ミラー化バックアップ メディア セットの使用
注 |
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ミラー化バックアップ メディア セットは、SQL Server 2005 Enterprise Edition 以降のバージョンのみでサポートされています。 |
メディア セットをミラー化すると、バックアップ デバイスの誤動作の影響が小さくなるため、バックアップの信頼性が向上します。バックアップはデータ損失に対する最後の防護策なので、このような誤動作は非常に深刻です。データベースが大きくなるにつれて、バックアップ デバイスやメディアの障害によってバックアップを復元できなくなる可能性が高くなります。バックアップ メディアをミラー化すると、冗長性によってバックアップの信頼性が向上します。
注 |
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一般的なメディア セットの詳細については、「メディア セット、メディア ファミリ、およびバックアップ セット」を参照してください。 |
ミラー化メディア セットの概要
メディアのミラー化は、メディア セットのプロパティです。ミラー化メディア セットは、メディア セットの複数のコピー (ミラー) で構成されています。メディア セットには、1 つ以上のメディア ファミリが含まれており、各メディア ファミリが 1 つのバックアップ デバイスに対応します。たとえば、BACKUP DATABASE ステートメントの TO 句に 3 つのデバイスを指定する場合、BACKUP によって 1 つのデバイスにつき 3 つのメディア ファミリにデータが分散されます。メディア ファミリとミラーの数は、メディア セットを作成するときに定義します (BACKUP DATABASE ステートメントで WITH FORMAT を指定します)。
注 |
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メディア ファミリとメディア セットの概要については、「メディア セット、メディア ファミリ、およびバックアップ セット」を参照してください。 |
ミラー化メディア セットには、2 ~ 4 つのミラーがあります。各ミラーには、メディア セットのすべてのメディア ファミリが含まれます。ミラーには、メディア ファミリ 1 つにつき、同数のデバイスが必要です。各ミラーには、メディア ファミリごとに別のバックアップ デバイスが必要です。たとえば、3 つのミラーを持つ 4 つのメディア ファミリで構成されるミラー化メディア セットには、12 台のバックアップ デバイスが必要です。これらのデバイスはすべて同等であることが必要です。たとえば、同じ製造元で同じモデル番号のテープ ドライブなどです。
次の図は、2 つのミラーを持つ 2 つのメディア ファミリで構成されるミラー化メディア セットの例を示しています。各メディア ファミリには 3 つのメディア ボリュームがあり、ミラーごとに 1 回ずつバックアップされます。
ミラーの対応するボリュームは、同じ内容です。これにより、復元時にボリュームを交換できます。たとえば、上の図では、テープ 2 の 3 番目のボリュームは、テープ 0 の 3 番目のボリュームと交換可能です。
ミラー化メディア セットの指定
BACKUP ステートメントでミラー化メディア セットを指定するには、TO 句で最初のミラーを指定します。次に、このステートメントの MIRROR TO 句で各ミラーを指定します。TO 句および MIRROR TO 句では、同じ数と種類のバックアップ デバイスを指定する必要があります。
次の例では、上の図のミラー化メディア セットを作成し、AdventureWorks2008R2 データベースを両方のミラーにバックアップします。
BACKUP DATABASE AdventureWorks2008R2
TO TAPE = '\\.\tape0', TAPE = '\\.\tape1'
MIRROR TO TAPE = '\\.\tape2', TAPE = '\\.\tape3'
WITH
FORMAT,
MEDIANAME = 'AdventureWorks2008R2Set1';
GO
BACKUP DATABASE AdventureWorks2008R2
TO TAPE = '\\.\tape0', TAPE = '\\.\tape1'
MIRROR TO TAPE = '\\.\tape2', TAPE = '\\.\tape3'
WITH
FORMAT,
MEDIANAME = 'AdventureWorks2008R2Set1';
GO
バックアップ ミラーのハードウェア要件
ミラー化は、ディスクとテープの両方に適用されます (ディスクでは連続テープはサポートされていません)。以前のバージョンの SQL Server と同様に、同一のバックアップ操作または復元操作に使用するバックアップ デバイスはすべて同じ種類、つまりディスクまたはテープのいずれかにする必要があります。
これらの大まかな種類の中では、同じプロパティを持つ同等のデバイスを使用する必要があります。デバイスが同等でない場合は、エラー メッセージ (3212) が表示されます。デバイスの不適合によって生じるリスクを回避するには、同じ製造元で同じモデル番号のドライブのみを使用するなど、同等のデバイスを使用してください。
メディアのミラー化の動作
すべてのミラーが存在する必要があるかどうかは、バックアップ操作と復元操作で異なります。ミラー化メディア セットを書き込む (作成または拡張する) バックアップ操作では、すべてのミラーが存在する必要があります。これに対して、復元操作で一度に読み取ることができるのは、メディア ファミリごとに 1 つのミラーのメディアだけです。ただし、エラーがある場合は、他のミラーが存在すると、復元に関する一部の問題を短時間で解決できます。これは、RESTORE および RESTORE VERIFYONLY によって、壊れたメディアと他のミラーの対応するバックアップ メディア ボリュームが置換されるためです。ファミリ数よりも少ない数のデバイスからでも復元できますが、各メディア ファミリが処理されるのは 1 回だけなので注意してください。
SQL Server データベース エンジンでは、ミラー化メディアの内容がすべて同じになるように、デバイスへの書き込みの同期をとっています。いずれかのミラーが満杯になると、同じことが同時にすべてのミラーに起こります。
注 |
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ミラー化メディア セットは、ミラーを削除することによって暗黙的に分割できません。ミラー内のいずれかのテープまたはディスクが損傷を受けたり再フォーマットされたりすると、そのミラーはその後のバックアップに使用できなくなります。少なくとも 1 つのミラーが完全な状態になっていれば、メディア セットを読み取ることができます。すべてのミラーで特定のメディア ファミリが失われると、そのメディア セットは使用できなくなります。 |
ミラー化バックアップ デバイスにバックアップするには
ミラー化バックアップから復元するには