SQLdiag ユーティリティ
SQLdiag ユーティリティは、コンソール アプリケーションまたはサービスとして実行できる汎用的な診断収集ユーティリティです。SQLdiag を使用すると、SQL Server やその他の種類のサーバーからログ ファイルやデータ ファイルを収集したり、サーバーを一定期間にわたって監視したり、サーバーに関する特定の問題をトラブルシューティングしたりすることができます。SQLdiag は、Microsoft カスタマ サポート サービスによる診断情報収集の高速化と簡素化も目的としています。
注意 |
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SQL Server 2005 からは、SQLdiag ユーティリティが大きく変更されました。このユーティリティのコマンド ライン引数は SQL Server 2000 とは互換性がありません。ユーティリティは変更できますが、そのコマンド ライン引数や動作に依存するアプリケーションやスクリプトは今後のリリースで正常に機能しない場合があります。 |
SQLdiag が収集できる診断情報の種類は次のとおりです。
Windows パフォーマンス ログ
Windows イベント ログ
SQL Server Profiler トレース
SQL Server のブロッキング情報
SQL Server の構成情報
構成ファイル SQLDiag.xml を編集することで、SQLdiag が収集する情報の種類を指定することができます。これについては、次のセクションで説明します。
構文
sqldiag { [/?] } | { [/I configuration_file] [/O output_folder_path] [/P support_folder_path] [/N output_folder_management_option] [/M machine1 [ machine2 machineN]| @machinelistfile] [/C file_compression_type] [/B [+]start_time] [/E [+]stop_time] [/A SQLdiag_application_name] [/T { tcp [ ,port ] | np | lpc | via } ] [/Q] [/G] [/R] [/U] [/L] [/X] } | { [START | STOP | STOP_ABORT] } | { [START | STOP | STOP_ABORT] /A SQLdiag_application_name }
引数
/?
使用方法についての情報を表示します。/Iconfiguration_file
SQLdiag が使用する構成ファイルを設定します。既定では、/I は SQLDiag.Xml に設定されます。/Ooutput_folder_path
SQLdiag 出力を、指定されたフォルダにリダイレクトします。/O オプションが指定されない場合、SQLdiag 出力は、SQLdiag スタートアップ フォルダの下にある SQLDIAG という名前のサブフォルダに書き込まれます。SQLDIAG フォルダが存在しない場合、SQLdiag によって作成されます。注意 出力フォルダの場所は、/P で指定できるサポート フォルダの場所に応じて決まります。まったく別の場所に出力フォルダを設定するには、/O に完全なディレクトリ パスを指定します。
/Psupport_folder_path
サポート フォルダのパスを設定します。既定では、/P は SQLdiag 実行可能ファイルが存在するフォルダに設定されます。サポート フォルダには、XML 構成ファイル、Transact-SQL スクリプト、診断中にユーティリティが使用するその他のファイルなどの SQLdiag サポート ファイルが格納されています。このオプションを使用して、別のサポート ファイルのパスを指定すると、SQLdiag は指定されたフォルダに必要なサポート ファイルが存在しない場合、それらのファイルを指定されたフォルダへ自動的にコピーします。注意 現在のフォルダをサポート ファイルのパスとして設定するには、コマンド ラインの %cd% を次のように指定します。
SQLDIAG /P %cd%
/Noutput_folder_management_option
起動時に SQLdiag が出力フォルダを上書きまたは名前を変更するかどうかを設定します。使用できるオプションは次のとおりです。1 = 出力フォルダを上書きします (既定)。
2 = SQLdiag が起動したときに、SQLDIAG_00001、SQLDIAG_00002 のように、出力フォルダ名を変更します。現在の出力フォルダの名前が変更された後に、SQLdiag によって、既定の出力フォルダ SQLDIAG に出力が書き込まれます。
注意 SQLdiag は起動時に、現在の出力フォルダに出力を追加しません。既定の出力フォルダを上書きするか (オプション 1)、または既定のフォルダ名を変更して (オプション 2)、SQLDIAG という名前の新しい既定の出力フォルダに出力を書き込むかのどちらかです。
