PowerPivot for SharePoint のインストール

PowerPivot for SharePoint は、SharePoint 2010 ファームでの PowerPivot データ アクセスを提供する中間層のバックエンド サービスです。 組織で分析データを格納するブックの作成にクライアント アプリケーションの PowerPivot for Excel を使用する場合、サーバー環境でそのデータにアクセスするためには PowerPivot for SharePoint が必要です。

注意

SQL Server 2012 SP1 および SharePoint Server 2013 のインストールについては、以下を参照してください。

このトピックの内容は次のとおりです。

前提条件

手順 1. PowerPivot for SharePoint のインストール

手順 2. サーバーの構成

手順 3. Excel Services アプリケーション サーバーへの Analysis Services OLE DB プロバイダーのインストール

手順 4. インストールの確認

PowerPivot と Reporting Services を同じサーバーにインストールする方法については、「配置のチェック リスト: Reporting Services、Power View、および PowerPivot for SharePoint」を参照してください。

必要条件

SQL Server セットアップを実行するには、ローカル管理者である必要があります。

PowerPivot for SharePoint には SharePoint Server 2010 Enterprise Edition が必要です。 評価版の Enterprise Edition を使用することもできます。

SharePoint Server 2010 SP1 をインストールする必要があります。 これがないと、SQL Server 2012 の機能を使用するようにファームを構成できません。

コンピューターがドメインに参加する必要があります。

Analysis Services を準備するには、ドメイン ユーザー アカウントが必要です。 PowerPivot for SharePoint のインストールでは、Analysis Services サービス アカウントは、サーバーの全体管理から管理できるように、ドメイン ユーザーである必要があります。

PowerPivot インスタンスの名前を使用できる必要があります。 PowerPivot の名前のインスタンスが既に存在するコンピューターに、PowerPivot for SharePoint をインストールすることはできません。

既存のファームに PowerPivot for SharePoint をインストールする場合は、クラシック モード認証用に構成された SharePoint Web アプリケーションが 1 つ以上必要です。 PowerPivot データ アクセスは、Web アプリケーションがクラシック モード認証をサポートする場合にのみ機能します。 クラシック モードの要件の詳細については、「PowerPivot の認証および承認」を参照してください。

次の追加トピックを確認し、システムとバージョンの要件を理解してください。

手順 1. PowerPivot for SharePoint のインストール

この手順では、SQL Server セットアップを実行して PowerPivot for SharePoint をインストールします。 後続の手順では、サーバーをインストール後のタスクとして構成します。

  1. インストール メディアを挿入するか、SQL Server のセットアップ ファイルが格納されているフォルダーを開きます。

  2. 左側のナビゲーション ウィンドウで [インストール] をクリックします。

  3. [SQL Server の新規スタンドアロン インストールを実行するか、既存のインストールに機能を追加します] をクリックします。

  4. [セットアップ サポート ルール] ページで警告を確認し、[OK] をクリックします。

  5. [プロダクト キー] ページで、評価版を指定するか、Enterprise Edition のライセンス コピーのプロダクト キーを入力します。

    [次へ] をクリックします。

  6. マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意し、[次へ] をクリックします。

  7. セットアップ ファイルの更新を求めるメッセージが表示されたら、その指示に従ってください。

  8. [セットアップ サポート ルール] ページでは、インストールを妨げる可能性のある問題が特定されます。 リストを調べて、発生する可能性のある問題がシステムで検出されたかどうかを確認してください。

    ファイアウォールに警告が表示された SQL セットアップ サポート ルール

    注意

    Windows ファイアウォールが有効になっているので、ポートを開いてリモート アクセスを有効にするように求める警告が表示されます。 この警告は、通常、PowerPivot のインストールには該当しません。 PowerPivot サービスとデータ ファイルへの接続は、SharePoint サービス間の通信用に既に開かれているポートを使用して確立されます。

    [次へ] をクリックします。 SQL Server セットアップ プログラム ファイルがサーバーにインストールされるまで待機します。

  9. [セットアップ ロール] で [SQL Server PowerPivot for SharePoint] を選択します。

  10. オプションで、データベース エンジンのインスタンスをインストールに追加することができます。 新しいファームを設定し、ファームの構成とコンテンツ データベースを実行するデータベース サーバーが必要な場合は、この操作を実行できます。 データベース エンジンを追加した場合は、PowerPivot 名前付きインスタンスとしてインストールされます。 このインスタンスへの接続を指定する必要がある場合 (たとえば、ファーム構成ウィザードを使用してファームを構成する際にウィザード内で指定する場合など) は常に、データベースの名前を <servername>\PowerPivot の形式で入力します。

    GMNI_SetupUI_FeatureRole

  11. [次へ] をクリックします。

  12. [機能の選択] ページに、インストールされる機能の一覧が表示されます。この一覧は情報提供を目的としており、読み取り専用になっています。 このロールに対してあらかじめ選択されている項目を、追加または削除することはできません。 [次へ] をクリックします。

  13. [インストール ルール] ページで [次へ] をクリックします。

  14. [インスタンスの構成] ページに、"PowerPivot" というインスタンス名が表示されます。この名前は情報として示されており、読み取り専用になっています。 このインスタンス名は必須であり、変更することはできません。 ただし、ディレクトリ名とレジストリ キーをわかりやすく示した独自のインスタンス ID を入力することができます。 [次へ] をクリックします。

