低速ネットワークが引き起こす問題

レプリケーションでは、ネットワーク接続上でスナップショットおよび増分変更の形式でデータが配信されます。待機時間、スループット、信頼性など、ネットワークのパフォーマンスに影響を与えるすべての要因が、レプリケーションに影響を与えます。

ユーザーの操作

ネットワーク パフォーマンスの問題を緩和するのに役立つレプリケーション設定は存在しますが、レプリケーションは Microsoft Windows および MicrosoftSQL Server の接続コンポーネントによって作成される、基盤となるネットワーク接続に依存します。ネットワーク接続の待機時間が長い場合 (サテライト リンクなど) は、サブスクライバとパブリッシャの両方のコンピュータでオペレーティング システムの転送制御プロトコル (TCP) の設定を変更することを検討してください。Windows のネットワーク パラメータの詳細については、Microsoft の Web サイトを参照してください。

ネットワーク オプションを設定することに加え、以下の項目を考慮してください。

  • トランザクション レプリケーションでは、ディストリビューション エージェントのパラメータ -CommitBatchSize に低い値を設定することを検討してください。値を低くすると、スループットは低下しますが、信頼性の低いネットワークでの失敗が減り、失敗した場合にロールバックおよび再適用するトランザクションの数が減ります。このパラメータは、エージェント プロファイルまたはエージェント コマンド ラインで指定できます。

  • マージ レプリケーションの場合は、-DownloadGenerationsPerBatch-UploadGenerationsPerBatch、および -SrcThreads-DestThreads の各マージ エージェント パラメータに、低い値を設定することを検討してください。-DownloadGenerationsPerBatch-UploadGenerationsPerBatch の値を低くすると、スループットは低下しますが、信頼性の低いネットワークでの再試行の回数は減ります。これらのパラメータは、"低速リンク" というタイトルのエージェント プロファイルで指定されていますが、エージェント コマンド ラインで指定することもできます。これらのパラメータを設定することに加え、Web 同期の使用も検討してください。それにより、通常はネットワーク往復の回数が減ります。詳細については、「マージ レプリケーションの Web 同期」を参照してください。

    ネットワーク接続が、待機時間は長くても信頼できる場合は、-DownloadGenerationsPerBatch-UploadGenerationsPerBatch には既定値を使用し、-LoginTimeOut-QueryTimeOut には高い値を指定することを検討してください。

レプリケーション エージェントのパラメータの指定に関する詳細については、以下を参照してください。