/Mmachine1 [ machine2machineN] | @machinelistfile
構成ファイルで指定されたコンピュータをオーバーライドします。既定では、構成ファイルは SQLDiag.Xml です。または /I パラメータで設定されます。複数のコンピュータを指定する場合、それぞれのコンピュータ名をスペースで区切ります。@machinelistfile を使用すると、構成ファイルに保存するコンピュータ一覧のファイル名が指定されます。
/Cfile_compression_type
SQLdiag 出力フォルダ ファイルで使用されるファイル圧縮の種類を設定します。使用できるオプションは次のとおりです。0 = なし (既定)。
1 = NTFS 圧縮を使用します。
/B [+]start_time
診断データの収集を開始する日時は、YYYYMMDD_HH:MM:SS の形式で指定します。
時間は 24 時間形式で指定します。たとえば、午後 2:00 は 14:00:00 と指定します。
現在の日時に対する相対時間を指定するには、日付部分を省略し、HH:MM:SS の部分を使用して時間数を示し、+ を先頭に付加します。たとえば、/B +02:00:00 と指定すると、SQLdiag は情報収集を開始するまで 2 時間待機します。
+ と start_time の間には空白を挿入しないでください。
過去の時間を開始時間に指定すると、SQLdiag は開始日を未来の開始日時に強制的に変更します。たとえば、/B 01:00:00 を指定していて、現在の時間が 08:00:00 の場合、SQLdiag はこの開始日を翌日の開始日に強制的に変更します。
SQLdiag は、ユーティリティが実行されているコンピュータ上のローカル時間を使用することに注意してください。
/E [+]stop_time
診断データの収集を停止する日時は、YYYYMMDD_HH:MM:SS の形式で指定します。
時間は 24 時間形式で指定します。たとえば、午後 2:00 は 14:00:00 と指定します。
現在の日時に対する相対時間を指定するには、日付を使用せず、HH:MM:SS の形式を使用して時間数を示し、+ を先頭に付加します。たとえば、/B +02:00:00 /E +03:00:00 を使用して開始時間と終了時間を指定すると、情報の収集を開始する前に SQLdiag は 2 時間待機し、それから情報の収集を 3 時間行い、停止して終了します。/B が指定されない場合、SQLdiag はすぐに診断情報の収集を開始し、/E で指定された日時に終了します。
+ と start_time または end_time との間には空白を挿入しないでください。
SQLdiag は、ユーティリティが実行されているコンピュータ上のローカル時間を使用することに注意してください。
/A SQLdiag_application_name
SQLdiag ユーティリティの複数のインスタンスの実行を、同一の SQL Server インスタンスに対して有効にします。各 SQLdiag_application_name によって、さまざまな SQLdiag インスタンスを識別します。SQLdiag_application_name インスタンスの名前と SQL Server インスタンスの名前には関連性はありません。
SQLdiag_application_name を使用すると、SQLdiag サービスの特定のインスタンスを開始または停止できます
(たとえば、
SQLDIAG START /ASQLdiag_application_name
)。/A は /R オプションと共に使用し、SQLdiag の特定のインスタンスをサービスとして登録することもできます (たとえば、
SQLDIAG /R /ASQLdiag_application_name)。
注意 SQLdiag は SQLdiag_application_name に指定されたインスタンス名に、自動的にプレフィックスの DIAG$ を付けます。これにより、SQLdiag をサービスとして登録する場合に、わかりやすいサービス名になります。
/T { tcp [ ,port ] | np | lpc | via }
指定されたプロトコルを使用して SQL Server のインスタンスに接続します。tcp [, port]
伝送制御プロトコル/インターネット プロトコル (TCP/IP)。必要に応じて接続のポート番号を指定することができます。np
名前付きパイプ。既定で、SQL Server の既定のインスタンスは、名前付きインスタンスの名前付きパイプ \\.\pipe\sql\query および \\.\pipe\MSSQL$<instancename>\sql\query でリッスンします。代替パイプの名前を使用して、SQL Server のインスタンスに接続することはできません。lpc
ローカル プロシージャ コールです。クライアントが、同じコンピュータ上で SQL Server のインスタンスに接続している場合は、この共有メモリ プロトコルを使用できます。via
仮想インターフェイス アダプタのプロトコルです。ハードウェア VIA に使用します。VIA の使用方法については、ハードウェアの製造元にお問い合わせください。