  15. [必要なディスク領域] ページで、機能をインストールできるだけの十分なディスク領域があることを確認し、[次へ] をクリックします。

  16. [サーバーの構成] ページで、必要なアカウント情報を入力します。

    SQL Server Analysis Services については、ドメイン ユーザー アカウントを指定する必要があります。 ビルトイン アカウントを指定しないでください。 ドメイン アカウントは、SharePoint サーバーの全体管理で Analysis Services サービス アカウントをマネージ アカウントとして管理するために必要です。

    [サーバーの構成] ページ、SQL Server セットアップ ウィザード

    SQL Server データベース エンジンと SQL Server エージェントを追加した場合は、サービスがドメイン ユーザー アカウントまたは既定の仮想アカウントで実行されるように構成できます。

    サービスを提供するために、自分のドメイン ユーザー アカウントを使用しないでください。 このようなアカウントを使用すると、ネットワークのリソースに対して持っている権限と同じ権限をサーバーに付与することになります。 悪意のあるユーザーがサーバーに侵入した場合、そのユーザーは管理者のドメイン資格情報でログインし、管理者と同じデータやアプリケーションをダウンロードしたり使用したりできるようになります。

  17. [次へ] をクリックします。

  18. データベース エンジンをインストールする場合は、[データベース エンジンの構成] ページが表示されます。 [データベース エンジンの構成] で [現在のユーザーの追加] をクリックして、データベース エンジン インスタンスに対する管理者権限をユーザー アカウントに付与します。 [次へ] をクリックします。

  19. [Analysis Services の構成] ページで、[現在のユーザーの追加] をクリックして、ユーザー アカウントに管理権限を付与します。 セットアップの完了後にサーバーを構成するには、管理権限が必要になります。

  20. 同じページで、同じく管理権限が必要なユーザーの Windows ユーザー アカウントを追加します。 たとえば、データベースの接続に関する問題のトラブルシューティングを行ったりバージョン情報を取得したりするために、SQL Server Management Studio で Analysis Services サービス インスタンスに接続するユーザーには、サーバーに対するシステム管理者権限が必要です。 サーバーのトラブルシューティングや管理を担当する可能性があるユーザーのユーザー アカウントをここで追加しておきます。

  21. [次へ] をクリックします。

  22. 残りの各ページで [次へ] をクリックし、[インストールの準備完了] ページまで進みます。

  23. [インストール] をクリックします。

手順 2. サーバーの構成

重要な注意事項重要

SQL Server 2012 データベース サーバーを使用する PowerPivot for SharePoint または SharePoint ファームを構成する前に、SharePoint 2010 SP1 をインストールする必要があります。 サービス パックをインストールしていない場合は、サーバーの構成を始める前にここでインストールしてください。

サーバーが構成されるまでは、インストールは完了しません。 このリリースでは、サーバー構成は、PowerPivot 構成ツール、全体管理、PowerShell のいずれかのアプローチを使用して、常にインストール後のタスクとして実行されます。 続行するには、次のいずれかのアプローチを使用します。

データベース エンジンのインスタンスへの接続PowerPivot for SharePoint をインストールした際に、SQL Server セットアップで、データベース エンジンのインスタンスをインストールに追加することを選択できました。 新しいファームを設定していて、ファームの構成とコンテンツ データベースを実行するデータベース サーバーが必要な場合は、データベース エンジンのインスタンスをインストールに追加できました。 データベース エンジンを追加した場合は、PowerPivot 名前付きインスタンスとしてインストールされています。 このインスタンスへの接続を指定する必要がある場合 (たとえば、ファーム構成ウィザードを使用してファームを構成する際にウィザード内で指定する場合など) は必ず、データベースの名前を <servername>\PowerPivot の形式で入力してください。

手順 3. Excel Services アプリケーション サーバーへの Analysis Services OLE DB プロバイダーのインストール

個々のアプリケーション サーバーで Excel Calculation Services と PowerPivot を実行する場合は、追加のインストール手順が必要となります。 Excel Calculation Services を実行しているアプリケーション サーバーに、適切なバージョンの Analysis Services OLE DB (MSOLAP) プロバイダーをインストールします。

  • SQL Server 2012 バージョンの MSOLAP は SQL Server セットアップに含まれているため、アプリケーション サーバーが PowerPivot アプリケーション サーバーではない場合にのみ、2012 バージョンの MSOLAP を明示的にインストールする必要があります。

    注意

    Excel Calculation Services アプリケーション サーバーには、グローバル アセンブリの Microsoft.AnalysisServices.Xmla.dll ファイルのインスタンスも必要です。 アプリケーション サーバーに .dll をインストールするには、SQL Server Management Studio をインストールします。 SQL Server セットアップ ウィザードの [機能の選択] ページで、[管理ツール - 完全] を選択します。

  • アプリケーション サーバーで古い PowerPivot ブックをサポートする必要がある場合は、SQL Server 2008 R2 バージョンの MSOLAP をインストールする必要があります。

検証手順を含むプロバイダーのインストールの詳細については、「SharePoint サーバーへの Analysis Services OLE DB プロバイダーのインストール」を参照してください。

手順 4. インストールの確認

この最後の手順では、SharePoint 2010 と PowerPivot for SharePoint の両方が完全に機能することを確認します。 手順については、「PowerPivot for SharePoint インストールの確認」を参照してください。

関連項目

タスク

配置のチェック リスト: ファームへの PowerPivot サーバーの追加によるスケールアウト

配置のチェック リスト: PowerPivot for SharePoint のマルチサーバー インストール

概念

PowerPivot for SharePoint インストール (SharePoint 2010)

配置のチェック リスト: Reporting Services、Power View、および PowerPivot for SharePoint