復元シーケンスに対する高度な考慮事項

ロールフォワード開始後のロールフォワード セットの変更

ロールフォワード セットからファイルまたはページを削除することはできませんが、追加することはできます。たとえば、部分復元シーケンスを開始した後でさらにファイルを含める必要があることがわかったような場合に、ファイルの追加が役に立ちます。

ファイルまたはページを追加するには、ロールフォワードの一部を繰り返す必要があります。ただし、データベースとの一貫性がある読み取り専用ファイルは、ロールフォワードを繰り返すことなくロールフォワード セットに追加できます。詳細については、「ロールフォワード中の追加ファイル作成の管理」を参照してください。

ページを追加する場合は、このトピックの「同一のデータから作成した複数のコピー」に記載されている制限が適用されます。

読み取り専用ファイルのデータに対するロールフォワードのスキップ

注
再実行 (ロールフォワード) フェーズの詳細については、「SQL Server でのバックアップの復元と復旧の動作について」を参照してください。

読み取り専用ファイルを、バックアップが作成される前から読み取り専用であるファイル グループに復元する場合、そのファイルはデータベースの他の部分と互換性があるため、再実行フェーズがスキップされます。そのような読み取り専用ファイルは、(復元のデータ コピー フェーズで) バックアップから復元された後、SQL Server データベース エンジンにより即座に復旧されます。その後、再実行フェーズが続行され、ロールフォワード セットの残りの部分が (存在する場合は) ロールフォワードされます。

最新の完全バックアップの後から任意の差分バックアップの前までにファイル グループが読み取り専用になり、それ以降読み取り専用のままである場合、その差分バックアップが作成された時点までのロールフォワードが発生します。完全復旧モデルでは、最新の完全バックアップおよび最新の差分バックアップの後にファイル グループが読み取り専用になった場合、ファイル グループが読み取り専用になった時点まではログ バックアップを使用してファイル内のデータをロールフォワードできます。

同じデータの複数のデータ バックアップの使用

復元ステートメントは複数発行できるので、異なる完全バックアップのデータを同一の場所にコピーできます。たとえば、ある RESTORE ステートメントでデータベース内のすべてのファイルをコピーします。復元シーケンス内の次のステートメントで、そのファイルの 1 つを上書きします。通常、これは許可されている操作であり、復元された最新のデータが使用されます。

ただし、ページ復元には特別なルールが適用されます。ファイル全体を復元した後でファイルにページをコピーすることはできません。この操作を行うとエラーが発生します。復元シーケンスは続行できますが、ページは復元されません。

1 つのデータベースに対するバックアップと復元の同時実行

状況によっては、同一のデータベースに作用する BACKUP ステートメントおよび RESTORE ステートメントを同時に実行できます。ある操作が、既に進行中の別の操作によって実行できないときは、データベース エンジンでエラーが発生します。

次の表に、考えられる同時実行ステートメントの組み合わせのそれぞれについて、可能かどうかを示します。

このセクションの内容

トピック	説明
ロールフォワード中の追加ファイル作成の管理	復元を使用して既知の特定された問題を修復するときに、問題が発生したファイルだけを復元することで復元のパフォーマンスを最適化する方法について説明します。
名前を変更したファイルとファイル グループの復元	復元するときに、変更された名前および再利用されるファイルまたはファイル グループの名前をどのように処理するかについて説明します。
REPLACE オプションの使用	データベースを誤って別のデータベースで上書きしないようにするための保護機能を無効にする方法について説明します。 注意 REPLACE オプションは、十分な検討を行った場合に限り使用してください。

関連項目

参照

概念

その他の技術情報