メジャーと KPI の作成 (チュートリアル)

このレッスンでは、PowerPivot を使用してメジャーと主要業績評価指標を作成および管理します。 メジャーとは、PowerPivot データを使用するピボットテーブル (またはピボットグラフ) 専用に作成される数式のことです。 COUNT や SUM などの標準の集計関数に基づいてメジャーを作成することも、DAX を使用して独自の数式を定義することもできます。 メジャーの詳細については、「PowerPivot で使用するメジャー」を参照してください。

主要業績評価指標 (KPI) は、特定のメジャーに基づき、メトリックの現在値、状態、および傾向の評価を支援するように設計されています。 KPI は、対象の値に対するベース メジャーによって定義される値のパフォーマンスを測定します。 KPI の詳細については、「PowerPivot の主要業績評価指標 (KPI)」を参照してください。

必要条件

このトピックは PowerPivot for Excel チュートリアルの一部であり、チュートリアルでの順番に従って実行する必要があります。 前提条件およびチュートリアルでの最初の手順については、「PowerPivot for Excel チュートリアルの概要」を参照してください。

メジャー

このチュートリアルでは、店舗売上高を計算するメジャー、前年の店舗売上高を計算する 2 番目のメジャー、およびこれら両方のメジャーを使用して前年比成長を計算する 3 番目のメジャーを作成します。 3 番目のメジャーは、年間成長が目標を上回っているか、同じであるか、下回っているかを示す KPI の基盤として使用します。 KPI を作成するには、メジャーを作成することが必須です。

注意

このレッスンで使用するメジャーは、『PowerPivot DAX サバイバル ガイド』の「前年比成長」シナリオから借用したものです。 詳細については、『PowerPivot DAX サバイバル ガイド』を参照してください。

店舗売上高を計算するメジャーを作成するには

  1. PowerPivot ウィンドウのデータ ビューで、ウィンドウの下部にある FactSales テーブル タブをクリックします。 実際には、任意のテーブルにメジャーを配置できますが、作業を簡単にするために、ここでは FactSales テーブルを、作成するすべての集計の論理的なホームとして使用します。

  2. 計算領域を表示します。 計算領域は、各テーブルの下部にあるグリッドです。 表示領域には、作成する暗黙的なメジャーと明示的なメジャーがすべて含まれます。 計算領域を表示するには、[ホーム] タブで [計算領域] をクリックします。

  3. [計算領域] の最初のセルをクリックします。 このセルは、[SalesKey] 列の下にあります。 作成するメジャーは、テーブル内のどの列にも依存しません。 ここでは、グリッドをスクロールしなくてもメジャーを簡単に表示できるように、グリッドの最初の列を選択します。

  4. 数式バーで、StoreSales という名前を入力します。

  5. 次にコロンを入力し、=CALCULATE() 式の入力を開始します。 入力するに従い、関連する式が数式バーの下に表示されます。

  6. [CALCULATE] 式をダブルクリックします。 数式バーに =CALCULATE という式が設定されます。 CALCULATE(Expression, [Filter1], [Filter2], …) が数式バーの下に表示されます。

  7. SUM の入力を開始します。 オートコンプリートによって SUM が表示されたら、それをダブルクリックします。

  8. 「FactSales[SalesAmount]), DimChannel[ChannelName]="Store")」と入力して式を完成させます。

  9. 作成した式を次の式と比較します。 構文エラーを防ぐために、かっこと角かっこの位置に特に注意してください。

    StoreSales:=CALCULATE(SUM(FactSales[SalesAmount]), DimChannel[ChannelName]="Store")
    
  10. Enter キーを押して数式を確定します。

前年の売上高を計算するメジャーを作成するには

  1. 計算領域の [SalesKey] 列の下で、上から 2 番目のセル (StoreSales の下) をクリックし、数式バーに次の数式を貼り付けます。

    StoreSalesPrevYr:=CALCULATE([StoreSales], DATEADD(DimDate[Datekey], -1, YEAR))
    
