スナップショット バックアップ
SQL Server では、独立系ハードウェア ベンダやソフトウェア ベンダとの連携により、スナップショットのバックアップと復元のテクノロジ (SQL Server スナップショット バックアップ) がサポートされています。スナップショット バックアップは、独立系ハードウェア ベンダやソフトウェア ベンダから提供された分割ミラー ソリューションを使用することによって、ほぼ瞬間的に作成される特殊なバックアップです。スナップショット バックアップを使用すると、バックアップの実行に使用する SQL Server リソースを最小限に抑えたり、使用を回避したりできます。これは、可用性が非常に重要な中規模から大規模のデータベースにとって特に有益です。
スナップショット バックアップには、次のような主な利点があります。
秒単位というきわめて短時間にバックアップを作成できるので、サーバーにほとんど影響を及ぼしません。
復元操作をディスク バックアップからすばやく行うことができます。
運用システムに影響を及ぼすことなく、別のホストからテープにバックアップを行うことができます。
運用データベースのコピーをレポートまたはテスト用にすぐに作成できます。
スナップショット バックアップの概要
SQL Server スナップショット バックアップは、サード パーティのハードウェア ベンダとソフトウェア ベンダのいずれかまたは両方の協力によって実現されます。これらのベンダでは、この目的でデザインされた SQL Server の機能が使用されます。基になるバックアップ テクノロジでは、バックアップ中のデータの瞬間的なコピーが作成されます。瞬間的なコピーの作成は、通常、ディスクのミラー セットを分割するか、ディスク ブロックの書き込み時にそのコピーを作成することによって実現されます。これにより、元のデータが保持されます。復元時には、元のデータは直ちに使用可能になり、基になるディスクの同期がバックグラウンドで行われるので、復元操作はほぼ瞬時に完了します。
SQL Server スナップショット バックアップは、Microsoft Windows Server 2003 の VSS (ボリューム シャドウ コピー サービス) や、このフレームワークを使用するすべてのバックアップ ソフトウェアとストレージ ソフトウェアによっても使用されます。詳細については、「SQL ライター サービス」を参照してください。
スナップショット バックアップにできるのは、次の種類のバックアップのみです。
完全バックアップ
部分バックアップ
ファイル バックアップ
差分データベース バックアップ (ベンダが VSS インターフェイスを使用する場合のみサポートされます)
このトピックに記載されている部分を除くと、スナップショット バックアップの機能は、対応する従来のバックアップと同等です。スナップショット バックアップは、スナップショット以外の完全バックアップ、差分バックアップ、およびログ バックアップを伴う復元シーケンスで使用できます。他のバックアップと同様に、スナップショット バックアップは msdb データベースで追跡されます。このデータベースでは、スナップショット バックアップは backupset.is_snapshot = 1 によって識別されます。msdb の詳細については、「msdb データベース」を参照してください。
SQL Server では、スナップショット バックアップからのオンライン復元はサポートされません。スナップショット バックアップを自動的に復元するには、データベースをオフラインにします。段階的な部分復元にスナップショット バックアップを組み込むことはできますが、復元シーケンスはすべてオフライン復元になります。段階的な部分復元の詳細については、「段階的な部分復元の実行」を参照してください。
詳細については、SQL Server Web サイトを参照してください。また、必要に応じてストレージ ベンダやバックアップ ソフトウェア ベンダに問い合わせてください。