パッケージでの式の使用

式は、単一のデータ値が得られる、識別子、リテラル、関数、演算子などの記号の組み合わせです。単純式には、1 つの定数、変数、または関数を指定できます。より頻繁に使用されるのは複雑な式で、複数の演算子や関数を使用し、複数の列や変数を参照します。Integration Services では、CASE ステートメントの条件の定義、データ列値の生成および更新、変数への値の代入、実行時のプロパティの更新および作成、優先順位制約の制約の定義、および For ループ コンテナでの利用に式を使用できます。

Integration Services の次の要素で式を使用できます。

  • 条件分割変換では、式に基づいて、データ行を別の出力先に出力するかどうかを決定する決定構造が実装されます。条件分割変換で使用する式は、true または false に評価される必要があります。たとえば、式 "Column1 > Column2" の条件を満たす行は、別の出力にルーティングされます。

  • 派生列変換では、式で生成された値を使用して、データ フローに新しい列を作成するか、または既存の列を更新します。たとえば、Column1 + " ABC" という式を使用して連結された文字列で、値を更新したり、新しい値を生成できます。

  • 変数に値を設定するために式を使用します。たとえば、GETDATE() を使用すると、変数の値として現在の日付が設定されます。

  • 優先順位制約では、式を使用して、パッケージ内の制約付きタスクまたはコンテナを実行するかどうか判断する条件を指定します。優先順位制約で使用する式は、true または false に評価される必要があります。たとえば、@A > @B という式は 2 つのユーザー定義変数を比較して、制約付きタスクを実行するかどうか判断します。

  • For ループ コンテナでは、式を使用して、ループ構造で使用する初期化ステートメント、評価ステートメント、および増分ステートメントを作成します。たとえば、@Counter = 1 という式はループ カウンタを初期化します。

式は、パッケージ、For ループおよび Foreach ループなどのコンテナ、タスク、接続マネージャ、ログ プロバイダ、Foreach 列挙子のプロパティ値の更新にも使用できます。たとえば、プロパティの式を使用して、"Localhost.AdventureWorks" という文字列を SQL 実行タスクの ConnectionName プロパティに割り当てることができます。詳細については、「パッケージでのプロパティ式の使用」を参照してください。

式は、式の言語および式エバリュエータに基づいています。式エバリュエータは式を解析して、式の言語のルールに従っているかどうか判断します。詳細については、「Integration Services の式のリファレンス」を参照してください。

式ビルダは、[条件分割変換エディタ] ダイアログ ボックス、[派生列変換エディタ] ダイアログ ボックス、および [式ビルダ] ダイアログ ボックスで使用できる、式作成のためのグラフィカルなツールです。

式ビルダでは、パッケージ固有の要素が格納されているフォルダと、式の言語で使用される関数、型キャスト、演算子が格納されているフォルダが用意されています。パッケージ固有の要素として、システム変数とユーザー定義変数が含まれます。[条件分割変換エディタ] ダイアログ ボックスおよび [派生列変換エディタ] ダイアログ ボックスでは、データ列も表示されます。変換のための式を作成するには、フォルダ内のアイテムを [条件] または [式] 列にドラッグするか、式を列に直接入力します。

注意注意

ユーザー定義変数およびシステム変数の名前では、大文字と小文字が区別されます。

変数にはスコープがあるため、式ビルダの [変数] フォルダにはスコープ内で使用できる変数のみが表示されます。詳細については、「Integration Services の変数」を参照してください。

以下は、式ビルダを使用して式を作成する手順を示しています。

式ビルダを使用して式を作成するには

Integration Services のアイコン (小) 最新の Integration Services の入手

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