プロトコルの詳細については、「ネットワーク プロトコルの選択」を参照してください。
/Q
SQLdiag を非表示モードで実行します。/Q を使用すると、パスワード プロンプトなど、すべてのプロンプトが表示されなくなります。/G
SQLdiag を汎用モードで実行します。/G が指定されていると、SQLdiag はスタートアップ時に、SQL Server の接続チェックやユーザーが sysadmin 固定サーバー ロールのメンバであることの確認を行いません。その代わり、SQLdiag は、要求された各診断情報を収集するための適切な権限をユーザーが持っているかどうかの判断を Windows にゆだねます。/G が指定されていない場合、SQLdiag は、ユーザーが Windows の Administrators グループのメンバかどうかを判断するためのチェックを行い、ユーザーが Administrators グループのメンバではない場合は SQL Server の診断情報を収集しません。
/R
SQLdiag をサービスとして登録します。SQLdiag をサービスとして登録する場合に指定されるコマンド ライン引数は、後でサービスを実行するときのために維持されます。SQLdiag がサービスとして登録されると、既定のサービス名は SQLDIAG となります。既定のサービス名は /A 引数を使用して変更できます。
サービスを開始するには、次のとおり START コマンド ライン引数を使用します。
SQLDIAG START
net start コマンドを次のように使用してサービスを開始することもできます。
netstart SQLDIAG
/U
SQLdiag のサービスとしての登録を解除します。/A 引数を使用して、名前付きの SQLdiag インスタンスの登録を解除することもできます。
/L
/B 引数または /E 引数それぞれに、開始時刻または終了時刻も指定されている場合に、SQLdiag を連続モードで実行します。SQLdiag は、定期的なシャットダウンによって診断情報の収集が停止した場合、自動的に再起動されます。たとえば、/E 引数または /X 引数で使用されます。注意 SQLdiag は、/B および /E コマンド ライン引数を使用して、開始時刻または終了時刻が指定されていない場合には、/L 引数を無視します。
/L を使用しても、暗黙にサービス モードになることはありません。SQLdiag をサービスとして実行するときに /L を使用する場合は、サービスの登録時にコマンド ラインで指定します。
/X
SQLdiag をスナップショット モードで実行します。SQLdiag は、構成したすべての診断情報のスナップショットを作成してから、自動的にシャットダウンします。START | STOP | STOP_ABORT
SQLdiag サービスを開始または停止します。STOP_ABORT は、現在実行されている診断収集が終了していなくても、できるだけ早く強制的にサービスをシャットダウンします。このサービス コントロール引数は、コマンド ラインで使用される最初の引数であることが必要です。たとえば、次のとおりです。
SQLDIAG START
START、STOP、または STOP_ABORT と共に使用し、SQLdiag サービスの特定のインスタンスを制御できるのは、SQLdiag の名前付きインスタンスを指定した /A 引数のみです。たとえば、次のとおりです。
SQLDIAG START /ASQLdiag_application_name)。
セキュリティ要件
SQLdiag を汎用モード (/G コマンド ライン引数を指定) 以外のモードで実行する場合は、SQLdiag を実行するユーザーは、Windows Administrators グループのメンバ、および SQL Serversysadmin 固定サーバー ロールのメンバであることが必要です。既定では、SQLdiag は Windows 認証を使用して SQL Server に接続しますが、SQL Server 認証もサポートされます。
パフォーマンスに関する注意点
SQLdiag を実行した場合のパフォーマンスへの影響は、収集用に構成した診断データの種類によって異なります。たとえば、SQL Server Profiler のトレース情報を収集するように SQLdiag を構成した場合、トレースを選択したイベント クラスの数に従ってサーバー パフォーマンスも影響を受けます。
SQLdiag の実行によるパフォーマンスへの影響は、構成した診断データを個別に収集する場合のコストの合計とほぼ同じになります。たとえば、SQLdiag でトレースを収集すると、SQL Server Profiler で収集した場合と同じパフォーマンス コストが生じます。SQLdiag を使用した場合のパフォーマンスへの影響は無視しても問題ありません。
必要なディスク領域
SQLdiag ではさまざまな種類の診断情報を収集することができるため、SQLdiag の実行に必要な空きディスク領域は、状況に応じて異なります。収集される診断情報の量は、サーバーが処理している作業負荷の特性および量によって異なり、数 MB から数 GB までの範囲となる可能性があります。
構成ファイル
