メジャーのプロパティの構成

メジャーには、メジャーの動作を定義し、メジャーがユーザーに表示される方法を制御できるプロパティがあります。

メジャーのプロパティ

プロパティがメジャー レベルで上書きされない限り、メジャーはメンバになっているメジャー グループから特定のプロパティを継承します。メジャーのプロパティは、メジャーの集計方法、データ型、表示名、メジャーの表示フォルダ、書式設定文字列、メジャーの式、基になるソース列、およびユーザーに対する表示や非表示を決定します。

プロパティ

定義

AggregateFunction

メジャーの集計方法を決定します。詳細については、「集計関数」を参照してください。

DataType

メジャーのバインド先である、基になるファクト テーブル列のデータ型を指定します。

Description

メジャーの説明を指定します。クライアント アプリケーションに表示される場合があります。

DisplayFolder

ユーザーがキューブに接続するとメジャーが表示されるフォルダです。キューブに多くのメジャーがある場合、表示フォルダを使用すると、メジャーを分類して表示を見やすく改善できます。

FormatString

表示形式を指定します。詳細については、「表示形式」を参照してください。

ID

メジャーの一意識別子 (ID) です。このプロパティは読み取り専用です。

MeasureExpression

メジャーを定義する多次元式 (MDX) 式を指定します。

Name

メジャーの名前を指定します。

Source

メジャーがバインドされるデータ ソース ビューの列を指定します。

Visible

メジャーを表示するかどうかを指定します。

集計関数

Microsoft SQL Server Analysis Services には、メジャー グループに含まれるディメンションに従ってメジャーを集計するための関数があります。既定では、各ディメンションに従ってメジャーが集計されます。ただし、AggregateFunction プロパティを使用するとこの動作を変更できます。集計関数の加法性によって、キューブのすべてのディメンションにわたってメジャーがどのように集計されるかが決まります。集計関数の加法性は、3 つのレベルに分類されます。

  • 加法
    加法メジャーは完全加法メジャーとも呼ばれ、メジャーが含まれているメジャー グループ内のすべてのディメンションに従って制限なく集計できます。

  • 準加法
    準加法メジャーは、メジャーが含まれているメジャー グループ内のすべてではなく一部のディメンションに従って集計できます。たとえば、在庫の数量を表すメジャーは、地理ディメンションに従って集計してすべての倉庫の合計在庫数量を生成できますが、このメジャーは在庫数量の定期的なスナップショットを表しているため、時間ディメンションに従って集計できません。そのようなメジャーを時間ディメンションに従って集計すると、間違った結果が生成されます。

  • 非加法
    非加法メジャーは、メジャーが含まれているメジャー グループ内のどのディメンションに従っても集計できません。代わりに、このメジャーは、メジャーを表すキューブのセルごとに計算する必要があります。たとえば、利益率などの比率を返す計算されるメジャーは、どのディメンションの子メンバのパーセンテージ値からも集計できません。

次の表は Analysis Services の集計関数を示しています。関数の加法性と予想される出力が記載されています。

集計関数

加法性

戻り値

Sum

加法

すべての子メンバの値の合計を計算します。これが既定の集計関数です。

Count

加法

すべての子メンバの数を取得します。

Min

準加法

すべての子メンバの最低値を取得します。

Max

準加法

すべての子メンバの最高値を取得します。

DistinctCount

非加法

すべての一意の子メンバの数を取得します。

None

非加法

集計は行われず、ディメンションのリーフ メンバおよび非リーフ メンバのすべての値が、メジャーが含まれているメジャー グループのファクト テーブルから直接入力されます。ファクト テーブルからメンバの値を読み取ることができない場合は、そのメンバの値は Null に設定されます。

ByAccount

準加法

勘定科目ディメンションのメンバの勘定科目の種類に割り当てられている集計関数に従って集計します。勘定科目ディメンションがメジャー グループに存在しない場合は、None 集計関数として扱われます。

勘定科目ディメンションの詳細については、「勘定科目 (Analysis Services - 多次元データ)」を参照してください。

AverageOfChildren

準加法

空ではないすべての子メンバの値の平均を計算します。

FirstChild

準加法

最初の子メンバの値を取得します。

LastChild

準加法

最後の子メンバの値を取得します。

FirstNonEmpty

準加法

空ではない最初の子メンバの値を取得します。

LastNonEmpty

準加法

空ではない最後の子メンバの値を取得します。

表示形式

メジャーの FormatString プロパティを使用すると、メジャー値の表示に使用する形式を選択できます。

表示形式の一覧が用意されていますが、一覧にはない追加形式を複数指定できます。Microsoft Visual Basic で有効な名前付き形式またはユーザー定義形式を指定できます。次の表は、使用可能な名前付き形式とユーザー定義形式を示しています。この表では、クライアント コンピュータのコントロール パネルの地域設定が英語 (U.S.) であると仮定しています。

ソースのデータ型

形式

表示形式の値

出力例

数値

名前付き

数値

123456789

 

 

 

0

 

 

固定

123456789.00

 

 

 

0.00

 

ユーザー定義

$#,#.00

$123,456,789.00

 

 

 

$0.00

 

 

#,#0.0000

123,456,789.0000

 

 

 

0.0000

日付/時刻

名前付き

日付 (M)

31-Dec-99

 

 

日付 (L)

Friday, December 31, 1999

 

ユーザー定義

mm/dd/yyyy

12/31/1999

 

 

mmm-dd-yyyy

Dec-31-1999

ブール

名前付き

Yes/No

はい

 

 

True/False

True

有効な定義済みの形式およびユーザー定義形式の詳細については、MSDN ライブラリの「開発ツールと言語」セクションで「Format 関数」を検索してください。