Integration Services のインストール

SQL Server では、Integration Services を含む任意またはすべてのコンポーネントを 1 つのセットアップ プログラムでインストールできます。 セットアップによって、他の SQL Server コンポーネントと共にまたは単独で、Integration Services を 1 台のコンピューターにインストールできます。

このトピックでは、Integration Services をインストールする前に知っておく必要がある重要な注意点について説明します。 このトピックの情報を参考にして各インストール オプションを評価することにより、インストール時に適切な選択を行うことができます。

セットアップの開始、セットアップ ウィザードの使用、またはコマンド ラインからのセットアップの実行の手順については、ここでは扱いません。 セットアップを開始し、インストールするコンポーネントを選択する手順については、「SQL Server 2012 のクイック スタート インストール」を参照してください。 Integration Services をインストールするためのコマンド ライン オプションについては、「コマンド プロンプトからの SQL Server 2012 のインストール」を参照してください。

Integration Services をインストールする準備

Microsoft SQL Server Integration Services をインストールする前に、次の要件を確認してください。

Integration Services の構成の選択

次の構成で SQL Server Integration Services をインストールできます。

  • SQL Server の以前のインスタンスが存在しないコンピューターに SQL Server Integration Services をインストールできます。

  • SQL Server 2012 Integration Services (SSIS) は、SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) または SQL Server 2008 Integration Services (SSIS) の既存のインスタンスとサイド バイ サイドでインストールできます。

    Integration Services の以前のバージョンのいずれかが既にインストールされているコンピューターで SQL Server 2012 Integration Services (SSIS) にアップグレードすると、SQL Server 2012 Integration Services (SSIS) は以前のバージョンに対してサイド バイ サイドでインストールされます。

    Integration Services のアップグレードの詳細についてには、「Integration Services のアップグレード」を参照してください。 Integration Services の旧バージョンとの互換性については、「Integration Services の旧バージョンとの互換性」を参照してください。

Integration Services のインストール

SQL Server のインストール要件を検討し、コンピューターがそれらの要件を満たしていることを確認したら、Integration Services のインストールの準備は完了です。

注意

以前のバージョンの SQL Server では、SQL Server をインストールすると、既定で Users グループの全ユーザーが Integration Services サービスにアクセスできました。 SQL Server 2012 をインストールした場合、ユーザーは Integration Services サービスにアクセスできません。 このサービスは既定で保護されます。 特定のユーザーに対して SQL Server Integration Services 11.0 へのアクセスを許可するには、SQL Server 管理者が SQL Server をインストールした後で DCOM 構成ツール (Dcomcnfg.exe) を実行する必要があります。

アクセス許可を付与する方法については、「Integration Services サービスへの権限を付与する」を参照してください。

セットアップ ウィザードを使用して Integration Services をインストールする場合は、一連のページを使用してコンポーネントとオプションを指定します。 セットアップ ウィザードのページのうち、選択するオプションによって Integration Services のインストールに影響するページのみを次の表に示します。

ページ

推奨事項

[機能の選択]

Integration Services サービスをインストールしてデザイン環境外部でパッケージを実行するには、[Integration Services] を選択します。

重要な注意事項重要

dtexec コマンド プロンプト ユーティリティを実行するには、Integration Services サービスをインストールする必要があります。

Integration Services の完全インストール (パッケージの開発と管理に必要なツールやドキュメントを含んだインストール) を実行するには、[Integration Services] と次の [共有機能] の両方を選択します。

  • [SQL Server Data Tools] : パッケージをデザインするためのツールをインストールします。

  • [管理ツール - 完全] : パッケージを管理するための SQL Server Management Studio をインストールします。

  • [クライアント ツール SDK] : Integration Services プログラミング用にマネージ アセンブリをインストールします。

多くのデータ ウェアハウジング ソリューションでは、SQL Server データベース エンジン、SQL Server Analysis Services、SQL Server Reporting Services など、その他の SQL Server コンポーネントもインストールする必要があります。

注意

セットアップ ウィザードの [機能の選択] ページでインストールの選択をした SQL Server コンポーネントによっては、Integration Services コンポーネントのサブセットの一部がインストールされます。 これらのコンポーネントを使用して一部のタスクを実行することは可能ですが、Integration Services のすべての機能は使用できません。 たとえば、[データベース エンジン サービス] オプションを選択すると、SQL Server インポートおよびエクスポート ウィザードに必要な Integration Services コンポーネントがインストールされます。 [SQL Server Data Tools] オプションを選択すると、パッケージのデザインに必要な Integration Services コンポーネントはインストールされますが、Integration Services サービスはインストールされないので、SQL Server Data Tools 外でパッケージを実行することはできません。 Integration Services を完全にインストールするには、[機能の選択] ページで [Integration Services] を選択する必要があります。

64 ビット コンピューターでのインストール   64 ビット コンピューターでは、[Integration Services] を選択すると、64 ビットのランタイムとツールのみがインストールされます。 パッケージを 32 ビット モードで実行する必要がある場合は、追加のオプションを選択して 32 ビットのランタイムとツールもインストールする必要があります。

  • 64 ビット コンピューターで x86 オペレーティング システムを実行している場合は、[SQL Server Data Tools] または [管理ツール - 完全] を選択します。