スタートアップ時に、SQLdiag は構成ファイルおよび指定されたコマンド ライン引数を読み取ります。SQLdiag が収集する診断情報の種類は、構成ファイルに指定します。既定では、SQLdiag は SQLdiag ユーティリティ スタートアップ フォルダにある SQLDiag.Xml 構成ファイルを使用します。この構成ファイルはツールが起動されるたびに抽出されます。構成ファイルでは、XML スキーマである SQLDiag_schema.xsd が使用されます。このスキーマ ファイルは、SQLdiag を実行するたびに、実行可能ファイルからユーティリティ スタートアップ ディレクトリへ抽出されます。
構成ファイルの編集
SQLDiag.Xml のコピーや編集によって、SQLdiag が収集する診断データの種類を変更することができます。構成ファイルを編集する場合は必ず、Management Studio など、XML スキーマに対して構成ファイルを検証できる XML エディタを使用します。SQLDiag.Xml は直接編集しないでください。代わりに、SQLDiag.Xml のコピーを作成し、同じフォルダで新しいファイル名に変更します。次にその新規のファイルを編集し、/I 引数を使用して SQLdiag に渡します。
SQLdiag をサービスとして実行する場合の構成ファイルの編集
SQLdiag をサービスとして既に実行していて、構成ファイルを編集する必要がある場合は、/U コマンド ライン引数を指定して SQLDIAG サービスの登録を解除します。次に、/R コマンド ライン引数を使用してサービスを再登録します。サービスの登録を解除、再登録すると、Windows レジストリにキャッシュされた古い構成情報が削除されます。
出力フォルダ
出力フォルダが /O 引数で指定されない場合、SQLdiag は、SQLdiag スタートアップ フォルダの下に SQLDIAG という名前のサブフォルダを作成します。SQL Server Profiler など、大容量のトレースを伴う診断情報の収集を行う場合は、出力フォルダが、要求される診断出力を格納するのに十分な空き領域を持つローカル ドライブにあることを確認してください。
SQLdiag を再起動すると、出力フォルダの内容が上書きされます。上書きしない場合は、コマンド ラインで /N 2 を指定します。
データ収集プロセス
SQLdiag を起動すると、SQLDiag.Xml で指定された診断情報を収集するための初期化チェックが実行されます。このプロセスには数分かかる場合があります。コンソール アプリケーションとして実行した場合に SQLdiag が診断データの収集を開始すると、メッセージが表示されます。このメッセージは、SQLdiag による収集が開始され、Ctrl キーを押しながら C キーを押すと停止できることを通知するものです。SQLdiag がサービスとして実行されると、同様のメッセージが Windows イベント ログに書き込まれます。
SQLdiag を使用して、再現可能な問題を診断する場合、このメッセージを受け取ってから、問題をサーバー上で再現する必要があります。
SQLdiag は、多数の診断データを並行して収集します。情報が Windows パフォーマンス ログおよびイベント ログから収集される場合を除いて、すべての診断情報は、SQL Serversqlcmd ユーティリティや Windows コマンド プロセッサなどのツールに接続することで収集されます。SQLdiag は、1 台のコンピュータにつき 1 つのワーカー スレッドを使用して、これらのツールによる診断データの収集を監視します。通常、複数のツールが終了するのを同時に待機します。収集プロセスの間、SQLdiag は出力を各診断から出力フォルダへルーティングします。
データ収集の停止
SQLdiag が診断データの収集を開始した後は、これを停止するか、指定した時間に停止するように構成しない限り、データ収集は継続されます。SQLdiag が指定された時間に停止するように構成するには、停止時間の指定ができる /E 引数を使用するか、SQLdiag をスナップショット モードで実行する /X 引数を使用します。
SQLdiag が停止すると、開始されていたすべての診断情報が停止されます。たとえば、SQL Server Profiler トレースの収集を停止すると、実行中の Transact-SQL スクリプトが停止され、データ収集中に発生したすべてのサブ プロセスも停止されます。診断データの収集が完了した後で、SQLdiag が終了します。
注意 |
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SQLdiag サービスの一時停止はサポートされていません。SQLdiag サービスの一時停止を試行した場合は、一時停止したときに実行されている診断収集が完了してからサービスが停止されます。停止した SQLdiag を再開すると、アプリケーションが再起動され、出力フォルダが上書きされます。この出力フォルダを上書きしない場合は、コマンド ラインで /N 2 を指定します。 |
コンソール アプリケーションとしての実行時に SQLdiag を停止するには
