MDX 関数リファレンス (MDX)

MicrosoftSQL ServerAnalysis Services では、多次元式 (MDX) 構文の関数を使用できます。関数は有効な MDX ステートメントで使用でき、多くの場合、クエリ、カスタム ロールアップ定義、その他の計算などに使用されます。ここでは、Analysis Services に組み込まれている MDX 関数について説明します。

以下の表では、戻り値の種類ごとに関数がまとめられています。また、目次には、関数名がアルファベット順に一覧表示されます。

配列関数

関数

説明

SetToArray (MDX)

ユーザー定義関数で使用するために、1 つ以上のセットを配列に変換します。

階層関数

関数

説明

Hierarchy (MDX)

指定されたメンバまたはレベルを含む階層を返します。

Dimension (MDX)

指定されたメンバ、レベル、階層を含むディメンションを返します。

Dimensions (MDX)

数値式や文字列式で指定された階層を返します。

レベル関数

関数

説明

Level (MDX)

メンバのレベルを返します。

Levels (MDX)

数値式でディメンション内または階層内の位置を指定されたレベル、または文字列式で名前を指定されたレベルを返します。

論理関数

関数

説明

IsAncestor (MDX)

指定されたメンバが指定された別のメンバの先祖かどうかを返します。

IsEmpty (MDX)

評価した式が空のセル値かどうかを返します。

IsGeneration (MDX)

指定されたメンバが指定された世代内にあるかどうかを返します。

IsLeaf (MDX)

指定されたメンバがリーフ メンバであるかどうかを返します。

IsSibling (MDX)

指定されたメンバが指定された別のメンバの兄弟かどうかを返します。

メンバ関数

関数

説明

Ancestor (MDX)

メンバの先祖のうち、指定されたレベルまたは距離にある先祖を返します。

ClosingPeriod (MDX)

メンバの子孫の中から、指定されたレベルにある最後の兄弟を返します。

Cousin (MDX)

親メンバからの相対位置が、指定された子メンバと同じ子メンバを返します。

CurrentMember (MDX)

繰り返し処理の実行時に、指定されたディメンションまたは階層の現在のメンバを返します。

DataMember (MDX)

ディメンションの非リーフ メンバに関連付けられたシステム生成データ メンバを返します。

DefaultMember (MDX)

ディメンションまたは階層の既定のメンバを返します。

FirstChild (MDX)

メンバの先頭の子メンバを返します。

FirstSibling (MDX)

メンバの親の最初の子メンバを返します。

Item (メンバ) (MDX)

指定された組からメンバを返します。

Lag (MDX)

ディメンション内の指定されたメンバから指定された数だけ前にあるメンバを返します。

LastChild (MDX)

指定されたメンバの最後の子メンバを返します。

LastSibling (MDX)

指定されたメンバの親の最後の子を返します。

Lead (MDX)

ディメンション内の指定されたメンバから指定された数だけ後にあるメンバを返します。

LinkMember (MDX)

指定された階層の指定されたメンバと等価のメンバを返します。

Members (文字列) (MDX)

文字列式で指定されたメンバを返します。

NextMember (MDX)

指定されたメンバを含むレベル内にある次のメンバを返します。

OpeningPeriod (MDX)

指定されたレベル内、または指定されたメンバの子孫の中から最初の兄弟を返します。

ParallelPeriod (MDX)

前の期間から、指定されたメンバと同じ相対位置にあるメンバを返します。

Parent (MDX)

メンバの親メンバを返します。

PrevMember (MDX)

指定されたメンバを含むレベルにある直前のメンバを返します。

StrToMember (MDX)

MDX 形式の文字列によって指定されているメンバを返します。

UnknownMember (MDX)

レベルまたはメンバに関連付けられている不明なメンバを返します。

ValidMeasure (MDX)

適用できないディメンションをトップ レベルにすることにより、仮想キューブ内の有効なメジャーを返します。

数値関数

関数

説明

Aggregate (MDX)

指定されたセットの組に対し、メジャーを集計するか、またはオプションとして指定された数値式を集計することによって、スカラ値を返します。

Avg (MDX)