  • 64 ビット コンピューターで Itanium オペレーティング システムを実行している場合は、[管理ツール - 完全] を選択します。

ETL 専用のサーバーでのインストール   ETL (抽出、変換、読み込み) プロセス専用のサーバーを使用するには、Integration Services のインストール時に SQL Server データベース エンジン のローカル インスタンスをインストールすることをお勧めします。 Integration Services は、通常、パッケージをデータベース エンジンのインスタンスに格納し、このパッケージのスケジュールを SQL Server エージェントに依存して設定します。 ETL サーバーにデータベース エンジンのインスタンスが存在しない場合は、データベース エンジンのインスタンスが存在するサーバーからパッケージのスケジュール設定や実行を行う必要があります。 つまり、パッケージは、ETL サーバーではなく、パッケージが開始されたサーバーで実行されます。その結果、専用の ETL サーバーのリソースは意図したとおりに使用されません。 さらに、他のサーバーのリソースが実行中の ETL プロセスによって使用される場合もあります。

[インスタンスの構成]

[インスタンスの構成] ページで行う選択は、Integration Services または Integration Services サービスに影響しません。

Integration Services サービスのインスタンスは 1 台のコンピューターに 1 つだけインストールできます。 サービスに接続するには、コンピューター名を使用します。

既定では、Integration Services サービスは、Integration Services と同時にインストールされるデータベース エンジンのインスタンスの msdb データベースに格納されているパッケージを管理するように構成されます。 データベース エンジンのインスタンスが Integration Services と同時にインストールされない場合、Integration Services サービスは、データベース エンジンの既定のローカル インスタンスの msdb データベースに格納されているパッケージを管理するように構成されます。 データベース エンジンの名前付きインスタンスまたはリモート インスタンス、あるいはデータベース エンジンの複数のインスタンスに格納されているパッケージを管理するには、構成ファイルを変更する必要があります。この構成ファイルの変更方法の詳細については、「Integration Services サービスの構成 (SSIS サービス)」を参照してください。

[サーバーの構成]

[サーバーの構成] ページの [サービス アカウント] タブで、Integration Services サービスの設定を確認します。

Windows 7 または Windows Server 2008 R2 がインストールされている場合、Integration Services サービスは、NT Services\MsDtsServer110 にある仮想アカウントを使用して実行するように登録されており、[スタートアップの種類][自動] になっています。 仮想アカウントのパスワードを入力する必要はありません。 Microsoft Vista または Windows Server 2008 がインストールされている場合、Integration Services サービスは、ネットワーク サービス ビルトイン アカウントを使用して実行するように登録されており、[スタートアップの種類][自動] になっています。 ネットワーク サービス ビルトイン アカウントのパスワードを入力する必要はありません。

既定では、新規インストールで、Integration Services はパッケージの実行に関連するイベントをアプリケーション イベント ログに記録しないように構成されます。 SQL Server 2012 のデータ コレクター機能を使用すると、この設定により、大量のイベント ログ エントリは生成されません。 ログに記録されないイベントは、EventID 12288 の "パッケージが起動されました。" や EventID 12289 の "パッケージが正常に完了しました。" です。これらのイベントをアプリケーション イベント ログに記録するには、レジストリを編集用に開きます。 次に、レジストリ内で HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft SQL Server\110\SSIS ノードを見つけ、LogPackageExecutionToEventLog 設定の DWORD 値を 0 から 1 に変更します。

Integration Services サービスについて

Integration Services によって Integration Services サービスがインストールされます。

[機能の選択] ページで [Integration Services] オプションを選択すると、Integration Services サービスがインストールされます。 [サーバーの構成] ページで既定の設定をそのまま使用すると、Integration Services サービスが有効になり、その [スタートアップの種類][自動] になります。

Integration Services サービスのインスタンスは 1 台のコンピューターに 1 つだけインストールできます。 このサービスは、データベース エンジンの特定のインスタンスに固有ではありません。 サービスに接続するには、サービスが実行されているコンピューターの名前を使用します。

64 ビット コンピューターへの Integration Services のインストール

64 ビット コンピューターにインストールされる Integration Services 機能

セットアップにより、選択したセットアップ オプションに基づいてさまざまな Integration Services 機能がインストールされます。

  • SQL Server をインストールし、Integration Services をインストールするように選択した場合、使用可能な 64 ビットの Integration Services 機能とツールがすべてインストールされます。

  • Integration Services のデザイン時機能が必要な場合は、SQL Server データ ツール (SSDT) もインストールする必要があります。

  • 特定のパッケージを 32 ビット モードで実行するために 32 ビット版の Integration Services ランタイムおよびツールが必要な場合は、SQL Server データ ツール (SSDT) もインストールする必要があります。

64 ビット バージョンの機能は、Program Files ディレクトリに格納されます。32 ビット バージョンの機能は、Program Files (x86) ディレクトリに別個にインストールされます。 この動作は Integration Services または SQL Server に固有の動作ではありません。

重要な注意事項重要

Integration Services パッケージの 32 ビット開発環境である SQL Server データ ツール (SSDT) は、Itanium 64 ビット オペレーティング システムではサポートされていないので、Itanium サーバーにはインストールされません。