SQLdiag をコンソール アプリケーションとして実行している場合、これを停止するには、SQLdiag が実行されているコンソール ウィンドウで Ctrl キーを押しながら C キーを押します。Ctrl キーを押しながら C キーを押した後、コンソール ウィンドウにメッセージが表示され、SQLdiag データ収集が終了したこと、およびプロセスがシャットダウンされるまで待機する必要があることが通知されます。プロセスのシャットダウンには数分かかる場合があります。
2 度続けて、Ctrl キーを押しながら C キーを押すと、すべての子診断プロセスが停止し、アプリケーションが直ちに終了します。
サービスとしての実行時に SQLdiag を停止するには
SQLdiag をサービスとして実行する場合、SQLdiag スタートアップ フォルダの SQLDiag STOP を実行してサービスを停止します。
同一のコンピュータ上で SQLdiag のインスタンスを複数実行している場合、サービスを停止するときに、SQLdiag インスタンス名をコマンド ラインに渡すこともできます。たとえば、Instance1 という名前の SQLdiag インスタンスを停止するには、次の構文を使用します。
SQLDIAG STOP /A Instance1
注意 |
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/A は、START、STOP、または STOP_ABORT と共に使用できる唯一のコマンド ライン引数です。SQLdiag の名前付きインスタンスをサービスのコントロール動詞のいずれかと共に指定する必要がある場合、上記の構文例に示したように、コマンド ラインでコントロール動詞の後に /A を指定します。コントロール動詞を使用するときは、コマンド ラインの最初の引数であることが必要です。 |
できるだけ早くサービスを停止するには、ユーティリティ スタートアップ フォルダで SQLDIAG STOP_ABORT を実行します。このコマンドは、現在実行されている診断収集の終了を待たずに、収集を中断します。
注意 |
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SQLdiag サービスを停止するには、SQLDiag STOP または SQLDIAG STOP_ABORT を使用します。SQLdiag またはその他の SQL Server サービスを停止する場合は、Windows サービス コンソールは使用しないでください。 |
SQLdiag の自動開始と停止
指定された時間に診断データ収集を自動的に開始および停止するには、/Bstart_time 引数と /Estop_time 引数を使用します (24 時間形式を使用)。たとえば、ほぼ 02:00:00 に定期的に発生する問題のトラブルシューティングを行う場合、01:00 に診断データの収集を自動的に開始して、03:00:00 に自動的に終了するように SQLdiag を構成することができます。開始時間および終了時間を指定するには、/B 引数と /E 引数を使用します。24 時間表記を使用して、YYYYMMDD_HH:MM:SS 形式で開始日時と終了日時を正確に指定します。開始時間や終了時間を相対的に指定するには、次の例のように、開始時間および終了時間の前に + を付け、日付部分 (YYYYMMDD_) を省略します。次の例では、SQLdiag は情報の収集を開始する前に 1 時間待機し、それから情報の収集を 3 時間行い、停止して終了します。
sqldiag /B +01:00:00 /E +03:00:00
相対的な start_time が指定された場合、SQLdiag は、現在の日時を基準とした相対的な時間に開始されます。相対的な end_time が指定された場合、SQLdiag は、指定された start_time を基準とした相対的な時間に終了します。指定した開始日時または終了日時が過去の場合、SQLdiag は開始日を未来の開始日時に強制的に変更します。
これは、選択する開始日および終了日に対して重大な影響があります。次の例を参照してください。
sqldiag /B +01:00:00 /E 08:30:00
現在の時間が 08:00 の場合、終了時間は、診断の収集が実際に開始される時間よりも過去の時間になってしまいます。指定した時間が過去となった場合、SQLdiag は自動的に開始日および終了日を次の日に調整するため、この例では、診断収集は今日の 09:00 (相対開始時間が + で指定されている) に開始され、翌朝の 08:30 まで収集が継続されます。
診断を毎日収集するための SQLdiag の停止と再起動
SQLdiag を手動で開始および停止せずに、指定した診断のセットを毎日収集するには、/L 引数を指定します。/L 引数により、定期的なシャットダウンの後で自動的に再起動されるため、SQLdiag は継続的に実行されます。/L が指定されている場合で、/E 引数で指定された終了時間に到達したために SQLdiag 引数が停止する、または /X 引数を使用してスナップショット モードで実行されているために停止する場合、SQLdiag は終了せずに再起動されます。
