロパティがあります。カスタム プロパティにアクセスできるのは実行時のみで、このプロパティに関する説明は、『Integration Services マネージ プログラミング リファレンス マニュアル』には記載されていません。

ここでは、データ フローの変換元のカスタム プロパティを一覧で示し、それぞれについて説明します。

  • ADO NET ソース

  • Excel ソース

  • フラット ファイル ソース

  • OLE DB ソース

  • 生ファイル ソース

  • XML ソース

データ フロー オブジェクトの大部分との共通プロパティについては、「共通プロパティ」を参照してください。

ソースのプロパティの一部は、このトピックで示すとおり、プロパティ式を使用して設定できます。詳細については、「式を使って設定できるデータ フロー プロパティ」を参照してください。

ADO NET ソースのカスタム プロパティ

ADO NET ソースには、カスタム プロパティと、すべてのデータ フロー コンポーネントとの共通プロパティの両方があります。

次の表は、ADO NET ソースのカスタム プロパティを示しています。すべてのプロパティは読み取り/書き込み可能です。

プロパティ名

データ型

説明

CommandTimeout

String

SQL コマンドがタイムアウトになる時間を秒数で指定する値です。値が 0 の場合、コマンドはタイムアウトになりません。

SqlCommand

String

ADO NET ソースがデータの抽出に使用する SQL ステートメントです。

パッケージを読み込むときに、ADO NET ソースが使用する SQL ステートメントでこのプロパティを動的に更新できます。詳細については、「Integration Services の式のリファレンス」および「パッケージでのプロパティ式の使用」を参照してください。

AllowImplicitStringConversion

Boolean

次の処理を実行するかどうかを示す値です。

  • 外部メタデータの型と文字列型である出力列の型が一致しない場合に、検証エラーを生成しない (DT_WSTR または DT_NTEXT)。

  • 外部メタデータの型を、出力列が使用する文字列データ型に暗黙的に変換する。

既定値は TRUE です。

詳細については、「ADO NET ソース」を参照してください。

ADO NET ソースの出力および出力列には、カスタム プロパティがありません。

詳細については、「ADO NET ソース」を参照してください。

Excel ソースのカスタム プロパティ

Excel ソースには、カスタム プロパティと、すべてのデータ フロー コンポーネントとの共通プロパティの両方があります。

次の表は、Excel ソースのカスタム プロパティを示しています。すべてのプロパティは読み取り/書き込み可能です。

プロパティ名

データ型

説明

AccessMode

Integer

データベースへのアクセスに使用するモード。値には、OpenRowsetOpenRowset from VariableSQL Command、および SQL Command from Variable があります。既定値は OpenRowset です。

CommandTimeout

Integer

コマンドのタイムアウトの秒数。値 0 は、タイムアウトしないことを表します。

   このプロパティは、Excel ソース エディターでは使用できませんが、詳細エディターを使用して設定できます。

OpenRowset

String

行セットを開くために使用するデータベース オブジェクトの名前。

OpenRowsetVariable

String

行セットを開くために使用するデータベース オブジェクトの名前を格納する変数。

ParameterMapping

String

SQL コマンド内のパラメーターから変数へのマッピング。

SqlCommand

String

実行する SQL コマンド。

SqlCommandVariable

String

実行する SQL コマンドを格納する変数。

Excel ソースの出力および出力列には、カスタム プロパティがありません。

詳細については、「Excel ソース」を参照してください。

フラット ファイル ソースのカスタム プロパティ

フラット ファイル ソースには、カスタム プロパティと、すべてのデータ フロー コンポーネントとの共通プロパティの両方があります。

次の表は、フラット ファイル ソースのカスタム プロパティを示しています。すべてのプロパティは読み取り/書き込み可能です。

プロパティ名

データ型

説明

FileNameColumnName

String

ファイル名を格納する出力列の名前。名前が指定されていない場合、ファイル名を格納する出力列は生成されません。

注意
このプロパティは、フラット ファイル ソース エディターでは使用できませんが、詳細エディターを使用して設定できます。

RetainNulls

Boolean

データ変換のパイプライン エンジンによってデータが処理される際に、ソース ファイルの NULL 値を NULL 値として保持するかどうかを示す値。このプロパティの既定値は False です。

