データベース コピー ウィザードの使用

データベース コピー ウィザードを使用すると、サーバーを停止することなく、データベースとそのオブジェクトをサーバー間で簡単に移動またはコピーできます。このウィザードを使用すると、次の操作を実行できます。

  • 移動元またはコピー元、および移動先またはコピー先サーバーを選択します。

  • 移動、またはコピーするデータベースを選択します。

  • データベースのファイルの場所を指定します。

  • 移動先またはコピー先サーバー上にログインを作成します。

  • 追加のサポート オブジェクト、ジョブ、ユーザー定義のストアド プロシージャ、およびエラー メッセージをコピーします。

  • データベースを移動またはコピーする時期をスケジュールします。

データベース以外にも、関連したメタデータ (コピーしたデータベースに必要な master データベースのログインやオブジェクトなど) をコピーできます。

注意

modelmsdb、および master の各データベースをデータベース コピー ウィザードでコピーまたは移動することはできません。

また、SQL Server の異なるインスタンス間でデータベースを移動またはコピーしたり、データベースを SQL Server 2000 から SQL Server 2005 以降にアップグレードしたりできます。移動先またはコピー先のサーバーには、SQL Server 2005 以降を指定する必要があります。詳細については、この後の「データベース コピー ウィザードを使用した SQL Server のアップグレード」を参照してください。

考慮すべき問題点

データベース コピー ウィザードを使用する前に、以下の問題点を考慮してください。

項目

考慮事項

必要な権限

コピー元または移動元とコピー先または移動先の両方のサーバーにおいて sysadmin 固定サーバー ロールのメンバーとなっている必要があります。

modelmsdb、および master の各データベース

modelmsdb、および master の各データベースをデータベース コピー ウィザードでコピーまたは移動することはできません。

コピー元サーバーのデータベース

[移動] オプションを選択した場合、データベースを移動した後で、コピー元データベースが自動的に削除されます。[コピー] オプションを選択した場合は、コピー元データベースが削除されません。

フルテキスト カタログ

SQL Server 管理オブジェクトを使用してフルテキスト カタログを移動する場合は、移動後にインデックスを再作成する必要があります。デタッチおよびアタッチによる方法を使用する場合、フルテキスト カタログは手動で移動する必要があります。フルテキスト カタログの移動方法の詳細については、「データベース ファイルの移動」を参照してください。

データベース コピー ウィザードの起動

SQL Server Management Studio のオブジェクト エクスプローラーで、[データベース] を展開してデータベースを右クリックし、[タスク] をポイントして [データベースのコピー] をクリックします。

データベースのコピーおよび移動

データベース コピー ウィザードを使用するには、次の項目を指定する必要があります。

  • コピーするデータベースが存在するコピー元サーバー。

  • データベースのコピー先または移動先となるコピー先サーバー。

  • 移動またはコピーするデータベース。

  • コピー先または移動先のデータベースの名前 (コピー元または移動元データベースと名前が異なる場合)。

    コピー元または移動元データベースの名前をコピー先または移動先データベースの名前に使用できるのは、コピー先または移動先サーバーに名前の競合がない場合のみです。名前が競合する場合、コピー元または移動元のデータベース名を使用する前にコピー先または移動先サーバーの競合を手動で解決する必要があります。

  • master データベースのログイン、共有オブジェクト、ジョブとメンテナンス プラン、およびユーザー定義のエラー メッセージなど、コピーまたは移動するその他のオブジェクト。

  • 後からコピーまたは移動を実行する場合は、コピー操作または移動操作のスケジュール。

  • システム管理者でない場合は、Integration Services (SSIS) パッケージ実行サブシステムへのアクセス権がある SQL Server エージェント プロキシ アカウントを指定する必要があります。

デタッチおよびアタッチによる方法では、データベースをデタッチして、データベースの .mdf、.ndf、.ldf ファイルを移動またはコピーし、新しい場所でデータベースを再度アタッチします。デタッチおよびアタッチによる方法でデータの損失や不整合を避けるため、移動またはコピーするデータベースにアクティブなセッションをアタッチすることはできません。アクティブなセッションが存在する場合、データベース コピー ウィザードでは、移動またはコピー操作は実行されません。

注意

SQL Server 管理オブジェクトの方法では、データベースがオフラインになることがないため、アクティブなセッションが許可されています。

異なるサーバー、または異なるディスク ドライブ間でデータベースを移動する場合、データベース コピー ウィザードでは、移動先サーバーへのデータベースのコピー、およびデータベースがオンラインであることの検証が行われます。同一サーバーの 2 つのインスタンス間でデータベースを移動する場合は、ファイル システムの移動操作が行われます。

別のサーバー インスタンスに復元するときのメタデータの管理

データベースを別のサーバー インスタンスにコピーするときは、ユーザーおよびアプリケーションに一貫した使用環境を提供するために、アタッチ先のサーバー インスタンスで、ログインやジョブなどのデータベースのメタデータの一部またはすべてを作成し直す必要が生じる場合があります。詳細については、「データベースを別のサーバー インスタンスで使用できるようにするときのメタデータの管理」を参照してください。

データベース コピー ウィザードを使用した SQL Server のアップグレード

データベース コピー ウィザードを使用して、SQL Server 2000 データベースを SQL Server 2005 以降のデータベースにアップグレードできます。

複数の SQL Server 2000 インスタンスを SQL Server 2005 以降の 1 つのインスタンスまたは 1 台のコンピューター上の複数の名前付きインスタンスに統合すると、データベースの管理およびメンテナンスを簡素化できます。

データベース コピー ウィザードでデタッチおよびアタッチによる方法を使用してデータベースをアップグレードする場合は、データベースにアクセスするアプリケーションまたはサービスが存在しないことを確認してください。読み取り専用モードはエラーになるので使用しません。この操作中に、データベースの名前を変更できます。

重要な注意事項重要

以前のバージョンの SQL Server からデータベースをアップグレードした後は、コピー先サーバー上のデータベースに sp_updatestats を実行して統計を更新し、コピーしたデータベースのパフォーマンスが最適になるようにしてください。

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