PowerPivot の機能について
PowerPivot for Excel は、Excel 2010 で強力なデータ分析を実行することによって、デスクトップにセルフサービス ビジネス インテリジェンス機能を提供するために使用できるアドインです。PowerPivot for Excel には、データの追加と準備に使用できるウィンドウ、および Excel ワークシートのデータ操作に使用できる Excel リボンの PowerPivot タブがあります。
PowerPivot for Excel には、イントラネット上の大規模な企業データベース、パブリック データ フィード、コンピューター上のスプレッドシートやテキスト ファイルなど、広範な各種のソースからデータをインポートするためのウィザードも用意されています。データは PowerPivot for Excel にテーブルとしてインポートされます。 これらのテーブルは、Excel ブックのワークシートと同じように、PowerPivot ウィンドウに個別のシートとして表示されます。 ただし、PowerPivot for Excel に用意されている機能は、Excel ワークシートで使用できる機能とは大きく異なります。 PowerPivot のユーザー インターフェイスの詳細については、「PowerPivot UI の概要」を参照してください。
PowerPivot ウィンドウで使用するデータは Excel ブック内の分析データベースに保存され、強力なローカル エンジンによって、そのデータベース内のデータの読み込み、クエリ、および更新が行われます。 PowerPivot ウィンドウでテーブル間のリレーションシップを作成することによって、PowerPivot データをさらに拡充できます。PowerPivot データは Excel 内にあるため、ピボットテーブルやピボットグラフなど、データを集計し操作するための Excel の機能ですぐに使用できるようになります。 すべてのデータ表現と対話機能は Excel 2010 で提供されており、PowerPivot データと Excel 表示オブジェクトは同じブック ファイル内に格納されます。 PowerPivot は 2 GB までのファイルをサポートしており、メモリ内では 4 GB までのデータを使用できます。
PowerPivot には、データの分析に役立つグラフィカル ツール以外に Data Analysis Expressions (DAX) も用意されています。 DAX は、Excel のデータ操作機能を拡張する新しい数式言語であり、より高度で複雑なグループ化、計算、および分析を可能にします。 DAX の数式の構文は Excel の数式の構文と非常に似ており、関数、演算子、および値の組み合わせが使用されます。 詳細については、「Data Analysis Expressions (DAX) の概要」を参照してください。
Excel ブックと PowerPivot ブックの違い
前述のように、PowerPivot ウィンドウと Excel ウィンドウでは、データの操作方法の点で違いがあります。 また、特に強調しておく必要がある他の重要な違いもあります。
PowerPivot データは、Excel ブック (*.xlsx)、Excel マクロ有効ブック (*.xlsm)、Excel バイナリ ブック (*.xlsb) のそれぞれのファイルの種類のブックに保存できます。 PowerPivot データは、他の形式のブックではサポートされていません。
PowerPivot ウィンドウは、Visual Basic for Applications (VBA) をサポートしていません。 PowerPivot ブックの Excel ウィンドウでは VBA を使用できます。
Excel のピボットテーブルでは、列見出しを右クリックして [グループ化] をクリックすることで、データをグループ化できます。 この機能は、データを日付でグループ化するためにしばしば使用されます。 PowerPivot データに基づくピボットテーブルでは、同様の機能を実現するために、計算列を使用します。 詳細については、「日付のグループ化」を参照してください。
SharePoint へのデータのパブリッシュ
作成した PowerPivot ブックは、ファイルを共有する場合の一般的な方法で、他のユーザーと共有できます。 ただし、SharePoint サーバーまたは PowerPivot for SharePoint と Excel Services がインストールされているファームにファイルをパブリッシュすると、多くの利点があります。 SharePoint サーバーでは、複数のサービスが連携してブックを処理します。つまり、PowerPivot for SharePoint コンポーネントがデータを処理し、Excel Services がこれをブラウザー ウィンドウに表示します。ブラウザー ウィンドウでは、他のユーザーがデータの分析を続行できます。 詳細については、「PowerPivot でのデータの共有」を参照してください。
SharePoint の PowerPivot サービスでは、SharePoint にパブリッシュする PowerPivot ブックのコラボレーションおよびドキュメント管理サポートが追加されます。 PowerPivot for SharePoint には新しい種類のドキュメント ライブラリが用意されています。このドキュメント ライブラリにより、PowerPivot ブックにおけるレポートの豊富なプレビュー機能、パブリッシュ済みの PowerPivot ブックのデータから Reporting Services レポートを作成する機能、および外部データ ソースからの PowerPivot データの自動更新をスケジュールする機能が使用できるようになります。SharePoint との統合の詳細については、SQL Server オンライン ブックの「PowerPivot for SharePoint」を参照してください。
関連項目
タスク
PowerPivot for Excel チュートリアルの概要