次の例では、SQLdiag は継続モードで実行され、診断データの収集が 03:00:00 から 05:00:00 まで行われた後、自動的に再起動されます。
sqldiag /B 03:00:00 /E 05:00:00 /L
次の例では、SQLdiag は継続モードで実行され、診断データ スナップショットが 03:00:00 に作成された後、自動的に再起動されます。
sqldiag /B 03:00:00 /X /L
サービスとしての SQLdiag の実行
SQLdiag を使用して長期間にわたる診断データを収集するとき、その収集期間中に、SQLdiag が実行されているコンピュータからログアウトしなければならない場合は、サービスとして実行する必要があります。
サービスとしての実行する SQLdiag を登録するには
SQLdiag を登録して、サービスとして実行するには、コマンド ラインで /R 引数を指定します。これにより、SQLdiag が登録され、サービスとして実行されます。SQLdiag サービス名は SQLDIAG です。SQLdiag をサービスとして登録するときにコマンド ラインに指定したその他の引数は維持され、サービスの開始時に再使用されます。
既定の SQLDIAG サービス名を変更するには、/A コマンド ライン引数を使用して、別の名前を指定します。SQLdiag は /A で指定されたどの SQLdiag インスタンスにも、自動的にプレフィックスの DIAG$ を付け、わかりやすいサービス名を作成します。
SQLDIAG サービスの登録を解除するには
サービスの登録を解除するには、/U 引数を指定します。サービスとしての SQLdiag の登録を解除すると、Windows サービスのレジストリ キーも削除されます。
SQLDIAG サービスを開始または再起動するには
SQLDIAG サービスを開始または再起動するには、コマンド ラインから SQLDiag START を実行します。
/A 引数を使用して、複数の SQLdiag インスタンスを実行する場合、サービスを開始するときに、コマンド ラインの SQLdiag インスタンス名を渡すこともできます。たとえば、Instance1 という名前の SQLdiag インスタンスを開始するには、次の構文を使用します。
SQLDIAG START /A Instance1
net start コマンドを使用して SQLDIAG サービスを開始することもできます。
SQLdiag を再起動すると、現在の出力フォルダの内容が上書きされます。上書きしない場合は、コマンド ラインで /N 2 を指定して、ユーティリティが起動するときに、出力フォルダの名前を変更します。
SQLdiag サービスの一時停止はサポートされていません。
複数の SQLdiag インスタンスの実行
同一コンピュータ上で複数の SQLdiag インスタンスを実行するには、コマンド ラインで /ASQLdiag_application_name を指定します。これは、同一の SQL Server インスタンスから別の診断セットを同時に収集する場合に便利です。たとえば、簡単なデータ収集を連続して実行するように、SQLdiag の名前付きインスタンスを構成できます。SQL Server で特定の問題が発生した場合は、既定の SQLdiag インスタンスを実行し、その問題に対する診断データを収集したり、Microsoft カスタマ サポート サービスが収集を要望している問題に対する一連の診断データを収集したりできます。
クラスタ化された SQL Server インスタンスからの診断データの収集
SQLdiag は、クラスタ化された SQL Server インスタンスからの診断データの収集をサポートしています。クラスタ化された SQL Server インスタンスから診断データを収集するには、構成ファイル SQLDiag.Xml 内にある <Machine> 要素の name 属性に "." が指定されていることを確認してください。コマンド ラインで /G 引数は指定しないでください。既定では、構成ファイル内の name 属性に対して "." が指定されていて、/G 引数はオフになっています。通常、クラスタ化された SQL Server インスタンスから収集する場合、構成ファイルの編集やコマンド ライン引数の変更は必要ありません。
"." がコンピュータ名として指定されている場合、SQLdiag はこのコンピュータがクラスタ上で実行されていることを検出し、同時に、クラスタ上にインストールされているすべての仮想 SQL Server から診断情報を取得します。コンピュータ上で実行されている 1 つの仮想 SQL Server のみから診断情報を収集する場合、SQLDiag.Xml 内の <Machine> 要素の name 属性に対して仮想 SQL Server を指定します。
注意 |
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クラスタ化された SQL Server インスタンスから SQL Server Profiler トレース情報を収集するには、管理共有 (ADMIN$) をクラスタ上で有効にする必要があります。 |