指定されたセットに対して評価されるメジャーの平均値、またはオプションで指定した数値式の平均値を返します。

CalculationCurrentPass (MDX)

指定されたクエリ コンテキストで、キューブの現在の計算パスを返します。

CalculationPassValue (MDX)

キューブに対して指定された計算パスを評価し、MDX 式の値を返します。

CoalesceEmpty (MDX)

空のセル値を数値または文字列に連結し、連結後の値を返します。

Correlation (MDX)

セットに対して評価される 2 つの系列の相関係数を返します。

Count (ディメンション) (MDX)

キューブ内のディメンション数を返します。

Count (階層レベル) (MDX)

ディメンション内または階層内のレベル数を返します。

Count (セット) (MDX)

セット内のセル数を返します。

Count (組) (MDX)

組内のディメンション数を返します。

Covariance (MDX)

バイアスをかけた母集団の公式を使用して、セットに対して評価される 2 つの系列の母共分散を返します。

CovarianceN (MDX)

バイアスをかけない母集団の公式を使用して、セットに対して評価される 2 つの系列のサンプル共分散を返します。

DistinctCount (MDX)

セット内の重複しない空以外の組の数を返します。

IIf (MDX)

論理テストによって判別される 2 つの値の 1 つを返します。

LinRegIntercept (MDX)

セットの線型回帰を計算し、回帰直線 y = ax + b の切片の値を返します。

LinRegPoint (MDX)

セットの線型回帰を計算し、回帰直線 y = ax + b の y の値を返します。

LinRegR2 (MDX)

セットの線型回帰を計算し、決定係数 R2 を返します。

LinRegSlope (MDX)

セットの線型回帰を計算し、回帰直線 y = ax + b の傾きの値を返します。

LinRegVariance (MDX)

セットの線型回帰を計算し、回帰直線 y = ax + b に関連付けられた変位を返します。

LookupCube (MDX)

同じデータベース内で別に指定されたキューブに対して評価される MDX 式の値を返します。

Max (MDX)

セットに対して評価される数値式の最大値を返します。

Median (MDX)

セットに対して評価される数値式の中央値を返します。

Min (MDX)

セットに対して評価される数値式の最小値を返します。

Ordinal (MDX)

レベルに関連付けられた 0 から始まる序数値を返します。

Predict (MDX)

データ マイニング モデルに対して評価される数値式の値を返します。

Rank (MDX)

指定されたセット内での指定された組のランクを返します。ランクの基点は 1 です。

RollupChildren (MDX)

指定された単項演算子を使用して、指定されたメンバの子メンバの値をロール アップして生成した値を返します。

Stddev (MDX)

Stdev (MDX) の別名です。

StddevP (MDX)

StdevP (MDX) の別名です。

Stdev (MDX)

バイアスをかけない母集団の公式を使用して、セットに対して評価される数値式のサンプル標準偏差を返します。

StdevP (MDX)

バイアスをかけた母集団の公式を使用して、セットに対して評価される数値式の母標準偏差を返します。

StrToValue (MDX)

MDX 形式の文字列によって指定されている値を返します。

Sum (MDX)

セットに対して評価される数値式の合計を返します。

Value (MDX)

メジャーの値を返します。

Var (MDX)

バイアスをかけない母集団の公式を使用して、セットに対して評価される数値式のサンプル分散を返します。

Variance (MDX)

Var (MDX) の別名です。

VarianceP (MDX)

VarP (MDX) の別名です。

VarP (MDX)

バイアスをかけた母集団の公式を使用して、セットに対して評価される数値式の母分散を返します。

集合関数

関数

説明

AddCalculatedMembers (MDX)

計算されるメンバを指定されたセットに追加して生成したセットを返します。

AllMembers (MDX)

指定されたディメンション、階層、レベルのすべてのメンバ (計算されるメンバも含む) を含むセットを返します。

Ancestors (MDX)

メンバの先祖のうち、指定されたレベルまたは距離にあるすべての先祖のセットを返します。

Ascendants (MDX)

