MDX による多次元データのクエリ

多次元式 (MDX) は、Microsoft Analysis Services で多次元データを操作および取得する際に使用するクエリ言語です。 MDX は XML for Analysis (XMLA) 仕様をベースとして、SQL Server Analysis Services 用の拡張機能を加えたものです。 MDX の式は、Analysis Services が評価することでセットやメンバーなどのオブジェクトを取得できる識別子、値、ステートメント、関数、および演算子の組み合わせです。また、文字列や数値などのスカラー値も使用されます。

SQL Server Analysis Services の MDX クエリおよび MDX 式は、次の操作を実行するために使用されます。

  • SQL Server Analysis Services キューブからクライアント アプリケーションにデータを返す。

  • クエリ結果の書式を設定する。

  • 計算されるメンバー、名前付きセット、スコープ割り当て、および主要業績評価指標 (KPI) の定義など、キューブのデザイン タスクを実行する。

  • ディメンションおよびセルのセキュリティなど、管理タスクを実行する。

MDX は、一見、多くの点で、リレーショナル データベースで通常使用される SQL 構文に似ています。 ただし、MDX は、SQL 言語を拡張したものではなく、SQL とは多くの点で異なります。 キューブをデザインしたりセキュリティで保護する際に使用する MDX 式の作成、または多次元データを返して書式を設定する MDX クエリの作成を行うには、MDX の基本的な概念と、ディメンション モデリング、MDX 構文要素、MDX 演算子、MDX ステートメント、および MDX 関数を理解しておく必要があります。

注意

詳細については、Microsoft TechNet Web サイトの「SQL Server 2005 - Analysis Services」ページにある「その他のリソース」セクションを参照してください。 MDX クエリおよび計算に関連するパフォーマンスの問題の詳細については、「SQL Server 2005 Analysis Services パフォーマンス ガイド」の「効率的な MDX の記述」を参照してください。

このセクションの内容

トピック

説明

MDX の主な概念 (Analysis Services)

多次元式 (MDX) を使用すると、多次元データに対するクエリの実行や、キューブ内で使用する MDX 式の作成を行うことができますが、まず SQL Server Analysis Services のディメンションの概念と用語を理解しておく必要があります。

MDX クエリの基礎 (Analysis Services)

多次元式 (MDX) を使用すると、多次元オブジェクト (キューブなど) に対してクエリを実行し、キューブ データが格納された多次元セル セットを返すことができます。 このトピックとサブトピックでは、MDX クエリの概要を説明します。

MDX スクリプティングの基礎 (Analysis Services)

SQL Server Analysis Services の多次元式 (MDX) スクリプトは、計算結果をキューブに格納する 1 つ以上の MDX 式またはステートメントで構成されます。

MDX スクリプトはキューブの計算プロセスを定義します。 また、MDX スクリプト自体がキューブの一部分だと考えることもできます。 したがって、キューブに関連した MDX スクリプトの内容を変更すると、即座にキューブの計算プロセスが変更されることになります。

MDX スクリプトを生成するには、SQL Server データ ツール (SSDT) でキューブ デザイナーを使用できます。

関連項目

概念

MDX 構文の要素 (MDX)

MDX 言語リファレンス (MDX)