レポート ビルダ 1.0

インフォメーション ワーカーは、時宜を得た効果的な決断を下すために、ビジネス データにアクセスする必要があります。そこで必要となるのが、基になるデータ ソースの構造を知らなくても情報を探索して見つけることのできる、強力で、使い方の簡単なツールです。SQL ServerReporting Services のコンポーネントの 1 つであるレポート ビルダは、こうしたニーズに対応するためにアドホック レポート機能を提供します。レポート ビルダは Reporting Services と完全に統合されています。

レポートの構築

レポート ビルダ ツールは、使い慣れた Microsoft Office のパラダイムを使用して構築されているため、ユーザーはすぐに使い方を把握できます。テーブル、マトリックス、またはグラフのレポートを構築するには、定義済みのデータ領域を含むレポート レイアウト テンプレートを使用して、定義済みのレポート モデルを選択します。レポート モデルには、データ フィールドなどのレポート アイテムが含まれています。これらのレポート アイテムを、テンプレート内のデータ領域にドラッグ アンド ドロップします。レポートにフィルタを適用すると、表示するデータを絞り込むことができます。レポート モデルには、要求されたデータを取得するクエリをレポート ビルダで自動的に生成するために必要な情報がすべて含まれています。レポート ビルダを使用すると、レポートの内容に関連するデータの検索、テキストと書式の追加、レポート モデル内のデータに基づく新しいフィールドや計算の作成、レポートのプレビュー、印刷、およびパブリッシュなどを行うことができます。

データの探索

レポート ビルダを使用すると、レポート モデル内の関連データを対話的に探索できます。クリックスルー レポートが自動的に生成されるので、レポートを表示するユーザーは、レポート モデルのナビゲーション パスに従ってデータを探索できます。現在のアイテムから辿ることのできるリレーションシップがある限り、データのクリックスルーを続けることができます。データをクリックスルーすると、ユーザーがレポートを作成するために使用しているデータに関する情報 (現在のデータの場所のコンテキスト) が渡されて、自動的にクエリが生成されます。

Reporting Services の機能の活用

レポート ビルダは、レポート サーバーからアクセスする ClickOnce Windows フォーム アプリケーションであるため、簡単に集中管理できます。レポート ビルダのレポートはレポート定義言語 (RDL) でパブリッシュされるので、これらのレポートをレポート デザイナまたはレポート ビルダ 2.0 の高度なプログラミング機能を使って開いたり変更したりして、Reporting Services のすべての機能を利用することができます。レポート ビルダのレポートの管理、セキュリティ保護、および配信には、レポート デザイナのレポートに使用されているのと同じメソッドや API が使用されます。さらに、レポート ビルダはサード パーティのアプリケーションから起動することもできるため、レポート機能の統合も実現できます。

注意注意

SQL Server 2008 レポート デザイナまたはレポート ビルダ 2.0 でレポート ビルダのレポートを開いて機能を追加すると、レポート ビルダでそのレポートを再度開くことができなくなります。

レポート ビルダは、URL を通じてアクセスすることも、レポート マネージャからアクセスすることもできます。レポート マネージャは Reporting Services のコンポーネントの 1 つであり、ユーザーはこれを使って、レポート サーバー上のレポートをパブリッシュしたり表示したりできます。レポート ビルダにアクセスするユーザーには、権限が割り当てられている必要があります。Reporting Services のために実装されるロールベースのセキュリティ モデルでは、コンテンツ マネージャ ロールに割り当てられているユーザーが、レポート ビルダでレポートの作成や編集を行うことができます。ローカル管理者は自動的にこのロールに割り当てられます。他のユーザーもレポート ビルダのレポートを操作できるようにするには、それらのユーザーのためのロールの割り当てを作成し、既定のロールとして "Report Builder" を含める必要があります。または、カスタムのロールの定義を作成することもできます。そのカスタム ロールに "レポートの使用" タスクが含まれていれば、そのロールに割り当てられたユーザーには、レポート ビルダを使用してレポートを作成および変更するための権限が与えられます。

注意注意

レポート ビルダがクライアント コンピュータに読み込まれると、独立したヘルプ ファイルを参照できるようになります。このヘルプ ファイルでは、レポート ビルダの概念について説明しています。また、手順および F1 ヘルプを紹介しています。