フラット ファイル ソースの出力には、カスタム プロパティがありません。

次の表は、フラット ファイル ソースの出力列のカスタム プロパティを示しています。すべてのプロパティは読み取り/書き込み可能です。

プロパティ名

データ型

説明

FastParse

Boolean

列の解析に、DTS が提供するロケール非依存型の高速な解析ルーチンを使用するか、またはロケール依存型の標準的な解析ルーチンを使用するかを示す値。詳細については、「高速解析」および「標準解析」を参照してください。このプロパティの既定値は False です。

注意
このプロパティは、フラット ファイル ソース エディターでは使用できませんが、詳細エディターを使用して設定できます。

詳細については、「フラット ファイル ソース」を参照してください。

OLE DB ソースのカスタム プロパティ

OLE DB ソースには、カスタム プロパティと、すべてのデータ フロー コンポーネントとの共通プロパティの両方があります。

次の表は、OLE DB ソースのカスタム プロパティを示しています。すべてのプロパティは読み取り/書き込み可能です。

プロパティ名

データ型

説明

AccessMode

Integer

データベースへのアクセスに使用するモード。値には、OpenRowsetOpenRowset from VariableSQL Command、および SQL Command from Variable があります。既定値は OpenRowset です。

AlwaysUseDefaultCodePage

Boolean

DefaultCodePage プロパティの値を各列に使用するか、または各列のロケールからコードページを派生するかを示す値。このプロパティの既定値は False です。

CommandTimeout

Integer

コマンドのタイムアウトの秒数。値 0 は、タイムアウトしないことを表します。

注意
このプロパティは、OLE DB ソース エディターでは使用できませんが、詳細エディターを使用して設定できます。

DefaultCodePage

Integer

コード ページに関する情報をデータ ソースから取得できない場合に使用するコード ページ。

OpenRowset

String

行セットを開くために使用するデータベース オブジェクトの名前。

OpenRowsetVariable

String

行セットを開くために使用するデータベース オブジェクトの名前を格納する変数。

ParameterMapping

String

SQL コマンド内のパラメーターから変数へのマッピング。

SqlCommand

String

実行する SQL コマンド。

SqlCommandVariable

String

実行する SQL コマンドを格納する変数。

OLE DB ソースの出力および出力列には、カスタム プロパティがありません。

詳細については、「OLE DB ソース」を参照してください。

生ファイル ソースのカスタム プロパティ

生ファイル ソースには、カスタム プロパティと、すべてのデータ フロー コンポーネントとの共通プロパティの両方があります。

次の表は、生ファイル ソースのカスタム プロパティを示しています。すべてのプロパティは読み取り/書き込み可能です。

プロパティ名

データ型

説明

AccessMode

Integer (列挙)

生データへのアクセスに使用するモード。有効な値は、File name (0) および File name from variable (1) です。既定値は File name (0) です。

FileName

String

ソース ファイルのパスおよびファイル名。

生ファイル ソースの出力および出力列には、カスタム プロパティがありません。

詳細については、「生ファイル ソース」を参照してください。

XML ソースのカスタム プロパティ

XML ソースには、カスタム プロパティと、すべてのデータ フロー コンポーネントとの共通プロパティの両方があります。

次の表は、XML ソースのカスタム プロパティを示しています。すべてのプロパティは読み取り/書き込み可能です。

プロパティ名

データ型

説明

AccessMode

Integer

XML データへのアクセスに使用するモード。

UseInlineSchema

Boolean

XML ソース内のインライン スキーマ定義を使用するかどうかを示す値。このプロパティの既定値は False です。

XMLData

String

XML データを取得するファイルまたは変数。

このプロパティの値は、プロパティ式を使用して指定できます。

XMLSchemaDefinition

String

スキーマ定義ファイル (.xsd) のパスおよびファイル名。

このプロパティの値は、プロパティ式を使用して指定できます。

次の表は、XML ソースの出力のカスタム プロパティを示しています。すべてのプロパティは読み取り/書き込み可能です。

プロパティ名

データ型

説明

RowsetID

String

出力に関連付けられた行セットを識別する値。

XML ソースの出力列には、カスタム プロパティがありません。

詳細については、「XML ソース」を参照してください。