書き込み許可パーティション

キューブ内のデータは通常、読み取り専用です。ただし、シナリオによっては、パーティションに書き込み許可を設定する必要が生じます。書き込み許可パーティションを使用すると、ビジネス ユーザーは、セル値を変更し、その変更がキューブ データに与える影響を分析して、シナリオを調べることができます。パーティションを書き込み許可にすると、クライアント アプリケーションは、パーティションのデータへの変更内容を記録できます。これらの変更内容は、書き戻しデータとして知られており、個別のテーブルに格納され、メジャー グループの既存のデータは上書きされません。ただし、キューブ データの一部のように、クエリ結果に組み込まれます。

キューブ全体を書き込み許可にすることも、キューブ内の特定のパーティションのみを書き込み許可にすることもできます。書き込み許可ディメンションは、互いに異なりますが補完的です。書き込み許可パーティションではパーティション セルを更新でき、書き込み許可ディメンションではディメンション メンバを更新できます。また、これらの 2 つの機能を組み合わせて使用することもできます。たとえば、書き込み許可キューブまたは書き込み可能パーティションには、書き込み許可ディメンションを含める必要はありません。関連項目 :書き込み許可ディメンション

注意注意

データ ソースとして Microsoft Access データベースを持つキューブを書き込み許可にするときは、キューブ、パーティション、またはディメンションのデータ ソース定義に Microsoft OLE DB Provider for ODBC Drivers を使用しないでください。代わりに、Microsoft Jet 4.0 OLE DB Provider、または Jet 4.0 OLE を含む任意のバージョンの Jet Service Pack を使用できます。詳細については、サポート技術情報の資料「Microsoft Jet 4.0 データベース エンジン用の最新の Service Pack の入手方法」を参照してください。

キューブを書き込み許可にできるのは、そのすべてのメジャーに Sum 集計関数が使用されている場合だけです。リンク メジャー グループとローカル キューブは書き込み許可にできません。

書き戻しストレージ

ビジネス ユーザーによるすべての変更は、現在表示中の値との差分として書き戻しテーブルに格納されます。たとえば、エンド ユーザーがあるセル値を 90 から 100 に変更した場合、書き戻しテーブルには値 +10 が格納されます。このとき、変更時刻および変更を行ったビジネス ユーザーに関する情報も格納されます。クライアント アプリケーションには、蓄積された変更の最終結果が表示されます。キューブにある元の値はそのまま維持され、変更の監査記録は書き戻しテーブルに記録されます。

リーフ セルおよび非リーフ セルへの変更の処理は異なります。リーフ セルは、メジャー グループによって参照されるすべてのディメンションのメジャーとリーフ メンバの交差部分を表します。リーフ セルの値は、ファクト テーブルから直接取得されるものであり、ドリル ダウンでそれ以上分割することはできません。キューブまたはいずれかのパーティションが書き込み可能であれば、リーフ セルに変更を加えることができます。非リーフ セルに変更を加えることができるのは、その非リーフ セルを構成するリーフ セル間で変更を配布する方法がクライアント アプリケーションに用意されている場合だけです。このプロセスは、"割り当て" と呼ばれ、多元式 (MDX) の UPDATE CUBE ステートメントを介して管理されます。ビジネス インテリジェンスの開発者は、UPDATE CUBE ステートメントを使用して、割り当て機能を含めることができます。詳細については、「UPDATE CUBE ステートメント (MDX)」を参照してください。

重要な注意事項重要

更新されるセルが重ならない場合は、Update Isolation Level 接続文字列プロパティを使用して、UPDATE CUBE のパフォーマンスを向上させることができます。詳細については、「ConnectionString」を参照してください。

非リーフ セルに加えられた変更がクライアント アプリケーションによって配布されるかどうかに関係なく、クエリが評価されるときは必ず、書き戻しテーブル内の変更がリーフ セルと非リーフ セルの両方に適用されるため、ビジネス ユーザーは変更がキューブ全体に与える影響を調べることができます。

ビジネス ユーザーが行った変更は、独立した書き戻しテーブルに保持されます。このテーブルを使用して、次の操作を実行できます。

  • パーティションに変換して、変更を永続的にキューブに組み込む。このアクションはメジャー グループを読み取り専用にします。フィルタ式を指定して、変換する変更を選択できます。

  • 破棄して、パーティションを元の状態に戻す。このアクションはパーティションを読み取り専用にします。

セキュリティ

ビジネス ユーザーは、属しているロールにキューブのセルへの読み取り/書き込み権限が割り当てられている場合にのみキューブの書き戻しテーブルに変更内容を記録できます。ロールごとに、更新できるキューブ セルと更新できないキューブ セルを管理できます。詳細については、「キューブ アクセスの許可」を参照してください。