指定されたメンバ自体も含めたメンバの先祖のセットを返します。

Axis (MDX)

軸で定義されるセットを返します。

BottomCount (MDX)

セットを昇順に並べ替え、値の小さい方から指定された数の組を返します。

BottomPercent (MDX)

セットを昇順で並べ替え、累積合計が指定された割合以下になるように、値の小さい方から組のセットを作成して返します。

BottomSum (MDX)

セットを昇順で並べ替え、合計が指定された値以下になるように、値の小さい方から組のセットを作成して返します。

Children (MDX)

指定されたメンバの子メンバを返します。

Crossjoin (MDX)

1 つ以上のセットのクロス積を返します。

CurrentOrdinal (MDX)

繰り返し処理中に、セット内の現在の繰り返し数を返します。

Descendants (MDX)

メンバの子孫のうち、指定されたレベルまたは距離にある子孫のセットを返します。他のレベルの子孫を含めたり除外したりすることも可能です。

Distinct (MDX)

指定されたセットから重複した組を削除して、セットを返します。

DrilldownLevel (MDX)

セットのメンバを、そのセットの最下位レベルの 1 レベル下にドリル ダウンします。または、指定されたレベルの 1 レベル下にドリル ダウンします。

DrilldownLevelBottom (MDX)

セットの最下位メンバを、指定されたレベルから 1 レベル下にドリル ダウンします。

DrilldownLevelTop (MDX)

セットの最上位メンバを、指定されたレベルから 1 レベル下にドリル ダウンします。

DrilldownMember (MDX)

2 番目に指定されたセット内に存在する、指定されたセットのメンバをドリル ダウンします。または、組のセットをドリル ダウンします。

DrilldownMemberBottom (MDX)

2 番目に指定されたセット内に存在する、指定されたセットのメンバをドリル ダウンします。結果セットは、指定された数のメンバに限定されます。または、組のセットをドリル ダウンします。

DrilldownMemberTop (MDX)

2 番目に指定されたセット内に存在する、指定されたセットのメンバをドリル ダウンします。結果セットは、指定された数のメンバに限定されます。または、組のセットをドリル ダウンします。

DrillupLevel (MDX)

セットのメンバのうち、指定されたレベルの下位に属するメンバをドリル アップします。

DrillupMember (MDX)

2 番目に指定されたセット内に存在する、指定されたセットのメンバをドリル アップします。

Except (MDX)

2 つのセットの差異を検出します。重複部分を保持することも可能です。

Exists (MDX)

1 つのセットのメンバのうち、他の 1 つ以上のセットの 1 つ以上の組に存在するメンバのセットを返します。

Extract (MDX)

抽出されたディメンション要素から組のセットを返します。

Filter (MDX)

指定されたセットを検索条件に基づいて絞り込み、結果セットを返します。

Generate (MDX)

あるセットを別のセットの各メンバに適用し、その結果セットを和集合で結合します。または、セットに対して文字列式を評価し、作成された連結文字列を返します。

Head (MDX)

セットの先頭から、指定された数の要素を返します (重複要素も保持します)。

Hierarchize (MDX)

セットのメンバを階層化します。

Intersect (MDX)

指定された 2 つのセットの積集合を返します。重複部分を保持することも可能です。

LastPeriods (MDX)

指定されたメンバを含む、指定されたメンバまでのメンバのセットを返します。

Members (セット) (MDX)

ディメンション、レベル、階層のメンバのセットを返します。

Mtd (MDX)

時間ディメンションの年 (Year) レベルという制約の中で、指定されたメンバと同じレベルにある兄弟メンバのセットを返します。先頭は最初の兄弟、末尾は指定されたメンバになります。

NameToSet (MDX)

MDX 形式の文字列によって指定されているメンバを含むセットを返します。

NonEmptyCrossjoin (MDX)

1 つ以上のセットのクロス積を 1 つのセットとして返します。ただし、空の組と、ファクト テーブル データに関連付けられていない組は含まれません。

Order (MDX)

指定されたセットのメンバを整列します。必要に応じて、階層を保持するか、解除するかを指定できます。

PeriodsToDate (MDX)