  2. Enter キーを押して数式を確定します。

前年比成長を計算するメジャーを作成するには

  1. 計算領域の [SalesKey] 列の下で、上から 3 番目のセル (StoreSalesPrevYr の下) をクリックし、数式バーに次の数式を貼り付けます。

    YOYGrowth:=([StoreSales] - [StoreSalesPrevYr]) / [StoreSalesPrevYr]
    
  2. Enter キーを押して数式を確定します。

    これで KPI の基盤として使用する 3 つのメジャーが揃いました。 次の手順では、値がブックで読みやすくなるように各メジャーを書式設定します。

各メジャーを書式設定するには

  1. 計算領域の [SalesKey] 列の下で、[StoreSales] を右クリックし、[書式] をクリックします。

  2. [書式設定] ダイアログ ボックスで、[通貨] を選択し、[OK] をクリックします。

  3. [StoreSalesPrevYr] を右クリックして [書式] をクリックし、[通貨] を選択して [OK] をクリックします。

  4. [YOYGrowth] を右クリックして [書式] をクリックし、[数値] を選択して [パーセント] を選択します。 [OK] をクリックします。

KPI

主要業績評価指標 (KPI) を作成するための要件の 1 つは、値を評価するベース メジャーを最初に作成することです。 次に、ベース メジャーを KPI に拡張します。 このチュートリアルでは、最後に作成したメジャー YOYGrowth に基づいて KPI を作成します。 このメジャーを使用して、前年と比較した店舗業績が目標を上回っているか、下回っているか、同じであるかを示すしきい値を追加します。

KPI を作成するには

  1. FactSales テーブルのデータ ビューが表示されていることを確認します。 計算領域が表示されていない場合は、[ホーム] タブで [計算領域] をクリックします。

  2. 計算領域の [SalesKey] 列で、ベース メジャー (値) となる YOYGrowth メジャーを右クリックします。 このメジャーはパーセントなので、絶対値を使用してパーセントが目標よりも上であるか下であるかを示します。

  3. メジャーのショートカット メニューの [KPI の作成] をクリックします (または、[ホーム] タブの [メジャー] 領域で [KPI の作成] をクリックすることもできます)。 [主要業績評価指標] (KPI) ダイアログ ボックスが表示されます。

    注意

    [KPI の作成] は、前に説明している方法でユーザーが自分で作成したメジャーのみで利用できます。 Excel で PowerPivot フィールドの一覧のテーブルから [値] 領域にフィールドをドラッグしてメジャーを作成した場合、そのメジャーは暗黙的なメジャーであり、KPI のベースには使用できません。 詳細については、「PowerPivot で使用するメジャー」を参照してください。

  4. [対象の値の定義][絶対値] をクリックし、「0」と入力します。

  5. [状態のしきい値の定義] で、低いしきい値を -0.05、高いしきい値を 0.05 にクリックしてスライドします。

    状態のしきい値は、5% の負の成長が低い範囲を表し、5% の正の成長が高い範囲の始まりを表すことを示します。

  6. [アイコンのスタイルの選択] で、信号機のアイコンのスタイルをクリックします。

  7. [アイコンのスタイルの選択] の下で [説明] をクリックし、[KPI の説明] ボックスに「Tutorial example」と入力します。

  8. [OK] をクリックすると、KPI が作成されます。 計算領域内の YOYGrowth セルの右側に KPI アイコンが表示されます。

次の手順

次のレッスン「パースペクティブの作成 (チュートリアル)」では、ここで作成したメジャーと KPI をパースペクティブに基づくピボットテーブルで使用します。 パースペクティブは、テーブルと列のサブセットです。 後で確認するように、パースペクティブを使用すると、分析に不要な項目を削除することにより、レポートの作成が簡素化されます。

関連項目

タスク

PowerPivot for Excel チュートリアルの概要

概念

PowerPivot の主要業績評価指標 (KPI)

PowerPivot で使用するメジャー

ピボットテーブルまたはピボットグラフのメジャーの作成

ピボットテーブルまたはピボットグラフのメジャーの編集または名前変更

ピボットテーブルまたはピボットグラフのメジャーの削除

PowerPivot の新機能