時間ディメンションで指定されているレベル内で、指定されたメンバと同じレベルにある兄弟メンバのセットを返します。先頭は最初の兄弟、末尾は指定されたメンバになります。

Qtd (MDX)

時間ディメンションの四半期 (Quarter) レベルという制約の中で、指定されたメンバと同じレベルにある兄弟メンバのセットを返します。先頭は最初の兄弟、末尾は指定されたメンバになります。

Siblings (MDX)

指定されたメンバ自体を含めて、メンバの兄弟を返します。

StripCalculatedMembers (MDX)

計算されるメンバを指定されたセットから削除して生成したセットを返します。

StrToSet (MDX)

MDX 形式の文字列によって指定されているセットを返します。

Subset (MDX)

指定されたセットから、組のサブセットを返します。

Tail (MDX)

セットの末尾からサブセットを返します。

ToggleDrillState (MDX)

メンバのドリル状態を切り替えます。

TopCount (MDX)

セットを降順に並べ替え、値の大きい方から指定された数の要素を返します。

TopPercent (MDX)

セットを降順で並べ替え、累積合計が指定された割合以下になるように、値の大きい方から組のセットを作成して返します。

TopSum (MDX)

セットを並べ替え、累積合計が指定された値以上になる最上位の要素を返します。

Union (MDX)

2 つのセットの和集合を返します。重複部分を保持することもできます。

Unorder (MDX)

指定されたセットから適用済みの順序設定を解除します。

VisualTotals (MDX)

指定されたセットの子メンバの合計を動的に算出することによって生成したセットを返します。結果のセル セットで親メンバの名前のパターンを使用することも可能です。

Wtd (MDX)

時間ディメンションの週 (Week) レベルという制約の中で、指定されたメンバと同じレベルにある兄弟メンバのセットを返します。先頭は最初の兄弟、末尾は指定されたメンバになります。

Ytd (MDX)

時間ディメンションの (Year) レベルという制約の中で、指定されたメンバと同じレベルにある兄弟メンバのセットを返します。先頭は最初の兄弟、末尾は指定されたメンバになります。

文字列関数

関数

説明

CalculationPassValue (MDX)

キューブの指定された計算パスを評価し、MDX 式の値を返します。

CoalesceEmpty (MDX)

空のセル値を数値または文字列に連結し、連結後の値を返します。

Generate (MDX)

あるセットを別のセットの各メンバに適用し、その結果セットを和集合で結合します。または、セットに対して文字列式を評価し、作成された連結文字列を返します。

IIf (MDX)

論理テストによって判別される 2 つの値の 1 つを返します。

LookupCube (MDX)

同じデータベース内で別に指定されたキューブに対して評価される MDX 式の値を返します。

MemberToStr (MDX)

指定されたメンバに対応する MDX 形式の文字列を返します。

Name (MDX)

ディメンション、階層、レベル、メンバの名前を返します。

Properties (MDX)

メンバ プロパティ値を含む文字列または厳密に型指定された値を返します。

SetToStr (MDX)

指定されたセットに対応する MDX 形式の文字列を返します。

TupleToStr (MDX)

指定された組に対応する MDX 形式の文字列を返します。

UniqueName (MDX)

指定されたディメンション、階層、レベル、メンバの一意の名前を返します。

UserName (MDX)

現在の接続のドメイン名とユーザー名を返します。

サブキューブ関数

関数

説明

This (MDX)

現在のサブキューブを返します。

Leaves (MDX)

指定されたディメンション、メンバ、組のリーフ メンバのセットを返します。

組関数

関数

説明

Current (MDX)

繰り返し処理の実行時に、セットから現在の組を返します。

Item (組) (MDX)

セットから組を返します。

Root (MDX)

キューブ、ディメンション、組の各属性階層から All メンバで構成される組を返します。

StrToTuple (MDX)

MDX 形式の文字列によって指定されている組を返します。

その他の関数

関数

説明

Error (MDX)

エラーを発生させます。指定されたエラー メッセージを示すこともできます。